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プロフィール
コメント数 3878
性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  マーベリックの黄金 ユル・ブリンナー、50歳過ぎてこの爽やかな、少年のような笑顔。真似したいのは山々だが、できん。 この笑顔があればこそ、たまに彼がまじめな表情見せると、映画の空気もちょっぴり引き締まります。あくまでちょっぴり、基本は軽いノリ。 彼の役名「Catlow」がタイトルとなっているけれど、「ドラえもん」の主人公があくまでのび太であるように、この作品もどちらかと言うと、トラウトマン大佐でお馴染み(というか、他にはこれといって馴染みが無い)リチャード・クレンナ演じる保安官が、物語の進行役。彼がいきなり襲撃を受ける映画冒頭から、細かいショットを積み重ねたアクションシーンが、作品の活きの良さを感じさせます。 あまりカットを細切れにするのも、それが機械的に感じられたりすると、味気なかったりするもんですが、そしてこの作品でも「ちょっとやり過ぎか」と思わなくもなかったりするのですが、ギャグとしてやっている部分もあるので、楽しくこそあれ、イヤ味な感じはしません。カットを割り過ぎると、例えばR・クレンナが机の上のボトルに手をかけているのにアングルが変わると手が離れていたりするんですが、それもご愛敬。 黄金の争奪戦のオハナシ、ではあるのですが、あまりガツガツしていなくって、「黄金の奪い合い」という印象が薄く、登場人物たちの織りなす、どこに行きつくのかわからないやり取りに、主眼が置かれています。Y・ブリンナーとR・クレンナの凸凹コンビに、ミスタースポックでお馴染み(こちらも他にはこれと言って・・・)レナード・ニモイがちょっかいを出し、さらには先住民の襲撃もあって、物語を散らかし放題。 というコミカルな作品ながら、硝煙渦巻く銃撃戦は、なかなかの迫力。 ヘンな作品ですけど、でもやっぱり、楽しいのが一番、ですね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-12-03 16:00:24)《改行有》

2.  マッド・ダディ こりゃヒドい。誰だよ「ニコラスケイジ映画にハズレ無し」とか言うヤツは。いや待てよ、そんな事、誰か言ってたっけ? もっともこの作品、ニコラス・ケイジは主役とは言えず、特に前半は出番も少ないんです。だからギリギリ、ニコラスケイジ映画とは呼べませぬ。 世の中の親が突然、我が子を殺し始める。そこに理由もヘッタクレも無いってのは、いいと思うんですが、元をたどればコレ、永井豪の「ススムちゃん大ショック」ですよねえ。原作使用料として永井豪が何がしかを要求できるとまでは思わないけれど、でも、このネタでこの映画の出来。いや、怒ってもいいと思う。永井先生、叱ってやってください。 だいたい、見るからに親が子供を殺す気満々なのが、面白くない。何せ、親が我が子を殺そうとするんですよ。そんな恐ろしいことが本当にあり得るのか?何かの間違いじゃないか?せめて自分の親だけは・・・みたいなタメこそが、物語のキモになると思うんですが、まーそういう要素の乏しいこと乏しいこと。だって親がニコラス・ケイジなんだもん。暴走するに決まってる。 まずこの時点で、あまりコワくない映画になってしまっているのですが、後半の攻防戦も、グダグダで盛り上がらない。だってニコラス・ケイジなんだから、しょうがないよね。 予兆?みたいなものとして、映像の途切れた画面上の「砂嵐」が提示される。このデジタル時代にアナログ画面? 『ポルターガイスト』の見過ぎじゃないでしょうか。ってのはいいとしても、発想としては陳腐なイメージで、これと言って意外性がありません。 親子関係があればそこに殺意あり、という変なルール付けがこれまたつまらない。理屈先行でサスペンスも何もあったもんじゃありません。それともこれは、ギャグのつもりなんでしょうか。ギャグとしても面白くないけど。 劇伴として思わせぶりに、場違いなドビュッシーの「海」を挿入するのも、違和感しかない。「わざと狙った違和感にしちゃ、イマイチ違和感が足りないんだよ!」という違和感。 ぬる過ぎ。[インターネット(字幕)] 1点(2023-10-29 15:30:43)《改行有》

