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プロフィール
コメント数 1317
性別 男性
ホームページ http://minrou.seesaa.net/
年齢 36歳
メールアドレス baker221b@live.jp
自己紹介 全体的に甘めの評価になりがちです。
当然映画のジャンルによって評価にバラつきがあります。以下参考までに……。

評価が高くなりやすいジャンル:ミュージカル、B級アクション、ロマコメ、バカコメディ
評価が低くなりやすいジャンル:ミステリー、サスペンス、ラブロマンス

基本的に過激な映画が好きです。暴力的な意味でも、性描写的にも、人間性の描き方でも
どれだけ感動的な映画であっても尖った所が無い映画より、過激な表現がある映画の方を評価しています。

13.4.27(追記)……TOHOシネマズが6月1日から高校生料金を1,000円にするとのこと。
今は若い方が映画館に少ない状態なので大変素晴らしいと思います。
(日本の料金はそもそも海外に比べて高すぎる。価格も一律で決められているから劇場間の競合も生まれにくい)
でももうちょっとシネコン自体が上映する映画のラインナップを改めた方が良いのでは。
客が集まる邦画をバンバンかけるのは経営としては正しいけれど、いつか必ずしっぺ返しが来るのは判り切っていることなのに。

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61.  七年目の浮気 《ネタバレ》 『七年目の浮気』という中々直接的なタイトルですが、実際には堂々とした浮気は起きない。主人公はなんだかんだ言っても配偶者を愛していて、大それた行動は取れない上に、勢い余って取ってしまった時は本気で焦る。そして妄想力逞しい。つまり世の中の大体の人間のソレなのですね。 そんな主人公の二階の住人が何とマリリン・モンロー、あの完璧なプロモーションとちょっとアホ可愛い性格に終始翻弄される主人公は、可也笑えました。 初回と全く違う深刻な状況で繰り返されるラフマニノフの第二番や、鏡の中の顔が見る見る老ける時に言及されるドリアン・グレイの肖像など、洒落が良く効いています。 ただ、舞台劇を映画化したにしても全編にわたり主人公の独り言が延々と続くのはやや違和感を感じました。ビリー・ワイルダーは他にも様々な舞台劇を映画化してしますが、今回はそういう他作と異なり完全に舞台をそのまま映画として撮ったという感じ。[DVD(字幕)] 7点(2014-07-20 07:12:07)《改行有》

62.  ことの終わり 《ネタバレ》 神性が介在する不倫話。サラの日記によりことの真相が明らかになる場面には引き付けられたし、神を信仰し愛する男から遠ざかろうとするサラと、逆に神に怒りを抱く主人公の対比も中々良かった。しっかし矢張り気になるのがあのラスト。神性にはどうやっても勝てなかったことを表現する為に、あの奇跡が描かれていることは、まあ判る。でも正直、アザが消えたシーンを観た時の私の感想は直球に言ってしまうと「キモッ」でした。神が現実世界で奇跡を起こす類の映画は他にも色々ありますが、やっぱり自分の肌には合いません。 それから基本的にメロドラマが得意でないので、少し低評価になってしまいました。[DVD(字幕)] 4点(2014-07-18 20:32:47)《改行有》

