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プロフィール
コメント数 1317
性別 男性
ホームページ http://minrou.seesaa.net/
年齢 36歳
メールアドレス baker221b@live.jp
自己紹介 全体的に甘めの評価になりがちです。
当然映画のジャンルによって評価にバラつきがあります。以下参考までに……。

評価が高くなりやすいジャンル:ミュージカル、B級アクション、ロマコメ、バカコメディ
評価が低くなりやすいジャンル:ミステリー、サスペンス、ラブロマンス

基本的に過激な映画が好きです。暴力的な意味でも、性描写的にも、人間性の描き方でも
どれだけ感動的な映画であっても尖った所が無い映画より、過激な表現がある映画の方を評価しています。

13.4.27(追記)……TOHOシネマズが6月1日から高校生料金を1,000円にするとのこと。
今は若い方が映画館に少ない状態なので大変素晴らしいと思います。
(日本の料金はそもそも海外に比べて高すぎる。価格も一律で決められているから劇場間の競合も生まれにくい)
でももうちょっとシネコン自体が上映する映画のラインナップを改めた方が良いのでは。
客が集まる邦画をバンバンかけるのは経営としては正しいけれど、いつか必ずしっぺ返しが来るのは判り切っていることなのに。

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81.  俺たちフィギュアスケーター 《ネタバレ》 大変お馬鹿で宜しいです。上映時間はタイトに、ギャグはこまめに、友情はキチンと描く。この映画が本当に良いなあと思ったのは、登場人物にあからさまにおどけた仕草をさせていないことです。彼等がリンク上で滑っている時は大真面目であり、だからこそその必死さと見た目のギャップで笑える。下らないコメディ(邦画にうんざりするほど多いですが)だと登場人物もおどけて面白気な雰囲気だけで進めようとするでしょう。その辺りでこの映画はコメディ分かってんなーと思います。 正直そんなに記憶に残るストーリーではありませんが、気軽にケラケラ笑いながら観れる作品としては良いコメディだったと思います。[DVD(字幕)] 7点(2014-05-02 23:54:22)(良:1票) 《改行有》

82.  アメイジング・スパイダーマン2 《ネタバレ》 え……、これは普通に駄作ではないでしょうか。とにかく脚本の散らかり方が酷く感じられました。オープニングからエンディングまでピーターにつきまとう問題は只一つ、グウェンの父親の遺言である「娘にこれ以上近づかないでくれ」という言葉です。実際にそれで全体のドラマを引っ張ろうとしているのですが、ピーターが卒業式ではグウェンにベタベタしているくせに、中華料理屋ではいきなり深刻に「君に近づくなんて、そんなことはしちゃいけないんだ……」とか宣うので意味がさっぱり分かりまへん。それからは事あるごとに、別れましょう→やっぱり好きだ→英国行くの→じゃあ別れよう→やっぱり好きだ→わたしも!、とバカップルのやり取りを延々と見せられている様な気分に。コイツら本気で話し合ってないだろ。 しかもその恋愛部分の演技がとにかくかったるくてイライラさせられました。これはマーク・ウェブがリアル路線の恋愛描写に拘っているからでしょう。実際に恋人相手の会話って中々スムーズにいかないことも多いし、この描写が悪いとは言わない。でもそれってスパイダーマンに必要な要素なのでしょうか?私の考えは否です。 ヴィランに関しても無理に二人も出すので、とてもそれぞれのドラマが薄い。だってエレクトロの主張は「注目されたいよ~」、グリーン・ゴブリンの主張は「死にたくないよ~」、一貫してこれだけですもの。特にこの映画でのエレクトロは元々善良な人間が事故によって変態してしまった哀れな存在の筈なのに、彼の退場まで適当に済ませやがって……。監督はサム・ライミ版の『スパイダーマン2』を目ん玉ひん剥いて100回観るべき。 アクションに関しては執拗にスティルを繰り返す演出がとにかく陳腐。最初から最後まで何回やるんだって位で、正直この監督にはアクション映画を撮らせずに、恋愛映画だけ任せておけばいいと思いました。 それから音楽に関してですが、巨匠のハンス・ジマーに対して失礼なのは承知ですが、恋愛部分のちょっとしんみりしたシーンを始めとして長調のハーモニーを延々と繰り返す劇伴には心底うんざりしました。やっぱりこの人は『ダークナイト』や『マン・オブ・スティール』等、シリアスで重々しい映画で映えるスコアが得意なのだと思います。監督も音楽家もとても適材適所とは思えず、次回作はスタッフを総入れ替えして欲しいとすら感じました(そもそも次があるのかは知りません)。[映画館(字幕)] 3点(2014-05-01 20:27:51)《改行有》