3.  マルチプル・マニアックス こういう映画に高い点をつけたからと言ってホメている訳ではなく、低い点をつけたからといってケナしている訳でもないのだけど、とにかく、「高過ぎる点」か「低過ぎる点」かのどちらか、には、なっちゃいますわな。なにせ「変過ぎる」から、こればかりは、どうしようもない。でしょ? この作品(もはやこれを「作品」と呼ぶのかどうかもわからんけど)、ザックリ言うと、「聖と俗の対比」ってなことになるのかも知れないけれど、映画の作り手たち(=ドリームランダーズ)の思い入れが明らかに「俗」の方へ極端に偏っているので、対比も何もあったもんじゃない。 キリストの受難劇らしきもの(そう言い切るのは何となく憚られるので念のため「らしきもの」と言っておく)が挿入される一方で、ひたすら下品、モラルの対極を行くようなエピソードが続き、その挙句、おゲレツも突き抜けてしまえばそれは「聖」なのだと言わんばかりのラストへと突き進んでいく。 おゲレツ教の殉教者、聖女ディヴァイン、ってか。 いくらおゲレツとは言え、ピンク・フラミンゴみたいに「実際におゲレツを極めないと気が済まない」みたいなところまでは、さすがにまだ至ってはおりません。しかし、ピンク・フラミンゴ25周年版で監督自身が、家具を舐めまわすシーンに苦笑していましたが、ああいったおゲレツへの発作的な衝動、みたいなものは、このマルチプル・マニアックスでもすでに感じられて、素晴らしく意味不明な世界が繰り広げられています。意味不明でおバカ、だけど、強烈。これを「生き様」と呼ぶとちょっと重くなっちゃうんですが、そう言って言えなくもない。その生き様が、この作品には間違いなく投影されている。ような気がする。 いやはや、自由とは、まさにこのことだ、という短慮も、人生には必要かもしれない。[インターネット(字幕)] 9点(2023-10-15 18:03:26)《改行有》

4.  マジック 《ネタバレ》 アンソニー・ホプキンスが全然人気のない手品師で、舞台でスベりまくってる冒頭シーンから、引きこまれてしまいます。芸人が舞台でスベる怖さってのが、よく伝わってきますね。この焦り具合。ははは。いや笑いごとじゃないって。 その彼が、腹話術をマジックに絡めた新ネタで、評判を呼ぶようになる。典型的な一発屋ですね。この後が、コワいですね。 という展開になる前に、この映画は別のコワさへ向かって行く。どうやらこれ、普通の腹話術芸ではないらしい。一人っきりの時でも人形との会話を続ける彼は、もはや二重人格みたいな状態になっちゃっているらしい。 そこまでは映画の比較的早い段階でわかるのですが、その重症度が掴み切れない。重症度と言っても、病の深さ、という意味を超えて、もはや超自然現象の域にまで達しているのか否か。基本的には、主人公の手で人形は動かされるし、主人公が横にいて初めて人形はしゃべるのだけど、明らかに音声が人形から発せられているシーンもあったりして。人形がしゃべっているのか、それとも主人公の幻聴なのか。 こういう曖昧さが、怖いんですね。何が起きるのか、何が起きうるのか、わからない怖さ。もしも人形がひとりでに動いたら怖いけれど、本当の怖さは、「もしも人形が動いたら」という怖さ、「もしかして今、動いたんじゃないか」という怖さ。 そしてもう一つの怖さは、人形の存在に引きずられていく主人公の姿。主体性を損なった主人公は、どう流されていくかわからない。この主人公と不倫してしまうアン・マーグレットは、さらにこの主人公に支配され、主体性を失いつつあるようにも見えるけれど、ラストで彼女は主体性を取り戻し・・・たように思いきや、もしかして別の何かに支配されたのでは? という「可能性」だけを提示した、曖昧な幕切れ。そう、こういう曖昧さが、怖いんです。[インターネット(字幕)] 9点(2023-09-10 18:20:05)《改行有》