63.  オール・ユー・ニード・イズ・キル 《ネタバレ》 中々に面白い作品でした!まずトム・クルーズが演じる主人公・ケイジのキャラクター造形が良いです。私が好きなトム・クルーズとは『M:I』や『トップ・ガン』では無く、『マグノリア』や『ナイト&デイ』の様なちょっとイッちゃってるキャラクターを演じた時なのですが、今回もそれに通じる面白さがあるというか、イケメンを演じることが多かった彼のセルフパロディでしょうか。 だって主人公は軍の広報担当官で露骨に戦場に出るのを嫌がる様な、明らかに主人公の器では無い男。それを甘いマスクのトム・クルーズが軽薄な感じで演じるから面白い。 とてもユニーク且つ斬新だなと思ったのが、この映画が持つテレビゲームを再現したかの様な設定、と本来それと相反する筈の"出会いの素晴らしさ"とか"命の大切さ"の描写があったことです。一部の識者(?)が「テレビゲームなんて娯楽があるから現代の若者が命を軽々しく考えるようになった」とかトンデモ論が聞かれなくなって久しい今日ですが、本作は「ループを繰り返す→必然的に主人公やヒロインの死が軽くなる」という流れを主人公がヒロインの度重なる死に対して懊悩するという描写で見事にその軽さ(ある種ストーリーとしての欠陥)を補完していると思いました。実際、やっぱりエミリー・ブラント演じるヒロインの数々の死に様を観ると遣り切れない気分になるんですよね。エミリー・ブラントの演技も大変良かったと思います。 ちょっと残念というか勿体ないと思ったのがこのループものの利点、主人公がいくら死のうが物語は終わらないという設定をあまり効果的には使っていない事だと思います。冒頭のギタイからのフランス奪還作戦は、ビジュアルや地理的状況をパッと観て判るとおり傑作戦争映画『プライベート・ライアン』の冒頭のノルマンディー上陸作戦のオマージュなのでしょうが、それを参考にしたにしては戦闘の描写がイマイチだったと思います。『プライベート・ライアン』では手足がちぎれ飛ぶわ、内臓が飛び出すわ、銃撃でズタズタに引き裂かれるわ、戦争の悲惨さを克明に描いていたと思うのですが、本作でも折角主人公がいくら死んでも構わない設定なのですから、もっと観客に「こんな戦場に行きたくねえ」と思わせるだけの画作りでも良かったのではと思います。そちらの方が主人公の当初の感情、戦場にどうしても行きたくない心情も理解し易いですし。[映画館(字幕)] 7点(2014-07-17 21:07:44)(良:1票) 《改行有》

64.  フレンチ・コネクション 《ネタバレ》 想像を映像化するのが映画だとすればこの映画は映画ではありません。塵芥が散らかるブルックリンの街並み、起伏の少ないストーリー、逃げる悪人の背中に銃弾を浴びせる主人公、そして爽快感のまるで無いラスト。あらゆる場面が単なる刑事ドラマとは一線を画しています。ただ、だから面白くないかというとそんな事は全く無く、リアルにはリアルの見せ方があることが良く分かりました。簡単に言えばリアルだからこそ何が起こるか判らない面白さです。リアルなのだからストーリーが定石通りに進む保証などない。屋上で突然射殺されかける主人公や、それによって巻き込まれて死亡する全く無関係の女性、電車の中であっけなく撃ち殺される車掌。緊迫感と若干の不快感が耳に残る音楽も相まって、事態がどう転ぶか、誰が命を落とすのかが全く読めない。そこにこの物語としての面白さを感じました。 また語り草となっている暗殺者が乗る電車とポパイが運転する車のチェイスシーンは素晴らしい。[映画館(字幕)] 8点(2014-07-01 19:11:45)(良:1票) 《改行有》

65.  300 <スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~ 《ネタバレ》 続編とは言え監督は変わり、ザック・スナイダーは脚本・制作としての参加です。戦闘シーンでスローモーションが多用されたり、一連の殺陣を連続したスローで繋いでいく手法など、前作のアクション演出を踏襲しているのは判るものの、やはりその魅せ方は本家の方が格段に上だと思いました。前作はキメの画で止まってくれていたのに対して、簡単に言っちゃうと無暗矢鱈にスローになっている気がしました。あと終盤のテミストクレスの船上での単騎駆けのシーンは予算が尽きたのか知りませんが、ちょっとCGがショボかった……。折角の最大の見せ場の一つだったのに勿体ない。 あと基本的にストーリーが弱いと思います。ビジュアル先行のシリーズなのだからそんなに凝った話にする必要は無いかと思いますが、海戦を描くにあたって両者が知恵を絞っての対決に見えないので今市盛り上がりに欠けます。具体的に言うと、片方が勝利する戦闘ではもう片方が異様にバカに見えてしまう。アルテミシアの部下の無能っぷりとか必要なかったのではないでしょうか。アルテミシアの有能な部下をテミストクレスがそれを上回る智謀で叩く方が良いと思います。 あとアルテミシアが序盤で血が滴る敵の首級を掲げますが、多分これはワイルドの『サロメ』を意識してのことでしょう。愛した預言者が自分の物にならず、結果として斬首してしまう悪女の代表・サロメ。本作でもアルテミシアがテミストクレスを誘惑しちゃったりするのですが、そこらへんのドロドロした関係をもっと濃厚に描けばお話ももっと面白くなったかなーとも思います。 ちょっと許せなかったのが役者の完全な棒読み演技ですね。多分アクションシーンに力を入れているからこその手の抜き様なのでしょうが、主要キャスト以外は基本的にどっか遠くの方を見つめてセリフを喋ってるだけ。腹筋の割れ具合だけでキャスティングされた訳でもあるまいに、流石にもう少し……ねぇ?[映画館(字幕)] 4点(2014-06-22 18:57:49)《改行有》

