<ネタバレ>チャップリン晩年の代表作だけにハードルが高くなりすぎたのか、 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>チャップリン晩年の代表作だけにハードルが高くなりすぎたのか、少し期待はずれ。
監督として峠を越えたチャップリンと、主人公のカルベロがだぶってみえる。
途中、カバレロのステージパフォーマンスで長くてダレてしまう。
ウケなくなっていた芸が再起の舞台で、シーンとしたアンコールからいきなり大喝采となったことに大きな違和感があった。
テリーの雇ったサクラではなく本物の歓声に変わったという表現だろうけど、それほどのパフォーマンスとは伝わらずちょっと無理があるように思えた。
ラストはもっとハッとするような展開を期待したが、カルベロの死も少し強引な印象もあって感動できない。
音楽は切なく美しいメロディで耳に残る。
かつてはスターコメディアンだったカルベロの凋落ぶりが切ない。
テリーとの純愛、若いネビルへの複雑な思い、舞台人としてのプライドが傷つけられていく様子がリアルで胸に迫る。
年の差を越えて支え合った二人の結ばれなかった悲恋をコメディ要素なしで描いたことが、チャップリンのイメージを覆されて意外だった。
チャップリンの喜劇人としての本音や人生哲学が主人公を通してうかがえ、明らかに自己投影したものであることがわかる。
チャップリンの集大成ともされているが、才気ほとばしる全盛期の勢いを失った悲哀も少し感じてしまう作品。