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<ネタバレ>もともと、コメディにリアリティを求めるタイプではない。現実と乖離していても、面白ければいいというスタンスである。しかし、見る者にストーリーを納得させるだけの説得力は必要だと思っている。
そこへ行くと、この映画はやや弱いと感じざるを得ない。平たく言うと「ごまかせねーだろ、これは」である。一人二役に、イルマがわざと騙されたふりをしているのかと思っていたがどうやらそうでもないらしいし、そこで白けてしまうともう映画に入っていけなくなる。名手ワイルダーにしては、話作りが雑かなと思っていしまうのだった。
私は「アパートの鍵貸します」は洋画でトップというくらいに好きなので、それとの比較になると厳しめになってしまう。主演二人共にやや演技過剰か。というかマクレーンに娼婦は合わない(偏見)。
笑えるポイントもあるし、小味なラストも嫌いじゃないし、猥雑な街並みもある意味で美しい。かように見どころも少なくないが、骨格の作りがもう一つという印象。