83.  キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー 《ネタバレ》 娯楽作としては申し分のない出来です。内部告発が絡む政治的なストーリー、切れ味のあるアクション、終盤の大規模な空中戦、としっかりツボを押さえた作りで、マーヴェルのシリーズ中でも気合入ってるなという印象でした。何より今作で特筆すべきは主人公キャップの活躍振りです。アベンジャーズで完全に要らない子(と私は感じた)と化していたキャプテン・アメリカ。あれは舞台設定が悪かったのだ。彼の能力は"高い身体能力"と外のヒーローに比べるとやや地味なのだから、あんな物量で押してくる軍勢相手では、活躍の場を描きにくいのは容易に想像できる。簡単に言っちゃうと大勢の敵をドバーッとやっつけちゃう派手な技が彼には無いのだ。 そこで今作はキャップの高い身体能力を活かした生身の格闘が主のアクションとなっている。小道具の楯もしっかりアクションに寄与している。それに合わせヴィランも巨大な怪物などでは無く同サイズの生身の人間。アクションの魅せ方は大正解だったと思います。 但し、気になった点もありました。一番引っかかったのは悪役の設定で、今回のヴィランは主人公の親友であり、終盤はちょっと泣かせる展開です。それも悪くないのですが、キャプテン・アメリカとは正に"正義の象徴"ですので、悪役としてもっと邪悪な存在であるハイドラを主にした方が良かったのではないかと。今回の裏の悪役でもあるピアースもハイドラのシンパとは言え、狂ってないんですよね。だから余り怖くない。正直途中退場したDr.ゾラの方がウィンター・ソルジャーの生みの親としても今作の悪役に合っていたと思います。 とは言え満足度は高かったです。次回の「アベンジャーズ」では本作の成功を活かして、キャップに大量の敵と戦わせるなんて前作と同じ轍を踏まず、モブとの戦闘なんて外のスーパーパワーをもった超人に任せて、キャプテンらしく敵の本丸に単身挑む様な展開を見せて欲しいです。[映画館(字幕)] 6点(2014-04-28 06:59:22)(良:1票) 《改行有》

84.  きみに読む物語 《ネタバレ》 何と言うか甘甘な少女漫画かハーレクイン・ロマンスを観ている気になり、ちょっと自分の好きなタイプの恋愛映画ではありませんでした。当たり前かも知れませんが、とにかく女性目線じゃないと楽しめない作品なんですよね。ヒーローは肉体労働に従事しているマッチョなイケメン(セクシー男優No.1のライアン・ゴズリング!)、当て馬は金持ちで社長業みたいなことをやってる垢抜けた青年実業家、タイプの違うイケメンに突然(本当に突然)見初められて簡単にデキちゃうという甘甘っぷり。そんな中で「どっちを取っても誰か不幸になるから、私選べないわ」なんて言われても正直、「幸せそうでええですねぇ……」としか思えず、残念ながら作品中の当時者の気持ちに自分を重ね合わせることができず、傍観してしまいました。 また認知症の女性が現在のアリーだったという様なびっくりポイントも用意されてはいるものの、過去のアリーも現在のアリーも序盤の印象的なシーンで非常に象徴的な赤のトップスを着ているので、初っ端で「このジーナ・ローランズは今のアリーなのでは……」と気づいてしまいました。 一部、ノアが最後に「君自身はどうしたい!」と詰め寄るシーンや、年老いた夫婦の最期にはグッと来るものがあったのですが。 あと画面は非常に美しかったです。オープニングクレジットの夕暮れ(朝焼け?)のシーンや、中盤の湖に無数に群がるアヒル達と主人公二人が乗るボートが映る幻想的なシーン、画的にキレイな場面が多かった。それにしても父親のジョン・カサヴェテスとは対照的なタッチの監督ですね。個人的には非常に男女の厳しいところまで描き出す恋愛映画を撮るジョン・カサヴェテスの方が好きです。[映画館(字幕)] 5点(2014-04-19 07:20:47)《改行有》

