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プロフィール
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性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  小さな巨人 「小さな巨人」と言えば、そりゃオロナミンCだろうとか、いやいやミクロマンだろうとか、はたまたグラン浜田だろうとか、色々あるワケですが、忘れちゃいけない、ダスティン・ホフマン。 その彼が、歴史の生き証人として、自分の波乱の人生を語るのですがその内容たるや、なんとも都合よくさまざまな事件や人物に遭遇し、いささか荒唐無稽なのですが、まさにそこに虚構の持つ面白さがあります。そもそも西部劇なんていうのが、すでにこの世に存在しなくなった過去の世界を描く、虚構そのものなんだし、そういう虚構の世界に、真実が宿っていたりもする訳です。 で、この作品の主人公。先住民の仲間になったり、ガンマンになったり、兵士になったり、さまざまな立場に身をおきながら、アメリカの歴史のあちこちにチャッカリ登場する。さらには、出会いがあり、別れがあれば、これまた容易に再会がある。そんな偶然あるかよ、というような再会を当たり前のように繰り返すのは、まさに「虚構」ならではのご都合主義、しかしこの主人公の男にかかってしまうと要するに、アメリカの歴史も広大な土地も、自分の庭みたいなもんなんでしょうな。 で、この超越的な、しかし小さな男は、さまざまな立場に身を置くが故にはっきりした居場所をもたず、いやアメリカそのものが自分の居場所である、というのが彼の立場なんでしょう、だからこそ、大地に根差した生活を送る先住民の立場に比較的近く、また彼の目を通して描かれるこの作品は、白人社会へ批判的な視点を持つことになりますが、それでも何とも言えないおおらかさが作品を貫いていて、大きな魅力となっています。 もし現在の視点で本作を観るならば、(作中でわずかなセリフでしか語られなかった)黒人の歴史ももうちょっと織り込んでほしい、ということになっちゃうのかも知れませんが・・・。[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-04-03 11:25:56)《改行有》

2.  チャップリンの失恋 《ネタバレ》 代表作の一本に数えられる作品なんでしょうけれど、その理由はともかくとして、実際、観てて楽しい作品です。まずは当然ながら、パントマイム。主人公は例の、ボロっちくもシャレた格好の放浪者。道を歩けば車にハネられそうになる、哀れで滑稽なその姿、しかし妙に身なりに気をつかう彼の仕草がまた、滑稽であると同時に、何だか彼のアイデンティティを強く主張しているようでもあります。で、次に、チャップリンの表情。これがまた、ただのドタバタだけではない味わいを作品にもたらしています。弁当を盗まれ、腹立ち紛れにその辺の雑草を食べる時の表情。美人に助けを求められ、ガゼン活き活きと張り切る時の表情。第3には、ストーリーの無茶苦茶さ。やっぱりコレ、あくまでドタバタなんです。泥棒に狙われた美人を助け、家に誘われ、で、なぜかそこで働かされちゃう主人公、脈絡なくどこまでも転がっていくストーリーが新しいシチュエーションをもたらし、ギャグを呼ぶ。まあ、冒頭の泥棒が再登場したりもするのですが、基本的にムチャクチャです。で、ムチャクチャながらも物語は主人公と美人チャンとの恋愛へと移行し、ナルホドこれなら美人はゲットするし定職はゲットするし万々歳、と言う訳ですが、アッサリ、あまりにアッサリ、彼女のフィアンセが登場して、主人公は去っていく。チャップリンは表情豊かにこの映画の物語を引っ張ってきましたが、ラストシーンは、例の「立ち去っていく後姿」で締めくくられます。でも、ションボリしているばかりじゃない、途中で歩みを速め、颯爽とした姿に切り替わったところで映画が終わる、その印象的なことといったら。[CS・衛星(吹替)] 9点(2014-06-30 23:58:56)

