みんなのシネマレビュー
民朗さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1317
性別 男性
ホームページ http://minrou.seesaa.net/
年齢 36歳
メールアドレス baker221b@live.jp
自己紹介 全体的に甘めの評価になりがちです。
当然映画のジャンルによって評価にバラつきがあります。以下参考までに……。

評価が高くなりやすいジャンル:ミュージカル、B級アクション、ロマコメ、バカコメディ
評価が低くなりやすいジャンル:ミステリー、サスペンス、ラブロマンス

基本的に過激な映画が好きです。暴力的な意味でも、性描写的にも、人間性の描き方でも
どれだけ感動的な映画であっても尖った所が無い映画より、過激な表現がある映画の方を評価しています。

13.4.27(追記)……TOHOシネマズが6月1日から高校生料金を1,000円にするとのこと。
今は若い方が映画館に少ない状態なので大変素晴らしいと思います。
(日本の料金はそもそも海外に比べて高すぎる。価格も一律で決められているから劇場間の競合も生まれにくい)
でももうちょっとシネコン自体が上映する映画のラインナップを改めた方が良いのでは。
客が集まる邦画をバンバンかけるのは経営としては正しいけれど、いつか必ずしっぺ返しが来るのは判り切っていることなのに。

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
414243
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
414243
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
414243

41.  ドラキュラZERO 《ネタバレ》 短い上映時間も相まって良くも悪くもサクッと観れる一本。それだけに鑑賞後には何も残らない感じでした。VFXはどこか既視感のあるもので特に独自性は感じられず、役者の演技も基本的に一本調子。唯一主人公のルーク・エヴァンスは、悩める君主と、怪物になってしまった自分への畏怖を演じる程度には頑張っていた。脚本には穴ボコが一杯あるのですが、前述した通り気負って観る様な映画じゃないと、分かってからはもうそういう物として観ました。それでも苦言を呈したくなるレベルですけども。 あとは吸血鬼という西洋の怪物の中でも非常に象徴的に奥深いモチーフを使っていながら、結末までヴラド公の英雄譚(?)に終始していたのは何とも残念。折角、民衆が吸血鬼と化した主人公に火を付けたりするシーンを入れるのなら、それは中世の魔女狩りを意識したものにしなくては勿体無い。そこで暗黒時代のキリスト教を批判するとか。最終的に命を落としかけていた民衆が吸血鬼に変わり復讐をなすシーンも同様で、それまで彼らはキリスト教の為に主人公を焼き殺そうとまでしたのだから何かしらのリアクションを入れるべきだと思います。[映画館(字幕)] 5点(2014-11-04 14:22:20)《改行有》

42.  イコライザー 《ネタバレ》 いやあ驚かされました。このご時世に大資本出資の映画で、ここまでフィルム・ノワールを標榜した画作りの映画が観れるとは。というか何度も挿入される大都市の全景、切り出された様なシルエット、重量感や痛みを感じる硬派なガンアクション、等は否応もなくマイケル・マンの映画を彷彿とされる。 正直その素晴らしい画を観れただけでも満足と言えば満足なのですが、本作はかつてのフィルム・ノワールが特徴としていた作品の閉塞感・虚無感は描かれていない。基本的に敵のマフィアは元CIAのヒットマンであったデンゼル・ワシントンに殆ど反撃する隙も無いままに殺されていく。デンゼル・ワシントン側にも特に「自身の行為が正しいかどうか?」などと悩む様子はなく、彼は正義の法の執行者として敵を刈り続ける。そこにやるせなさを一切感じない所が、傑作アクション映画『ヒート』を生んだマイケル・マンと大きく異なる点ですが、人によって好き嫌いはあるでしょうが、個人的には暗い画には暗く陰鬱な話であった方が好みです。 タンカーの爆破シーンで完全に陰鬱さの靄が吹っ飛んだのが残念。[映画館(字幕)] 7点(2014-10-28 00:35:06)《改行有》