5.  魔獣星人ナイトビースト はいはいはいはい。要するに今回も「だからさ、オレだって侵略者なんだってば!!」ってことが言いたいんですね。わかりますわかります。またまたブサイクな顔の宇宙人が登場して脈絡なく地球人へ攻撃を加え、脈絡なく映画が進んでいく。どこが見どころなのか、さっぱり判らない、脈絡の無さ。ま、たぶん、侵略者なんでしょう。きっと。 ドン・ドーラーという監督さん、才能があるのか無いのか、についてはここでは不問にいたしますが、少なくとも「才能があるかのようなフリを全くしていない」というのは、確かだと思います。これはなかなかできることではありません。[インターネット(字幕)] 1点(2022-05-14 23:39:30)《改行有》

6.  マウス・オブ・マッドネス こういう思わせぶりな映画ってのが、好きか嫌いかと言われりゃ、、、ま、嫌いですけれど。この不条理な世界、何じゃこりゃと思ってみてたら、ピックマンホテルとかいうのが出てきたりして、いくらニブい私でも「こりゃラヴクラフトの世界観なんだな」(しかも駄洒落かよ)、と思い至る訳で。でもだからと言って、嫌いなものが急に好きになる訳でも無し。 にも関わらず、この作品、何だかオモシロい。では何がオモシロいのかと言えば多分、その思わせぶりを時々崩してしまう、カーペンター節みたいなもの、だと思う。 思えばカーペンターというヒト、スネーク様のシリーズはあるものの、基本的にはバラバラの作品を作ってて、にも関わらず何となく一連の作品には共通のテイストも感じられたり。 この作品でも、妙なクリーチャーを登場させては「ああ、やっぱりなあ」と思わせ、松明持ったアヤシい連中を登場させては「なんか、カーペンターだなあ」と思わせる。 でもまあ、バラバラなんですけどね。 そんな監督が、こんな妙な幻想譚みたいなのに手を出したら、こんな妙な作品になるんだなあ、と。[インターネット(字幕)] 7点(2021-10-23 23:32:43)《改行有》

7.  マローダーズ/襲撃者 コレ、イイなあと思うんですけどね。ただ、あまり人には勧めたくないんです。どうせ「こんなつまんないもの勧めやがって」と恨まれるのがオチなので。って、イイのかワルイの結局どっちなんだ? 映画全編にわたって雨が降り続いてる、なんてのは、雰囲気作りにしてもこれまた随分、ベタな演出、と言うなかれ。言ってもいいけど。いや、降らないよりは降った方が雰囲気は出る。この演出の一手間がうれしいじゃないですか。 冒頭から謎の骸骨マスクの一団が銀行を襲撃。しかもこれが、物語が進むにつれてさらに謎が深まり、こんな安い映画でそこまで凝ったストーリーにしなくてもよかろうに、面倒くさいなあもう、などとイヤミを言うのもつい忘れるほど。登場人物それぞれがそれぞれの思惑、背景を、抱えていたり抱えていなかったりして、そういう多重性を感じさせるだけでも、この映画は成功していると言えるのではないかと。[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-03-03 19:52:26)《改行有》