3.  チャップリンの殺人狂時代 《ネタバレ》 ラストのチャップリンのセリフをもって、何やら教訓めいた映画として捉える向きもあるかも知れないけれど、いやいやいや。もっと得体の知れぬ、ぶっ飛んだ映画じゃないでしょうか、これは。だって、この主人公、殺人鬼ではありますが、要領が良いのやら悪いのやら、気がつきゃ結果オーライだけど、テキトーなことこの上なし。殺人鬼らしい凄みもなく、登場早々、毛虫を助けてあげたり、それこそサイレント喜劇俳優みたいに(!)ドタバタを繰り広げて見せたり。そんでもって、最後も悔い改める訳でもなく、澄ました顔で言う事にゃ「ワタシも人殺しですが、映画みてるアナタたちには敵いませんよ」って訳ですよね。誰がこんな「教訓」を素直に受け止めるもんですか。要するに、我々に喧嘩売ってますよね。そう、この映画の凄さは、この主人公の「規格外ぶり」にあるし、またその特殊さが、我々を悩ます点でもあると思うのです。こんな変な主人公、他ではなかなか見られません。またそもそもこの映画には、好感の持てる人物が(ひとりを除き)登場しない。困った登場人物たちが映画の中に散りばめられ、なかなかに入り組んだ構成(このため、一見、散漫な印象を受ける人もいるかも知れない)。例えば映画の最後の方での主人公逮捕のきっかけとなる一家、彼らの様子は映画冒頭で実にイヤらしく描かれるし、主人公を追う刑事の姿も映画早々に触れられ期待させておきながら、途中で実にアッサリと主人公に殺されちゃう。その他の登場人物たちのキャラクターもその多くはデフォルメされ、映画の中にゴチャゴチャと配置されているその中を、このヘンテコな主人公は、要領が良過ぎるのか悪すぎるのか、ただただ無感動に突っ走る。悪意も無ければ恐怖心もない。唯一、一度は殺そうとした女性に心を開き、財産を失った後に彼女に再会し、自首(?)を決意するあたりは、「ちょっとイイ話」に聞こえそうだけど、トンデモナイ、別に悔い改めた訳でもなんでもなく、むしろ、生きがいを失った彼が「自分が処刑される」ということに生きがいを見出し、処刑前には「映画を観ている我々に」イヤミのひとつでも言ってやる、ということに生きがいを見出したに過ぎない。うむ、これぞまさに規格外の男。規格外の映画。驚きの作品。[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-07-24 22:48:37)

4.  チェンジリング(2008) 映画が始まってすぐは、いかにも大作ですよ、みたいな気構えが漲った雰囲気に、ちょっとこちらも身構えてしまうのですが、すぐにそんなコト思っていられなくなる。ものすごくコワイから。本当にこれはコワイ映画、ホラー映画です。アンジェリーナ・ジョリーが涙をこぼすたびに水分が失われてシワシワになってミイラ化してゆくようで、そこがまたコワイ。[DVD(字幕)] 9点(2010-07-31 10:45:35)

5.  チャップリンの勇敢 コレ、好きだなあ。原題は『Easy Street』で、警官になったチャップリンが、イージー街を所狭しと大暴れ。凶暴なる大男との死闘(?)を皮切りに、お話はドミノ倒し式に膨らみ、もはや収拾のつかないドタバタが展開!(これに匹敵するのは、天才バカボンくらいのものでしょう)、というナンセンスの極致、それでいて、何となく“勇気”のスバラシサに不覚にも感銘を受けてしまったりも、するのです(邦題はなかなかツボをついているかもしれない、極めて個人的な感想ですが)。これだけあわただしいドタバタ映画なのに、意外なまとまりを見せ、最後は大団円。冒頭の、やる気の無さそうな主人公の姿が、その後の展開と好対照で、よく効いています。[CS・衛星(字幕)] 9点(2009-01-10 08:01:17)

6.  散り行く花 手斧で襲撃してくるオヤジ!これぞまさしく元祖『シャイニング』(笑)。とまあ、それはさておき、この映画、比較的限られた光景(限られた素材=モチーフ)を組み合わせ、紡がれていっていること、そしてそれにも関わらず内容が豊かに波打っていること、に驚きを感じます。同じ光景が様々な雰囲気・様々な順序で巧みに組み合わせられていくのを見ると、ああ、映画とはまさに「構成」なんだな、と思う。まずは「構成」があり、だからこそ次に「変化」があって、それが強い印象となる。最近の映画って、観客を退屈させないようにするあまり、いきまりまず「変化」を求めすぎるのではないか。確かにそういう映画も面白い。だが、音楽で言うならば、本当に心に残る音楽・何度でも聴いても聴き返す音楽ほど、限られた素材で構築されているものであり、だからこそ無意識へと訴えかける一種の説得力を持ってるもんだ。この映画についても、そんな連想を、いたしました。[CS・衛星(字幕)] 9点(2005-10-27 22:38:36)