43.  メアリーと秘密の王国 《ネタバレ》 失礼ですが余り面白くなさそうなタイトルにも関わらず、素晴らしいクオリティの子ども向け3Dアニメーションだと思いました。花が芽吹く・木が枯れる等の自然の豊かな動き、鳥に乗った小人のダイナミックなアクション。小人から見たら世界はこんな風に見えるのかなと思える程に良く出来た画が堪能できました。また終盤では舞台が主人公・メアリーの家に移り、小人の世界から見た人間が描かれる。まあジブリの『アリエッティ』と同じ状況な訳ですが、本作の場合、小人から見たら人間は超スローで動く間抜けな生き物という設定やそこで起こるアクションはとても独特で、正直同作よりもずっと面白かった。 またキャラクター造詣が本当に良く出来ている。数々の木々や花々、虫たちが擬人化するとこうも面白くなるのか!と唸ってしまうデザイン。多分、見た目からして『指輪物語』に強く影響を受けているとは思いますが。 物語のストーリーも良く練られている。話の骨子は少女が未知の世界を冒険して、大人になり家に帰るという王道で、テーマは「誰しも誰かの、世界の一部であり、一人では生きられない」という、とても教育効果のあるものでした。 唯一ガッカリだったのが、全ての話が解決し、メアリーが家に帰った後です。父娘のわだかまりも解消し、良かった良かったと思っていると、なんと小人の世界とメアリーがコミュニケーションしている姿が描かれる。硬いことを言う様ですが、こういう旅を通して主人公が大人になる話において、旅の場所とは最終的に決別すべきものだと思います。主人公はその小人の世界を通って、大人に成長し自分の世界に帰還した。つまり小人の世界は主人公にとっては子どもだった頃の世界の象徴なんですから。「最後まで皆仲良くハッピー!」としたくなる気持ちは大変良くわかる(映画が良く出来ている程、その誘惑は強くなるのでしょう)のですが、個人的には只の蛇足に感じました。別れを描いてこその子ども向け映画ではないでしょうか。この辺りは、未だ『トイ・ストーリー3』等のPIXARに及ばない部分だと感じます。[映画館(吹替)] 8点(2014-10-27 06:58:21)(良:1票) 《改行有》

44.  拳銃の報酬(1959) あの巨匠ロバート・ワイズがかつてハードボイルド映画を撮っていたという意味では観る価値はあるかもしれませんが、そこまで惹きつけられる何かがあったとは最後まで思えませんでした。爽快感の無いラストや、黒人への差別など、当時としては新鮮な内容だったのかも知れません。[DVD(字幕)] 6点(2014-10-21 23:50:36)

45.  アイス・エイジ 《ネタバレ》 人間の赤ん坊を中心に、各々孤独を抱えていた3匹の動物達が、疑似家族を形成していくというストーリー自体は、結構スムーズに出来ていると感じました。また壁画のシーンはややホロリと来てしまったり。 但しギャグが総じて余り面白いとは感じませんでした。いえ、コミカルな雰囲気づくりをしていることは理解できるのですが、その殆どが所謂一発芸に近く、正直大人の鑑賞を考えている作りではないかなと思います。まあハナから完全に子ども向けとして作られたのかも知れませんが、そうすると矢張りPIXAR作品やDream Works作品と並ぶ質の作品とは迚も言い難いものがあります。[DVD(字幕)] 7点(2014-10-21 23:46:42)《改行有》

46.  フレンチ・コネクション2 《ネタバレ》 汚らしいニューヨークを描いた前作から、舞台は麻薬製造元のフランスの港町・マルセイユに移り、画面も徹底したリアリズム溢れる映像から、フランスならではの優雅さを感じられる映像になりました。映像と呼応するように、前作のひりつくような緊張感に包まれ、爽快感もまるで感じられないストーリーとは違い、泥臭い男たちが麻薬マフィアを追う、ジョン・フランケンハイマーらしい暑苦しいストーリーとなりました。 正直前作程の傑出した物は感じられない作品ですが、グッと一般向けによった作りは嫌いではありません。演出上、前作は観た後にドッと疲れを感じた作品だったのですが、本作は最大の敵をやっつけてスパッと終わるので鑑賞後の気分も良かったです。あのラストカットの切れ味は良いですねえ。[DVD(字幕)] 7点(2014-10-20 23:45:42)《改行有》

