ストーリー自体はなんてことないお話。
ところが、生き生きと .. >(続きを読む)
ストーリー自体はなんてことないお話。
ところが、生き生きとしたセリフと構成の巧みさで魅せてくれる。
時系列が前後し、バラバラのエピソードが、次第にリンクして全体像が見えてくる。
それは霧が晴れるような感覚にも似ている。
タランティーノはキャラを立てるのが実にうまく、ちゃんと魂の入ったセリフを吐く。
デビュー作『レザボアドッグス』に見られたカッコよさも健在。
ただ、『レザボアドックス』のように一つのまとまった物語としてのインパクトはない。
エピソードがリンクしているとはいっても、オムニバス的な要素が強い。
もし、時系列を順に並べたとしたら、おそらく凡庸なものになっていただろう。
巧みな構成が余韻を残し、もう一度観直して確認したくなる。
それはもう、タランティーノの術中にはまっている証拠か。