<ネタバレ>清廉な水の映像から映画は始まる。
クリス・ケルヴィンは .. >(続きを読む)
<ネタバレ>清廉な水の映像から映画は始まる。
クリス・ケルヴィンは妻を自殺で亡くした心理学者。時のソ連は「ソラリス」と呼ばれる星の探査を続けていた。どこまでも続く海と霧(雲)。その探査がどうにも不調であるとのこと。探査チームはクリスを送り込み、ソラリス探査を続けるかどうかを判断する。
無事にソラリスのステーションにたどり着くと、荒れたステーションと感情の海が彼を待っていた…。
SF史上類を見ないくらいに叙情的な一作。
クリスとクリスの妻のコピー(美しい!)と海と。本当に細やかな人間や男女の心情の変化をつぶさに描きとらえたタルコフスキー監督に感動。そして本作は間違いなくラブロマンスではない。SF超密室サスペンスだと強く思う。わざと冗長に、映像・間・完璧な音楽・思わせぶりな博士たちの発言。どれもがラブロマンスであることを否定している。
何といっても海の描写。怖いくらい。「溜まる海」「留まる海」がカメラの中に。
驚愕のラスト!
謎だらけで謎のまま終わるのに、テクストとして完全に成り立つSF界の異色の大傑作!