8.  マチネー/土曜の午後はキッスで始まる ジョン・グッドマンの役どころが、最初の一瞬、ヒッチコックみたいな人かと思わせて、実はウィリアム・キャッスルみたいな人だった、というこの途轍もない落差。と言ったらウィリアム・キャッスルに失礼ですか? そんなこと無いですよね。 現実世界ではキューバ危機という、核の恐怖、放射能の恐怖に直面していて、一方、映画館では「放射能の影響で生まれた蟻人間」などという何ともアホらしい放射能の恐怖があって、互いに奇妙な平行関係を成しているのですが、その交わるはずの無い、現実とアホ空想世界とが、クライマックスにおいて交わり「なんちゃってカタストロフ」を巻き起こす。という、何だかワケがわからないのに、妙に説得力があり納得感があって、なぜ自分がこんなに納得しているのかが、一番ワケがわからないんですけれども。 まさかこんなクダラナイ大事件に発展するとは、と呆れつつ、とにかく、お見事としか言いようがないクライマックス。ま、キューバ危機が回避されたからこそ、こんなオチで喜んでられるのですが。[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-06-22 21:08:55)《改行有》

9.  マディソン郡の橋 《ネタバレ》 このメリル・ストリープを見ていると、「肉食」という言葉がどうしても浮かんでしまうのですが。 今回食われるのは、イーストウッド監督ご本人。ダンディな役を監督本人がやるというのも、何とも厚かましい話ですが、でも実際、色気があるんだから仕方がない。体のデカさ、この役に充分に活かされています。雨の中に佇む巨大ジジイ。 見る側のストリープと、見られる側のイーストウッド。その二人が徐々に近づいていく様が、妙にエロいんです。例えば、彼女が立つ台所にイーストウッドが近づくのを、カメラも一緒に近づいていくシーンの、あの「接近してます」感。 イーストウッドがダンディなら、メリル・ストリープも肉食感満載で感情の起伏を炸裂させて。本作、企画的にはいかにも、流行りの小説をいち早く映画化してみました、ってな感じがしちゃうのですが、主演二人と作品とがバッチリ共鳴しあって、そういう企画モノには到底収まらない見事な作品となっています。 雨の中に姿を見せたイーストウッドは、車に乗ったまま表情を見せることなく立ち去っていく。その代わり、彼から送られてきた本が柔らかい光に包まれているのが何とも印象的で。 よくぞ、イーストウッドが映画化してくれたと思います。[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-06-21 18:59:10)《改行有》

10.  マネーモンスター 経済番組、ってったっていかにも軽薄そうなテレビショーの司会をジョージ・クルーニーがやってて、その本番中、「お前のせいで大損した」という男が闖入し、番組を乗っ取ってしまう。ショーで踊ってたお姉さんが出てくるのと入れ違いにスタジオに侵入する描写など、同時進行性を手際よく描いていて、物語はテンポよく番組ジャックへと進みます。 経済を操ろうとするクルーニーが、逆に経済に手玉に取られてしまったり、犯人を懐柔しようとすればするほど格差問題が浮き彫りになったり、多分に社会批判の要素を含んではいるのですが、「批判のための批判」にはならずに、しっかり娯楽映画として楽しませてくれます。最初は、犯人のキャラがちょっと弱いか?とも思ったけれど、見ているうち納得。これも物語に必要な要素のひとつ。人間が動かしているはずの「経済」は、もはや誰にも制御できない、一種のモンスター。このモンスターを前にしては、犯人も主人公も無力で、物語はどう転がっていくかわからない。その展開の中で、人間関係の変化していく様が、本作の見どころになってます。 事件の経過の生中継、ということで、「視聴率」という観点を映画に加えるならば、さらに新たなモンスターが物語に追加されることになった訳ですが、作品のテーマとしてそこまで手を広げなかったのは、少し物足りなさも無い訳ではないけれど、スマートな纏め方、と言えるかも知れません。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-06 11:19:37)《改行有》

