<ネタバレ>策士策に溺れる。ハンス・ランダ大佐はわざと泳がせておいて大量 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>策士策に溺れる。ハンス・ランダ大佐はわざと泳がせておいて大量の利益を得ようと自滅したように、タランティーノも似たような気がする。バスターズのパートとショシャンナのパートを交互で映し出す構成だが、あえて共闘することはせず、主役のアルド中尉とランダ大佐の対峙も蚊帳の外に放り出されるという、意外性を選んだ。その結果、ヒトラー暗殺成功という歴史を塗り替えてしまう展開ですら、偶然によって引き起こされた産物にすぎず、あまりカタルシスの感じられないものに。第3章までは良かっただけに、第4章以降の失速ぶりが痛い。初めての正攻法に加えて、会話劇に鋭さを感じられず、ウトウトしてしまった。ただ、クリストフ・ヴァルツを見つけ出したタランティーノの貢献度は大きい。凄い巧い。優雅で知的でユーモラスで世渡りが上手くて最悪の人格がマッチしている。逆にブラット・ピットは起用した理由が分からないくらい影が薄かったなぁ。