<ネタバレ> シリアスで緊迫した雰囲気と、コメディタッチのやわらかいテイ .. >(続きを読む)
<ネタバレ> シリアスで緊迫した雰囲気と、コメディタッチのやわらかいテイストの演出が、絶妙な匙加減で上手にバランスをとっている良作。とは言え、後半、アル中親父に追いかけられたときはそれまでの作風とのギャップにいささか戸惑ってしまいましたが。
今作は、どう頑張っても母親とエイミーが、父親にはもう会えないという辛い背景をしょっています。ですが、『歌でしかコミュニケーションをとれない』という設定が、この映画に爽やかで楽しくて幸せな雰囲気を作り出しています。これはもう脚本勝ちと言っても過言では無いかもしれません。融通の利かない受付が、トイレの案内を歌で返すシーンや、捜索隊が歌いながらエイミーを探すシーンは、人の心の温かさをダイレクトに感じることができる名シーンだと思います。
本筋は完璧に近いシナリオながら、ディテールには粗さが目立つ部分があります。
二人組みは何故エイミーを連れ去ったのか。
水をまくおばあさん、あれだけエイミー親子をわずらわしく思っていたのに、何故エイミー探しには突然協力的になったのか。
さらっと流してしまうには不自然すぎました。
とまあ残念な部分はありましたが、歌う人々に笑い、エイミーの健気で父親を求める姿に涙する作品であることは間違いありません。ラストのお祭り騒ぎはやりすぎのような気もしましたが、この作品にはぴったりのような気がしますね。
そう思えたのは、この映画を見て少しだけ心が優しくなれたからだ。