11.  マッドボンバー 《ネタバレ》 監督がバート・I・ゴードンだからと言って、いつも必ず何かが巨大化するとは限らない、という一本。 社会に怒りを感じているらしい爆弾魔が連続爆破事件を起こす一方で、その爆弾魔の唯一の目撃者が連続強姦魔である、という、ヒネっているといえばヒネっているし、それだけと言えばそれだけなんですけれども。 見どころは、爆弾魔を演じるチャック・コナーズが、世の中の気に入らないヤツを次々に説教する場面で、「そうだ、もっと言ってやれ」とも思えてくるし、「こういう説教魔にも困ったもんだ」とも思えてくる。ってか、これ以外の見どころとなると、あとは強姦魔のネヴィル・ブランドが女性を襲ったりするハダカシーンばかりなもんで、エロ過ぎて(エロくもないけど)困ってしまいます。 だもんで早朝にこっそり起きて一人で観てたんですけど、こういう時に限って小学生の息子が早々と起きてきて。「あっ、このヒト、昨日見てた映画(=死の追跡)にも出てた」って、また妙なトコロばかり見てるねえ、アンタは。 警察にはもう少ししっかりして欲しいところですが(強姦魔を捕まえるために女性警官を囮として街に立たせると、ゴキブリホイホイのごとく次々に不届き者が逮捕されていく。こんなに簡単なんだったら、もっと早く何とかしとけっての)、運よく、モンタージュにチャック・コナーズ本人の輪郭と目と鼻と口が揃っていたお陰で(苦笑)、容易に犯人を突き止めることができ、終盤は大量の爆薬を積んだ車で犯人が街中に突入して大パニックへ、といきたいところですが、そんな大層な撮影をするまでもなく、静かにクライマックスを迎える、という、何と言いますか、「安さ爆発!」な映画でした。[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-12-22 15:07:03)《改行有》

12.  マングラー 時々、ホラー映画なんかのあらすじを読んで、どうしてこんなネタで映画を一本作れるんだろう、と不思議に思うこと(だから要らぬ関心を持ってしまうこと)がありますけれども、本作もそういった種類の作品ですね。何しろ、洗濯したシーツをプレスする機械が、人間を襲うんだってさ。こんなネタで映画を一本撮ってしまおうという、勇気と厚かましさ。「地獄のデビルトラック」のスティーブン・キングが原作で、「悪魔の沼」のトビー・フーパーが監督。と聞けば、もはや付ける薬もないというか。 こういう作品を見てると、世の中ちょっとスティーブン・キングに甘すぎないかい?という疑問が湧いてくると同時に、世の中ちょっとトビー・フーパーに厳しすぎないかい?という疑問については引っ込めざるを得なくなる訳ですが、それはともかく。 プレス機が襲ってくる、というよりはコレ、劣悪な環境がもたらす労働災害なのであって、中には「これこそプロレタリアート映画だ!」というヒトもいるかもしれません。人々を威圧するような巨大プレス機と、日々、危険と隣り合わせの作業に従事させられている従業員たち。ただ、このプレス機、もっと非人間的に容赦なくガッチャンガッチャンやってくれると、「蟹工船」にでも何にでもなったかも知れませんが、実際に映画に登場するのは、いかにも時代がかったレトロっぽいプレス機。人間の尊厳自体を圧殺するような迫力は無くって、むしろ、どこか懐かしさを伴った不気味さ、なんですね。やっぱりあくまでこれはホラーです。 で、こんなネタで映画になるのかと言えば、洗濯工場のロバート・イングランド社長がやたら不気味だったり、なぜかドサクサに紛れて冷蔵庫まで人間を襲ったり、と、よくわからんながらもしっかりホラーやってて、10分もあれば充分かと思われたネタが、気がついたらそれなりに膨らんでて。 で、いよいよ、「プレス機が人間を襲う」という看板に偽りなしのクライマックスへと突入。 とにかく、製造業の経営者の皆さんは、本作を観て、自社工場の安全性についてもう一度確認されたし。[DVD(字幕)] 7点(2019-08-16 21:16:26)《改行有》

