<ネタバレ>この家族を見ていると、
実の家族を失った者たちがバラックの .. >(続きを読む)
<ネタバレ>この家族を見ていると、
実の家族を失った者たちがバラックの家に寄り集まって暮らし
盗みや違法行為で命を繋いでいた時代・・
昭和20年代、終戦後の貧困状況下の日本を連想してしまう。
(自分が体験した訳でも、日本人全員がそうだった訳でもないが
記録映像などで私たちはそれを知っている。)
この映画の家族にリアリティとノスタルジーを感じるのは
“あの頃の日本人”の姿がそこにあるからかも知れない。
さらに言えば、この映画が世界中で共感された理由・・
国が経済的に発展するという《光》と、それが生んだ《陰》
その陰に(自ら望んだ訳ではないのに)陥ってしまった “普通の人々”
その姿を描いているからに違いない。
そして、普通=光であり《善》であるはずの官職たちの言葉が
《偽善=闇》に反転して見えるラスト。
そこには「豊かさを得るために人が失いつつある何か」がある。
私がこの物語に、悲しさと同時に “恐ろしさ” を感じる理由だ。