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プロフィール
コメント数 2524
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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161.  パトリオット・デイ 《ネタバレ》  ラストに当事者本人が登場して長々と心情を語る、のであるならば、本編そんなにドラマを描く必要ないんじゃない?  姉妹作みたいな『バーニング・オーシャン』と同一言語で作られている映画、その欠点も一緒って感じ。八方美人的で描くべき事の取捨選択に疑問あり、と。  実話の映像化ですから、必ずしもエピソードに流れがある訳ではない、その流れの無い部分に思わせぶりなドラマを抱えた登場人物をいっぱい持ち込むために様々なエピソードの不発弾を抱えまくった映画といった印象でした。それぞれの行動、努力がちゃんとした結果として現れる訳ではなくて、全然別のところから解決がもたらされるような状態なので、宙ぶらりんな感情が行き場を失ってウロウロ、みたいな。  ただ事実、状況、現象を点描してゆく事に努めてゆけば、事件の姿と、そこに生まれたドラマはちゃんと浮かび上がってくるのではないのかなぁ、と思うのですが。少なくとも、その状況をリアルに生々しく描くテクニックはあるのですから。  自国内の企業の問題だけに微妙に内省的な面を持っていた『バーニング・オーシャン』と違うのは、テロに屈しないアメリカ凄い!って賛美に溢れているって点ですか。結局は個人からの通報がきっかけ、っていうその解決への道筋はともかくとして、ね。[映画館(字幕)] 6点(2017-06-27 19:27:35)《改行有》

162.  キング・アーサー(2017) 《ネタバレ》  映像や構成のテンポはいいのに全体の流れで見るとタルい状態という。  アーサーが悪政に対して抵抗する決意をするまでが長くて、決意をしたはいいけれどエクスカリバーを使いこなせるように覚醒するまでが長くて、覚醒してからラスボスとの対決に至るまでが長くて。  巨象が城を破壊したり、アクションシーンで時間の流れに緩急が付いていたり、不気味なクリエイチャーが出てきたりと、色々と見せてくれるのはいいのですが、本題部分のテンポが悪いっていうのが大変シンドく。  で、子供がチョロチョロしてて「このガキが更に物語の足を引っ張るんじゃないだろうなぁ?」って思ってると案の定引っ張ってくれて「あーウザいわー」って感じで、なかなか気持ち良くなってくれないんですよね。  あと30分短かったらもっと楽しめたんでしょうけれど。  映画そのものはあまりオリジナリティを感じられません。アーサー王伝説と言うよりは『ロード・オブ・ザ・リング』の世界観、ライトセーバー然としたエクスカリバーを操り覚醒に至る流れはジェダイ風。多分数年経つと自分の中で『エクソダス:神と王』『キング・オブ・エジプト』『ポンペイ』あたりと記憶ごっちゃになっちゃうだろうなぁ、みたいな。  ガイ・リッチーっぷりだけは映像から溢れまくっているので、そこが楽しめれば。  ところで予告編時点で映像見て「これ3Dで見るべき映画」だと思ったのですが、3D上映が4D系ばかりで普通の3D上映が無い状態。仕方なくMX4Dで見ましたが、アレ、それだけのお金を払うだけの価値を感じるモノではないので(4DXならまだしも)、損した感タップリ。3D自体もアクションシーン限定で効果的でしたが、そんなにアクション満載って訳でもないんですよね・・・[映画館(字幕)] 5点(2017-06-20 22:19:52)《改行有》

163.  20センチュリー・ウーマン 《ネタバレ》  1人の少年と世代の違う3人の女性と1人のおっさんが、コミュニケーションを通してアタマと肉体とのバランスを学び、折り合いを付けて生きてゆく物語。そこには沢山の対話があって、皮膚感覚があって、生の摩擦や対立があって、和解や妥協や不一致があって、生の痛みや苦しみがあって。  ユーモラスに描かれた、ここに生きている人々の、不器用ながらも自分の生をカタチにしてゆこうとする姿は魅力的で愛おしさすら覚えます。アビーが自分の身の周りの物を写真に収めてゆく姿はインスタグラムやツイッターのメディアツイートなどに通じ、自分という個を掴もうとし、他者にアピールする事で存在確認をしようとする感覚自体はカタチを変えながらも昔も今も変わらない事を示していますね。  この映画、まるでネット無き時代の人々の生き様を、ネットによってコミュニケーションのカタチがすっかり変わってしまった世界から見つめ、人のあるべき形を想うようで。単なるノスタルジーではなく、今のアタマばかりが肥大化した、極端に偏った知識や思想を持った人を憂えているようで。  最近ツイッターで女性の生理についての極端に無知なツイートが話題になり、それがこの映画の中のエピソードにピッタリと符号していて、とてもタイムリーだなぁ、と。ネットは全てなんでも判るようでありながら、知らない事はとことん知らないで済んでしまう世界な訳で。でも本当はリアルでのコミュニケーションから微妙なニュアンスと共に知る事もいっぱいある訳で。  複数の人間のモノローグがあって、死者のモノローグもあるけれど、それは創作上の禁則とはちょっと違って、時間を超越している状態で、登場人物達が自らを客観視、俯瞰してゆく構造が面白く、映像も色々な仕掛けを施して印象的。自動車が登場すると物語が動く(冒頭からして炎上する自動車で)、みたいな仕組みもあって、散りばめられた様々な要素で楽しめ、考えさせられ、感じる映画でした。[映画館(字幕)] 8点(2017-06-11 22:30:18)《改行有》

