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プロフィール
コメント数 2526
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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161.  アントマン 《ネタバレ》  傑作でした。マーベルものって事で、これも『アベンジャーズ』絡みの一編ではあるものの、そこら辺のゴチャゴチャした知識なんて一切無くても楽しめる程度の作りである点が良かったです(S.H.I.E.L.D.が出てきたり毎度のエンディング後の映像があるので知識があった方が判るのは確かですが)。  ヒーローになる過程は微妙に長さを感じさせて、もう少し簡潔でも良かったんじゃないかなと思いましたが、冴えないおっちゃんが娘に会いたいがために奮闘する姿がコミカルに描かれていて楽しめました。  あまりアタマのよろしくないワルの仲間達など、物語の足を引っ張るんじゃないかと最初のうちはウンザリしちゃうんですが、これが意外なチームプレイを見せて痛快な存在になってゆき、映画がクライマックスに向かってどんどん加速してゆく感覚にワクワク。  でも最大のポイントはやっぱりサイズの変化によって様々な新鮮な見せ場が楽しめる事。日常空間がスリルとサスペンスを生むバトル世界となり、サイズを活かした戦闘を繰り広げ、そして笑いを生んで。アメコミ映画の濫造によってこの世界での戦いはもはや力のインフレ状態に陥っていた感がありましたが、そんな中でまだこんな新鮮な楽しみを生む事ができるんだ、って感心。  一応、地球のピンチに繋がる可能性云々とかいう話ではあるのですが、大風呂敷を広げずコンパクトなサイズで娯楽エンターテインメントにしていて見やすい作品でした。アメコミヒーローものって世界規模の話なのにごく狭い関係者だけで話が進むみたいな不自然さを感じさせるものが多く、その点、これくらいの範囲だとそれも気になりません。  休日のシネコンには男子中学生のグループがいっぱいいて盛り上がっておりました。やっぱりああいう連中を湧かせてこそのヒーローものですね。  あと蟻めっちゃかわいい。[映画館(字幕)] 8点(2015-09-23 20:54:45)(良:3票) 《改行有》

162.  バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 《ネタバレ》  入院して顔の包帯がマスク状態になったリーガンはまるでバードマンのようであり、また、隣りの劇場で上演していた『オペラ座の怪人』のようでもあり。  非常に演劇的な流れを非常に映画的なテクニックで描いた快作。シームレスでどんどんと展開してゆく、まるでナマを捉えたような世界は演劇のようですが、一方でそれを描くのはカメラが自在に被写体を捉えてゆく映画ならではの世界。  つまり、ここに登場する人々はことごとく舞台と映画とで線引きをしたがっているのですが、実際には舞台も映画もそんなに差のあるものではなく、一つのフィールド上に置く事だってできるのですよ、と。そう、この映画そのものがそれを立証するかのように。  そして、現実すらもまた、舞台や映画とどこがどれだけ違うのか?と。  演じる事、生きる事、生なのか、加工されたものなのか、それに優劣を付けようとする、価値の差を見出そうとする、それがそんなに大事か?って。  なので私にはこれが「バードマンで何故悪い?」という話に映ったので、大変に気持ちの良い映画でした。商業主義に対して批判的なように見えつつ、むしろ逆にアメコミ万歳!みたいに感じられて。  飛び出す数々のネタや笑いも含めて、難しい事を考えるよりも単純に楽しんでこそ吉な映画だと思いました。  それにしても相変わらずエマ・ストーン、キレイ。[映画館(字幕)] 8点(2015-04-14 23:58:15)(良:2票) 《改行有》