47.  ゼイリブ 《ネタバレ》 いつの間にか異星人が紛れ込んでいるという設定はカーペンターの他の作品でも見られますが、アイデア自体は古典中の古典であり大して新鮮味を感じるものではありません。しかし独特のビジュアルとテンポ感、そしてカーペンターおなじみの気の抜けた様なテクノ調の音楽が、凡百のSF映画との大きな差になっていますね。「権力を信じるな!支配されるな!」というテーマも非常にカーペンターらしい。 まあ結構オイオイと突っ込みたくなるシーンが多い映画でもあり、その辺りは笑いながら観てました。その位のテンションで観るのが正解?ですかね。例えば、サングラスに映っているものをそのまま声に出しちゃう主人公とか(そりゃ怪しまれるわ!)、次々と異星人を見破る新兵器を開発してる謎のレジスタンスの設定や、異星人の機器が何故か地球現地語(英語)だったり。[DVD(字幕)] 6点(2014-10-09 22:21:45)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》

48.  イヴの総て 《ネタバレ》 素晴らしい。クラシカルでありながら今観ても全く色褪せない内容です。大きなテーマの一つは“野心”。誰しも持っているこの感情をイヴに託して意地悪く描きます。イヴは一見生娘の様に純粋な女でありながら、結果として大変大きな野心を持つ女だった訳ですが、その魅せ方が実に上手いです。冒頭の賞を受賞するシーンでスティルに映る彼女や、初めてマーゴと会ったときの彼女は本当に良い娘に見える。逆にマーゴの方が明らかに嫌な感じに映り、マーゴ以外の登場人物も同じように思って、どんどんマーゴの居場所がなくなっていく感覚は、ホラー映画としても十分通用する気味の悪さでした。 カレンを脅迫し始める辺りからは、遂に物語の主役がイヴに移り、その上昇志向ゆえに他人を傷つけ、蹴落としても構わない、その恐ろしい思想が描かれます。ここも前半に皆から好かれるイヴを丁寧に描いているからこその恐怖ですね。またその仮面を付けたり外したりするアン・バクスターの演技がすごいです。 一番恐ろしかったのは、最後に新たなイヴが出現するシーン。賞を受賞した後のイヴの振る舞いは、キャリアの頂点に居たマーゴとなんら変わらず、彼女はこれから若い新人女優の出現に脅かされる日々を送るのでしょう。一瞬の愉悦と、その直後に来る不安。恐ろしいものですね。イヴのコートを着て合わせ鏡に無数に映る新たなイヴは、いつでもどんな時代でもイヴは生まれ続けるという意味かなと思え、最後まで考えさせる内容でした。はっきり言ってホラー映画ともいえる様なこわーい映画でした。[映画館(字幕)] 8点(2014-10-03 23:41:11)(良:2票) 《改行有》

49.  椿姫(1937) 《ネタバレ》 元々ヴェルディのオペラであるだけあって、お話は古典中の古典。今観れば娼婦のラブロマンスというのもなんら珍しいものではありません。とは言ってもグレタ・ガルボ演じるマルグリット美しさは格別。 あと元が大変有名なオペラであるので仕方がないのかも知れませんが、筋をとにかく追いかけているような印象を受けました。何か映画ならではの要素を取り入れても良かったのではないかなと。[DVD(字幕)] 6点(2014-10-03 23:08:14)《改行有》