164.  LOGAN ローガン 《ネタバレ》  一体世界はどうなっちゃったの? これまでのX-MENの戦いの意味はなんだったの?っていうのはあるんですけど、でもメタものによくあるような、逆にふざけた感じになっちゃう血と暴力ではなくて、真正面から堂々と血と暴力によって英雄とは何かを描いた作品でした。  暴力の世界に足を踏み入れ、血で手を汚した人間がそこから逃れる事はできない、ならばどう生き、どう死ぬのか。その葛藤、足掻きがローガンもしくはウルヴァリンという孤独なキャラクターを通して描かれます。  主人公が特殊な能力を持ったアメコミキャラである事を除けば実は定番な物語ではあるのですが、自分の過去を象徴する少女ローラ(人間性を獲得する以前の存在)と、自分の化け物としての姿を象徴するX-24(人間性を獲得しなかった結果としての存在)によって、深い物語になっていると思います。自分の影としてのX-24が優しき人々もチャールズも殺してゆく、ならばローラが光となるべく希望を託す、そのために残されたわずかな生命を燃やして英雄となるローガン。地球の危機とか、悪の支配とかではなくて、一人の男の生きざまだけに収束してゆく物語。ヒュー・ジャックマンのウルヴァリンの集大成。  ただ、そんなローガンが命を賭してローラ達に与えられた希望が、不服従のための逃避であったのは今この時代の要求だと考えると心は重く。もちろんトランプ政権が成立する以前に製作されていた筈ですが、映画のスタートからラストシーンまで、そこに確かな未来への希望を見出すのが困難なのは、やはり暗い気持ちにならざるを得ないのでした。[映画館(字幕)] 8点(2017-06-06 21:00:20)(良:1票) 《改行有》

165.  メッセージ 《ネタバレ》  『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』のバイラス星人とか『ペンギンズ』のテレビシリーズの宇宙イカ(あるいはイカっち)とか、イカ型生物は侵略者ってイメージが存在していて(『侵略!イカ娘』なんてのもありましたな)、この映画の宇宙人はその先入観を元にデザインされているのだなぁ、と。固定概念や先入観こそはコミュニケーションにとっての障害物、ってお話ですからね。  人はいつか時間さえ支配できる、ってセリフは『ガンダム』でしたっけか。これは時間を支配できるまでにはならないけれど、時が見える(ララァか、っていちいち『ガンダム』だな)ようになった人の話。そこから逆に浮かんでくるのは、では時間が見えない現実の我々はどういう選択が最良なのだろう?という問いかけ。個人から他人、組織、国家や思想、宗教に至るまで、この世界を生きる術を示します。  無理解や恐怖によって断絶してゆく個と閉ざされてゆく未来。イカのバケモノから発せられる、「言霊」をビジュアル化したかのような言語や文字の概念を超えた深遠なもの、それを理解しようとする姿勢が相互理解を生み、進むべき道が見えてくる、と。主人公は切ない未来をも認識する事になる訳ですが、同時にかけがえのない時を得られる事も知る、のならば、時が見えない我々はせいぜい今この時のかけがえのないものを大切に、未来を閉ざさず少しでも良いものへと導く努力が必要なんじゃない?と。今、こんな時代、こんな世界だからこそ、必要な映画。  女性主人公が宇宙人とのコミュニケーションを通してミクロとマクロとが繋がってゆく物語という事で『コンタクト』が容易に浮かびますが(爆破テロだし北海道だし)、これもまた優れたSFのカタチを示した映画でした。映像や音楽、キャラクター造形に雑味のない、独自の世界観に酔えました。[映画館(字幕)] 9点(2017-06-04 22:10:46)《改行有》

166.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス 《ネタバレ》  前作はめちゃくちゃ楽しめたけれど、今回はなんかフツー。  前作ではどんどんと舞台が移っていったのに今回は舞台の殆どが1つの星に限定されて広がりは無く、前作ではハミ出し者の寄せ集めが最後は大勢の人々と共闘する事で宇宙の危機に立ち向かったのに、今回は宇宙の危機自体は両手の指で足りる程度のキャラのいざこざで語られてしまい(危機に絡まない無関係なキャラは多いものの)、結局は例の作品でお馴染みな宇宙規模の親子喧嘩、最後はカビが生えまくりの定番設定な星の核を破壊する事で事態は解決、そんなモノを笑って皮肉ってみせるとかじゃなくて、マジでやっちゃってる状態。80年代の娯楽映画を見てたら、もうここには新しいモノなんてVFX以外何もありません、みたいな映画。  あとはキャラの面白さを楽しむくらいなわけですが、今回はウェットなドラマが全編をどんよりと覆っていて(前作もそれなりにウェットではありましたけどさ)、キャラの歯切れの悪いこと。ロケットなんてアライグマなカッコしてる必然性がないくらいに普通にドラマを消化してましたからねぇ。  前作のそれぞれハチャメチャなキャラっぷりは今回は冒頭を除くと鳴りを潜めて、みんな受け身。大切なのはファミリー、みたいな。『ワイルドスピード』かいな。守りに回ったら面白くないわけですが。  面白かったのは冒頭のタイトル部分の長回しとか、新キャラのマンティスとか、最近の3Dには珍しく飛び出し方向を強調していて昔の『ジョーズ3』なんかの目が疲れる系3Dっぷりが懐かしかったとか。  映画全体が守りに回った感がして、二作目にしてそれって、ちと早過ぎないかと。実はこれもまた次回『アベンジャーズ』のための予告編映画なのでした、とかだったらイヤな話だなぁ。[映画館(字幕)] 5点(2017-05-14 17:43:50)(良:2票) 《改行有》

167.  ワイルド・スピード/ICE BREAK 《ネタバレ》  これまでの作品を見ていないと判らない点が多々あり、でも見ていたところで疑問に感じてしまう点も多々あり、と。  かつてファミリーの一員を殺した人間でもファミリーになれますよ、ってそう簡単に納得できませんわなぁ。死んだ人間が浮かばれませんわなぁ。  っていうか、実はドムもファミリーをあまり大切に思ってないんじゃないか?っていう。子供を救うという最優先項目の前ではファミリー殺したって仕方ないとばかりにファミリー相手に暴れまくりますしね。ファミリーもファミリーで、そんなドムを「子供奪われちゃったんじゃ仕方ない」とばかりに無条件に許しちゃう世界なわけで、なんなんだか。子供が必要だけど前の恋人はジャマ、っていう脚本上の都合(あからさまにそうなるって展開が読めるっていう)で殺されてゆくエレナが不憫。  長い時間、ドムが敵側に存在するので、見ていてモヤモヤ、ヤキモキしてストーリー的にはあまり気持ち良くありません。いかにも更に続くなシャーリーズ・セロンのケリの付け方も、ここまで引っ張っておいてその程度で済ませちゃうか、と。  前作から続いて登場する、個人の居場所を世界中の監視システム使って特定しちゃうゴッドアイとか、遠隔操作を標準装備してるとしか思えない一般車とか、もはや何でもありでハチャメチャな映画。  でも、操られた大量のクルマが塊となって街中を疾走するとか、氷を突き破り車をすっ飛ばして浮上する潜水艦とか、ハデな映像が大スクリーンにバーンと展開する気持ち良さ、そして怒涛の展開に結構長い上映時間でも全く飽きさせる事がない状態は良かったと思います。前作はちっともクルマが「走って」なかったですけど(飛ぶか壊れるかばっかり)、今回はまだ走っていましたし。基本バカな映画を許容して楽しめてナンボといったところでしょうね。  何があったところで、ラストでみんなでパーティすれば問題無し、って。でも次回作のラストでシャーリーズ・セロンがパーティに参加してたらヤだなあ。[映画館(字幕)] 6点(2017-05-03 21:33:10)《改行有》

168.  バーニング・オーシャン 《ネタバレ》  実話ベースなゆえに八方美人的なパニック映画。あちこちバランス良く描こうとした事が、散漫でそこそこな印象の作品に繋がっちゃった、みたいな。  10歳の子供の作文や、よく振ったコーラの缶によって石油採掘施設の仕組について判りやすく説明してゆく冒頭部分は良かったと思います。  ところが、いざ事故が起こりますよ、って段になると、結局判りづらいものになってしまって。泥水と石油の関係、コンクリートテストの、そのコンクリートがどこにどう作用しているのか、圧力が設備にどうかかってゆくのか、どういう状況、過程によって最悪の事故に至ってゆくのか、そこはあまりよく判らないっていう。この映画、実は説明下手じゃね?みたいな。  差し挟まれるドラマも中途半端。主人公の奥さんや、紅一点の彼氏の存在、ラストの家族を失った人達の描写、会社の責任、それらをハッキリ描きたいのか描きたくないのか、どっちなのさ!って状態。  火災のシーンこそは圧倒的な迫力をもって描かれますが、その中でのドラマなんてのはもはやダイジェスト。何しろ状況が状況なだけに、そしてそれ以上に事実であるがゆえに、ガチャガチャとした映像の羅列状態。その上なんだか呑気に思えてしまう部分(メイン2人が事故に気付くの遅すぎじゃね?)が映画のテンションをヘンに歪めてたりして。  で、迫力ある事故シーン、なんて言ってると最後にエンドロールで実際の犠牲者の方々の生前の姿が描かれて、そういう不謹慎な事思っちゃいけませんよ、みたいに釘刺されて、一体どう見りゃいいのさ、って。  切り捨てるべきところ、もっとじっくり描くべきところ、それをもっとハッキリさせるべきだったんじゃないかと思います。  冒頭が映像の無い証言音声で、だけれどもその音声が本編の流れに対してあまり有効になっておらず、『ハドソン川の奇跡』がいかに上手い映画だったかを思い知らせてくれるような映画ではありました。[映画館(字幕)] 5点(2017-05-03 20:55:44)《改行有》

169.  スプリット 《ネタバレ》  ネタバレの有無については有にしてますが、配給会社の意向としてはネタバレ厳禁って事で、大事な部分についてのネタバレはしません。と言っても、この映画をネタバレ無しで語るのはなかなか難しいワケで・・・  まず、宣伝にある「誘拐された女子高生3人VS誘拐した男23人格」、ここが実は、あまり面白くありません。  監禁モノとしては『羊たちの沈黙』や『アリス・クリードの失踪』『10 クローバーフィールド・レーン』などの映画が思い浮かびますが、それらに比べるとサスペンスはユルユルな状態で、よくもまあこれだけ緊迫感の無い監禁モノが撮れるなぁ、ってヘンな感心しちゃうレベル。それは、どういう場所に監禁されているのかが一応隠し事になっているがゆえに監禁場所の構造や位置関係を明確にできないっていう理由もあるからなのですが、それ以前のところで、脱走を試みる部分や犯人との駆け引きが、バラバラ散りばめてあるばかりで単発の上げ下げ状態で、ちっとも映画全体の大きな流れになっていっていない、っていう。  また、犯人の人格がいっぱいあるがゆえに、犯罪者としての恐さが全く定まらない、弱い人間、優しい人間な部分がサスペンスとしての足を引っ張っちゃってます。  その23人格部分、マカヴォイの演じ分けは上手いとは思いますが、内面で23人がどう世界を作っていて、その関係がどのように動いてゆくのか、その深いところまでを想像させてくれるレベルではないんですよね。そこって結構重要なハズなのですが、シャマラン監督はそこにはあまり興味がないようで。  シャマラン監督作品らしさというのは一応しっかりと刻まれています。監禁や多重人格はシャマラン監督が一貫して描いてきた「見えない事の恐怖」に直結していますからね。でも、よくある素材である事によって他の作品との差別化がシャマラン監督お得意の「衝撃のラスト」程度でしか誇示できていないのが残念な感じで。  そして、一応の衝撃の展開の後の衝撃のラストなんですが、それは世界を矮小化させる、むしろガッカリさせるモノだったような気がして。そっち方面でなく、監禁された3人の女子高生の方に、もっと映画の気持ちを向けてあげて欲しかったなぁ。[試写会(字幕)] 5点(2017-05-03 19:34:40)《改行有》

170.  美女と野獣(2017) 《ネタバレ》  見始めてしばしは「アニメーション版の単なるベタ移植なら、実写映画にする必要は無いんじゃないかなぁ」と思ってました。ストーリー的に変わったところも無いし、曲も一緒だし、って。  それにエマ・ワトソンはベルのイメージとは違う気がしましたし(エマは永遠の少女みたいな印象で、それなりに成熟した感のあるベルに比べると幼いんじゃないかと)、野獣の顔がハンパに優しさを醸してる、野獣としてのシャープな凶暴さが足らないんじゃないかとも。  でも、映画が進むうちにどんどん惹き込まれていって。キャラクターやエピソードがそれぞれアニメーション版に忠実でありつつ、もっと踏み込んでいる、もっと深いところを探っている印象なんですよね。展開もアニメーション版に忠実であるがゆえの唐突さ、あっけなさがあったりはするのですが(ベル、あっさり野獣に心を開き過ぎ)、1つ1つの事柄にひと手間かけて奥行を与えている、丁寧な仕事してます、という感じで、それが更なる深い感動を生んで。  特に野獣とお城に住まう存在に対して更なる愛情を注いでいるように思え、それぞれのキャラクターが描くドラマが面白く、クライマックスの城に侵攻してきた村人達への反撃シーンの盛り上がりも更にエキサイティングで。  野獣はアニメーション版では正直なところ、ラストで人間に戻った時に「誰だよお前」って思ってしまったのですが、今回は目が一緒なので、ああ、野獣が人間に戻ったんだな、って流れを感じられました。そういうところは実写の強みですねぇ。  エマは、どうしてもハーマイオニーのイメージは拭う事ができませんが、色々な表情を見せて彼女ならではの魅力的なベルを創造していました。  そしてガストンは更にクズっぷりが増して。  美術は2014年のフランス版の退廃美も印象的で魅力的でしたが、こちらは王道の美しさといった風情。画面に溢れる色彩の情報量に目が眩みます。全体的に映像が暗めなのが少々残念。  観終わってみれば、オリジナルのアニメーション版の総てをバージョンアップしてみせました、という印象。これぞ『美女と野獣』なナンバーの晩餐会のシーンやダンスシーンはアニメーション版を超えたとは言い切れないものの、新しいナンバーの追加も含めて全体的に手を加えて厚みと奥行きが生まれています。クラシックとなりつつあるアニメーション版とは別に、今のテクノロジーで更新された実写版を心の底から楽しみました。これが今のディズニーの力なのだなぁ、って実感できる映画でした。[映画館(字幕)] 9点(2017-04-21 20:55:03)(良:3票) 《改行有》

171.  グレートウォール(2016) 《ネタバレ》  中世の中国を舞台にした荒唐無稽な怪獣ファンタジー。『スターシップ・トゥルーパーズ』と『パシフィック・リム』と『ワールド・ウォーZ』と『300』と『ロード・オブ・ザ・リング』と『エイリアン2』を混ぜてチャイナ風味にしたような映画、ツッコミどころは満載。  黒色火薬を手に入れようとやってきた西洋の面々は、ただ手で運べる程度の量を入手すれば結果オーライなの?とか(製法を知らなきゃ意味ない訳だけれども、ブツさえ手に入れればあの時代でも成分の解析ができたとでも?)、マット・デイモンの人殺しとしての過去の背景がセリフだけで詳細不明なままとか、女王からの通信が途絶えると共に一切無力化する(死んじゃう?)怪物とか、大してドラマも描かれないのにドラマチックにどんどんと散ってゆく人々とか。  もうレジェンダリーが中国資本傘下になったのでこういう映画ができました、っていうサンプルみたいな映画。  戦闘シーンも既視感たっぷり、だけれどもアクロバティックな戦い方の数々とか、チャイナなデザインの鎧や盾が大量に並ぶ様にこの作品ならではの魅力を感じられました。引きの画になると途端にCGでござい、って状態でチャチになってしまうものの、CGではなくライブで撮られた隊列の画などは、その物量っぷりに圧倒されました。  でも、それらを評価したところでせいぜい6点といったところでしょうか。チャン・イーモウ作品としてはあまりに大味スペクタクルな画ですし。  個人的に最大の評価ポイントはもうただ1つ、美しくてカッコ良いジン・ティエン。予告編のビジュアル時点でワクワクさせて貰ったのですが、本編では期待以上に大きな役柄で画面に映ってる時間も長くて、むしろマット・デイモンは彼女の引立て役でしかないんじゃないかっていう。まるで『真・三國無双』のキャラ、星彩や月英がそのまま実写で動いているような感じで、戦うキレイなお姐さんの姿にほれぼれ。『キングコング:髑髏島の巨神』での飾り物にすらなれていない空気状態とは大違い、っていうか殆ど別人に見える状態なのは、スタッフの皆さんのウデの違いってところかしら?  キレイでカッコいいお姐さんがアクションしてればそれだけでいいのか?って言われたら、それだけでいいんです、としか答え様が無いです。もう彼女を眺めてるだけで最高の映画。それだけで十分。はい。[映画館(字幕)] 9点(2017-04-14 22:01:11)(笑:1票) (良:2票) 《改行有》

172.  レゴバットマン ザ・ムービー 《ネタバレ》  『LEGO ムービー』に続いてレゴが素材でありながら一本の見応えのある映画となっております(そして、『LEGO ムービー』を受け入れられない人にゃコレもまた同様に無理であろう状態で)。  レゴで埋められた画面で展開する『バットマン』の世界は、しっかりとした大作感のある、アクションとスペクタクルの世界。基本は子供を笑わせるギャグで組み立てられていますが、キチンとバットマンらしさを貫いています。バットマンとジョーカーの近親憎悪の世界はティム・バートン版からの伝統を受け継いでいますし、デフォルメされているとは言え、ブルース・ウェインの孤独は今作でも深く浮き彫りになっています。  また、『バットマン』映画としてこれまでの数々の作品を引用していますが、それは懐かしのテレビシリーズにまで及んでいて、さすがに子供どころか若い人にすら判らないであろう状態。鮫ネタは『ジョーズ』のパロディではなくて、テレビシリーズの映画版でヘリにぶら下がったバットマンの足に噛みついて鮫避けスプレーで退治される鮫ですね。  数々の悪役(リドラーやトゥーフェイスやハーレイクインだけでなく、グレムリンからヴォルデモート、サウロンまで)が登場しての豪華な一大カタストロフによってスケールの大きなクライマックスを迎える、でもあくまでレゴで作られたオモチャの世界、遊びの世界である事も忘れはしない点が良いです。  ただ、最終的に語られる幸福感に溢れたテーマは、もうそこに至る事がない人間にはキツいかな・・・[映画館(字幕)] 7点(2017-04-13 22:57:11)《改行有》

173.  ゴースト・イン・ザ・シェル 《ネタバレ》  スカーレット・ヨハンソンがキレイに撮れている映画で、その点では良かったと思います。  でも、映画は『よいこのこうかくきどうたい』みたいな判りやすさで、そういうシンプルな映画が果たして『攻殻機動隊』として正しいあり方なのかどうか。押井守のビジュアルはリスペクトしていても、その精神に対してはどれだけリスペクトできているのかいなぁ?と、少々疑問に思ってしまいます。  世界の全てを親切に説明してくれて、明確にテーマも語られるので(そしてそれはこれまでの『攻殻機動隊』とはズレていて、古めかしさすら感じるテーマで)、想像や思考を巡らす余地はありません。ラストまで快適に運んでくれる『攻殻機動隊』、その時点で矛盾してしまっているような気がして仕方ありません。ハリウッド製だから仕方ないと諦めるべき事なのでしょうかねぇ。  そこそこなバジェットのワリに安っぽい映像に見えるのは、CGが主に背景を描く事にばかり使われていて、ライブと背景とがしっかり融合したアクション場面自体は乏しいからでしょうか。未来の世界の中に存在しているって感覚は薄かった気がして、でもこの題材ならばそここそは大切だったんじゃないかと。1995年当時のアニメの再現では、2017年の画にはならないですよね。1982年の『ブレードランナー』でも1995年の『GOHST IN THE SHELL』でもない、2017年なりのSFの画の構築が全然足らない気がしました。[映画館(字幕)] 5点(2017-04-13 21:31:16)《改行有》