85.  ムービー43 《ネタバレ》 作り手もクソ映画を作ろうとして作っているのだろうし、所謂クソ映画を観たときの脱力感は無く、普通に「くらだねー!」と笑って観ました。予告編でアピールされてる様にドン引きは別にしませんでしたね。と言うかもっと悪質なギャグで畳み掛ける米国コメディなんて山程あるので、そういう作品見慣れている人間からすると少し物足りなさすら感じちゃったり。 それで何が面白いのかというと、やっぱり大勢のハリウッドスターがあんなことをやったり、こんなセリフを言っちゃってたりする様が面白い作品でした。あとは人種ネタに突っ込んだエピソードは漏れなく面白かったです。それから色んなコメディ監督が担当しているオムニバス形式なので、その監督ごとのカラーを見比べて観るのも面白いかも。とことんギャグに徹しているファレリー兄弟やブレット・ラトナーと、変に真面目に演出しちゃうジェームズ・ガンの対比などは特に分かり易い。エリザベス・バンクスが監督したエピソードは素人くさくカメラをとにかく振り回す動きが中々観ていて楽しい。[DVD(字幕)] 6点(2014-04-18 19:19:20)《改行有》

86.  大統領の執事の涙 《ネタバレ》 最後に字幕で「この映画を公民権運動に人生を捧げた人々に贈る」と映される。映画のエンディングとこの献辞を見るに、監督の主張はその通りなのでしょう。しかし私としてはセシルの人生もまた有意義なものだとずっと映画を観ながら思ってしまいました。アンクル・トムと言われようが、白人のご機嫌取りと言われようが、彼はホワイトハウスで白人の給仕に負けない程の働きを続けた。劇中でキング牧師が語った「彼等は無自覚のうちに彼等の戦いをしているのだ。勤勉に働き従来の黒人のイメージを覆そうとしている」という言葉が私には深く心に響きました。 それだけにレーガン大統領夫妻に招待されたパーティー会場で勝手に疎外感を感じて戸惑ったり、ブラックパンサーや当時の公民権運動の本を読んで今までの仕事に急にやりがいを無くしてしまうセシルの姿には失望すら感じてしまったりしました。それまでは今までのノーホワイト映画とは一線を画す、端から見れば白人に媚を売っている様に見える黒人の目線から見た黒人開放の戦いと捉えていただけに、ちょっと消化不良と思えてしまいました。リー・ダニエルズらしいキャッチャーな音楽と殺伐とした映像の対比、セシルと息子の行動が各所でカットバックし対の関係として描写されたりする種々の演出は面白かったですけども。 あと歴代大統領役に矢鱈と有名俳優をキャスティングしているのですが、基本的にモノマネ大会にしか見えなかったのが普通に残念でした。特にアラン・リックマンはいつも通りのアラン・リックマンそのもので、似せる気があるのか?という位の演技だったと思います。頭髪の生え際の後退具合でニクソン役に抜擢されたのかと思うと、ジョン・キューザックには少し同情してしまった。[映画館(字幕)] 6点(2014-04-17 21:08:26)(笑:1票) 《改行有》

87.  それでも夜は明ける 《ネタバレ》 まず全編に渡って繰り返される対位法による演出に目を奪われます。白人と黒人、豪華な暮らしと極貧の奴隷生活、主人公が奏でるヴァイオリンと主人が奴隷に振るう暴力、最初の主人が読み上げる聖書の箴言(?)と主人公を目の敵にするティビッツが歌う下品な歌、荒々しく回る水車のクローズアップと果てしなく広がる海と空の水平線。一方を美しく描写することでもう一方がひどくみすぼらしく見える、見事な演出だったと思います。 しかしストーリーに関しては、とにかく黒人奴隷への暴力の描写の生々しさが半端では無く、しかも延々と続くので、何と言うかとても疲れました。勿論、当時の奴隷制度の残酷さ、人を人と思わず家畜(Beast)と呼ぶ愚かさを伝えるためというのは分かるのですが、ちょっとでいいから映画として楽しい場面が欲しいというか、息抜き出来る場面が欲しかった様に思います。それに対して恐らく作り手は「だって当時の黒人の生活は地獄だったんだよ!その辛い生活をそのまま描いて何が悪い!」と答えるでしょうし、それも分かっているのでしょうが、なんなのでしょうね、それでも映画として楽しい場面を求めるのは私のエゴなのかも知れません。 終盤にヒッピー然とした格好で奴隷制度に反対するブラピが現れて全てを解決してしまうのも何と言うか……。この役をもしプロデューサーであるブラピが熱望して演じたのだとするなら、かなり自己愛の方向に行っちゃってる気がします。正直、「黒人奴隷のキリストの真似事して何様なの?」とイラっと来てしまった。 但し、脇役も含めて役者陣の演技はとても良かった。特に奴隷商人を演じたポール・ジアマッティと、人でなしの主人を演じたマイケル・ファスベンダーの二人は両者共に良い屑野郎を演じきっていた。中でも個人的に最高だったのが主人公を苛める小者を演じたポール・ダノ。この人、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の時もそうだったですが、そろそろ"ポール・ダノ"という役柄を確立しつつあると思う。こんなに情けなく泣く大人を見事に演じれる役者はそうそういない。[映画館(字幕)] 6点(2014-04-14 15:55:35)《改行有》

88.  リアリティ・バイツ 《ネタバレ》 「Reality Bites(現実はおっかない)」、作品のテーマをこのタイトルが実に見事に表している。ヒッピーかぶれの大学生活を謳歌し、社会を批判し親の世代を批判してきた若者が遂に社会へ踏み出すと、途端に社会の逆襲が始まる。そこは結局手に職つけていないと一人前とは認められない厳しい現実です。ベビー・ブームの主人公たちは就職難にブチ当たり、一人一人が現実に淘汰されていくこととなる。 主人公のリレイナの描写はとりわけ強烈で、大学を首席で卒業したのに、現実の職場で要らない子扱いされ、面接では門前払いを喰らい続ける、終いにはインチキカウンセラーの電話に引っかかってしまう様は、観ていてとにかく痛々しい(でも少し笑える)。 そんな彼女に、精神的な理解・共通の価値観を示してくれる男・トロイと、金銭的余裕・社会的地位を持っている男・マイケルがアタックすることで、「理想を選ぶか、現実を選ぶか」の二択を主人公の恋愛という形でスマートに表現できている脚本が上手いと思います。 トロイが現実を受け入れスーツ(全く似合わないのが、また可笑しい)を着て、かつて夢見ていた自分では無いかも知れないけども、厳しい現実の中で生きていくことを決意したラストが大変良かったです。しかし逆にリレイナの方は自分の映像を切り貼りされた『リアリティ・バイツ』に憤慨してそのままで映画は終わってしまう。彼女にも何かしら現実を受け入れ大人になるきっかけを与えてあげた方がスッキリ終われたと思いました。あれじゃトロイは成長してるけど、リレイナは成長してないですからね。[DVD(字幕)] 7点(2014-03-22 11:10:22)《改行有》

89.  LIFE!(2013) 《ネタバレ》 ストーリーはとてもシンプル、「紛失したネガを探しに世界中へ。何とか見つかりました。終わり」。この映画を観て、一本調子過ぎて詰まらないと仰る人もいるかも知れない。でもこのシンプルなストーリーには大きな人生の教訓が詰まっていると思います。 テーマは分かり易く「何かに挑戦すること」の大切さ。これは大人になればなる程難しいことです。主人公・ウォルターは空想癖を持つ中年男、空想の中で冒険を繰り返しているが実際に冒険をしたことはない(フェニックスに行ったことしかないってのが泣けますね)。そんな彼が空想に背中を押され安全の保証のない旅に出て、やっと一人の大人に成長していく物語。個人的な話になってしまいますが、なんとなく自分がカラッポな存在だと感じていた大学時代、貯金を崩してウクライナやらポーランドやらインドやらネパールやら、色んな国に現地語も覚えないままにバックパックを背負って一人旅したことを思い出しました。劇中のウォルターと同じで"何が待っているか分からない"、"安全の保証はない"のに行くってことが大事だったと思っています。この時の経験は社会人になった今でも役に立っていると実感することが多いです。この映画はそういう事を伝えようとしていたのではないかと私は解釈しました。安全でない一歩を踏み出す勇気という事を。 グラフ雑誌のLIFEの廃刊騒動を舞台としている為か、ウォルターが回る世界中の絶景の美しさは勿論のこと、ある場面ではモンドリアン風だったり、エッシャー風だったり画的に凝っていたのも大変面白かったです。 余談ですが、監督のベン・スティラーは今まで『ケーブル・ガイ』や『トロピック・サンダー』、『ズーランダー』等の作品で「空想や冗談が現実になったら面白いよね、バカみたいだよね」と非常にシニカルな姿勢を取り続けていたと思いますので、本作で空想を現実にしてしまう主人公・ウォルターを勇気のある素晴らしい人生を勝ち取った男として讃美しているのには驚きました。彼のちょっとブラックな要素が入っているコメディも大好きですが、本作のような直球の感動ドラマももっと観てみたいです。[映画館(字幕)] 9点(2014-03-22 01:45:38)(良:1票) 《改行有》

90.  キック・アス ジャスティス・フォーエバー 《ネタバレ》 傑作映画の続編としては十分な水準に達していると思いました。本作はキック・アスとヒット・ガールのダブル主人公モノと見なすことが出来ると思いますが、二人の心情の変化を父親の喪失という事態を通して描く展開も上手く成功していると思います。特に失意に沈むキック・アスにヒット・ガールが「私達は悲しみを正義に変えるの。それがヒーローなのよ」という台詞は、一度同じ境遇に陥ったミンディだからこそ説得力のあるものとなってました。作品のテーマ自体は前作と同様「ヒーローって客観的に見ればキ○ガイだよね!でも尊いよね!!」というものですが、そこをまた変に捻ると"キック・アス"では無くなってしまうと思いますので、ラストのデイヴの台詞も含めて良い締め方だったと思います。 まあ問題は監督の変更に起因しているであろう演出の違いでしょうか。本作のアクションを見ると、自然と前作の監督であるマシュー・ヴォーンのアクション演出の素晴らしさを再確認してしまう様でした。例えば、拉致られたデイヴを乗せるバンの天井でアクションするヒット・ガールは、見た目は喪服姿&拳銃&「おしゃぶり野郎(Cock sucker)!」という台詞でビシッと決まっているのに、いざアクションとなると、天井にゴロゴロ転がったり、合成だろうと思われる動きだったりと、車の上で闘っているという臨場感というか緊張感が余り感じられませんでした。 それから個人的に物凄く残念な気分になったのはショボいCGです。どの部分かというとゲロゲリ棒でミンディがヤな女に復讐するシーン。私は下ネタは大好きですが、露悪的にするならするでトコトンやってほしいんです。そこでああいう偽物のゲロ&大便を見せられても単に萎えるだけというか……。AVで擬似精子のブッカケを見せられている様な気分でした(違うか?)。そんなことする位ならカメラに実物は映さず音だけ聞かせて、実物は観客に想像してもらう方がスマートってモンではないでしょうか。 あと嫌な気分になったどころか許せないのが、デイヴの友人で敵の組織に情報を売っちゃうアス・キッカー。結局、デイヴのお父さんが嬲り殺しにされたのは結果論であろうと彼のせいですよね?なぜ彼が「奴らがそこまでやるとは思わなかったんだ!」とか悔やむシーンか、デイヴに一言でもいいから許しを請うシーンを入れなかったのか。[映画館(字幕)] 7点(2014-03-21 18:33:17)《改行有》

91.  アナと雪の女王 《ネタバレ》 アニメーションとして魅力がとっても溢れている作品でした。天候によって様相をガラリと変える雪の造形、動き方がとても愛らしい雪だるまのオラフを始めとした魅力的なキャラクター達、普通の城は勿論のこと氷の城の細部までの描き込まれ方、本当に綺麗なアニメーションでした。 また結構今までのディズニーが作ってきたプリンセス物のアンチテーゼとして作られている作品でもあると思いました。アナは外国の王子に一目惚れしてその日に婚約までしちゃいますが、後にクリストフに「出会ったその日の内に婚約だって?大してそいつの事を知らないじゃないか」と呆れられます。まぁ実際にその通りですよね。婚約した理由として考えられるのは「境遇が似ている」「相手がハンサムだった」くらいしか思いつきませんもの。それに兎に角本作のプリンセスはアナもエルサも能動的です。暖炉で死にかけているアナは、クリストフが自分に会いに向かってきている事が分かっても、自分から彼に会おうと足を動かす。エルサも自分の境遇を呪いつつもあらゆるアクションを起こし運命を回避しようとする。とても今日的なプリンセス像だと思います。今時、男におんぶにだっこのヒロインって余り魅力的に映らないでしょうからね。 これは難点と言うか好き嫌いの問題ですが、私としてはディズニーのミュージカルと言うとアラン・メンケンのスコアをつい思い出してしまうので、本作のスコアも「Let It Go」を始めとしてとても良いと思うのですが、ちょっと曲調が今風なのは気になりました。今はそれが主流だし自分が懐古的なのも分かっているのですが。[映画館(字幕)] 7点(2014-03-17 20:11:37)《改行有》

92.  ライアー ライアー 《ネタバレ》 ジム・キャリーのデタラメ演技を軸に、最後はちょっと感動チックに綺麗にまとめた感のあるファミリー・コメディですね。ジム・キャリー以外の役者がこんな演技すれば巫山戯るなと言いたくなるが、彼なら何故か許せちゃうから不思議。 子どもの誕生日の願い事がホントに叶ってしまった!という荒唐無稽な話ではあるのですが、その結果主人公が嘘を付けなくなる現象を割と周囲の人間が簡単に信じてしまうので、ややリアリティ・ラインの設定に甘さを感じました。「ファミリー映画だから」という言い訳が立つ気もしますが、それにしては結構キワどいベッドシーンもあったりと、結局どの層をターゲットに作られたのか良く分からない映画ではありました。 あと主人公の奥さんとデキているジェリーが完全な所謂当て馬だったのも少し残念。特に彼に対してフォローもありませんでしたし。[DVD(字幕)] 6点(2014-03-16 19:06:53)《改行有》

93.  ホビット/竜に奪われた王国 《ネタバレ》 正直言っちゃうと、結構ストーリーに問題がありますよね。一番気になってしまうのは、原作に登場しないタウリエルとレゴラスの二人。やっぱり二人が登場する意味合いは余り感じられず、特にレゴラスの方はLOTRのファンへのサービス&割と一本調子の原作へのスパイスの役割なのではないかと邪推してしまいます。急流下りとかアクションが必要だから仕方なく入れたシーンですよね……。 他には溜めがクドいのも考えものです。ピーター・ジャクソンの映画には今までも良く感じていましたが、「ドキドキするまで溜めといて→何もなかったorギリギリ大丈夫だった」という演出が多いですが、本作でもバッチリ健在。あと呪いで朦朧とした状態のキーリがタウリエルを見るシーンで、タウリエルに後光が差す演出はいくらなんでも陳腐だと思うぞ、ピーター・ジャクソン。 結構無理矢理な展開も多いですよね。あの無数の財宝に埋め尽くされたスマウグの巣からたった一つのアーケン石をビルボが見つけ出すのは迚も無理に思えます。文章なら何故アーケン石をビルボが見つけ出すことが出来たのか、それなりに説得力もありますが、映画だと偶然発見した様にしか思えません。 しかーし、このシリーズのファン(と言うか信者)からすれば、またしてもピーター・ジャクソンがあのハイ・ファンタジー世界を完璧な映像で見せてくれるだけでも正直なところ満足してしまいます。人間の想像力は無限で、誰だって目を瞑ればそこに自分の考えるファンタジー世界を描き出すことは出来ます。しかしそれを映像化することが如何に困難なことであるか!闇の森、ドル・グルドゥア、エスガロス、そしてエレボール。自分が思い描いていた世界そのものでした。 まあ実際映像が一番の魅力になってしまっている作品だと思うのですよね。でも私は満足しちゃいました![映画館(字幕)] 8点(2014-03-13 22:43:46)《改行有》

94.  リンガー! 替え玉★選手権 《ネタバレ》 「主人公がスペシャルオリンピックス(知的発達障害の人達が参加するスポーツ大会。日本もよく各地で開催してます)にスポーツ賭博で勝つために障がい者のマネをして出場する」。あらすじだけ聞くと胸くそが悪くないような話ですが、どっこいこれが感動できる上質なコメディとなっています。 まず主人公の設定が上手く、彼に観客が不快感を抱かない作りになっています。主人公のやっていることは最低ですが、彼は最低であると初めから自覚しているし、そもそもそんな行為に及んだきっかけは職場でクビにされそうだった知的障がい者の男を自分で雇ったから。教会に懺悔しに行ってますし大抵の人が彼を好きになるのではないでしょうか。 そんな好意的な主人公の周りで、知的障がい者を食い物にするテレビ局?の奴ら、障がい者に優しいフリをして女の心を掴もうとする男(コイツが本当に最低)、一人前の人間として知的障がい者を扱おうとしない主人公の叔父(コイツも最低。Retardと呼んだりする。許せん)が登場し、世間に蔓延する差別を描写していく。この辺りのセンスは製作のファレリー兄弟の手法に近いですね。 キチンと主人公の成長物語ともなっているのが、基本を押さえた映画という感じで良いです。ギャグも洗練された感じで楽しく笑えるものばかり。これを制作のファレリー兄弟が監督していたら下品なギャグの釣瓶落としになっていたことは間違いないので、やや控えめなコメディ演出の監督にして大正解だったと思います。[DVD(字幕)] 7点(2014-03-09 21:43:59)(良:1票) 《改行有》

95.  ライラにお手あげ 《ネタバレ》 おお……、これは酷い。いや非道い映画だ。こんな映画をあのファレリー兄弟が撮った(脚本まで!)とは思いたくないし、すごく悲しい。 とにかくこの主人公は今すぐメキシコの鮫の餌にするべき男です。結婚して発覚した奥さんの素顔や悪癖に嫌気が差して、ハネムーン先で他の女に乗り換え様とする辺りから可也イライラが溜まってきましたが、その後本当に乗り換えようとしてミシシッピまでストーキングする様子をまるで美談として演出しているのだから怒りは沸騰寸前に。ラストで「実はミランダもエディを愛していたから追いかけて来た」という展開は100歩譲ったとして、その場でもちゃっかり既に再婚していたエディが奥さんをライラと同じ手口でお払い箱にしようとして→END!ってふざけんじゃねー。久々に映画を見て怒り心頭しました。コメディだからって小粋に終わればなんでも許されると思うなよ! 結局、エディの友人と親父さんの言葉が全て正論に聞こえるんだよな。そりゃ結婚すれば相手の嫌な部分は見えるし、新婚(ハネムーンなら尚更)だったらパートナーを楽しませようと尊重することが大事でしょ。加えて言うならばライラは普通に真剣にエディを愛してただけですよね。普通に良い奥さんだろう(そりゃあの体位を強要されるのは40男はキツイかも知れんけどさ)。 賭けてもいいがこの主人公はミランダと結婚したとしても直ぐに愚痴を言い出すに違いない。ミランダも最後にこんな詐欺師男に引っかかって残念な限りだよ。 個人的にファレリー兄弟のコメディセンスは大好きなので笑えるところは笑えましたが、とてもじゃないけど良質な脚本とは思えない。と言うかとにかく不快。 あとファレリー兄弟には良くあることだけど、今回はロケ地の関係もあってか知らんが単調な空撮を多用し過ぎでは?殆ど意味ないんだもん。切れば上映時間90分で済みますよ。[DVD(字幕)] 2点(2014-03-03 14:23:52)(笑:1票) 《改行有》

96.  ホール・パス/帰ってきた夢の独身生活<1週間限定> 《ネタバレ》 「久々に独身生活をしてみたけど、結局元鞘が一番だったよ」という、結論自体は実に凡庸な作品。但しファレリー兄弟お得意の下品&シチュエーションギャグが入っているので最後まで飽きません。嘗てのファレリー兄弟の色んな団体から怒られそうなギャグのキレからは程遠い作品ですが、真っ当なロマコメに仕上がっていると思います。 アメリカンコメディのファンとしては、オーウェン・ウィルソンとジェイソン・サダイキスの安定したバカ演技も見所の一つ。[DVD(字幕)] 7点(2014-02-23 14:37:18)《改行有》

97.  ラスト、コーション 《ネタバレ》 アジア映画の監督らしく男女間のパワーゲームを非常にねちっこく描きます。スパイものと聞いて普通思い浮かべるクールでソリッドな印象とは程遠い。青春の甘酸っぱさ、男女の感情の機微、潜入捜査モノのサスペンスと、抑えるべき部分は実にキッチリと抑えている作品です。[DVD(字幕)] 6点(2014-02-19 06:55:46)

98.  M★A★S★H/マッシュ 《ネタバレ》 映画の舞台は朝鮮戦争末期ということになっていますが、実際のモデルはベトナム戦争で、直接的な表現を避けるために朝鮮戦争としているだけです。ご存知の通り当時のベトナム戦争は東西の代理戦争として行われただけのインチキで愚かなモノだった訳ですが、そんな中でこの映画は大ヒットとなりました。この映画は初めて「FUCK」という言葉が使われた映画として知られていますが、正しく愚かな戦争行為に対し中指を突き立てた。そして観客もその姿勢に共感した。 今だって無茶苦茶な理由で戦争はあっちこっちで生じている訳で、そんな時代に生きてる身からすると、今観てもMASHの主人公たちの行動は実に痛快に感じました。主人公たちは確かに軽口を言い合い、下品な悪戯で女将校に恥をかかせ、オフの日にはゴルフをして遊ぶ、人間的には結構サイテーな部類です。しかし彼らは患者が運ばれた時には全力で命を救おうとする。それが如何に馬鹿げた戦争によったものであったとしても人命には真摯に向き合う。どんなにクソな環境でも自分にできるベストを尽くしている彼らは非常に個人的に魅力的に映りました。[DVD(字幕)] 8点(2014-02-19 06:55:14)《改行有》

99.  オブリビオン(2013) 《ネタバレ》 前半はトム様のための映画といった感じで、「早く終わらないかなー」とすら思っていたのですが、主人公が自分がクローンであると知ってからの展開には結構グッと来るところがあって。個人的に時空とか自己存在すら超えた愛についての話には弱いんですよね。クローンだろうがなんだろうが何度新しい自分として生まれたとしても奥さんを愛し探し求めた主人公の姿にはついつい涙してしまいました。 まあ脚本は穴だらけだし、設定に斬新さは感じないし、明らかにストーリーの運び方は下手だし、荒廃した地球の姿も既視感MAXだし、トム・クルーズのファンへのサービス多過ぎだし、アカデミー俳優出てる割にいい演技を引き出しているとは思えないし(只の機械の声にメリッサ・レオを起用するってアホなのか?)、決して評価される映画だとは思えませんが。[映画館(字幕)] 7点(2014-02-19 06:47:38)《改行有》

100.  クルードさんちのはじめての冒険 《ネタバレ》 とても冒険的で意欲的な作品ですよね。なんたって主人公たちは原始人、ここでキャラデザを短絡的に可愛い今風の顔にしなかったところが素晴らしい試みだと思います。クルード一家はネアンデルタール人、ガイはクロマニヨン人がモデルなのでしょうが、やっぱり彼らはヒロインを筆頭に愛くるしさは殆ど無いんですよね。奴らが肉を貪り食ってるシーンとかちょっとしたホラーだし。子ども映画でもそこから逃げないのは凄いことだと思います。色彩豊かな世界観も魅力的でした。 また物語が王道とは言えしっかりした内容ですし、父親の成長を主に最後まで楽しんで観ることが出来ました。厳然とした家父長制を強いていた父親から家族が段々と離れていく展開は父親の心理も含めてとても丁寧に描写されていたことが印象的でした。 但し、終盤の展開には物凄いご都合主義を感じてしまってかなり興ざめ。監督が『ヒックとドラゴン』のクリス・サンダースだからでしょう、他者との交流・理解を無理矢理にでも入れたかったのでしょうが、サーベルタイガーがグラグ(父親)に懐くのはちょっとやり過ぎではないでしょうか。一家はガイと合流してからというもの何回もサーベルタイガーに襲われて食われかけているのにさぁ。なんで急に懐くんだよ。『ヒックとドラゴン』では人間がドラゴンと対話する試みをせずに攻撃してたから「実は仲良くなれるんだよ」って事で問題なかったと思うのですが、サーベルタイガーと人間の関係性ってこの映画の中では所詮捕食者と餌でしかない筈でしょう。[DVD(字幕)] 6点(2014-02-17 21:06:08)《改行有》

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