50.  チョコレートドーナツ 《ネタバレ》 骨太な感動作でした。ダウン症とゲイのカップルという二つのマイノリティー要素を取り入れながら、世に未だ蔓延る偏見をそれに伴う悲劇を描いています。マルコの為の裁判が、いつの間にかゲイのカップルの監督責任能力の有無についての話に、敵の弁護士が誘導する様には本当にアタマに来ました。日本ではあまり問題視されていないような話でしょうが、未だにゲイに強い偏見が残っているアメリカ、しかも70年代ですから、そのストーリーも非常に実在感あるものになっています。 最後の新聞記事が同封された手紙の演出は素晴らしいと思います。映画を観ていると当然私たち観客は主人公であるルディとポールに感情移入しながら、世間のアレコレに憤りを感じてしまっている訳ですが、あの手紙のシーンで突然ポールから私に語っているかの様に思えました。だって大多数の人々はダウン症の子どもを養っている訳ではなく、同性愛者でもない。結果としてそういう人たちがマルコを死なせてしまったのですから。逆に言えばあの手紙を受け取った人たちの内の一人でもマルコのためを真剣に考えればマルコは死なずに済んだでしょう。そういう部分でも色々と観た後に考えてしまう映画でした。[映画館(字幕)] 8点(2014-09-27 22:24:57)(良:1票) 《改行有》

51.  猿の惑星:新世紀(ライジング) 《ネタバレ》 あ~、泣いた泣いた。劇場でこれだけグズグズ鼻に来てしまったのは久し振りです。泣ける映画=良い映画という訳では勿論ないですが、素晴らしく、また悲しき映画であったと思いました。 恐らく方向性はキューブリックの『2001年宇宙の旅』を目指したのだと思います。オープニングのシークエンスの音楽が、同作の猿人がモノリスに触れ進化するシーンや、ボーマン船長がスターゲートをくぐり、より高次の存在=スターチャイルドに進化するシーンの音楽と似ていますし、なにより猿が人間へと進化することの罪を描いた作品でもあるのですから。 本作で猿たちは自らに不可侵のルールを設定しており、それは“Apes do not kill apes”というフレーズとして度々挿入されます。人間と動物の違いは何か?という問いに対し、一つの意見として、“人間だけが同族同士で殺しあう。他の動物は同族を意味無く殺さない”という意見は良く耳にしますね(実際には一部の動物は同族殺しもします)。少なくともこの映画では、人間性を得るということは、「同族を殺すこと」=「戦争をすること」として捉えられている。 大変悲しかったのが、最後にシーザーが、猿たちの集団でファシストになってしまったコバを殺す場面です。コバも味方の猿を殺してしまいますが、それは人間たちを殺られる前に殺るという非常にラジカルな思想に基づくものでしたが、シーザーは人間との共存を望んだのにも関わらず、同族を殺さなければならなかった。 リーダーのシーザーが同族を殺し、猿が人間と対等になったことで、このシリーズは新たな局面を迎えることでしょう。最早、猿たちは「コミュニティは皆家族」と言う様な、本作のオープニングに描かれる平和な理想郷は恐らく二度と築けない。 猿たちは最後に夜明けの前に立つ。その夜明けは明るいが、それは血塗られた猿たちの歴史の始まりに過ぎないのだと思います。そして全ての争いは他者への無理解・他者とのすれ違いによって生じることまでも丁寧に描いている。猿の進化を、人間が大地に生まれてから連綿と続いてきた戦争の歴史に喩えて描いた、新しい戦争映画の傑作だったと断言します。[映画館(字幕)] 9点(2014-09-22 16:13:03)(良:1票) 《改行有》

