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<ネタバレ>わたしは冬になると着込んだ子どもを見るのが好きです。三頭身がもこもこしている姿が単純にかわいいということもあるけれど、子どもに寒い思いをさせまいという親御さんの愛が感じられるからです。
だからこの映画はきつかった。ネグレクトという暴力にさらされる4人の子どもたち。下の妹は外出するための靴すらないではないか。
社会に衝撃を与えた事件でしたから、よく覚えています。冒頭で監督が述べているとおり、この作品は実事件をモチーフにしたものですから、報道された内容よりマイルドではあります。
映画はドキュメントではなく出来事の本質を訴える媒体であると考えるに、本作はその役割を果たしていると思えます。陰惨な描写のみに終わってしまえば観る者の心を折ってしまうし、それは監督の狙うところではないでしょう。
子役がお芝居しているように見えないこと、特に柳楽優弥の瞳の饒舌さには心を射抜かれました。柳楽が全身で訴える傷だらけの13歳。明を思うと心の震えが止まりません。
「誰も知らない」のではダメなんだやっぱり。明に手を差し伸べることができるなら、お節介おばさんに積極的になろうと思いました。[良:1票]