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<ネタバレ>ただの純愛ものかと見始めたけど、死とか人の別れとか…重い映画だった。途中まで見てやっと、なぜ男の子が他人の葬式を覗き見にくるのかとか、日本の特攻隊員の亡霊に憑りつかれているのかなどが分かる。両親が交通事故で即死する。後部座席にいた彼は昏睡状態が続き、両親の葬儀にも出られなかった。そのときできなかった別れをやり直そうとしていたのだ。他方女の子はガンで余命いくばくもない。そんな二人が誰かの葬儀の時に出会う。彼にとっては両親の死の意味、そしてできなかった別れを、今度は彼女との別れで果たさなければならなくなる。
考えてみれば、人が生きるということはこういうことではないか。出会いと別れのその意味を、次々と尋ね、重ねていかなければならないのではないか。分からなかった以前のその意味を、今度は別の相手で考え直さねばならなくなる。加瀬亮扮する特攻隊員が彼にさとしたことは、人生は限られている、いまある命を大切にして愛を告げることしかない、ということだった。