<ネタバレ>クレしんらしいナンセンスな世界観に「哲学」をぶち込んだ作品。 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>クレしんらしいナンセンスな世界観に「哲学」をぶち込んだ作品。
子供向けの作品で哲学は通じるのか?
いや、本作は「親子」に向けた強烈なメッセージの詰まった映画であろう。
子供でも解る「疑問」を大人にも向けて投げつけた。
懐古主義でも何でもない、「懐かしむ」ことの大切さと「今の時代を否定」することの誤りも思い出させてくれる。
オトナ帝国の人々は、昔には当たり前のように溢れていた「夢と希望」が今の時代には無いと嘆く。
だがそれは彼らの主観でしかない。
現代を生きる「しんのすけ」たちは自分たちなりの「夢と希望」を持って必死に生きている。
世代で違う流行や主義主張の形。
共有できるものと出来ないもの。
それの衝突と対立・理解、そして世代間を超えた親子の絆が本作のテーマだ。
「オトナ帝国」のマインドコントロールで「昔」にとり憑かれる大人たち。
今までの映画シリーズで、頼りになった大人たちが敵となる。
子供たちにとっては恐怖でしかない。
その恐怖に子供たちは立ち向かい、大人たちの心を呼び戻す。
大人たちも、子供だった頃を思い返して、「自分たちの子供も同じように生きた。それを経験した大人がなにやってだ」と家族の大切さを思いしていく。
ノスタルジックな風景。
それは今の世の中には無い「幻想」でもあるし、もう一度作れるかもしれない「夢」に生まれ変わったのかも知れない。