66.  8月の家族たち 《ネタバレ》 原作が舞台劇ということもあってか基本的にオクラホマの一つの家が唯一の舞台となります。ハッキリ言って話自体はとても地味だと思います。父親の葬儀をきっかけに実家に帰ってきた娘たちと、叔母、そして薬物依存症の母親が延々と口げんかを繰り広げる、ただそれだけですので。 但し、描かれている内容が普遍的なのでその物語がズシンと心に響きました。分かった風に言ってしまうと“ふつうの家族でいることの大変さ”を描いた作品だと思うのです。誰でも家族は仲が良い方が良い。しかし家族の関係の全てが順風満帆に進んでいる人間が一体どれほどいるでしょうか?不仲、両親の浮気・離婚、相続問題、将来の親の面倒、etc……。家族のトラブルは挙げればキリがありません。本作もそういう結構普段考えるのは面倒な家族の問題を扱っていて、ある程度恵まれた家族関係を保っていると自分では思っているとは言え、かなり物語にのめり込んでしまいました。結局、家族の関係ってのは紐で繋がっていて手繰り寄せれば直ぐに相手に届く様な簡単なものではなく、ゴム紐で繋がっているような物だと思うのです。家族を理解しようと、愛そうと努めても、逆に相手から攻撃を喰らったり、離れていったり、反発したりしてしまう。この映画の登場人物はそんな風に延々と衝突して自壊していく。普通の映画ならば最後に家族が元通りになりました、若しくは元通りになりそうです、と希望を持たせて終わると思いますが、本作は「家族はそんな簡単に直るもんじゃない」と言わんばかりに崩壊したまま終わりを迎えるのも個人的に現実的で良いなと思いました。そんで延々とネイティヴ・アメリカンのお手伝いさんを邪険に扱っていた母親が、家族が一人として居なくなった途端に彼女に縋るのも中々感慨深いですね。たった一人になったときしか家族のありがたみは判らないものなのでしょう。良くある話ですが失って初めて失ったものの大きさに気付く。 あとは豪華キャストによる演技合戦が何より魅力的ですね。メリル・ストリープとジュリア・ロバーツは売れっ子になってからお綺麗な役が多かった故に、年老いた姿で母娘を演じたガッツは称賛に値します。普段、イケメン役が多いベネディクト・カンバーバッチが情けない中年男を演じてるのも新鮮味があってちょっとツボでした。色んな大俳優のちょっと違った演技の幅が観れる作品でもあると思います。[映画館(字幕)] 8点(2014-06-22 00:56:45)《改行有》

67.  キングピン/ストライクへの道 《ネタバレ》 ファレリー兄弟の映画では過去トップクラスにダメダメな主人公であり、精神的にもダメだった主人公が遂に自分の力で過去を克服しようとする、割とキチンとした主骨があるコメディ。そんな主人公演じるウディ・ハレルソンも魅力的なのですが、もうこの映画の誰が最高って、ビル・マーレィでしょう!正にクズの権化を嬉々として演じており最高です。しかもスッゲー悪い奴では無く、とにかく姑息で根が腐ってる卑怯者というのが、ビル・マーレィに非常に合っています。もう彼の振る舞い一つ一つが最高で最低で最高でした。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-06-13 21:59:00)(良:1票)

68.  メリー・ポピンズ 《ネタバレ》 う~ん、素晴らしい!ミュージカル映画が好きなのにも関わらず今まで観てなかった自分を叱りたい。「チム・チム・チェリー」、「お砂糖ひとさじで」、「凧をあげよう」等々、一度聴くと忘れられない名曲達、ディック・ヴァン・ダイクのキレの抜群のダンス、ミュージカル映画として素晴らしいことは言うまでもありませんが、ストーリーも実に良いです。 ディズニーらしく夢を子どもに与えることの大切さ、それを知り変わっていくお父さん、ラストの「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス!」には笑いとともに感動してしまいました。 映像は今見ても新鮮で、コウモリ傘を差しながら空からフワフワ降りてくるメリー・ポピンズや、部屋に浮きながらのティータイム、画の中でのペンギン達とのダンス、煙突掃除たちのアクロバティックなダンス、どれも見ごたえ十分。ミュージカル好きなら観て絶対損は無いはずです。[DVD(字幕)] 8点(2014-06-07 14:17:21)《改行有》