52.  小悪魔はなぜモテる?! 《ネタバレ》 劇中でも何度も言及されていますが、本作のモチーフはアメリカの小説家ナサニエル・ホーソーンの名作『緋文字』です。ホーソーン自身は魔女狩りが起こったことで悪名高いセイラムの出身であり、『緋文字』には彼が抱えていたピューリタニズムへの批判がありありと見て取れるのです。 だから本作を理解するには根底にキリスト教の存在が色濃くあることに気付かなくてはいけません。そうでなくてはラブコメとしては凡庸であるし、イジメを描いた物語としては悲劇性はそれほど強くないし、青春映画としてもそれ程傑出した内容と言わざるを得ないでしょう。 姦通は果たして罪であるかどうか?噂が伝播しそれを糾弾する生徒たち。その根っ子にいるエヴァンジェリストたち。彼らたちが神を賛美する歌を歌いながら燥いだり、悪魔のマスコットを排他すべき対象としていることは何も冗談ではありません。アメリカには実際にああいう人たちがいます。ゲイの男の子が苛められているというのもここに真の理由がある。劇中で生徒会長の一派が「我々がどれだけ祈りを捧げても、ゲイやアバズレは罪を重ねるのよ」と言っているのですから。結構軽い学園コメディにこういう要素を入れるセンスには脱帽です。 演出面では、コメディとしてもパーティーでヤッてる振りをする場面を筆頭に中々楽しかったです。終盤に出てくるミスリードにもまんまと私は嵌ってしまって上手いなあと思いました。 個人的にちょっと残念なのは、エマ・ストーンがとっても可愛いとはいえ、矢張りファーストカットの時点でとても地味子に見えないことです。この映画は矢鱈と『ブレックファスト・クラブ』にオマージュを捧げているシーンが多いと思ったのですが、それなら同作で地味子を演じたアリー・シーディ位のビジュアルで登場してから、変身して欲しかったですね。まあエマ・ストーンは魅力的に映っているし別に良いと言えば良いのですが。ちょっと気になりました。 ああ、言うまでもないですが邦題のセンスは0点。別に小悪魔でもなければ、モテている訳でもない。[DVD(字幕)] 7点(2014-09-21 22:59:03)(良:3票) 《改行有》

53.  マイ・フェア・レディ 《ネタバレ》 この映画は二人の人間の成長を描いていますね。一人は当然ながら花売り娘のイライザ。訛りが酷く、上流階級にでても恥ずかしくない言葉を話すべく努力する姿は魅力的でかつ面白いです。彼女がスパルタ教育にイラついて「ア"ア"ー!!」って叫ぶだけで面白いからズルいですね。 んで彼女は結局ヒギンズ教授に賭けを勝たすだけの上達を見せるのですが、そこでチャンチャン♪と終わらないところが良かったです。キチンと上流階級の主役は男であり、女はそこで品評会に出されて娶られるのが唯一の役目ということを確りと描写し、そんな世界を疎ましく思うイライザも描く。こういう世界は今もあるでしょうし、当時のイギリスなら尚更でしょう。 もう一つはヒギンズ教授の成長。イライザの話が終わったと思ったら、ヒギンズ教授にもスポットライトが当たるので良い意味で驚きました。彼が序盤から利己的で独善的な男と描写されていた伏線が良く効いています。女心が分からない、いい年したオッサンがイライザを求めて右往左往する姿は笑えます。 そして今日ではスタンダード・ナンバーとして知られている「I Could Have danced All Night」を元気に唄う(吹き替えですが)このシーンがあるだけでミュージカルとしてはOK。オードリー・ヘプバーンの持つ少年性が活かされた名場面でした。 しかしちょっとばかし上映時間が長いことが気になりもしました。特にイライザの父親とピカリング大佐はストーリー上で絶対に必要な役柄ではないと思えるので、父親のダンスシーンや大佐が知古の友人に電話をするシーンなどは映画化に際し切っても差し支えなかったのではと思います。 とは言っても、老若男女問わず楽しめ、且つ味わい深いストーリーを内包した、ハリウッド映画の良さを存分に感じられる作品と思えました。[DVD(字幕)] 8点(2014-09-19 23:24:53)《改行有》