163.  ドラフト・デイ 《ネタバレ》  ライトマンってここまで魅せる人だったっけ? なんかバカっぽい大味なコメディばっかり撮ってる人って印象が強かったんですけど。  日本でNFLがブームになったのって今から40年ほど昔の事で、その頃に私も多少ブームに乗っかりはしたものの、当時とはチームもかなり変わっているようですし、ドラフトのルールなんてモノまでは知る由もなく、でも、そこが判らなければこの映画の魅力は半減どころの騒ぎじゃない訳で、映画が始まる前の解説はとても重要でした。  ドラフトの日のGMの混乱劇を追った映画で、銃撃戦も死人も殴り合いもありませんが、スリリングなサスペンスに溢れた娯楽映画となっております。  GMに襲い掛かる数々の難題は、ちょっと盛り込み過ぎな感もありますが(ドラフトの駆け引き、自分の意志と周囲との摩擦に加えて、恋人の妊娠や母との確執や初勤務の使えない見習いや・・・大切な日だって事は判ってると口では言いながら判ってないとしか思えない人達ばっかり!)、それら大問題を全て抱え込んだ上でのクライマックスの盛り上がりっぷり、そして逆転の爽快さときたら。  駆け引きのシーンで頻出する分割画面は会話をスピーディに切り取ると共に、その意外に複雑な画面の構造によって(被写体が画面からハミ出し、重なり、横切り、さて、その多層構造は今どういう構えになってるかな?)そこから状況を読む面白さが加味されています。  結果的にそれはトクだった、んだよね? オーナーはそれで満足、なんだよね? みたいな事をちと考えないとならないくらいにはややこしかったりもするのですが(最終的にトレード条件チャラ+αにした時点で十分トクなんですけどさ)、それまで翻弄されてきた人々がそれぞれ納得のゆくところへピタッと収まってゆく、そのまとめっぷりの気持ち良さに面白いものを見たと満足。  結局、獲得した選手達がどんな成績を上げたのか?というのが気になりますが、それはまた別の話。[映画館(字幕)] 8点(2015-02-19 22:36:10)(良:1票) 《改行有》

164.  愛犬とごちそう 《ネタバレ》  「ジャンクフードばかりの生活をしている男に自然食志向の彼女が出来て、二人は一度は仲違いをしてしまうけれど、それぞれの価値観を受け入れて結ばれ、新たな価値観が生まれてゆく」という話を男の飼い犬(元々は野良犬)ウィンストンの視点から描いてます。  セリフが殆ど無く(意味を持った単語は唯一「WAIT」だけだったと思います)、犬の目の高さから描かれる世界は断片的でありながら、彼の前に差し出される料理と、その背景に描かれた男女二人の空気から見事な流れを感じる事ができます。  すれ違っていた二人を結びつけるウィンストン、そのクライマックスでの距離を縮める二人の足元がそのまま時間を跳躍する見事さ、落ち着くところへ落ち着いたように思えたところで昇る朝日のように姿を見せる新たな生、とても上手くてつい感動させられます。  映像は3DCGで作られていますが、手描き風なトゥーンレンダリングの、更に新しい技術を使っているように思います。輪郭線ポリゴンの代わりにエッジに細かな凸凹が描かれ、それはまるで紙の上に描かれた絵のようで。  そういう表現法の模索とそれに伴う技術の革新は単純に素晴らしい事だと思います。  ちなみに私はこれを見て「じゃあウチの猫達にも人間の食べ物を思う存分食べさせてあげよう」とか思ったりする訳はないので、ウィンストンの飽食っぷりも「1つの幸せのカタチ」だと思って別に気になりませんでした。もちろん現実に存在する犬にアレやってたら問題ですけど。[映画館(字幕)] 8点(2015-02-12 23:02:58)《改行有》

165.  ビッグ・アイズ 《ネタバレ》  カラフルな映像の中からやがて浮かび上がってくるのは2つの色。青と赤。  青は冷たく赤は熱い、というイメージですが、ここでは青は孤独の象徴であり、だけど一方でヒロインの創作の源となるヒロインの世界の色。赤は陽性ではあるけれど、その青の世界に浸食してくる、ヒロインの世界を様々な形で乱す色。  画面の中の青と赤の置かれ方がとても気になる映画です。  サラリサラリとした軽い語り口の中に織り込まれたヒロインの芸術に対する思い、繊細さ、弱さ。芸術の価値を辱めてゆく無遠慮な俗物。ティム・バートンがシンパシーを抱くのも当然という感じで、心が色彩という形に表現されて映画に昇華されているのがとても沁みてきます。  白塗りジョニー・デップもヘンなテンションのヘレナ・ボナム=カーターも出てこない、久々にその世界を堪能できるティム・バートン作品でした。[映画館(字幕)] 8点(2015-01-25 19:21:07)《改行有》