69.  ムーラン(1998) 《ネタバレ》 ハッキリ言ってかなり期待外れだった作品。アニメーションの快楽、脚本の練り方、共に中途半端でとても良質な作品とは思えません。 アニメーションに関しては、中国画風になったり、キャラクターデザインが明らかに旧来のディズニー映画にありがちな画とは違っていたりと、ハッとさせるものもありますが、その魅せ方が今市で強いインパクトを伴わない。単純にアニメーションとしての魅せ方が下手な部分も多々あり、例えば雪山でフン族の一軍に強襲されるシーンですが、ここは舞台設定のみならば『ライオン・キング』のヌーの群れが襲い掛かってくるシーンと良く似ています。但し、同作の方はヌーの大群が主人公の見えない所に居て「これが襲い掛かって来たら大変だ!」と観客をハラハラさせるのに対し、本作はいきなり何の前触れもなく大群が押し寄せてくる。謂わば溜めの無いアクション。これじゃあドキドキしない。 脚本に関しても同様でどれも教科書通りの設定を盛込んだ為に、結果全てが中途半端にしか機能していないと思います。ムーランと将軍の息子との大して必然性の無いロマンス、典型的なサイドキックとして無理矢理詰め込まれている風のドラゴンと幸運のコオロギ、全然魅力的でないムーランの戦友三人、紋切型の悪役像、どのキャラクターも背景の描き込みが希薄だと言わざるを得ません。[DVD(字幕)] 4点(2014-06-06 23:29:11)《改行有》

70.  シンデレラ(1950) 《ネタバレ》 ディズニー・プリンセスの中でもクラシックと呼べる作品でしょうが、その為か現在のプリンセス物と比べるとやや物足りなさを感じた点が多かったです。ネズミ達と意地悪なネコの追いかけっこも楽しいとはいえ、基本的にシンデレラの物語の中核に関わってくるのは終盤だけですので、そこまでのシーンのそれはかなり冗長に感じました。そのシーンでシンデレラという物語が一々止まってしまうと言いましょうか。それから美しい心を持った者は容姿も美しく、憎まれ役は醜くというパターンはエンタメの謂わば基本ですが、シンデレラを虐める継母と、特にその娘二人が不細工に描かれているのはやや単純な発想ではないかと思います。今のディズニーですとこの悪役にもドラマを持たせるのでしょうが、本作は基本的にはそういう配慮も一切ありません。 但し、そういう不満点を吹き飛ばしてくれたのが素晴らしいスコアの数々。特に「So This is Love」の美しさは頭一つ抜けている。魔女のおばあさんが登場する楽しい雰囲気の「Bibbidi-Bobbidi-Boo」も良い。[DVD(字幕)] 5点(2014-06-02 22:27:06)《改行有》

71.  パンドラの約束 《ネタバレ》 反原発派から原発推進派に転向した環境運動家の姿を捉えたドキュメンタリー。私はこの映画の難点というか、ハッキリ言って駄目な点が2つあると思います。 まず1つ目は映画としての見せ場に乏しいことです。私はドキュメンタリー映画であっても見せ場、簡単に言うと抑揚は必要だと思っているのですが、この映画では基本的に幾人かの活動家の「私がなぜ意見を変え推進派になったか」が延々と語られるだけ。一部で過激な反原発派の行動が映されたりしますが、そこを除いたら如何にもお行儀の良い作品となっていて、正直に言って欠伸が出るほど詰まらなかったです。 2つ目はバイアスがかかりすぎていること。まあ想像つく通りこの映画は如何に原発が安全で、低コストで、地球に優しいかを懇切丁寧に説明してくれます。そういう目線で映画を作るのも別にいいのですが、余りにアンフェアじゃないので腹が立ってくる。ある場面でチェルノブイリ、スリーマイル、福島、3つの原発事故で死者は殆ど、少なくとも民間人では皆無であると語られます。逆に地球温暖化が原因による死者は途轍もなく多いとも……。原発事故による死者数で議論になるのが関連死もそれに含まれるのかということですが、この映画では上記の通り原発事故による関連死はゼロとカウントされています。それに対し、地球温暖化による死者は関連死をカウントしている。地球温暖化による直接死など定義しようが無いので当たり前です。 つまり反原発派の行動をテロ行為と評す一方で、この映画こそが非常にバイアスが掛かった議論で地球温暖化への恐怖をまき散らしている。"テロル"を以て"テロル"を糾弾している。これ程に馬鹿馬鹿しい話はない。[映画館(字幕)] 3点(2014-06-01 21:50:47)《改行有》

72.  X-MEN:フューチャー&パスト 《ネタバレ》 個人的にブライアン・シンガーという監督は割と派手な演出をしない監督なのでアメコミ映画の様にド派手な見せ場が必要な作品よりは、『ユージュアル・サスペクツ』に代表されるような優れた脚本がセットになった時に良い作品を作る監督だと思っています。なのでちょっと心配していたのですが、本作はブライアン・シンガーが担当したX-MENシリーズ作品の中では最も好きな作品になりました。大変面白かったです。 X-MENの根幹を為すテーマはハッキリしています。マイノリティへの差別・不寛容です。前日譚であった『ファースト・ジェネレーション』ではそのテーマを全面に押し出していましたが、本作でもかなり顕著に出ていて、本作では自分と異なる存在を排除しようとする思想が結果的に世界を滅ぼす話となっていて、まあ今現在でも世界の彼方此方でマイノリティに対する攻撃は存在しているので有意義な作品であると思います。但し、作品の結論が「他者を怖がらず、武力で排除するのではなく、分かり合う努力をしましょう」という一般的な価値観からすると普通であるので、突出した出来のストーリーでは無いなとも思いました。素晴らしい話だとは思いますが。 前日譚で袂を分かったチャールズとエリックが過去と未来の双方で和解する展開には胸が熱くなったのですが、その主として描かれる二人に対して、本来主役級である筈のウルヴァリンが全体を通して余り役に立っていなかったのには少し残念というか、もう少しアクション面だけでもいいから見せ場があってもいいかとも思いました。今回は、ビーストにボコボコにされるわ、面倒くさい局面で記憶を無くすわ、終盤で場外ホームランを喰らうわ、本当に終始可哀そうな役回りでした。 あと矢張りブライアン・シンガーらしく大規模なアクションの演出はかなり控え目で、終盤のマグニートーによる超規格外の磁力操作や、センチネルとの戦闘など、マシュー・ヴォーンならどんなにワクワクする画に撮っていただろうと、つい思ってしまったりもしました。[映画館(字幕)] 8点(2014-06-01 19:58:15)(良:2票) 《改行有》

73.  ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う! 《ネタバレ》 面白いんだけど、後味の悪いコメディ。この後味の悪さは恐らく意図的なものなのだと思います。なので脚本が良く出来ている為に観客が観た後も少し困ってしまうわけですが、それを面白いと取るか、消化不良と取るかは人それぞれ。普通のコメディでは中々御目にかかれない展開は一見の価値ありです。 ストーリーですが、これが曲者で、楽しかった過去と辛い現在の価値観がコロコロ変わるのでとても感情を振り回されます。そこがこの映画の脚本の妙であるとは思うのですが。 この映画は簡単に言えば、エドガー・ライトが過去作で描いてきた幾つかの作品と同じく「子ども時代と決別する話」です。主人公のゲイリー・キングは40歳になっても昔と同じ黒いロングコートを着ていて明らかに過去の栄光に縛られている正直言ってかなりイタい男です。後半になると『地球の静止する日』や『ボディ・スナッチャー』にオマージュを捧げているのであろう、地球より高度な知能を持った異星人による地球への介在という話に展開していきますが、『ボディ・スナッチャー』と同じく異星人は主人公を誘惑します。つまり老いも無く自分の都合の良い(最高にイケてた時の)自分でい続ける世界です。主人公はそれを跳ね除け辛い現実を選びますが、ここで観客は異星人に「人間様は指図されるのが大っ嫌いなんだよー!」と言う主人公についガッツポーズしたくなると思います。そこからがこの映画の意地の悪い所で結果として世界は荒廃してしまう。しかも主人公は昔の自分と同じイタい格好で救世主の演じている。過去の自分と決別した筈なのに同じ様な行為に走っている。つまりそこで過去をまた美として描くから混乱してしまう訳ですね。但しラストの主人公は水を頼んでいることでも分かるとおり断酒しており、荒廃した世界で自分の居場所を手に入れた訳ですから過去と決別しながら自分の夢を実現した男ということです。つまり立派なハッピーエンドですね。やっぱり意地は悪いけど。 ただもう少しスティーブンとサムの関係は描いていた方が良かったと思うし、ゲイリーとアンディの土壇場の友情も伏線も張っていたとは言え唐突な印象が強いです。また人間の感情を奪うことを目的としてる高次な存在の異星人が人間に対して感情的になるというSFとしてはお粗末な脚本の粗もあります(ギャグとして撮ったのでしょうが)。[映画館(字幕)] 7点(2014-05-25 20:47:44)《改行有》

74.  ダラス・バイヤーズクラブ 《ネタバレ》 所謂、ゲイ&レズビアン・フィルムの一本と言っていいでしょう。それらの過去の映画と大きく異なるのは主人公がテキサスの生粋のホモフォーブなこと。ロデオに興じ、避妊はせず、強烈に同性愛者を口汚く攻撃する、ステレオタイプのカウボーイと考えていいと思います。また、その最低な主人公を演じるマシュー・マコノヒーの演技が素晴らしく、彼の振る舞いから目が離せなくなる。しかし、一見すると過去の映画に良くある生き急ぐ破天荒な人間を描いた映画に見えますが、そうではない。 彼は一般的な人々の無意識にでも持っている感情を非常に鋭角化したキャラクターなのだと思います。HIVに感染していると告げられた時に彼は「でまかせを言うな!そんなわけあるか!」と激昂し病院を飛び出しますが、数日後には「やっぱり感染してるのかな……」と不安になり病院に顔を出す。AZTを手にする手段も失い宣告された余命が間近に迫ると泣き喚く。彼はとても人間臭いのです。だから彼は私たち観客そのものと考えるのが正しいと思います。彼の持つホモフォビアもそうで、誰しもある種の偏見は必ず持っている。ゲイ・レズビアン、ユダヤ人、黒人、中国人、韓国人、朝鮮人、被差別部落民、etc...、ある作家が書いていましたが、現在の世の中は「ユダヤ人や黒人は差別してはいけません」と規定しているに過ぎない。誰にも差別意識は確実に存在する。 そんな主人公がビジネス・パートナーであるトランスジェンダーのレイヨンの為にスーパーマーケットで激昂するシーン、レイヨンと遂に友人として抱擁するシーン、薬を求める同性愛者たちのために車を売り払って薬を都合するシーン、最後に同性愛者たちに拍手で迎えられるシーン、それらが如何に偏見を氷解させるカタルシスに満ちていることか。 ラストカットで暴れ牛に跨るロンの姿は非常に印象的且つ象徴的です。振り落とされればタダでは済まず、端から見れば単に生き急いているだけの行為に見えるロデオ。しかし彼のそんな生き様は無駄であったか?間違いなく否である。 決して派手な映画ではないですが、静かなカタルシスを感じられる素晴らしい映画だったと思います。[映画館(字幕)] 9点(2014-05-04 08:46:54)(良:3票) 《改行有》

75.  俺たちフィギュアスケーター 《ネタバレ》 大変お馬鹿で宜しいです。上映時間はタイトに、ギャグはこまめに、友情はキチンと描く。この映画が本当に良いなあと思ったのは、登場人物にあからさまにおどけた仕草をさせていないことです。彼等がリンク上で滑っている時は大真面目であり、だからこそその必死さと見た目のギャップで笑える。下らないコメディ(邦画にうんざりするほど多いですが)だと登場人物もおどけて面白気な雰囲気だけで進めようとするでしょう。その辺りでこの映画はコメディ分かってんなーと思います。 正直そんなに記憶に残るストーリーではありませんが、気軽にケラケラ笑いながら観れる作品としては良いコメディだったと思います。[DVD(字幕)] 7点(2014-05-02 23:54:22)(良:1票) 《改行有》

76.  アメイジング・スパイダーマン2 《ネタバレ》 え……、これは普通に駄作ではないでしょうか。とにかく脚本の散らかり方が酷く感じられました。オープニングからエンディングまでピーターにつきまとう問題は只一つ、グウェンの父親の遺言である「娘にこれ以上近づかないでくれ」という言葉です。実際にそれで全体のドラマを引っ張ろうとしているのですが、ピーターが卒業式ではグウェンにベタベタしているくせに、中華料理屋ではいきなり深刻に「君に近づくなんて、そんなことはしちゃいけないんだ……」とか宣うので意味がさっぱり分かりまへん。それからは事あるごとに、別れましょう→やっぱり好きだ→英国行くの→じゃあ別れよう→やっぱり好きだ→わたしも!、とバカップルのやり取りを延々と見せられている様な気分に。コイツら本気で話し合ってないだろ。 しかもその恋愛部分の演技がとにかくかったるくてイライラさせられました。これはマーク・ウェブがリアル路線の恋愛描写に拘っているからでしょう。実際に恋人相手の会話って中々スムーズにいかないことも多いし、この描写が悪いとは言わない。でもそれってスパイダーマンに必要な要素なのでしょうか?私の考えは否です。 ヴィランに関しても無理に二人も出すので、とてもそれぞれのドラマが薄い。だってエレクトロの主張は「注目されたいよ~」、グリーン・ゴブリンの主張は「死にたくないよ~」、一貫してこれだけですもの。特にこの映画でのエレクトロは元々善良な人間が事故によって変態してしまった哀れな存在の筈なのに、彼の退場まで適当に済ませやがって……。監督はサム・ライミ版の『スパイダーマン2』を目ん玉ひん剥いて100回観るべき。 アクションに関しては執拗にスティルを繰り返す演出がとにかく陳腐。最初から最後まで何回やるんだって位で、正直この監督にはアクション映画を撮らせずに、恋愛映画だけ任せておけばいいと思いました。 それから音楽に関してですが、巨匠のハンス・ジマーに対して失礼なのは承知ですが、恋愛部分のちょっとしんみりしたシーンを始めとして長調のハーモニーを延々と繰り返す劇伴には心底うんざりしました。やっぱりこの人は『ダークナイト』や『マン・オブ・スティール』等、シリアスで重々しい映画で映えるスコアが得意なのだと思います。監督も音楽家もとても適材適所とは思えず、次回作はスタッフを総入れ替えして欲しいとすら感じました(そもそも次があるのかは知りません)。[映画館(字幕)] 3点(2014-05-01 20:17:02)《改行有》

77.  キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー 《ネタバレ》 娯楽作としては申し分のない出来です。内部告発が絡む政治的なストーリー、切れ味のあるアクション、終盤の大規模な空中戦、としっかりツボを押さえた作りで、マーヴェルのシリーズ中でも気合入ってるなという印象でした。何より今作で特筆すべきは主人公キャップの活躍振りです。アベンジャーズで完全に要らない子(と私は感じた)と化していたキャプテン・アメリカ。あれは舞台設定が悪かったのだ。彼の能力は"高い身体能力"と外のヒーローに比べるとやや地味なのだから、あんな物量で押してくる軍勢相手では、活躍の場を描きにくいのは容易に想像できる。簡単に言っちゃうと大勢の敵をドバーッとやっつけちゃう派手な技が彼には無いのだ。 そこで今作はキャップの高い身体能力を活かした生身の格闘が主のアクションとなっている。小道具の楯もしっかりアクションに寄与している。それに合わせヴィランも巨大な怪物などでは無く同サイズの生身の人間。アクションの魅せ方は大正解だったと思います。 但し、気になった点もありました。一番引っかかったのは悪役の設定で、今回のヴィランは主人公の親友であり、終盤はちょっと泣かせる展開です。それも悪くないのですが、キャプテン・アメリカとは正に"正義の象徴"ですので、悪役としてもっと邪悪な存在であるハイドラを主にした方が良かったのではないかと。今回の裏の悪役でもあるピアースもハイドラのシンパとは言え、狂ってないんですよね。だから余り怖くない。正直途中退場したDr.ゾラの方がウィンター・ソルジャーの生みの親としても今作の悪役に合っていたと思います。 とは言え満足度は高かったです。次回の「アベンジャーズ」では本作の成功を活かして、キャップに大量の敵と戦わせるなんて前作と同じ轍を踏まず、モブとの戦闘なんて外のスーパーパワーをもった超人に任せて、キャプテンらしく敵の本丸に単身挑む様な展開を見せて欲しいです。[映画館(字幕)] 6点(2014-04-28 06:59:00)(良:1票) 《改行有》