54.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 《ネタバレ》 観終わった後に真っ先に思ったことは「尺が足りてない……」ってこと。いや、脚本も良く出来ていて一見はキチンと始まりから終わりまで綺麗に収束していると思うのですが。なんたって個々のキャラクターが魅力的すぎる。正直テレビシリーズか何かで1クルー使った様な作りの方が良かったかなーと思いました。こういうチームもので宇宙を股に掛ける大冒険なのだから、一つ一つの惑星で魅力的な面々が段々と登場し、各々の勝手な動機(金儲け、復讐、等々)により、仕方なくチームを組む。当然チームワークはバラバラですが、シリーズ終盤で悪役が銀河を滅ぼせる力を持ってしまい遂に一致団結!……となればアガると思うのですが、今回の2時間の映画ですと、たった1時間で彼らが一致団結するまで持っていくので正直唐突に感じました。「お前らそんなに仲良かったの?」って。 少なくとも悪役のロナンがなぜあの惑星の人間を根絶やしにしようとしているのかの理由は絶対に必要でしょう。悪役の動機なんだから。父と祖先を殺されたとかセリフで説明されても具体性がないので分かりません。あとはガモーラとネビュラの関係性も映画だけだとイマイチ分からない。確執があるなら映画内で描いてくれないと因縁っぽい対決にも燃えない。 あとそろそろラスボスが「強大な力をもってるのになぜか使わない」って展開止めませんかね。ラストバトル近くで軍隊が敵の戦艦をシールドで守って抵抗し敵幹部も焦ってるので「やった!」と思っていると、終盤近くになって急にラスボスが杖振るだけで全壊するって……。最初からやれよ。若しくは、その杖を振るにはパワーをチャージする時間が必要とかの時間的な制約を付けるとか工夫してほしい。最後に仲間で手を繋いでいってパワーを制御できるって理由も良く分からん。ロナンが「一体どういうことだ、なぜそんなことができるんだ」って驚いてましたが、私も全く同じ気持ちでした。それに対する主人公の答えが「俺たちはガーディアンズ・オブ・ギャラクシーだからな!」ってそれ理由か? お気楽なナンバーの数々は作品の軽いテンションとマッチしていてとてもよかったです。ランナウェイズの「チェリー・ボム」で出撃するって新しいですね。ここは燃えました。[映画館(字幕)] 6点(2014-09-17 07:15:02)《改行有》

55.  アニー(1982) 《ネタバレ》 個々のキャラクターに芸達者な役者を起用しているのに、イマイチそれを活かし切れていない様に思えます。ティム・カリー演じる悪役も、単なる悪役に過ぎず、可也拍子抜け。だってあの『ロッキー・ホラー・ショー』のフランクフルター博士ですよ?もっとミュージカルなんだからおいしい使い方があるだろうに。 憎めないオールドミス、ミス・ハニガンを演じたキャロル・バーネットも素晴らしい演技だっただけに、最後まで奥深いキャラクターにならなかったのは残念。終盤で「何も殺すことはない!」と弟に懇願していましたが、そこに至るまでのステップ無いから唐突に感じます。2015年に公開されるリメイク作では非常に改善してほしいところ。 あと、子ども向けのファミリー映画であろうに、ダンスシーンでは結構の女性がスリットの大きく開いた際どいスカートで躍るのでびっくりしてしまった。まあセクシーで観てる分にはいいんですが、監督の趣味か?[DVD(字幕)] 5点(2014-09-17 06:49:06)《改行有》

56.  ブレックファスト・クラブ 《ネタバレ》 青春映画の傑作と言うことで可也ハードルを上げた上での鑑賞でしたが、その期待を裏切らない出来の映画だったと思いました。 所謂スクール・ヒエラルキーを描いた草分け的な作品なのでしょうか、出てくるキャラクターは教師と用務員を除けばたった5人、ジョックス(体育会系ヒーロー)、クイーン(誰もが憧れる女学生)、ガリ勉、不良、不思議ちゃん(バスケット・ケースって原語はヒドいですね)。しかしそれぞれに等身大の悩みがあり、それを普段の学生生活では絶対に交わることのない者たちに打ち明けていく。 この映画が優れている点は上の様にレッテルが張られている学生生活の役割で簡単に割り切れるもんじゃないことを教えてくれるところだと思います。だから彼らは「自分とは何か?」という題の作文を遂に作れなかった。レッテルなんてどうでもいい、自分は自分だ。 唯一気になったのは、アリー・シーディが演じた不思議ちゃん。彼女は最後にクレアにおめかししてもらって変身しますが、どうにも上記の様なテーマなら最後まであの風変わりな見た目でいてほしかったです。変身することが、彼女にとって他者と交わる大きな一歩を表していることは分かるのですが。 あとマリファナを吸うシーンがあって、結構恐々吸っているのも面白いですね。昨今のアメリカ映画ではティーンがマリファナを吸うなんて普通に出てきますが、30年前はまだまだイケナイことをしている意識が強かったのだなぁと。勿論今でもライセンス無しではホントはやっちゃいけませんが。[映画館(字幕)] 8点(2014-09-15 09:11:35)《改行有》