7.  チャイナ・シンドローム この映画、「マスコミ=正義」「原発=悪」というイデオロギー臭い部分に注目してしまうと、何だか胡散臭い映画になっちゃうんでしょうけど、まずそれ以前に、サスペンスとして無類の面白さを持っている、この点で、私は大好きですね。原発で発生した異常事態を発端とし、ドラマは複数の舞台で同時進行しつつ、やがてクライマックスへと収束していく、のっぴきならぬ展開、実に興奮させられます。盛り上げるシーンでも音楽は使用せず、役者の演技とカメラによって見事な緊張感を作り上げており、中盤の操業再開のシーンだって、もう目が離せないドキドキもの。一人称的視点を避け、観る者を、特定の登場人物よりもドラマ自体へ感情移入させて引っ張っていきます。この映画は、「原発に反対」するための映画ではなく、「組織と個人の確執」を描いた映画です、そして、その確執を最も効果的かつ絶望的に示す道具立てとしてここでは原発が選ばれた、という事でしょう。確かに原発の問題点を(やや極端な形で)突いた映画ではあるけど、その問題点とは、実は普遍的なものでもあるのです。いや、あまり言い訳っぽく本作を弁護するのは止めましょう。この映画は、単純に、面白いのですから。9点(2004-04-03 23:35:27)

8.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 遠藤周作の小説の映画化ですから、やっぱり竹中直人に出演して欲しかったなあ、と。何の役かというと勿論、「カメオ出演する原作者」の役で(そんな役、無いけど)。 「イエスの生涯」で遠藤周作はイエスを、ただひたすら愛を説いて十字架上に死んでいった無力な青年、人々の苦しみを分かち合う「永年の同伴者」として描いており、そしてこの「沈黙」における「あの人」もまた、弾圧される信者たちや主人公を直接的に救うことはなく、しかし彼らの苦しみに寄り添う存在として描かれています。 しかしその一方で、この「沈黙」には、異端の者として挫折していく主人公の哀しみ、みたいなものが同時に描かれていて、遠藤作品では「留学」などが同様の視点を感じさせますけれども、これにはもしかしたら、極東の地に生まれてキリスト教の世界では傍流を歩まざるを得ない作者自身が、投影されているのかも知れません。 という点から見ると、やはりこれは、あくまで欧米人の視点で描いた映画なんだな、という気がしてきます。あくまで主人公と神との関係(あるいは、信者と神との板挟み、とでもいうか)に主眼が置かれていて、そして信仰心そのものに主眼が描かれていて、異端の哀しみみたいなものは、あまり感じられない。これはこれで、なるほど、と思わせるものは、あります。 舞台となっている長崎、五島列島の風景は、どことも得体の知れぬ、何やら地の果てのような雰囲気であって、我々日本人の目にすらも「見知らぬ異国」として映る、謎めいた世界のように描かれています(日本でロケしてないから、と言っちゃあ、それまでだけど)。原作同様のセリフが登場しても、どこか雰囲気が異なっているのは、そこに、自国としての日本、という感覚が一切含まれていないからでしょうか。作者が日本人であり続けねばならなかったように、主人公も日本人として後半生を送らねばならかった、そのことへの諦念よりも、「形はどうあれ、やっぱり信仰心、だよね」というノリで押し切ってしまうのが、やはり欧米の視点、なんですかね。 と言う訳で、次は是非「おバカさん」の映画化をヨロシク![CS・衛星(字幕)] 8点(2020-12-07 21:34:29)(良:1票) 《改行有》

