みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
13.《ネタバレ》 ラストまであっという間に感じるほど次から次で、いろんな人の記憶をたどりながらいろんな時間がつながって行く感じは流行の手法と思います。他と違っているのはそのシュールさが、通常ふさわしく無い場面でも多用されている所にまず目が行きます。それはこの物語の暗い・きつい部分をオブラートに包む役目やコメディーとしての役目も果たしてはいますが、自分はこれはタイトルにもあるように”人生なんてこんなもの”として見せる宗教の教えのように感じます。宗教ミュージカル?走馬灯ミュージカル?人の記憶をたどる形式なので松子自身の感想は無く、瑛太演じる甥の空想の中の劇中劇のようで徐々に開かされる見知らぬ叔母の一生を通して、要は人生にとって大事な事はという宗教っぽい教えが根底に流れているのを感じます。教えが物語りに転じてゆくと変なところのリアリティーが排除されてゆくのに似ていると思いました。例えば本来最初の殺人の段階では違う描き方ならもっともっと葛藤なり動機なりが強く表現されないといとも簡単に人殺しをしたと思われてしまうのですが、そこが簡単に表現されてても置いておけるのは、やはり教訓的な宗教漫画っぽい要素を早い段階で感じるからだと思いました。愚かな松子が1つ1つ失敗を重ねながらも気持ちは至ってシンプルになってゆき、観客はその心情を理解もしくは共感してゆく。松子自身も自分以外の人との関わりや気持ちを理解して行ったところでラストのあの不条理な場面へと。でも、過去の自分を見るとその不条理も因果と感じさせる。しかし、嫌われ松子ってタイトルだけどあれだけいろんな人から良く思われているなら客観は嫌われじゃあないでしょうね。主観が人の気持ちを理解しない・できない人間だったので嫌われていると思っていたという事じゃあないですかね。良く出来た映画だと思った。でも決して気持良い映画じゃないのでこの点です。 【森のpoohさん】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-12-05 01:07:24) 12.《ネタバレ》 物語としては物凄く暗いですが、演出が物凄く明るい、このギャップが素晴らしいと思いました。最後、松子が死んでしまうところなんか余りにも救いがたいのに演出のおかげで落ち込まなくて済んだ。このような手法って、ちょっとT.バートンに似てるかな?と思いました。 それにしても中谷美紀が素晴らしいですね、今まで少し影の薄い女優さんだな~とおもっていましたが、この作品の彼女は凄く躍動感があって活き活きしてる感じをうけました。 【みんてん】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-11-21 10:37:18) 11.《ネタバレ》 深みに欠ける印象を受けた。それはポップな映像のせいだと思ってた。 あれだけ明るくて現実離れした映像ばかりだと、 人がどれだけ悲しいとかわかりにくくなるから。 でもそれは違うことにさっき気づいた。内容を薄っぺらい印象にしてるのは、 松子の甥らの過剰説明。 「松子が最後に住み家に選んだ場所の近くにある川は、松子の実家の近くにある川と似てるんだよ」とか、「誰にももう想い出に触れて欲しくなくて、人と距離をおける場所を住み家としたんだよ」等々。 特に、柴咲コウの「人間の価値って人に何をしてもらったのかじゃなくて、何をしてあげたかなんだよね?」っていう台詞は要らないんじゃ。 そういうことって説明しないほうが、観客自身が色々考えて、逆に観客の心に刻まれるものがあると思うんだけどなぁ。 ここまで書いておきながらなんですが、結局は楽しめました。制作陣の皆さん、本当にありがとうございました。 【SOS】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-07-27 05:09:46) 10.「オブラートに包む」事の効用には限界があるんだな、と。 「古き良き時代のハリウッドミュージカル」的な味付けをされていても、連綿と見せつけられる松子の悲惨さは、いささかも色褪せない、というか見る側にとって軽減されない。 正直、見ていて吐き気がしたぐらい松子は悲惨だった。その悲惨の責任が、ほとんど全て彼女に帰しているという点でも。 それだけに大きなカタストロフが求められる終盤、正直、落とし所を間違っている気がしてならない。小綺麗に終わらせたくなかったのかも知れないが、観客が最もカタストロフを感じるであろうシーンの後に、さらに10数分も悲惨な話を続け、しかも視覚に訴えた虚構の解放を演出して強引に終わらせる、というのは、かなり違和感があった。 「良い所は?」と聞かれれば「中谷美紀」と「色彩の鮮やかさ」ぐらいしか思い浮かばないが、悪い所ならいくらでも挙げられる。 しかし、不思議と悪い評価をする気にはならない。というか、自分の中で「駄作だ!」という自分と「名作だ!」という自分がせめぎ合っている。これは、このままにしておこう。人生経験とともにこの映画に対する評価も定まるだろう。オススメはするけど、保証はしません。そんな感じ。 【C-14219】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-07-05 04:30:22) 9.平成のおとぎ話。しかし、パワフルですな。 【amura】さん [映画館(邦画)] 8点(2006-06-26 23:50:43) 8.《ネタバレ》 ここまで演じられる中谷美紀さんって凄い! 作品の色調の濃さにクラクラ。 ファンキーさを楽しみ、そして哀れも感じられました。 ラストはあそこまで暗くしなくとも・・ 残念な終わり方だと感じました。 