13.  マッキントッシュの男 《ネタバレ》 高校生くらいの時に初めて観た際には、ドミニク・サンダって美人だな、という印象しかない作品でしたが(今観てもやっぱり美人だと思う)、いやいや、これ、こんな面白い作品だったのか、と。ストーリーを完璧に忘れてたもんで、とても楽しめました。 ポール・ニューマンがダイヤの強奪を依頼され、とりあえず成功するも、逮捕されて刑務所へ。という、どこに行きつくのかよくわからんオハナシで、はてさてどうなるのだろう(もちろん、絶対何か裏があるよね、と思いつつ観てるのだけど、なるべくそのことは気にしないようにする)、とワクワクしてきます。 もっとも、最後まで観ても、イマイチ要領を得ないオハナシのような気もするんですけどね・・・もしポール・ニューマンが脱獄に誘われなかったらどうするんだろう? 結局彼は消耗品に過ぎない、にしたって、成功の確率低すぎないかい? まあ、最終的にどの程度ツジツマがあうかよりも、中盤の、物語がどこに行きつくかわからないサスペンスが面白いワケで、充分に楽しめますし、どこか、ポール・ニューマンというヒトの、いかにも軽薄そうな感じの存在自体が、「裏の世界」に対する表の皮相的な世界を象徴しているようで、役にピッタリはまっているような気がしてきます。 モーリス・ジャールのやや滑稽な音楽も、作品にシニカルなテイストを加えています。[CS・衛星(字幕)] 9点(2019-02-12 21:38:52)《改行有》

14.  マシンガン・プリーチャー 《ネタバレ》 ジェラルド・バトラーが主人公の苦悩を演じれば演じるほど、映画が重たくなっちゃうように感じられて。一方では、映画の最後に本作のモデルになったマシンガンプリ―チャー氏ご本人が登場して、もちろんこの断片映像からだけでは本当はどういう人物なのか掴み切れないけれど、この人、妙にさばけたイイ表情してるんですね。いや、これこそ本作の主人公のあるべき姿なんじゃないのかな、とか思えてくる。って、そりゃまあ、本人ですから、ねえ・・・。 とは言え、本作も、必ずしもドラマを重たそうに引きずってばかりいる訳ではなくって、むしろ抑制が効いている、と言ってよいかも知れません。テンポのいいエピソードの積み重ねで、冒頭のダメダメ時代から始まるこの特異な主人公像をうまく描いていて、家族・友人との関係も絡めつつ、紛争下の悲惨な現実も我々の前に突きつけてみせる。 雑多なエピソードの羅列、と捉える向きもあるかも知れないけれど、それが「終わりなき悪夢の連鎖」を想起させて一定の効果をあげているのも確か。ここで描かれているのは、簡単には答えの出せない物語。主人公の行動にしても、単純にすべてを善とは言い切れない矛盾を抱えているワケで、その矛盾を抱えた姿を、そのまま映画の中に叩きつけてみせる。 矛盾は解決せず、苦難もまた解決しないながらも、元少年兵の言葉の中に一片の真実を垣間見せ、「和解」への希望を感じさせるラストへとつないでいく、この辺りも、抑制が効いているからこその感動、と言えるでしょう。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2018-12-23 13:01:44)《改行有》

15.  マイティ・ソー/ダーク・ワールド 《ネタバレ》 トンカチ王子ことマイティ・ソーの活躍を描く第2弾。って言ってもアベンジャーズに寄り道したりしてるので、第何弾とかいうのはもうどうでもいいのでしょう。 で、冒頭、エーテルとやらがどうのこうのと、要するに何やら危機が迫っているらしいのですが、びっくりするぐらい危機感が無い。いろいろとダメな点はあるのでしょうが、たぶん、「みんなが見てる前でしかコトが起こらない」ってのがよろしくないんでしょうね。一昔前のパニック映画とかだったら、どんな安い映画でも、前兆みたいなものをジワジワ小出しにしていって(時にそれは、映画の外にいる我々だけが目撃するものだったりもする)、だんだん盛り上げていくところがあったのですが。 危機だとは言うけれどあんまり危機っぽくないし、母親が死んで悲しいと言いはするけれどその慟哭を感じられる訳でもないし、そんなこんなで、いくら派手なバトルを繰り広げても、なーんだかちっとも起伏が無い。そういう軽いノリの映画なんだからこれでいいんだよ、と言われりゃ、いいのかどうかは知らんけど確かに軽いノリには仕上がってます。 ナタリー・ポートマンつながりということもあって、何だかスター・ウォーズ臭いなあと思うシーンもあったりするのですが、そこもまあ軽いノリということで。 クライマックスに至っては、ムダに時空を飛び越え飛び越え、飛び越えまくり、軽いノリどころか、もはや支離滅裂。一体何がやりたいんですかね。「時空を超える」という大事件が完全に無価値なものとして扱われている点では、ある意味パラダイムシフト(笑)と言えるのかも知れませんが。[CS・衛星(吹替)] 4点(2018-03-03 15:25:49)(良:1票) 《改行有》

