みんなのシネマレビュー

女狙撃兵マリュートカ

The Forty-first
(Sorok pervyy/Сорок первый)
1956年【ソ連】 上映時間:91分
ドラマ戦争ものロマンス小説の映画化
[オンナソゲキヘイマリュートカ]
新規登録(2004-06-12)【おおしまけんいち】さん
タイトル情報更新(2009-12-26)【にじばぶ】さん


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監督グリゴーリ・チュフライ
音楽ニコライ・クリュコフ
プロデューサーミハイル・ロンム(クリエイティブ・プロデューサー)
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【クチコミ・感想(9点検索)】

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2.《ネタバレ》 チュフライの傑作の一つ。
「誓いの休暇」も冒頭から“狙撃”でキッカケを掴む映画だったが、本作は狙撃に始まり狙撃に終わる。
波がうねる海原、海から砂漠に場面は移る。まるで猛吹雪の雪山のように白い砂漠を歩き続ける。砂の斜面、敵影を見つけてを迎撃態勢、走り去ろうとする敵兵を次々と狙撃していく。
兵士としての厳しい表情、彼女の呼びかけとともに指揮官が起き上がり、寝ていたい兵士たちが駆けだす!神に祈りを捧げ、遠くを進む黒い影を追跡する。指揮官はモーゼル拳銃をサーベルのように振り回して部隊を引っ張る。
駱駝は移動手段であり盾となる、長距離での撃ち合い、銃は降伏の旗や墓標・助けを呼ぶための合図。戦利品となる駱駝や情報。

たき火、夢の中に見る故郷の思い出、仲間の死、指揮官の思いやり、捕虜を連れながらの厳しい行軍、熱風が吹きすさぶ中で倒れていく兵士たち、銃を打ち捨て嘆く者も出てくる。
そんな彼らを祝福するように拡がる海原!兵士たちの表情に安堵が。 「アラビアのロレンス」が砂の海原を突き進んだ末に本物の海に辿り着いたように(映画としてはコチラが先か)。
砂漠の民に出迎えられての宴会。捕虜も一緒に宴会を楽しみ、束縛の縄を見て「ああそうだったね」という顔をするのが面白い。戦争の厳しさを忘れられる安らぎ。

会話を重ねる内に捕虜と良い雰囲気になっていく彼女、手紙、裁縫。手紙を高らかに読んでその声で目が覚めそうになる仲間、それをみて声を小さくするやり取りが微笑ましい。

浜辺で見つける船、嵐、砂漠にはなかった雨風の嵐の恐怖、無人島に二人っきりで泣き叫び弱音を見せる彼女、無人の小屋、一枚一枚服を恥ずかしそうに脱ぐ様子。味方ならともかく、相手は敵だ。
女の表情、濡れてとかれた髪、彼女の背中と投げ出された脚がエロい。荒々しくうねる海原、看病を通してどんどんデレていくマリュートカが可愛い。
彼女たちが世話になった集落にも拡がる戦火、炎のゆらめきが海の煌めきに、男の語りを彼女は黙って聞き入る。浜辺でキャッキャッウフフ。

そして訪れる最後の“狙撃”。 すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2015-07-30 15:44:39)

1.《ネタバレ》 よくまあこれだけ帝国側に温情ある作品を描いて共産党にパージされなかったなあ、と思える作品(とは言え、後々の「君たちのことは忘れない」という作品で監督は完全に失脚したらしい)。自国の成立がいかに栄光の歴史に彩られていようと、どうしても戦争はいやだという立場に立って描かれた作品。ロシヤ革命は、男女の平等を訴えて婦女層の支持を得たが、そのために殺戮がなされることに何の意義があるんだ?という懐疑は、男女問題でズタズタに分裂させられた今の日本に住む僕が見ても、その意義を失うものではない。兵士マリュートカは、女でありながら小隊一の狙撃の名手。その初めて殺し損ねた男をアラル海経由で護送する途中船が転覆してしまい、小島に打ち上げられた2人は束の間の停戦を手にする。そこでこの男の平和を願う心、その知識の広さなどに打ちのめされる。それにもまして、敵であるはずのこの男が誰よりも一人の人間、という風に見えてしまうのだ。この男に初めて恋心を抱くが、敵味方の間柄で叶う筈がない。白軍の捜索隊がやって来て、男がそこに向かって行く所でマリュートカは彼を射殺してしまう。自分のした業の取り返しのつかなさ、そして、労農赤軍への忠誠の空しさをいやというほど余韻に残しながら話は終る。
  おおしまけんいちさん 9点(2004-07-29 20:31:18)

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【点数情報】

Review人数 3人
平均点数 8.33点
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【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 5.00点 Review2人
2 ストーリー評価 9.50点 Review2人
3 鑑賞後の後味 9.50点 Review2人
4 音楽評価 9.50点 Review2人
5 感泣評価 9.50点 Review2人

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