【たんぽぽ】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-06-25 20:28:41) 7.おもしろかった!しかし前半は笑えましたが物語が進んでいくにつれ松子に感情移入していき松子がどんどん不幸になっていく姿が不憫で可哀想で心が痛みました。見終わったあと気分がどん底に落ちてしまい気が重かったです。中谷美紀が綺麗でした。 【ギニュー】さん [映画館(邦画)] 8点(2006-06-18 00:03:26) 6.暗い内容の作品を暗いまま描こうとせず、ミュージカル仕立てにして、明るく楽しく、そして視覚的にも鮮やかに描くことで、まったく相反するものが画面の中に混在していました。だから見ている側は重くなりすぎず、さわやかに見ることが出来ました。また、140分という長さを感じさせない、脚本のテンポの良さ。無駄を完全にそぎ落とし、必要な部分だけで進んでいきます。とんとんとんとん、すばらしいテンポの良さ。リズムが感じられました。女性の強さ、弱さ、そして美しさが凝縮された作品でした。 【ボビー】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-06-17 00:59:38) 5.下妻物語をDVDで見て、「なんだこの突っ込みどころ満載の映画は?!」という印象を持っていた。そしたら新作では中谷美紀さんの「女優辞めようと思った」とか中島監督の「殺してやる」発言。これは見に行かなくては?!と、興味を持ってしまった。しかし、すべてが昇華されていい作品ができあがったと思う。日本映画でこんなに楽しめたのは久しぶり。黒沢あすかさんにも1点献上。 【ミルアシ】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-06-16 23:12:29) 4.煌びやかな世界というのが売りなのかもしれないが、CG併合映画が蔓延する今の時代にこの作品の映像面を高く評価することはできない。本当に素晴らしいのは中谷美紀の演技。腹を決めた松子が啖呵を切るときの美しさ、自分の生き方を決して恥じない強い姿勢に胸打たれる。 【ぷりんぐるしゅ】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-06-11 18:28:22) 3.《ネタバレ》 ふ~ん、中島哲也って福岡県出身で1959年生まれだったんだ。いや、あまりにも外観が以前の天神岩田屋だし、むかしの西鉄大牟田線の色だし。筑後川と荒川オーバーラップさせるってすごいな。歌謡曲の使いかたもうまいっ!中山千夏「あなたの心に」天地真理「水色の恋」と松子のピュアハートを表現させる楽曲をうまいこと盛り込んでますな。「恋人よ」が五輪真弓本人じゃなかったのが惜しいけど… CF出身で「下妻」で好評取ったから映像がますますPVっぽくなってますけど、それに嫌悪感なかったらみなさまにお薦めできます。豪華助演陣の使いかたも最高、みなさま片平なぎさの登場回数が多すぎるとご批判のようですが、くどさも時には必要ですよ。日石のワーキレイガソリンCFで認知された中谷美紀が「ケイゾク」でひと皮むけて、ついにこの高みに登ってきたって感じですかね。ちょっと気になったのは、すれちがった車がHONDA LOGOだったり、駅の電飾看板が「代ゼミサテライン予備校」とはっきり読めたりしたとこです。これ、最後付近の「一度出会った」シーンのあとの、車(初代カローラ)で駅まで送る流れのとこ。 【shintax】さん [映画館(邦画)] 8点(2006-06-06 18:17:12) 2.《ネタバレ》 「パッション」より、よっぽど感情移入できる“神(菩薩)”の話だったね。監督が中谷をしごきにしごいたらしいけど、それによって中谷の演技も神の領域に達しています。父親との喧嘩@食卓での松子のキレっぷり、あれはもう演技じゃないでしょ。幸か不幸かというのは、ものすごく相対的なものであって、ハタから見たら不幸に見えても、本人にとっちゃぁそうでもなかったりする。理不尽な殺され方をしたにも関わらず、幸せな顔をして天国の階段を登りきった松子が、自ら十字架を背負いゴルゴダの丘を登りきったキリストとカブった。邦画の中では傑作の部類に入るのに、キャッチーさを狙ったのか説明過剰な点が鼻についた。正直、ストーリーテラーとなる瑛太はいらなかったかも・・・。 【ダブルエイチ】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-06-04 01:43:52) 1.「不幸」。とにかく「不幸」。映画の90%以上は、松子という“運命”に嫌われ続けた女の「不幸話」である。独特の美しいビジュアルと、特異でユーモラスな演出に彩られてはいるが、時に胸クソが悪くなるほどに、この物語は“不幸せ”に溢れている。あとほんの少しアプローチが間違っていれば、「大嫌い」な映画になっていたかもしれない。だが、ラストの描写では涙がにじんだ。 松子がどうしてこんなにも「不幸」であると同時に、「美しく」見えるのか。それは彼女が誰よりも、小さな小さな「幸せ」を望み続けたからだと思う。 主人公の女の「不幸」と、それを彩るミュージカル。そして、主演女優と鬼才監督の確執。映画のテンションとテーマ性はまるで違うが、この映画は日本版「ダンサー・イン・ザ・ダーク」だ。 これほどまでに、美しさを携えて、「不幸」に汚れられる女優は中谷美紀しかいない。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のビョークと同様に、彼女が途中降板しなかったことが、最大の「幸福」かもしれない。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-05-29 19:07:15)
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