57.  アメリカン・グラフィティ 《ネタバレ》 ほぼ平成生まれの身としてはジョージ・ルーカスといえば『スター・ウォーズ』シリーズしか知らず、更に劇場では悪評も多い新三部作しか見たことがなかったので、この作品には驚きました。こんな優れた青春群像劇を撮ってた人だったのですね。 青春映画らしく非常に成長というテーマを真摯に描いた作品ですね。どの登場人物も初登場時とは一夜の小さな街での冒険を経て、その心情が大きく変わっている。オールディーズナンバーに乗せて青春を描いているので、懐古趣味的な映画として受け止めている方が多いと思いますが、寧ろ「あの頃はよかったな」という望郷からの脱却ともいえると思います。 最も興味深いのは所謂ツッパリでカーレースに興じているジョン・ミルナーです。彼は最後にカーレースの勝負に勝ちますが、その後に「マシンの性能では負けていた。本来なら敗者だった」と呟きます。彼も自分がそろそろツッパリを卒業しなければいけない、若しくは街の外に出てレーサーとしてキチンと経験を積まなければいけないことは理解している。それでも最後に「いや、君は確かに勝っていたよ!」と励まされ、もう少し地元で頑張ってみるかという表情を浮かべる。本当にこれからの彼を応援したくなりましたね。 その後にエンドロール前で彼らのその後が簡単にテロップで流れますが、彼が自動車事故で亡くなったのは非常に悲しかった。人生の悲哀を感じます。[映画館(字幕)] 8点(2014-09-08 08:10:54)《改行有》

58.  イントゥ・ザ・ストーム 《ネタバレ》 すっごく楽しかったです。終わり。……では味気無いので良かった点を箇条書き。 1.主役が竜巻(台風?)ということを理解している。騒動に巻き込まれる人間を一通りスピーディーに描いた後は、基本的に凶暴な竜巻の挙動にハラハラするのみ。最初は一つ二つだった竜巻が、どんどん増えていき、最後には超巨大になるって展開もモンスター映画の定石を採っている様で観ていて非常にワクワクしました。 2.阿呆は直ぐにフェードアウトしてくれる。こういうパニック映画では「え?なんでそんな行動するの?明らかに危ないし、脚本の都合じゃねーか」と毒づいてしまう作品が多いですし、本作でもYouTubeにビデオをアップしようとしているバカ二人組が出てきますが、竜巻の凶暴さを身を以て観客に教えた後はさっさと本編から除外されるので良かった。ああいうキャラが終盤まで足を引っ張ったり周囲を混乱させると凄くムカつくので。もう一人、ビデオカメラを取りに行こうとして、炎の竜巻に巻き込まれちゃう男もバカと言えますが、その行動はビデオクルーのリーダーに諭されての事で、その後にリーダーが自分の軽率な行動が引き起こした結果を見つめ直すことで、その犠牲がストーリー展開にまで寄与している。実にうまいなーと思いました。 3.人間のモラルが真っ当なこと。そこういう災害映画の場合、大抵学者とかが調査のためにその災害に“自分から”巻き込まれるという体で、ストーリーを成り立たせようとしますが(命の危険があればプロでもなんでも逃げるべき、本作のリーダーみたくそれに憑りつかれている訳じゃない限り)、本作の場合、息子を助けに行く父親を登場させることで、そのストーリーに無理が生じていないと思います。そりゃ「息子の命が危ないから災害なんて関係ない!」と言われれば観客も納得するしかありません。 ……最後にバカ二人組が生きていたってオマケは正直要らなかったかなーと思います。[映画館(字幕)] 7点(2014-09-03 17:17:30)《改行有》