174.  ハードコア(2015) 《ネタバレ》  見ている間はとても楽しめたのですが、終わると何も残らないというか、映画の印象まで薄ぼやけてしまって、それはそれで問題だなぁ、と。  映像的には『COD:MW』シリーズやら『HALO』シリーズやら、つまりFPSゲームでお馴染みの世界ですから何か斬新な事をしているという訳ではなく、でもそれが映画というカタチになったらそれはそれで面白いという感じ。ヘンに映像を連続させ過ぎずに適当に刈り込んでいますから、テンポ良くダレ場もありません。  でも、一人称映像であるというのは結局そこに自己を投影できてナンボという事になる訳で、自分でプレイして進行させるゲームとは違い、そこには印象的な画というのが必要になってくると思うのです。でもせっかく美しいヒロインが存在していても、それがさっさと流れていっちゃう、ちゃんと印象付けるところまで行かないのが残念。ラストにああいうカタチになるとはいえ、でもあくまで最後までヒロインを輝かせておく必要とかあったんじゃないかなぁ。あんな風に絶ち切っちゃったら、なんつーかマンガっぽい。ありがち過ぎな物語ですし。  それは手を変え品を変えのアクションシークエンスにしても同様。あくまでゲーム的なそれら(前に挙げたFPSタイトルはただ銃を撃つだけの単純な絵作りから脱却してます)の映像は見ている時は楽しいけれど、でもその時だけの画でしかなくて、革新的な、脳に強烈なイメージを残してくれるようなものではなくて。  主人公の像が(ほぼ)存在しないというのはつまり主人公はカメラマンの役割であって、そのカメラに映る世界の描写こそがキモになってゆくのは当然、そこが弱い映画だったなぁ、と。終わってみればシャールト・コプリーのコスプレばっかり記憶に残る映画っていう。  ちなみにHMDで3D対応のFPSをプレイしたら一発で酔いましたが、この映画は視界いっぱいに見てナンボと最前列で見たものの、別に酔いませんでした。[映画館(字幕)] 6点(2017-04-12 23:14:36)《改行有》

175.  ムーンライト 《ネタバレ》  有色人種に対する差別や貧困など、わざわざ事細かに描く必要は無く。LGBTに対する差別にしたってそう。だってこれは本当は普通の恋愛映画なのですから。それが普通ではないと見なされる、普通として捉えられない限り、この世界は不幸なのです。  終始受動的な主人公の秘めた思慕、本来大切なのはそこだけ。[映画館(字幕)] 8点(2017-04-12 22:43:54)(良:2票) 《改行有》

176.  キングコング: 髑髏島の巨神 《ネタバレ》  映画が始まってわりと早期にヘリ軍団を壊滅させるコングは、複葉機の機銃で殺されたRKO版コングやヘリのガトリング銃で殺されたラウレンティス版コングとは違う生物、つまり怪獣なんですよ、って宣言しています。通常兵器では殺せないのが怪獣ですから。つまりこれは怪獣映画としての『キングコング』。  演出が単調な気がします。アクションパートもドラマパートも同じリズムで刻まれてゆく、一本調子な感じ。肝心のここが見せ場ってところまで。そこはもう少しタメてバーン!って見せようよ、とか思ったり。  だけどドラマパートが極端に退屈だったレジェンダリー版『ゴジラ』に比べれば、ヘンにドラマに重きを置かずにどんどんすっ飛ばしてゆく分、潔いと思います。誰が死んだの?ってくらいに顔も覚えないうちにどんどん殺されまくっちゃいますけど。  物語に目新しい部分はありませんが、そもそも怪獣と人間ドラマは水と油なので、怪獣がドタバタ暴れてる間、人間はただ逃げるのが正しい訳で、その点、ちゃんとしてます。  そこかしこに怪獣映画のニオイを漂わせている中でも(『地獄の黙示録』な一方で、高島忠夫と藤木悠が出てきてもおかしくない世界観)、私が特に東宝特撮モノを思い出したのは東洋人がメイクしてますって状態の原住民。「ワザとだよね」みたいな。あと、意外とラウレンティス版の2作に対するオマージュ入ってませんかねぇ。『キングコング2』なんかにオマージュ捧げる映画ってあんまり無さそうですが。  あと、せっかくなら中国人のおねえさんも色んな事情でただ出てるだけ、じゃなくてちゃんと見せ場を作ってあげて欲しかったもので。ハリウッド映画に中国資本が入って、その分、中国の方を向いてるってのはもう慣れましたしね。  あっちの世界観に合流して更に続きますよ、っていうのがエンドロール後に宣言されますが、どうかヘンに気取らずにレジェンダリーチャンピオンまつりとして、頭の悪い映画で喜ばせて頂きたいものです。[映画館(字幕)] 7点(2017-03-26 22:37:47)(良:1票) 《改行有》