166.  怪盗グルーのミニオン危機一発 《ネタバレ》  前作に比べてヌルいです。前作もヌルかったかもしれませんが、今作はそれに輪をかけてヌルいです。何しろ前作で「幸せになりました」ってところから、今回は「もっと幸せになります」ってだけの映画ですから。  グルーはすっかり丸く優しいパパに、3人の女の子達はそれぞれに暮らしを謳歌し、ミニオン達は相変わらず楽しそうで、この幸せそうな世界に、あと足らないものは、と言ったら?  という事で、この映画は新登場の一人の女性、エージェントのルーシーの視点で描かれてゆく感じです。この世界に仲間入りをしてゆく、この世界に受け入れて貰える女性の話というのが本体のように思えるのですよね。  そのために陰謀だの戦いだのはほんのエッセンス程度。前作では一応核として存在した敵役との攻防も今回は隅に追いやられ、物語は主にグルーとルーシーがその関係を築いてゆく事に費やされます。  グルーを一方的に倒し誘拐するという冷徹な登場の仕方をするルーシーは、仕事仲間となり、協力して信頼関係を築き、私生活に触れ、恋をして、と。そのルーシーの変化は単なるアニメキャラを越えて、一人の人間の移ろいゆく心を見る感じで魅力的です。  特にグルーのお見合いデートに遭遇したルーシーの、彼の名誉を守るための可笑しくも健気でカッコいい一連の行動には「なんていいオンナなんでしょ」って。  血の繋がりの無い者同士が集まって家族を形成してゆく『グルー』の世界が、今回、嫁として、母として迎えられる存在のための映画となったのは必然的な流れだったのかもしれません。見事な愛すべき世界への補完でした。[映画館(吹替)] 8点(2014-12-16 23:05:45)(良:1票) 《改行有》

167.  フライト・ゲーム 《ネタバレ》  予告編や冒頭のシークエンスから何やらニオイがジョディ・フォスターの飛行機映画やデンゼル・ワシントンの飛行機映画を思い出しちゃってイヤな予感がしたのですが、中身はちゃんとリーアム兄さんのゴツゴツした映画で良かった(笑)  犯人は誰だ?ってミステリー部分は最後まで見ると「ん?」って首を傾げちゃう感じもありますが、クライマックスに至るまでのヒリヒリとしたサスペンスは上々。  主人公が真犯人扱いされてゆく展開も物語の足を引っ張ってテンポや気持ち良さを殺してしまうレベルまではいかずに良かった良かった。このゴニョゴニョした部分が大きくなればなるほど、イライラと気持ちよろしくないストレスが溜まる事になっちゃいますからねぇ。  乗客や乗員のリアクションも不快になる前にむしろ気持ちいい方向に持っていってくれますし。  画面内にメール文字を出すのは『子猫をお願い』や『電車男』を思い出して「ハリウッドは今更それやってるか(笑)」と思いましたけど、映画をテンポ良く運ぶには良いテですしね。  往年のエアポートシリーズを思わせる航空パニック映画の匂いも漂わせて堂々としていて、デカくて強いけど不器用なリーアム兄さんの正統な系譜に刻まれる娯楽作品でした。[映画館(字幕)] 8点(2014-09-15 22:12:46)《改行有》

168.  オール・ユー・ニード・イズ・キル 《ネタバレ》  まさしく「ゲーム感覚」ってヤツで、100人マリオなんかメじゃないってくらいにリトライしまくりな覚えゲー状態な映画で。  戦争モノって事でFPS、TPSっぽい感じですが、体得したスキルを記憶しつつゼロからのリピートっていうのはむしろ『デッドライジング』に近いのかしら?みたいな事を映画を楽しみつつ考えていると、突如として「ここから残機無し、コンティニュー無し、一発死でゲームオーバーな」ってルール変更状態になって、そりゃエラいこっちゃ!って。ゲーマーなら判るその絶望感。「おいおい無茶すんな」って画面のトム・クルーズにハラハラドキドキ。  それはサスペンスを生む有効な手立てであると同時に「当たり前だけど命って1つしかないんだよ」って事をハッキリキッチリと認識させているわけで。ゲーム感覚を導入する事で逆説的に命についての映画になっているんだ、って感心。  「軍の広報担当者が陰謀だか嫌がらせだかで無理矢理最前線に送られて、戦闘に全く慣れていないがゆえに~」なんてややこしい設定は、主演のトム・クルーズがいいトシをしたオッサンであるがゆえなわけで、本当は若手スターがただ「新兵」を演じればそれで済むのですが、そこはそれ、スター映画ですし、彼であるがゆえの安定感や親しみやすさ、ユーモアなんかが生まれているわけですから、まあ、仕方ないでしょう。っていうか逆に、あのトシでよくもまあ頑張っております。  そのシーンは実は一体何度目なの?みたいな仕掛けも面白く、大々的な戦闘シーンもあって、見応えのあるSF映画でした。[映画館(字幕)] 8点(2014-08-14 22:33:17)《改行有》

169.  ウォールフラワー 《ネタバレ》  昔、サーティーワンアイスクリームのバイトの女の子2人に「気持ち悪い」って客としてまともに扱って貰えなかった事があって以来、いかに目立たずこっそり生きてゆくかが私の人生のテーマみたいになっていました。何かを期待したり望んだり、そういう資格がそもそも無いんじゃない?って思う日々。  そんな私をIBMで出会った仕事仲間達は週末ごとに誘ってくれました。毎回、私を中心に据えてみんなで映画を見て食事をして。彼等、彼女達に一体どれだけ救われた事か、あの時間がどれだけ大切だったか。今も深く感謝しています。  なのでこれは私の心を映すような映画で、とても冷静に語る事はできません。その人々、その時間の大切さ、そのかけがえの無さ。  ハーマイオニーからあんまり変わらない演技のエマ・ワトソンが適役か否か、微妙な感じがしますし(昔ならウィノナ・ライダーや少し前ならキーラ・ナイトレイが似合いそうな役)、主人公の過去のトラウマ話が最後に至るまでなんだか上手く作品世界に噛み合ってゆかないままになってしまった感じもします。  でもエズラ・ミラーのシャープで繊細な感じが作品のカラーを決定付けていて、それはこの「心の映画」にとても相応しい色で。  トラウマなんてそう簡単に克服できるわけもなくて、冒頭の件もこの映画を機会に今回初めて向き合ったりしてる訳ですが(友人達にもその件を明かした事はありません)、それでも生きてゆかなくちゃならないし、そして生かしてくれる人が存在するならば、それはとても幸せな事で。  どうかみなさま、現実の人と時間を大切にしてください。[映画館(字幕)] 8点(2014-06-10 22:22:28)(良:3票) 《改行有》

170.  アナと雪の女王 《ネタバレ》  過大な期待を抱いた感じで、さすがにそれを上回るような事はなくて。前半の繊細さに比べると後半はフツーなデキという感じ。  仲の良かった幼い姉妹がまるで光と影のように相反する存在へと離され隔たれてゆく過程を描いた前半、表情や仕草や歌の細やかな表現によって、アナとエルサ、それぞれの心情が切なく響いてきます。  対して冒険物語となる後半は、さしてスケールがないわりには個々のキャラクターにもあまり作品独自の個性を与えられず、娯楽アニメ映画の定石を踏むような展開。前半にあれだけ個性を与えられたアナとエルサも、後半はエピソードを消化してゆくことに終始してまうような感じ。せっかくの「姉妹が呪縛から解放され本当の自由を獲得してゆく物語」が何やらごちゃついてしまって。  結局ピークは映画を見にいくたび予告編タイムに見せられた『Let It Go』のシーンだったかな。  最後まで見てその存在に疑問が生じるエピソードが幾つも。  「氷売りを生業とする人々の中で育ったクリストフがトロールの村でエルサの魔術によって意識を失った幼い頃のアナへの治療を目撃する」  ここにたっぷり詰まった情報が後の物語に何らかの作用をしているのかというと、これが微々たるものだったり。  アナが途中で殆ど動けなくなってしまう事で物語の進行にもブレーキがかかってしまう印象がありますし。  ただ、その表現力は本当に素晴らしいものがあって。  アナとエルサ、二人の主役の豊かな表情から、そこに通っている血を感じる事ができます。エルサはやっぱりケバくなってしまう前の方がいいですけど。  色彩溢れる世界から冷たい氷の世界へのメタモルフォーゼ、画面の隅々まで彩られた美しさ。  切ない物語の中で笑いで楽しませてくれるオラフも愛らしく。  表現はCGに変わっても、夢と伝統のディズニーアニメの世界を十分に堪能できる作品だと思います。[映画館(字幕)] 8点(2014-03-14 21:41:16)(良:2票) 《改行有》

171.  ウォーム・ボディーズ 《ネタバレ》  素材こそゾンビものですがあくまで恋愛映画ですね。  設定自体は思ってた以上にゾンビワールドです。世界はウィルスに侵されゾンビに支配され、一部の生き残った人々が高い壁を築いて立て籠もるという(『進撃の巨人』とか『パシフィック・リム』とか『ワールド・ウォーZ』とか外敵避けのデカい壁が流行りですな)。  しかしゾンビになっちゃった青年のモノローグから始まるこの映画、系譜はむしろシネクイント系公園通りオシャレ映画な、ほら『(500)日のサマー』とか『ルビー・スパークス』とか、あの辺な感じ。もっともシネクイントは古くは『ギャラクシークエスト』から最近では『宇宙人ポール』『キャビン』なんかも上映するところなので、その極が合体したようなこれこそシネクイントに相応しいタイトルかもしれません。  ゾンビは孤独の象徴。主人公が回想する空港での幸せな人々の姿、でもみんな携帯やらゲーム機やらを見つめていてちっとも幸せそうには見えないところが、つまりはそういう事で。それぞれの孤独がゾンビっていうコミュニケーションの取れない存在へと反映されて。  そして、その孤独を壊すものとしての愛。愛の魔法が孤独の病を治すというファンタジーだったりするんですよね。主人公がヒロインに出会って人間らしさを取り戻してゆく、その過程がじわじわと染みるように描かれて。  ラスト、二人の前で人を隔てるものの象徴だった壁が壊される映像の、その楽天的な希望に満ちた感じがゾンビものなクセして爽やかで良いです。  途中、不穏な存在となりそうなゾンビ仲間やヒロインの友人が、実は二人を善き方向へと導いてゆくのでした、ってところもホカホカ系な感じで。  ヒロインの友人役アナリー・ティプトンが『ラブ・アゲイン』のベビーシッター役に次いで好印象でした。  残虐なシーンも無いですしゾンビもユルい存在ですしゾンビ映画としては地雷な感じがしますが、私は心温まるラブファンタジーとしてかなり好印象を抱きました。[映画館(字幕)] 8点(2013-10-16 22:44:04)(良:2票) 《改行有》

172.  アフター・アース 《ネタバレ》  「本当に恐ろしいのは目に見えるものではなく、目に見えないもの、そして見えないこと。それによって他者との繋がりを断たれ、孤立した存在にされてしまうから」  それは『シックス・センス』から『ハプニング』まで、シャマラン映画に共通するモチーフ(すいません、『エアベンダー』だけは私の中で上手く消化できません)。  ならばこの映画は、とてもシャマランらしい作品と言えるかと。  この作品でのポイントは「殻」。宇宙船という殻から見知らぬ世界に放り出された少年が、殻に逃げたままそこから出られずに姉を死なせた過去に苛まされながら、自身の心の殻を破り父を救う。  その過程で頻出するシャマラン的エッセンス。危険な森を非力な人間が目標を目指して一人進む物語は『ヴィレッジ』、他者との繋がりが断たれ孤立してゆく恐ろしさを描いた点は『ハプニング』、行動や意識・無意識、更には周囲に存在する物事にも意味が存在するという点は『サイン』を思い起こさせます。  元々、シャマラン映画は、殻に閉じこもる、そして殻の外側に出る事による事態の変化を繰り返しています。孤立の恐怖と、そこからの解放、そしてその解放を促す存在についての物語。  『レディ・イン・ザ・ウォーター』は、孤立した存在を救う側からの視点の映画ですが、基本は同じ。 少年の命を脅かす凶暴な怪物アーサ、でも、たった一匹捉えられ、自らの殻から放り出された視力を持たない存在であるアーサは、つまり少年の心の象徴であったのではないでしょうか。見えないがゆえの狂気、それは陥った事態も置かれた環境も全く理解できず孤立したがゆえに恐怖に駆られがむしゃらに進んで自らを危機に陥れてしまう少年の姿に重なります。  地球の生命達も父が言うような危険な存在ではなく、孤立した少年に対して解放を促す存在だったように思えます。  完全にスミス親子のための企画のように見えながら、そこにシャマラン的記号が溢れ、これは思わぬ御馳走でした。  もっとも、毎回見ている間よりも見終わった後にあれこれと頭の中でこねくりまわす時間の方が楽しいという点で、シャマラン映画ってどうなのよ?って状態ではありますし、そもそもそういうシャマラニズム?そんなモンはどうでもいいであろう大多数の人にとって果たしてこの映画が純粋に楽しいものであるのかというと甚だ疑問であったりはするのですが・・・[映画館(字幕)] 8点(2013-07-03 20:20:24)(良:2票) 《改行有》

173.  クラウド アトラス 《ネタバレ》  個人、集落、組織、コミュニティ、そんな「個」と他の「個」とを隔てるもの、繋ぐもの。  隔てるものの象徴として繰り返し描かれるのはドアや窓、壁、部屋、門。それを破って侵入してこようとするものの存在や、逆にそれを破る事で事態を打破しようとする行為、隔てるものは「個」を守るものであり、孤独や無知の象徴であり。  一方、繋ぐものの象徴は橋やロープ、そして船や車、飛行機等の様々な乗り物。外に広がって他者との繋がりを志向する意識。自由や正義を獲得しようとする意志。更に橋からの落下のイメージや事故の描写が、その意志を妨げるものとして時代をまたいで反復されて。  めまぐるしく変わりながら点描されてゆく時代と人。「個」としての無数の点はやがて枝を伸ばして広がり、他の点との繋がりを示し、円を構成し、他に形成された円と交わり、やがてその全体が世界を構成してゆく・・・。6つの時代の6つの円が時を超えて交わり『クラウド アトラス』という作品を(そして曲を)作り上げている訳ですね。  1つ1つのエピソードや美術的なイメージはどうも凡庸な感じが無きにしもあらずではあります。エピソードの繋がりも必ずしも必然を感じさせるものではなかったりしますし。また、特殊メイクは無理矢理過ぎて「それはないわ」と思ってしまうものも多数。  ですが反復されるイメージによって段々と世界が形を成してゆく感じはとても面白く、興味深く楽しめる映画でした。[映画館(字幕)] 8点(2013-04-06 14:52:08)(良:3票) 《改行有》

174.  テッド 《ネタバレ》  若い人中心に満席の初日の渋谷のシネコン、日本人向けに「くまモン」や「星一徹」に置き換えられた字幕で笑う人は皆無、むしろその字幕に困惑しているような空気すら伝わってきました。  以前にも書きましたが、映画を見てそれまで知らなかった事、判らなかった事に興味を持つというのはとても大切だと思うのですね。それは映画の愉しみの中の大きな要素の1つだと経験上感じます。  この映画の字幕はその機会を潰してしまっています。この映画のみで閉じてしまおうとして、逆に誰も得をしないものになっている感じ。今はネットで情報が手軽に手に入る時代なのだから、余計なお節介は不要なんじゃないかと思うのですが。  さて、映画本編について。これはテッドが語る「自分の責任」についての教訓話のように思えるのですが、実際は「そうかぁ?」って感じで。主人公は結局両方を手に入れる訳じゃないですか。最終的に彼女はとても聞き分けのいい都合のいい存在で。  だからむしろコレってオタクの夢と理想を描いた映画なんじゃないかって。親友がいて、彼女がいて、好きな事ができて、って。  この「気持ち良さ」にピンと来る人はもしかすると少ないかもしれません。でも、この映画にとってとても重要な要素となる『フラッシュゴードン』のダサカッコよさを理解できる人間にとって、これは甘美なまでに気持ちイイ映画。  昔、あの映画のダサカッコよさにインスパイアされて小説書いたくらいな私(300枚書いたところでネタが尽きて挫折しましたが)、主人公とテッドにシンクロ率120%、なのでそのダメっぷりも含めて限りなく愛おしいという。  少なくともぬいぐるみのクマちゃんに生命が宿っちゃうステキなファンタジーではなくて、でも下品なぬいぐるみが巻き起こすドタバタコメディともちょっと違って、『宇宙人ポール』や『スコット・ピルグリム』に通じる、かなり濃いめのオタクが同病相哀れむ感じでオタクに向けた自慰的映画であったという点で、作品的にはどうかと思う反面、意外なまでの濃さにオタク歓喜!みたいな状態で。  「もう別にダメでもいいんじゃない?」なんて言ってる映画な気がしないでもないんですが、楽しかったから別にいいや。[映画館(字幕)] 8点(2013-01-23 23:12:38)《改行有》

175.  アルゴ 《ネタバレ》 シュレッダーで細かくバラバラにされた写真が子供達の手によって形を成してゆく「モンタージュ」、つまり映画的なる行為はイランの人々も行っていた訳で。決して世に出る事のない偽映画をネタに展開された人質救出作戦ですが、事件から22年の月日を経た後、ここにこうして実際の映画として結実したのですから、見事なオチが付きました、としか言い様がない訳で。映画はシリアスで緊迫した状態がずっと続く、にも関わらず笑えてしまったりワクワクしてしまったり。そしてそれをもたらすのは映画という要素。最初の懐かしいワーナーのタイトルから最後の『スター・ウォーズ』『スター・トレック』まで「映画」で飾られ、事実を元にした、政治的な背景を持つ映画であるにも関わらず、つまりこれは映画についての映画。演じる事を求められる人々、1つの形を成すために陰で動くスタッフ。クロスカッティングを駆使してスリルとサスペンスを盛り上げるそれはそれは濃密な2時間。存分に映画を堪能して満足している中、突然エンディングに流れる「声」にさーっと現実に引き戻され、なんであんな「声」を入れたのだろう、あれでは国家としてのアメリカに寄り過ぎていてメチャ醒めるわぁ、と思ったものの、それもまた「映画」なのだと。映画をネタに人を騙し人を救った事を描いた映画が、映画は政治の道具として機能する事もあると示唆しているようにも思えました。見終わった後も色々と考えを巡らせられる、よ~く味わえる映画です。[映画館(字幕)] 8点(2012-10-30 20:48:05)(良:3票)

176.  トータル・リコール(2012) 《ネタバレ》 寄木細工みたいな美術設定が最高なんですよ。数多の階層が存在していてそれぞれが結合していたり遊離していたり。ちょっとした室内ですら段差があったりして。そこをキャラクター達が悪夢の中のように駆けてゆく。その「階層世界のセンス」がね、似たような素材を扱った『TIME/タイム』のダラーっとした平面迷走状態のマヌケっぷりや『ダークナイト ライジング』の光!影!ってフツーっぷりとは違って突き抜けているところがとても気持ち良くて。2つの世界を繋ぐアレも途中で無重力から重力の逆転があるあたりでとても判りやすく世界を二分しているところが良いです。そして、そんな世界を描くにあたって徹底的に映像に刻まれたアナモフィックレンズへのフェティズムっぷり。『スーパー8』もアナモフェチな映画でしたが、これは記号としてのアナモではなく、具体的に奥行きを持つ映像世界としての印のようにワザと強調していて。奥行き表現ならば3Dでいいんじゃない?という意見もありましょうが、基本パンフォーカスの3Dでは限界がある訳で(全部にピントが合ってると平面を並べた世界に見えます)、被写界深度の浅い世界でひたすら前後左右上下の運動を強調してみせるワケです。これはステキな空間と運動の映画。物語は、と言えば、まあヴァーホーヴェン版見てれば特に新鮮な驚きは無いってレベルのリメイクですが。でも、グロ趣味が強調され過ぎな印象のヴァーホーヴェン版よりもこちらの方が好き。[映画館(字幕)] 8点(2012-08-21 20:49:31)(良:1票)

177.  崖っぷちの男 《ネタバレ》 画面から片時も目が離せないって感じでとっても面白かったです。何も判らない状態から1つ1つ映像を重ねて1つ1つ謎が明らかになっていって。その薄皮を剥いでゆくようなエピソードの積み重ねに惹き付けられます。そして事実が(ほぼ、大体)明らかになってからは上手く行くのかどうかのサスペンスにハラハラして。ツッコミどころは多めですしクライマックスが結局は力技と運による解決っていうフツーな状態になってしまっていたのは残念でしたが(せっかくあそこまで作戦練ったのだから、あくまでその作戦の枠の中でスッキリ終わらせて欲しかったな)、オチの「そう来たか!」ってところまで含めて単純に「ああ、楽しかったわぁ」って。サム・ワーシントンってちっとも顔が覚えられないくらいにジミな感じがしないでもないのですが、こういう題材にはむしろ合ってるかも。一見弱々しい自殺志願者って。個人的には『ショーシャンクの空に』や『ダイ・ハード2』で個性的なカオを見せてたウィリアム・サドラーが今回もまた個性的なカオで印象に残りました。主役が一つ所からほぼ動かないサスペンス映画としては『裏窓』の系譜に分類されるのでしょうか。こちらはずっと窓の外側でしたけどね。[映画館(字幕)] 8点(2012-07-08 13:07:03)(良:1票)