59.  LEGO ムービー 《ネタバレ》 これだけは誰もが認めるところだと思いますが、LEGOの世界を映画にしたアニメーション技術はとにかく素晴らしいし魅力的です。LEGOの設定を活かしたアニメーション、その魅せ方に何度も唸らされました。 但し、観終わった後の印象としては幾分引っかかる点があったことも事実です。一つはギャグの問題。単なる好みかも知れませんが、ひっきりなしにギャグが連発され、その多くが所謂小ネタのギャグなので、思ったより気持ちよく笑えませんでした。色んな映画のパロディネタがジャンジャン入っているのは一応面白くはあるのですが、なんか"最終絶叫計画"シリーズにも通じる脈絡の無さというか、「バットサインですよ、面白いでしょ?クリプトナイトのネタ面白いでしょ?ハン・ソロとチューバッカが出てるなんて面白いでしょ?」っていわれても、その作品のパロディが入ってくる理由が特に無いので余り面白く無いなぁと。あえて言えば、後半に明かされますが、子どもが作ったギャグって感じでしょうか。それを好意的に解釈すれば良く出来ているのかも知れませんが。 あとは「本編は神(人間の男の子)によって操作されていた」というオチですが、それならどんな理由があろうとも主人公が父親の前で気付かれないように動いたりしたら駄目だと思うのですが、それなら『トイ・ストーリー』と一緒になっちゃいますけど、そういう世界観じゃないでしょ?この映画。 一番の問題は「LEGOの世界がアニメーションとして動いてるー!スゲー!!」とはなりますけど、アクションの演出や感動シーンの演出は至って平板であるということでしょうか。なんかどのシーンも非常に既視感が凄くあって、もう少し演出面でもハッとさせるものが欲しかったように思います。でも、子どもが作った話とすれば、好意的に解釈すれば ~(以下略)。[DVD(字幕)] 6点(2014-08-19 00:32:43)《改行有》

60.  GODZILLA ゴジラ(2014) 《ネタバレ》 まず今現代にゴジラを一から作り直した作品として実にクレバーな構成だなと思いました。日本映画史に残る54年版(所謂初代)『ゴジラ』においてゴジラは人間など塵に等しいと言わんばかりに大暴れする一種の神や天災のような存在でした。その後、ゴジラが子ども向け映画としての地位を確立するとゴジラは人類の新たなる脅威と戦う、結果として人類の味方として存在するようになりました。今回のハリウッドリメイクはその二つの要素を上手く融合させており、ゴジラのファンにとっては納得できるものではないでしょうか。 また基本的に怪獣の見せ方がとても効果的で素晴らしかったです。閃光弾が空を照らした先にゴジラの全身が映されるシーンや、ゴジラのあの(エメリッヒ版ではなくオリジナル版に近い)ド迫力の咆哮、海からの登場シーンや、サンフランシスコでのMUTOとの対峙、そしてMUTOの首を掻っ切り勝鬨を挙げるシーンなど、怪獣映画やロボット映画にお馴染みの見栄の切り方は本当に格好よく怪獣王を捉えていた。 しかし不満点も多々あります。一番の不満はハッキリ言って主人公です。正直、彼が絡むシーンが本当に邪魔。とうとうゴジラとMUTOが向かい合い「うおぉ!怪獣大決戦だ!」と思ったら主人公サイドに話が移り、怪獣たちの戦いはひとまずお預けとなる。もうね、非常にガッカリしました。そういうシーンが随所にあります。ハイライトとなるサンフランシスコに話が移ってもその傾向は続き、怪獣の戦いが遂に存分に見れるのかと思うと主人公の奥さんが避難場所に逃げ込むのと同時に彼らの大暴れは見れなくなってしまう。主人公が空から降下する場面でも時間が夜であり、また人間である主人公の目から戦いが映されるのでジックリ見れない。最近の『クローバーフィールド』等の怪獣映画ではPOV的な映像が多用されるのでトレンドなのかも知れませんが、個人的には『パシフィック・リム』みたいにしっかりと大格闘を見せてくれる方が好きです。 随所にゴジラフリークを喜ばせようとしている工夫は感じられるし、怪獣映画への愛も感じる映画ではあります。しかしながら主人公絡みの人間ドラマをもっとタイトかつ丁寧にして、家族愛よりも何より怪獣愛を優先していたならば更に高い水準の作品になっていたかも知れない可能性は捨て切れません。[映画館(字幕)] 7点(2014-07-25 22:29:53)《改行有》

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS