みんなの連続ドラマレビュー Menu
ブラッドライン のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ブラッドライン
製作国
ジャンルドラマ,サスペンス,犯罪もの
レビュー情報
Netflixにて鑑賞。
家業であるホテルの式典にあたり、トラブルメーカーらしい長男が久しぶりに実家に戻ってきた。この長男がせっかくの式典をぶち壊しにするのではないかという緊張感と、「こういう困った身内いるよなぁ」と多くの人が実感できる絶妙なレベルに調整された不快感、そして、その後の家族の破滅を匂わせる不気味なフラッシュフォワードと、大したことが起こるわけでもないのに、第一話はかなり引きの強いエピソードとなっています。このプロローグで、私は完全に心を掴まれました。
車寅次郎とゲイリー・オールドマンを合わせたような長男ダニーを演じるのは、『アニマル・キングダム』で見た目は普通だが性根が完全に腐りきったキ〇ガイを演じて全世界を震え上がらせたベン・メンデルソーン。メンデルソーンは本作でも怪物ぶりを披露しているのですが、同時に、ある不幸な事件によって人間性を歪められた被害者であるということや、家族との関係修復に彼なりに努力しているものの、当の家族にその思いを受け取ってもらえず挫折しているという多面性も見事に表現しており、その演技の幅の広さには驚かされます。名優揃いの本作においてメンデルソーンの知名度は劣っているものの、ドラマ内における存在感は出演者中でも突出しており、全13話を通じてほぼ彼の独壇場となっています。本作のファンだというスピルバーグは新作” Ready Player One”の主演にメンデルソーンを抜擢しましたが、その抜擢も当然と言えるほど、本作でのメンデルソーンの演技には鬼気迫るものがあります。
本編は、緩やかに崩壊へと向かうある家族の現在の物語を通して、彼らの現在を作り上げている過去の事件が薄皮を剥がすように明かされていきます。どれだけ憎み合っても離れることのできない家族という因縁が、真綿で首を絞めるように全員を不幸にしていくという何とも暗いドラマであり、刺激的な事件や意外性ある展開とは無縁の内容であるため通常の海外ドラマと比較するとテンポが遅いものの、脚本・演出・演技のすべてのレベルが高いため退屈はさせられません。
ザ・チャンバラさん [テレビ(吹替)] 7点(2016-06-28 17:33:02)
その他情報
作品のレビュー数 1件
作品の平均点 7.00点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
600.00%
71100.00%
800.00%
900.00%
1000.00%
作品の標準偏差 0.00
ブラッドラインのレビュー一覧を見る




Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS