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<ネタバレ>やっぱり長いし。バットマンなのに“正義とは”でみんなしかめ面してうっとうしい。なんとG・オールドマンまで大真面目。ヒロインのキャスティングには問題大ありだし。けれど数多の粗がかすむほど、ヒースのジョーカーが凄い。バットマンのジョーカーといえば、J・ニコルソンで完全体だと誰もが思っていたはず。リニューアル版でかの役に挑むなど、この勇気と覚悟に気圧される。コミック色を排したノーラン版に合わせてか、ヒースのジョーカーはリアルな狂気が全身から放電しているかのよう。わざわざ顔に塗ったんだ的なメイクが、口裂けの物語をひとつひとつ創作した感じが、この男のサイコパスぶりを感じさせて総毛立つ。相手の信義を破壊すべく策を弄する、これぞ真の悪党。あっぱれな役者魂。とうとう模倣犯をも現実世界に生み出したヒース渾身の異形キャラに、点数すべてを捧げます。