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<ネタバレ>~The Apartment~そのまんま『アパート』。貸室という表現もあるようだ。
バクスターが部屋を貸すのは出世のためだから、金銭は求めない。だから部屋を貸すのは上司だけだし、むしろアルコールやクラッカーを用意するなど抜け目ない。出世するにはこういうゴマの擦り方もあるのか。
バクスターの部屋を4人も利用しているのが驚きだが、この映画の保険会社の名のある登場人物はみんな浮気してる。まったく、どいつもこいつも…会社のクリスマスパーティが描かれるが、あっちこっちでチュッチュチュッチュと…なんて会社だ。
シェルドレイク部長が家を追い出されたように、この当時でもやはり浮気の代償は大きい。それでも、してしまうんだな人間だから。
みんなが一目置く高嶺の花のキューベリック。笑顔も素敵だが、あのエレベーターのボタンの押し方がまた可愛い。そんな彼女も見た目とは裏腹に、結構ドロドロした人生を送っている。彼女には、自分の足を撃ち抜いた話を笑い話に出来るバクスターがどう映っただろうか。
睡眠薬を飲んだフランを助けるドレイファス先生。一番まともで一番真面目な人。こんな人がなぜ、若手社員のバクスターと同じアパートに住んでいるのか?最後バクスターから治療費を受け取らないし、お金目的じゃない本当に良いお医者さんなんだろう。
一方で手近な女性と社内不倫を繰り返し、決まったレストランの決まった席で密会するシェルドレイク。クリスマスに睡眠薬事件があったにも関わらず、大晦日にはまた部屋を貸してくれと頼む。せめて別の機会にするべきだし、少なくともほかのホテルかモーテルとかにするべきじゃないか?
バクスターが重役トイレの鍵を渡すシーン。良い人バクスターが初めて見せる静かな怒り。そしてフランとの乾杯とトランプ。
テンポの良さと時代が変わっても不変のテーマ。クリスマスシーズンに見たくなる映画だ。