9.  超高層プロフェッショナル 高層ビル建設工事の、残り9階分の鉄骨組み立て作業を、残された3週間の間に完成させることができるか。美人社長(?)のもと、集まった荒くれ男たちが、さまざまな妨害を乗り越え、不可能ともいうべきプロジェクトに挑む。うわ~、地味な内容。 なーんか、トラック野郎とかを思い出させますね。トラック野郎とアルマゲドンを足して2で割ったような。いやホントに足して2で割ってもこんな映画には到底なりませんけれども。 しかし面白い。いや私だけ言ってるんじゃなく、一緒に観てた小学生の息子も大喜び。地味な内容だなんてとんでもない、実際の高所での撮影はあるし、重機やトレーラーは続々登場するし、そういうものを、こうやって実際に見せてこそのオモシロサ。ラストの痛快さも、まあバカバカしいんですが、こうやってちゃんと見せてくれりゃ、こちらだって興奮するんです。 暴風が吹き荒れる場面の、アホみたいに物が飛んでくる描写。飛びすぎです。でも面白い。 ウチの息子は、「続編が見たい」って言ってるぞ。どうしてくれる。(←まだ骨組みしかできてないのが気になるらしい)[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-04-09 21:09:46)《改行有》

10.  地平線から来た男 とある炭鉱の町へふらりとやってきた、超いいかげんな男。その町にいる連中もみんなひと癖もふた癖もある妙な連中、だもんで、以下、バカバカしい騒動へと事態はひたすら迷走していく……いえいえ、「迷走」だなんてとんでもない、このデタラメな設定と多彩でデタラメな登場人物たちとを、よこぞここまでアホらしくも見事にまとめあげました。本作の脚本、まさに天才的だと思います。楽しさ満載、これは傑作。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-08-09 11:54:30)

11.  チャップリンの番頭 テンポよく楽しめるゴキゲンなコメディ。質屋の店員に扮するチャップリン、例によって例のごとくロクなことをせず、仲間と喧嘩ばかり。店長や警官の前でだけあわててイイ子を演じるのが楽しいんだけど、なんといいますか、こういう笑いの流れって、ドリフあたりに受け継がれて、ワタシにとっては結構ツボだったりするのです。前半のハシゴを使ったパフォーマンスも、ハシゴひとつでそこまでやるか、と、うれしくなってくる。客との様々なやりとりの中に、ドロボーの登場なんていうワクワクするシチュエーションもあり、ストーリーのまとめ方もなかなかのもの。というわけで、かなりお気に入りなのだけれど、非常に残念なことは、客の時計を分解しちゃうシーンで、一度穴をあけるのをミスったらしいのに、撮り直しせず続行してしまったこと。ここは手際よく分解してこそのギャグでしょう、なんとも残念。[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-01-25 16:20:07)

12.  チャップリンの舟乗り生活 チャップリンがいちゃいちゃしている娘、彼女の父親は船主で、保険金目当てに船の沈没をたくらんでいる。拉致同然に雇われた男たちと、知らずに拉致にかかわったチャップリンも乗せて、船は出港。沖で沈められようとしているその船には、実は船主の娘も忍び込んでいて・・・ってな話。なかなか穏便では無い話ですが、それと対照的に、とぼけた顔でとぼけた行動を繰り広げるチャップリン。船内のあちこち飛び交うカットで描かれるギャグもあれば、長回しのカメラでコック仲間とのコミカルな喧嘩が描かれたりもして、前者が監督チャップリンの魅力なら、後者は芸人チャップリンの魅力、といったところですかね。なかなか楽しかったです。[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-01-24 10:18:31)

13.  チャップリンの冒険 脱獄犯チャップリンが逃げ回るドタバタに始まり、ひょんなことから人助け(?)をしてしまったことから、さらにドタバタ。比較的ストレートなオハナシで、やや単純な印象、もう少しヒネリがあっても良いのでは、とは思うものの、それを補って余りあるのが、盛りだくさんのギャグまたギャグ。難しいコトは抜きに、笑って楽しみましょう、と笑いに徹した作品ですね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-01-11 18:05:56)

14.  父親たちの星条旗 確かに、この映画を撮るならば、もう一本『硫黄島からの手紙』を撮らざるを得なかったのかも知れません、こんな“苦い”映画では、製作費を回収できない恐れがあるから。しかし、それだけに、本当に撮らなければならない映画は、コチラだったのかも知れないなあ、と。すなわち、もう一本の「よりとっつきやすい映画」とセットにして、までも。『~手紙』における、やや類型的なところのある人物像。圧倒的不利な状況で敵と戦う、明確な“絶望感”。それに比べてしまうと、こちらの作品の題材はいささかビミョー、まーはっきり言ってツマラン問題、と言う風に捉えられかねないところ。しかしその「比較されるリスク」を冒してまでも二部作の一つとして作られた本作は、時間を見事に行き来する、構成の巧みさに満ちています。テーマは、硫黄島に立てられる星条旗の写真の「捏造」問題。この有名な事件を、いまさら告発するように描くのではなく、否応なく巻き込まれた当事者の苦悩として描いています。ラストの方の断片的すぎる描写は、正直、好みではないのですが、それでも、観終わっての感想としては、「テーマだけ見ると、アンチヒーローもの。だけど、この映画で描かれる、“普通の”人たちが、“普通に”運命と戦う姿を見れば、やっぱりこれはヒーロー映画なのではないか」、と。[DVD(字幕)] 8点(2008-10-13 17:43:34)

15.  チャップリンの移民 大揺れに揺れる船上、船べりから体を乗りだす一人の男。ああ、船酔いで苦しんでるのか、と思いきや、こちらを向いた男、すなわちチャップリンは、実は能天気に魚釣りをしていた、という冒頭のギャグ。笑えるかどうかはともかく、魚を釣り上げたチャップリンの表情が、とにかく本当にうれしそうで印象的、まさに名演技ですな、へへへ(本当に釣ったんじゃないか、と思っちゃう)。その後の、船の揺れを利用したギャグなんかもなかなか効いてますが、何と言っても、ちょっとホノボノしているようで、結局はそれをぶち壊しちゃう、映画全体のナンセンスさが、一番印象に残ります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-10-05 16:28:32)

16.  チャップリンの消防夫 後半の火災と、チャップリンのとぼけた表情のギャップが、「笑える」というか、「笑うに笑えない(人命かかってるんだから、しっかりしてくれ~)」というか、そんな映画。前半は消防署が舞台。場面は各部屋をあわただしく行き交いします。フィルム逆回転ネタもいくつか登場、重力を感じさせずにスイスイと棒を登ってきたり。その一方で、クライマックスでは、まさにジャッキー・チェンかヤマカシか、見事なビルよじ登りを披露してくれて、我々をハラハラドキドキの引きつり笑いへといざなってくれます。そうそう、このシーンでは、火災の煙が漂っているので、間違っても“逆回転ネタ”は使うことができず、チャップリンは自力でよじ登らなければならないのであります(もっとも、降りるシーンの方が危険かもしれないけどね)。[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-09-29 07:46:58)

17.  チャップリンの替玉 「売上金の持ち逃げ」「そっくりさんとの入れ替わり」という、わかりやすい設定を背景にして、チャップリンのコミカルで激しい動きが冴えわたる、楽しい作品。エレベーターやエスカレーターという大がかりな仕掛けを使ったギャグのオモシロさもさることながら、特に映画後半における、チャップリンがこれでもかと飛び跳ねまわるアクションと、カメラの切り替わるスピード感が魅力。[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-08-17 17:27:13)

18.  チャップリンの独裁者 チャップリン演じる主人公の散髪屋。戦争で記憶喪失になり入院していた彼は、まだ入院して数週間しか経ってないと思っている。その彼がある日、「例のチャップリンスタイルで」、自宅に帰る。彼が「そのチャップリンスタイルの服を脱ぎ」、ふと自宅の理容店を見回すと、数週間しかたっていないはずなのに「いつのまにか」、理容店はホコリまみれ、クモの巣まみれ。それでも彼は営業を開始する・・・。これって、何か、この映画自体と重なるものを感じます。もはや時代遅れとなったサイレント喜劇。『モダン・タイムス』では、トーキーでありながら意味のあることは全く喋らないという荒業を用いたが、そんな手が何度も通用したりはしない。しかし、当時の暗雲漂う社会情勢に、黙っていられなくなったチャップリン、河島英五のごとき、“良き時代遅れ”の彼が、敢えてトーキー作品を引っさげ、映画界に復活する・・・。その姿をふと思い起こさせます。その本作、やはりサイレント映画風のパントマイム喜劇と、その一方で「しゃべっていいんなら、しゃべりまくってやるぜ!」とばかりの熱いメッセージ、両者が同居し融合した印象的な作品となりました。残念ながら、正直言って“笑い”に関してはイマイチとなってしまったのは、セリフを持ったトーキー映画の分別クサさが、邪魔をしているのかもしれません。しかしサイレントで鍛えられた「見せる」ことへのコダワリは、確かなもの。やや被写体を追いかけ過ぎるカメラ(笑)。その一方で、例えば、主人公の店舗が焼き討ちにあうシーンでは、彼の顔を写さず後姿で絶望を表しているのが印象的でした。・・・・・・で、ではこの映画のメッセージをどう受け止めたらよいのでしょうか。確かにこの時代にこの映画を作るのは一つの「勇気」ではあるかも知れませんが・・・あまりに単刀直入に過ぎないか?という気も。ヒトラーをパロディにする、というのは、あまりに作品の意図が形式化され過ぎているのではないか。最後の演説は『モダン・タイムス』で訴えていたテーマにも相通ずるものが反映されていたにも関わらず、作品全体の印象は所詮、「ナチスドイツ反対!」という一過性のものになってしまった気がします。しかも、だからと言って例えば、この映画を当時のドイツの人々が観たとして、「ああ、戦争は良くない、止めよう」と思うでしょうか? 普遍性という深みに達しきれない憾みが残ります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-09-22 23:25:02)(良:1票)

19.  チャーリーとチョコレート工場 当時嫁さんが臨月で里帰りしてまして、彼女の故郷で観たんですけども。予定日の2日前だというのにサッパリ生まれる気配なし、だもんで、気晴らしにちょっとお出掛けしましょか、と。とりあえずシネコン行って、ホントは他の映画が気になってたんだけど上映時間の関係上、コチラを「たまたま」観ることになりました。いやあ。楽しい映画で、よかったですよ。私も楽しかったし、妻にもよい気晴らしになったみたいだし。ウンパルンパのダンスに乗って、まだ胎児だった娘もお腹の中で踊ってたそうな(・・・大音響に驚いていただけ?)。まあ、「こんなバカバカしい映画でこんなに喜んでていいんだろうか」という気もするんですけども、「こんな映画」をこんなに「喜んで」いる自分自身のバカバカしさがまたなんだか楽しくなってきちゃう、という、ひそかに心に隠していた童心のツボを見事に突いてくる映画、でありました。『2001年宇宙の旅』のパロディで、ご丁寧にもバックにリゲティのレクイエムを流すあたり、このおバカぶりにハマってしまって、必死で笑いをこらえておりました。でもバカバカしいだけじゃなく、ちょっとオドロオドロしくて毒々しい、悪趣味なブラックさが、これまた刺激的で魅力。大体、劇中に出てくるチョコレートがあんまし美味しそうに見えないもんねえ。・・・とまあ、そうこうするうちに、ついにDVD発売の時期ですか。映画観に行った10日後に無事娘が誕生し、その娘も4ヶ月を過ぎました。いやあ、月日が経つのは早いもの・・・じゃなくて、早いのは「DVD発売時期」の方、のような気もしますがね。[映画館(字幕)] 8点(2006-02-05 22:34:16)

20.  地球へ2千万マイル 『金星怪獣イーマの襲撃』というタイトルで紹介されてるのを本で見て以来、気になってたのですが、BS2で放送してくれたので観ることができました。ありがとう。シチリア島で漁師が漁をしてると突然空から謎の宇宙船がまっ逆さまに墜落。頭から海に突っ込んだ宇宙船へ、漁師が救助に向かう・・・おい、宇宙船はひっくり返ってるのに何で船内は上下ひっくり返ってないんだ?まあいいや。宇宙船は実は金星探検船で、金星の生物を研究のために持ち帰っていたのでした。が、この生物がみるみる巨大化。いよいよハリーハウゼンの本領発揮だ! かなり見ごたえありますね。象との手に汗握る格闘! ちょっと象にしては大きすぎるんでないかい? まあいいです。コロッセウムでの死闘は、さらに迫力満点。ローマを舞台にしたのは正解!って言っても、単にハリーハウゼンがローマに行きたかったから舞台に選んだんだそうですけど。8点(2003-08-31 15:53:06)(良:1票)

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