<ネタバレ>無実の罪をかけられた者を救うために奔走する。
しかし、本当 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>無実の罪をかけられた者を救うために奔走する。
しかし、本当は罪を犯していた。
──という設定は、サスペンスものでよく見かける"驚愕の結末"。
本作も例外ではないが、父親を弁護する娘が主役である。
真実を知った娘にはあまりにも受け入れ難い、心身を引き裂かれてしまうほどであった。
良き父親だった男が粗暴な面を見せ始め、裁判で次第に綻び、
真相を突き付けられてもなお己の罪を否定し続ける。
こういう時代だったから、生き残るためには仕方なかったのだ、と正当化する。
それは戦争とは無関係な現代でも同じだ。
脛に傷を持たない人間などいない。
一見、正義に邁進する人ですら傲慢で言えない秘密を持っているものなのだ。
右翼も左翼も己の正義のためなら邪魔者を排除する点で同じ穴の狢、目を背けているだけ。
ただ、ミュージックボックスというパンドラの箱を開け、
過去を直視した彼女の取った決断は本当の正義だった。