178.  幸せへのキセキ 《ネタバレ》 ステキな映画でした。特に何か尖った部分がある訳でもなく(尖っているのはせいぜい息子の描く絵くらいかな)、素材に対して極めて真っ当な描き方をしている感じがします。予告編から受けたイメージを大きく外す事は無く(幼い子供を残して逝った母、動物園付きの家を買う、動物園の再生と家族の再生・・・)、でも、そのイメージを面白く見せるという点について大変良く出来た映画だと思います。妻の思い出から抜け出せないでいる父と、母を亡くした悲しみから心を閉ざしてゆく息子。ともすれば重く暗くなりがちな話が、幼い娘のキャラクターによって明るくテンポよく運ばれ、動物達と動物園で働く人々の存在を介する事で多彩な興味深いドラマを重層的に展開して。ちょっと動物園側の二人のヒロインが能動的にドラマを動かし過ぎた感はありますが(雨の中の抱擁とチケット売り場でのキスにちょっとひっかかってしまったりして)、母を失った状態からその痛みを抱いて前へと踏み出す家族の姿には感動しました。ラストにあんなステキなエピソードを持ってくるのも良かったですしね。役者の放つ魅力いっぱいの映画でした。それにしてもこのひと月半の間に似たような設定の映画を4本(『ももへの手紙』『虹色ほたる』『ファミリー・ツリー』そしてこれ)立て続けに見る事になったのは、個人的に何か意味があるのか無いのか。私の家族って、今やもう2匹のネコだけですけどねー。[映画館(字幕)] 8点(2012-06-10 14:51:17)(良:3票)

179.  ミッドナイト・イン・パリ 《ネタバレ》 そんな事言ったって、ウディ・アレンが過去というものを深く深く愛しているのは、みーんな判っている訳で、なので今回もまた自虐的ですねって。セリフにしてまで語られる「大切な今を生きましょうね」っていうのはあくまでタテマエ。ウディ・アレン版『モーレツ!オトナ帝国の逆襲』。ひたすら芸術の都パリに酔う映画。時代による色調、タッチの変化なんていうのは無くて、全編、湿り気のある夜の光を撮らせるならばこの人、ダリウス・コンジによって切り取られた美しいパリ。ウディ・アレンをモロに映す神経質で饒舌でシニカルな主人公の前に登場する面々の描き方はどれだけウディが楽しんでいるんだろう?ってくらいに芸術への思慕に溢れ、一方で今回も知識だけで理論化し物事の価値を決め自らは何も生み出さないような知識人に対する皮肉もこってり織り込んで。結局、でも「パリってステキよね」で終わりで十分な映画。楽しい、美味しい、美しい、素晴らしい、そういうシンプルな感情でいいんだよ、っていう事を説明するために自らはややこしい創造の嵐の中に居るウディなのだなぁ、という映画でした。[映画館(字幕)] 8点(2012-05-28 06:51:03)(良:4票)

180.  バトルシップ(2012) 《ネタバレ》 ちっとも期待していなかった映画がメチャクチャ面白いって本当に得した気分になりますね。予告編を見た限りではジミなエイリアンVS軍隊な映画だと思ってたのですが(まーた最近よくあるあのパターン?)、実際は『ID4』以来のイケイケ(死語)エイリアン退治映画。開始早々ヘンリー・マンシーニの有名な曲(ドリフでも有名)が流れる時点で高らかにバカ映画である事が宣言され、更にナガタ艦長の作戦によってハタ!と気付く「これって、つまり戦艦ゲームの映画化って事かあ!」。ゲームって言ったってテレビゲームじゃなく、チラシの裏にマス目書くだけでもできちゃうよーな、『永遠の僕たち』でも主人公が加瀬亮と遊んでた(日本人、戦艦ゲーム強いか)アレ。戦艦ゲームをいかに燃えるシチュエーションで映像化するか、っていうところがポイントな映画なワケで、ゲームの映画化としては他に類を見ないクオリティの高さ(笑)。強いとは言っても現代兵器で壊せる程度の敵と仕切られたリングの中でひたすらどつき合う映画ですから単純に燃えますな。後半のいちいち「ここでキタ!」を繰り返す盛り上がりっぷりなんざ『SPACE BATTLESHIP ヤマト』のコスモゼロ自由落下からのヤマト突撃シーンに燃えた人ならば間違いなく楽しめます(異様に対象が狭いって?)。ちっとも作品を選ばないリーアム兄さんの肩の力抜けまくり演技も微笑ましく、他のちっとも魅力的に映らない役者の方々も与えられたシチュエーションに助けられて魅力的な見せ場を彩ってみせます。考えてみればあのオモチャのイケイケバカ映画化『G.I.ジョー』のハズブロ作品、男の子の燃えポイントを判っているよーで(まあ余計な枝葉ばっかりゴテゴテ映画の『トランスフォーマー』のハズブロでもある訳ですが)。こういうツッコミ入れながら(心でね)も燃えるシチュエーションにきっちりワクワクさせて貰えるオモチャみたいな映画ってのもまた贅沢なご馳走ですね。[映画館(字幕)] 8点(2012-04-15 15:05:11)(良:2票)

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