177.  パッセンジャー(2016) 《ネタバレ》  主人公って殺人ストーカー男な訳じゃないですか。殺してないけど殺したも同然なわけで。それでこれをラブストーリーとして成立させる、っていうのに無理があるなぁ、と。ヒロインが真実を知って以降は殺るか殺られるかの密室サスペンスになった方がよっぽど自然な流れだったんじゃね?なんて思いながら見てました。  結局、主人公にとって都合のいい事故と都合のいい展開と都合のいい「ヒロインの友人の言葉」(理想を追い過ぎると云々って、主人公の行動を擁護するために存在するようなセリフな訳で)で、なんとなくいい話として収束してゆきますが、そこに贖罪が存在していないのがねぇ(せめて排熱口の手動ドアのところで贖罪のセリフでも吐いていればまだ少しはマシだったのですが)。  ツッコミどころは色々。危機的状況に対する対策が成されていなさ過ぎなシステムとか、移住先は少なくとも舞台となる年より180年以上前に探査に出発して、60年前には発見され移住可能である事が確定されている筈(30年地点で地球に送信、その後返信を受けるのに55年かかるという事はその通信の往復に30+30+55=115年距離で55年なので、植民星の120年地点では一方通行な通信で60年、送信されてきた現地のデータを信用してそれ以上の交信は無しというデンジャラスな状況だとして)、だけれども、そんな遠くに探査機を飛ばせる未来から更に180年、とても西暦2300年や2400年なんて未来の話には見えないとか。  でもまあ、そういう状況に陥ったら自分ならどう生きるんだろう、って考えるようなスキは腐るほど与えてくれますし、5200余人の4か月分の食糧を2人が50年程度食い漁りまくったとしたら、不足分の問題がどれだけ生じるかを暗算したりできる程度のヌルさもありますし(食べちゃうのはせいぜい6%程度なので、一日のご飯6%減で4か月過ごしても大した問題ではないですね。でも朝食マシンが故障してたんで朝ごはん抜きになっちゃったかも)。  それにSFデザイン関係は色々と面白く見られたので退屈はしませんでした。ハードなSFを期待してしまうと、思いきり肩透かしを食らう事になっちゃいますが。  主人公達のラブロマンス部分はデート目的で見にくる方々にお任せするとして、そのツッコミどころに色々と頭を使うという点では面白い映画だったのかもしれません。  それにしても肉っぽいカップルでしたなあ。[映画館(字幕)] 5点(2017-03-26 21:53:52)(笑:1票) 《改行有》

178.  SING/シング 《ネタバレ》  潰れかけた劇場のオーディションに集う、それぞれに悩みや問題を抱えた者たち。その、ありがちな群像劇がCGアニメーションによって擬人化された動物で描かれる事でなんて魅力的に輝くのでしょう。  様々な動物がごっちゃに暮らす社会というと『ズートピア』を連想させますが、この作品世界では特に種の違いによる差別や摩擦を描いてはいません。サイズ差や生態によるネタこそ存在するものの、各動物の特徴はあくまで個性を際立たせるために機能しています。キャラのデザイン的な特徴によって、それぞれに紡がれるドラマが大きなメリハリを持って伝わってくる感じ。決してハイレベルとは言えない、同時期に公開している『モアナと伝説の海』に比べてしまえば結構チープなCGだったりするのですが、個性的な外観に、人間的な、細かな表情を組み合わせる事で(単純な喜怒哀楽だけではなくて、微妙なニュアンスを持たせようと試みています)、そこに血の通ったキャラを見出せます。  私が好きだったのはロジータとアッシュ。この二人、結構複雑な表情を見せてくれるんですよね。ムーンとマイクは登場時点での印象が大変悪くて「この映画、大丈夫かいなぁ」と思ったものの、そのキャラなりのドラマを見せてくれますし。  魅力的なキャラ造形によって、夢を諦めない、殻を破る、人に流されない、底辺から抜け出す、そういう、よくあるメッセージが、嫌味なく素直に伝わってきました。何より、クライマックスの怒涛の盛り上がりはとてもエキサイティングでしたし。  最初に字幕版、次に吹替版を見ましたが、個人的には字幕版の方がいいと思いました(IMAXの12.1chと小さめなハコの5.1chという差はありましたが)。吹替版は演技と歌とを両立できている人が限定的だったり(長澤まさみは見事に両立していました)、字幕版に比べるとやはり歌のインパクトが薄くなってしまったり。山寺宏一はいい加減海外アニメーションの吹替をし過ぎているでしょ、って思いましたが、喋り自体は個性的で良かったです。でも、『マイ・ウェイ』の字幕版のシナトラっぷりに比べてしまうと、やっぱり物足りなくて。また、ミーナ役をMISIAが演じているという事で、これは凄いコトになってるんじゃないかと思ったものの、実際に聴いてみるとMISIAは唯一無二、どう聴いてもMISIAにしか聴こえないという。MISIAが上手いのは当たり前だものねぇ。[映画館(字幕)] 9点(2017-03-21 22:34:44)(良:2票) 《改行有》

179.  モアナと伝説の海 《ネタバレ》  最初は物語が凡庸な印象でした。王道の冒険譚、行きて帰りし物語。決してモアナから離れない物語に、村の危機にタイムリミットを与えるとか、幼なじみでも設定して村と二元的な描写をした方が幅が出るんじゃない?って思いました。だけど二度目を見て、そうじゃなくてこれはモアナのパーソナルな物語、内宇宙を描いているのだと。マウイすらもモアナの内面を示すためのキャラクター。  シンプルな物語の中に沢山の情報が盛り込まれていて、漫然と見ていると色々と見過ごしてしまう感じです。まあ、沢山盛り込まれたパロディ、オマージュに目が眩んでしまうって面もあるのですが(よく言われている『マッドマックス 怒りのデスロード』『ウォーターワールド』以外にも『レイダース 失われたアーク』とか『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』とか『スターウォーズEP1』とかどっちゃり入ってて)。  モアナはディズニーのヒロインでありながら恋愛的要素皆無、戦うヒロイン。でも、それはそれまで築いたディズニープリンセスの否定、ではないと思うんですよね。ディズニーのヒロインはその時代その時代に合った闘争をしてきている訳で(外への志向や自分の立場からの脱却を示すのはシンデレラからアリエル、ベル、ジャスミン、メグ、ムーラン、ラプンツェル、エルサとアナ、ジュディまで共通したキーワード)、これもまたディズニー伝統の中にある作品だと思います。自分は何者で何を成すべきか、普遍的な自己の確立の物語。  映像はここまで来たか、というレベル。全てが人工なCGで雄大な大自然を美しく描きます。そもそもCGである事を意識させる隙すらありません。海と空のブルーに、カラフルな南洋の花の色を散りばめた世界、その色彩感覚だけでもうっとり。  吹替版、字幕版、そして輸入盤3Dブルーレイと見ましたが、吹替、字幕それぞれに良さがあって、優劣は付け難いです。吹替版のモアナの歌声には強く心動かされましたが、マウイはやはりドウェインのイメージがあっているかな。また、3Dの立体感はそこそこ。いつものディズニーらしい、極端な立体感を見せたりはしない感じ。でも、国内での3D上映が無いのはやっぱり残念です。『アナと雪の女王』であれだけ稼いだ国なのに冷遇されてますね。日本での公開が遅いので公開日の前日にはアメリカのアマゾン経由でブルーレイが手元に届きましたし。もう少し日本のディズニーファンも大切にしてね。  CGの技術は競い合って毎年大幅に更新されているような状態ですが、その競争を芸術作品として心で触れる事ができるのはとても喜ばしい事だと思います。[映画館(吹替)] 9点(2017-03-14 23:38:56)《改行有》

180.  トリプルX 再起動 《ネタバレ》  『ワイルドスピード』シリーズと全く同次元の、中学生男子をウハウハ喜ばす単細胞アクション映画。一切頭使わずに楽しめます系。  でもヴィン・ディーゼルは相変わらず大根だし(アレでストーリー上、モテ男です、ってのが全く納得できないんですよね。映画俳優ヴィン・ディーゼルが知名度でモテてるってのならともかく)、アクションはカット割激しくて細切れだし。  エクストリームスポーツがメインのアクション映画だと思ってたら、後半はCGバリバリのアクションで、エクストリーム部分は主に前半なのですが、それも細かいカットで割られているので、凄いアクションには見えないんですね。もう全部別テイクのアクションを繋いでるんだよね?ってのが丸出しになってて。実際にカットが繋がってない箇所もありますし。  ドニー・イェンとトニー・ジャーのアクションもカット割り過ぎでガチャガチャしてるばかりですし、そもそも冒頭でこの映画はハリウッドと中国のハイブリッド映画ですよ!って高らかに宣言しちゃってるので(〇×電影公司とか出てくるので)、ドニーさんは実は悪役じゃありませんよ、っていうのも最初から読めちゃうっていう。  カッコいいのは女優陣。アクションキメまくる2人もいいし、本来現場には出ない、007で言うところのQポジションなメガネのコも美味しいところを持っていきます。  ここ一番でのアレはシリーズ見てないとキター!って感じしないワケですが、私、このシリーズはマトモに見た事なかったですしねぇ(BSCSで放映してるのをなんとなく見たり見てなかったり程度で)。  一切退屈はしないけれど、なんらかの意義とか意味とかそういうのは求めても仕方ない、そういう映画。  っていうか、ドニーさんは最後、アレ、どうやって生き延びたんだろう?[映画館(字幕)] 6点(2017-03-06 19:53:53)《改行有》

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