16.  マイティ・ソー どこぞのムキムキ王子が地球にやってきて一騒動。要するにこれは、キン肉マンみたいなシステムなんでしょうか。 前半の神話的世界と、後半のカルチャーギャップネタ(と言ってよいのかどうか)との二段構成から、それを一つにまとめていくクライマックス、オモシロいっちゃあ、オモシロい。んですけどね。でも。 ケネス・ブラナーが監督しようが誰が監督しようが、結局、こうなっちゃうのか、という、CGによる均質化。物語はと言うと、王、ソー、ロキの関係はこれ、もしかして「リア王」のグロスター伯、エドガー、エドマンドの関係なのか?と思うけれど、踏み込み不足で、「リア王」ほどの峻烈な印象には程遠い、いかにも中途半端な描かれ方。 ナタリー・ポートマンとの関係に至っては、もはや軽薄としか言いようがありませぬ。 でもあのロボットみたいなヤツは、ちょっとカッコいいぞ。どうしてよりにもよってこんな場所で、という、ド田舎での死闘。何となくスーパーマンII冒険篇あたりを思い出したり。[CS・衛星(吹替)] 6点(2018-01-31 23:24:23)(良:1票) 《改行有》

17.  魔法使いの弟子 たまたまタイトルが「魔法使いの弟子」というだけで、あの「魔法使いの弟子」とは関係ないんだろう、と思ってたら、中盤で例の魔法で掃除するエピソードを無理やり挿入してくる、厚かましくも楽しい構成。あー、だったらこの映画の原作は、かの「ゲーテ」ってことになるのかな。いやまさか。 いっそのこと、昨今流行りのお掃除ロボット、アイツらが人間に襲いかかるパニック映画ってのを、誰か作ってくれないかしらん。 それはともかく本作、肩の凝らない、自己主張のない、ウェルメイドな、印象にも残らない、ほどほどの作品になっております。が、魔法ってのはやっぱり楽しくって、それをポイとCGで投げ売りのように見せてくれると、随所でそれがちょっとしたアクセントになって、結構楽しめたりします。 100円ショップであれこれ買いあさるプチ贅沢みたいな楽しさですかね。たとえが安すぎますが。 薄汚いオッサン同士の争いを「魔法使いの戦い」だと言い張るこの厚かましさも、素敵じゃないですか。そして、そういう役にぴったりとハマってしまうニコラス・ケイジ。彼こそ100年に一人の逸材といっても過言ではないでしょう。いやまさか。[CS・衛星(吹替)] 7点(2017-12-02 16:55:38)(良:1票) 《改行有》

18.  マルタの鷹(1941) ハメットの「マルタの鷹」、私もその昔、推理小説をあさり出した頃に手にした時には、あまりに突き放したような愛想の無さ過ぎる描写(読者についてこさせる気があるとは思えない。読者が頑張ってついていくしかない)に閉口したクチなんですけれども。この映画、そういうとっつきにくいところのある原作を、なるべく状況を整理し伝わりにくいところは伝わり易く誰もが楽しめる作品に…なんてことはまるでしておりません。何がホントで何がウソやら、虚々実々、しかも得体の知れぬ人物が得体の知れぬまま断片的に物語に加わってくる。しかしやはりこちらは生身の人間が演じる“映画”ですから、無愛想でストイックな語り口ではあってもそこには独特のカラーが生じて、いくぶん親しみやすくなっています。H・ボガートの演じるサム・スペードは、冷酷非情な私立探偵というよりは、いくぶん人間臭い小悪党のような存在。物語の断片が最後には組み合わさり、ミステリとしてのある種の解決に導かれるとともに、それはさらに非情なる結末をも導くというところが、ハードボイルドたる所以でしょうけれども、ただ非情なだけではなくそこには“情”も浮かび上がり、スペードも含めてみんなが傷ついたのだな、と。これが原作に対する唯一のアプローチではないにしても、あるひとつの理想形と言える映画化作品ではないでしょうか。 <2017/7/30追記>冒頭から奇妙なほどサクサクと物語が進み、夜中に同僚の死の連絡を受けるスペード。彼の横顔があり、深夜を示す時計があり、そして背景には、風に揺れるカーテンが、どこか不穏な感じを表しています。そんでもってラストでスペードが真相を語る場面では、窓の外は明るく、どこかけだるく、やっぱりそこにはスペードの横顔と揺れるカーテンがある。まあ、見え透いた演出なのかも知れないけれど、でも何だかいいなあと思っちゃうのよね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-07-30 08:52:49)(良:1票) 《改行有》

19.  マラヴィータ フランスはノルマンジーに越して来たアメリカ人一家、実は、自分達を狙うマフィアから逃れて身を潜めるためにここにやってきたのだけれど、一家全員、やることなすことハチャメチャで、目立つまいという気がまったく無い。勿論、後半、マフィアが彼らの居場所を突き止めてやってくる展開となるのだけれど、居場所がバレる原因が、彼らの目立つ所業ゆえではなく、実に実にクダラナイ経路を通じて、というのが人を喰ってます。 この一家のどうしようもない親父が、ロバート・デ・ニーロ。例によって悪乗り演技に走るのだろう、と例によってこちらも身構えるのだけど、そしてまあ実際そういう面はあるのだけど、一家の美人長女のクールな無表情ぶりが、ちょっとした好対照で、面白いんですね。この娘が一番、ヘンです。ヘンタイです。 見どころはいよいよマフィアが襲ってくる場面だろう、という期待を持たせたまま、延々と悪乗りで引っ張り続ける、この厚かましさは大したもの。いささかエピソードを散らかし過ぎた感はあるのですが、それなりに伏線らしきものも散りばめて物語を引っ張っていこうとしていて、こういうオモシロさってのもあるんだな、と。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-05-20 15:51:05)(良:1票) 《改行有》

20.  マクベイン かつてベトナム戦争での勇者であったオッサンたちが(とは言え冒頭のベトナム戦争のシーンからすでにオッサンなのですが)、今度はコロンビアにおける革命のために集結し立ち上がる。さすがは巨匠グリッケンハウス、などと我々を感心させることなど全く無いこのテキトーさが、まさにグリッケンハウスらしさ。さすがです(笑)。 いやホントに適当で、今となってはまるでフツーのオッサンたちが集まったかと思うと、唐突にヤクの売人を襲撃し始め(革命に参加するための資金集めらしい)、と思ったら唐突に出発準備が整って、コロンビアへと出発している。実に無駄のない展開。無駄以外にもいろいろ欠落しているような気もしますが。 派手だけど安そうなアクションが満載。どのように派手でどのように安そうなのかは観てのお楽しみ。ですが、いずれにしてもこの緊張感の無さ、これだけ緊張感無く戦えるのだから、このオッサンたち、最強だな、とは思います。 安そうなアクションとは言え、要所要所では、落下シーンなどでアクロバットなスタントが光る。やっぱり、さすがはグリッケンハウス、なのでした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-03-30 20:58:13)《改行有》

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