1. デビルマン
「不完全であるがゆえに、完全を越えた作品」であると思います。初めはアニメを見ていたので、原作の凄まじさが衝撃的すぎました。とても直視出来ず、途中で読むのを断念;大人になってから改めて読破。やっぱり傑作。自分の手に余るものを描こうとしている作者の熱意がすごい。結構、無茶なところもありますが、圧倒的なパワーに押される。今の漫画の多くはこれが欠けている。作者が自分の手中に納まる範囲でしか描かなくなっているのです。狂気を描いていても、作者自身が狂っている訳じゃないから、結局は「外から見た狂気」しか描けない。読んでる方も知らないから納得してしまう。しかし、自分を超えるのものを描いてないから、伝わってくる温度が適温範囲なのです;自分の器からはみだしてでも描いていると、途中で破綻したり、迷走したりしてしまう時もある。それでも描かずにいられない。「デビルマン」はそのパワーが全5巻に高濃度で圧縮されています。理屈を当てはめるのは、この作品の本質からはずれるような気がします。考えるより、感じる作品と言えますでしょうか(傑作の条件かも) 9点(2010-06-07 15:07:54) |
2. ベルサイユのばら
《ネタバレ》 アニメから入りました。オープニングでオスカルの身体に、薔薇の蔦が巻き付いているのを見て「トゲ痛いじゃん!誰か抜いてあげて!」と思った幼き日々が懐かしい。子供すぎて理解出来ず、全部は観賞しませんでした。が、数年後の思春期に原作を読破。初めて「性」を含めて読んだ恋愛漫画でした。そういうのを理解し始めた頃だったので、かなりエロティックに感じてドキドキしました。直接的なエロじゃなくて「(性愛も含めた)愛ゆえの苦しみ」というか。「身を引く愛」「相手の事を想って激情を押さえ込む」など、衝撃的でした。「恋愛って楽しいだけじゃなくて苦しい」というのを初めて知った作品です。胸キュン(死語?;)感動を味わわせてくれました。 9点(2010-06-07 15:02:55) |
3. エリア88
《ネタバレ》 初めは「戦争を知らないウブな日本人青年を通して、戦争の悲惨さを訴えかける」というテーマを持っていたように思う。しかし、その後スケールが別の方向にでかくなってゴルゴ13ぽくなってしまう。人気のあるキャラは死なない、とか「戦争に参加することがかっこ良い」なんて解釈まで出来るような危うい色も出始め、当初とはテーマがずれていく。作者自身もそれに気づいたのか、ラスト近くになって「戦争の悲惨さ」をテーマに復活させた。が慌てた展開なので、無理矢理っぽさがどうしても滲みでていた。敵役である●崎君の変貌ぶりは、作者の迷走の現れか?描くのが嫌になったのかな~とかんぐってしまうぐらい最後は放り出し状態に;魅力的なキャラやメッセージ性のあるテーマを扱っていたのに、作者が扱いきれずに終わった作品のような気がする。非常に残念。ジブリの宮崎氏は「作品を終わらせる為には、かなり前から準備しておかないといけない」と言っていたが、新田氏は明らかに準備不足だったと思われる。ご利用は計画的に…; 6点(2010-08-03 17:03:24) |
4. 生徒諸君!
申し訳ありません;この作品はいろんなところで「名作」の呼び声高く、連載当時、リアルタイムで周りが盛り上がってました。が、私はまったく共感出来ず;しかし、周りが名作扱いなので、無理矢理本を貸され、感想を聞かれました。でも、本音をなかなか言えず;言っても白い目で見られました;ここで本音を語らせて下さい。私は主人公のナッキーが嫌いだ~!; 3点(2010-06-07 15:25:24) |