78.  きみに読む物語 《ネタバレ》 何と言うか甘甘な少女漫画かハーレクイン・ロマンスを観ている気になり、ちょっと自分の好きなタイプの恋愛映画ではありませんでした。当たり前かも知れませんが、とにかく女性目線じゃないと楽しめない作品なんですよね。ヒーローは肉体労働に従事しているマッチョなイケメン(セクシー男優No.1のライアン・ゴズリング!)、当て馬は金持ちで社長業みたいなことをやってる垢抜けた青年実業家、タイプの違うイケメンに突然(本当に突然)見初められて簡単にデキちゃうという甘甘っぷり。そんな中で「どっちを取っても誰か不幸になるから、私選べないわ」なんて言われても正直、「幸せそうでええですねぇ……」としか思えず、残念ながら作品中の当時者の気持ちに自分を重ね合わせることができず、傍観してしまいました。 また認知症の女性が現在のアリーだったという様なびっくりポイントも用意されてはいるものの、過去のアリーも現在のアリーも序盤の印象的なシーンで非常に象徴的な赤のトップスを着ているので、初っ端で「このジーナ・ローランズは今のアリーなのでは……」と気づいてしまいました。 一部、ノアが最後に「君自身はどうしたい!」と詰め寄るシーンや、年老いた夫婦の最期にはグッと来るものがあったのですが。 あと画面は非常に美しかったです。オープニングクレジットの夕暮れ(朝焼け?)のシーンや、中盤の湖に無数に群がるアヒル達と主人公二人が乗るボートが映る幻想的なシーン、画的にキレイな場面が多かった。それにしても父親のジョン・カサヴェテスとは対照的なタッチの監督ですね。個人的には非常に男女の厳しいところまで描き出す恋愛映画を撮るジョン・カサヴェテスの方が好きです。[映画館(字幕)] 5点(2014-04-19 07:20:47)《改行有》

79.  ムービー43 《ネタバレ》 作り手もクソ映画を作ろうとして作っているのだろうし、所謂クソ映画を観たときの脱力感は無く、普通に「くらだねー!」と笑って観ました。予告編でアピールされてる様にドン引きは別にしませんでしたね。と言うかもっと悪質なギャグで畳み掛ける米国コメディなんて山程あるので、そういう作品見慣れている人間からすると少し物足りなさすら感じちゃったり。 それで何が面白いのかというと、やっぱり大勢のハリウッドスターがあんなことをやったり、こんなセリフを言っちゃってたりする様が面白い作品でした。あとは人種ネタに突っ込んだエピソードは漏れなく面白かったです。それから色んなコメディ監督が担当しているオムニバス形式なので、その監督ごとのカラーを見比べて観るのも面白いかも。とことんギャグに徹しているファレリー兄弟やブレット・ラトナーと、変に真面目に演出しちゃうジェームズ・ガンの対比などは特に分かり易い。エリザベス・バンクスが監督したエピソードは素人くさくカメラをとにかく振り回す動きが中々観ていて楽しい。[DVD(字幕)] 6点(2014-04-18 19:14:46)《改行有》

80.  それでも夜は明ける 《ネタバレ》 まず全編に渡って繰り返される対位法による演出に目を奪われます。白人と黒人、豪華な暮らしと極貧の奴隷生活、主人公が奏でるヴァイオリンと主人が奴隷に振るう暴力、最初の主人が読み上げる聖書の箴言(?)と主人公を目の敵にするティビッツが歌う下品な歌、荒々しく回る水車のクローズアップと果てしなく広がる海と空の水平線。一方を美しく描写することでもう一方がひどくみすぼらしく見える、見事な演出だったと思います。 しかしストーリーに関しては、とにかく黒人奴隷への暴力の描写の生々しさが半端では無く、しかも延々と続くので、何と言うかとても疲れました。勿論、当時の奴隷制度の残酷さ、人を人と思わず家畜(Beast)と呼ぶ愚かさを伝えるためというのは分かるのですが、ちょっとでいいから映画として楽しい場面が欲しいというか、息抜き出来る場面が欲しかった様に思います。それに対して恐らく作り手は「だって当時の黒人の生活は地獄だったんだよ!その辛い生活をそのまま描いて何が悪い!」と答えるでしょうし、それも分かっているのでしょうが、なんなのでしょうね、それでも映画として楽しい場面を求めるのは私のエゴなのかも知れません。 終盤にヒッピー然とした格好で奴隷制度に反対するブラピが現れて全てを解決してしまうのも何と言うか……。この役をもしプロデューサーであるブラピが熱望して演じたのだとするなら、かなり自己愛の方向に行っちゃってる気がします。正直、「黒人奴隷のキリストの真似事して何様なの?」とイラっと来てしまった。 但し、脇役も含めて役者陣の演技はとても良かった。特に奴隷商人を演じたポール・ジアマッティと、人でなしの主人を演じたマイケル・ファスベンダーの二人は両者共に良い屑野郎を演じきっていた。中でも個人的に最高だったのが主人公を苛める小者を演じたポール・ダノ。この人、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の時もそうだったですが、そろそろ"ポール・ダノ"という役柄を確立しつつあると思う。こんなに情けなく泣く大人を見事に演じれる役者はそうそういない。[映画館(字幕)] 6点(2014-04-14 15:55:35)《改行有》

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