みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
★6.《ネタバレ》 3度目の鑑賞だが、観る回を重ねるほど川島作品のエキセントリックなユーモア・パワーを堪能できる傑作だ。 冒頭のフランキー堺による達者なナレーションと「一人アフレコ」からもう惹き付けっれる。 質屋に婿養子に入った男(ただし戸籍上は入籍していない)が養母や内縁の妻の非人情な扱い(これも内縁だからか?)に腹を据えかねて家を飛び出し、日雇い暮らしを続けているところに、予期せぬ巨額の遺産相続の話が舞い込んできた子で、主人公は一躍「渦中の人」として追い回される立場に――。 とにかく小林千登勢演じる清子を除けば、登場人物が強欲な人間揃いで、その私利私欲のぶつかり合いが醜いけど面白おかしいのだ。つまり「人間なんて化けの皮が剝がれればこんなもんよ」という痛快な哲学的メッセージがそこにある。 また、住宅難やオリンピック招致問題や新興宗教ブームなど高度成長期の東京の世相を風刺したり、「小糠三合あれば婿に行くな」という格言そのままに婿養子の抱える悲哀もしかと描かれている。 脱線トリオやロイ・ジェームスの貴重な映画出演も見ものだが、やはり主演のフランキー堺のジャズの変調を繰り返すような変幻自在の演技が素晴らしい。川島雄三がフランキーを重用したのも納得だ。 ラストのフランキーのドラム・テクニックが冴え渡る場面もお得感十分。 これはぜひ一杯やりながら、笑って堪能してほしい逸品だ。 【あやかしもどき】さん [DVD(邦画)] 10点(2025-07-13 19:13:54) 5.若水ヤエ子はもっと評価されていいのではないか。なんとなくズーズー弁で笑いをとるだけの二流どころの印象だった。岡本喜八の「結婚のすべて」だったと思うが、結婚相談所員の役で出てきたときの演技がなかなかでオッと思ったことがあり、本作でも、金持ちふうの着物でとがった眼鏡かけ、探偵金田一小五郎につきまとう役で、むっつりすればするほどおかしい。この人はズーズー弁より、眉間にシワよせた不機嫌顔で笑いをとっていたのだ。この名前もしかして、水谷八重子のもじりだったのかな。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 6点(2007-12-07 12:22:53) 4.映画館で観ました。 ドタバタ喜劇は苦手な方なんですが、それを補うだけの面白さが本作にはありました。 なんと言っても、小林千登勢の美しさが印象的でした。 ご冥福をお祈り申し上げます。 【にじばぶ】さん [映画館(邦画)] 6点(2007-10-15 19:37:36) 3.東宝色が強くみえて、岡本喜八作品のカラーに近いものを感じましたね。東宝喜劇系ではやはりスピードとテンポ、そしてユーモアが抜きんでている感じがする。それは、タイトルまでのナレーションを持って、観る者をワクワクさせる事からも明らかだ。 沢村=横山の親子、横山道代の表情と動き、沢村貞子の性格演技が組み合ったヘンテコでユーモアのある質屋一家も川島演出ならではです。そのほかにも、藤木悠、加東大介らが完全に川島ワールドの車輪となっているし、春川ますみ・小林千登勢の若さが、作品に好影響を与えていますね。特に、小林千登勢の存在をもって「貸間あり」の重さ・暗さが排除された感じを受けました。 タマに観る脱線も程よい加減で、川島演出を楽しめました。 【サーファローザ】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-08-30 15:30:13)(良:1票) 2.《ネタバレ》 川島監督自身この作品について、「これはもう負け犬でございます」というコメントしか残されていないので、ご本人がそこまでおっしゃるのであれば、逆にその不出来具合を是非この眼で確認してみたかった映画。なんだなんだ、面白いじゃないすかあ!これ。脚本もご本人で手がけられているし、かなり個人的趣味世界が濃厚に反映されているので本人ただ照れてただけなのか?それともただクソ真面目な映画大好きの、当時の批評家連中に酷評されたのか?脇役一人一人、胡散臭いアメリカ人に至るまで、主役を喰える位の芸達者悪達者クセ者連中を揃え、画面所狭しと暴れ回らせているので、逆に主役のフランキー堺の存在感が稀薄になってしまってるほど。特に自分は森川信(←初代おいちゃん)の江戸っ子口調の口跡の良さ、沢村貞子の巧さに舌を巻きました。この映画唯一のまともヒロイン役、先年亡くなられた小林千登勢さんは「クイズヒントでピント」でのおっかさんでしか知らない世代なので、そのキュートさにびっくり。ラストの夢オチもこの映画でなら自分は許せます。とにかくこの映画、いささか趣味に走りすぎたところも含め、監督の特異な人物観及び世界観がギュッと100%濃縮還元された、ファンなら絶対見逃せない映画だと思いましたね。でもDVDもビデオも出てないんすね、これ、なんでだろ。犬がストーリーにもっと絡んでくるのかと思ったけどw(→京橋フィルムセンター『川島雄三監督特集』にて鑑賞) 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-06-22 11:26:32)(良:1票) スポンサーリンク
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