<ネタバレ>主観で答えありきの『ボウリング・フォー・コロンバイン』とは違 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>主観で答えありきの『ボウリング・フォー・コロンバイン』とは違い、
こちらは客観的に高校生のあやふやな精神状態を切り取る。
盲人が象の一部分を蛇や木の幹と表現するように、
答えは人それぞれである意味で答えはない。
時系列を交錯させながら同じシーンが別の視点で映し出され、
平凡なはずの日常に潜むノイズが積み重なる。
だからこそ、移ろいゆく秋の風景が、流れるようなカメラワークが繊細な美しさと儚さを一層醸し出す。
誰もが悩んでいるのに周りを汲み取れない、高校が世界の全てといった視野の狭さが、
惨劇も日常として描かれる不条理を許しているようだ。