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1.  トゥモローランド 《ネタバレ》 とてもつまらなそうな映画に思えてスルーしていましたが、ブラッド・バードが作った映画ということとTV連続ドラマ『アンダー・ザ・ドーム』のお姉さんが映画でどういう演技を見せるかも気になり、大ハズレ覚悟でレンタルしたのですが、まさか自分が涙を流してしまうとは思いもしませんでした。 夜の闇を照らすライトも、空を飛ぶ飛行機も、ボケットに入れられてゲームだって出来てしまう小型電話機も、黒人や女性が普通に社会参加できることも、そのむかし全ての人が「そんなの無理」と思い込み信じきっていたなら、誰もそれを現実に作ろうとはしなかっただろうし、今のこの世界は無いはずです。今のこの世界があるのは、無かったものを夢見て「作ろう」とした人たちがいたから。だから良いビジョンを持つことは大切なことだと思います。 子供の頃に夢想したキラキラ平和な未来のビジョンを、映画としては初めて目にしました! 忘れかけた大切なものを思い出させてくれました。 エンリケ・バリオス著 『アミ 小さな宇宙人』から、以下の言葉が、この映画を表すに最適と感じたので引用します。 ーーーーここから最後までーーーー 注意(おとなのみにむけた) 読み(観)続けないように!きっと面白くないでしょう。ここに書いてあるのは、すばらしいことばかりだから。 たいていのおとなにとって、おそろしいことのほうが、すばらしいことよりも、ずっと信じやすいことだから、ほんのひとにぎりのおとなしかぼくを理解しないだろう この青く美しい、まるい地球の 未来の後継者であり また、兄弟間に争いのない 新しい地球の建造者である すべての国の さまざまな年齢の 子どもたちに捧げる[DVD(吹替)] 10点(2016-05-07 17:18:34)(良:1票) 《改行有》

2.  君が生きた証 《ネタバレ》 死んでしまった息子が遺した歌を唄う父親。失ってしまったものがあまりに大きいと、人はそれを元から無かったものだと思いたいものかもしれないなぁ…なんて思いながら、考える余地を持たぬように仕事に没頭しようとする父親の姿を観ていました。この父親が失ったものの大きさを想像しながら、でも、ある若者の登場から最初のハモりで泣けました。いい歌を作っていた息子はもうこの世にいない…なぜ、こんなことに…と思っていたら、息子の墓が映されてドーンと見え方が変わってしまう衝撃の展開! この映画のうまさはここにあります。最初に観ていた家族喪失の物語が、単なるSorrowではなく、実は父親が背負い続けているSorryでもあるということが、単に衝撃的なだけじゃなく、父親の背負っている苦しみ重荷が二重に理解できるうまい作り方になってます。息子の書きかけだった歌に歌詞を書き足し始める父。その直後の仕事場のシーンは淡々としているけれど、実は父親がはじめて亡き息子に徹夜で向き合ったことが示されています。夜通し息子宛てに紡いだその歌が最後に流れますが、前半息子の書いた歌詞がガツンと印象的「僕の言うことは全部ウソ」。息子はそのあと「いっそ酒でも飲もうか 歌うのをやめて」と歌った痕跡が残っているのだけど、父はそこはそのままにしなかった。歌う前に聴衆に向けて秘密を打ち明けた父が歌う「正直というものは僕らを変えてしまう」。なんともたまらない。聞こえのいいウソと沈黙で覆われた世界のベールが剥がれていく多感な時期、前向き志向の歌を書くことで息子は自分自身と闘っていたのかもしれない。でも、それらの言葉は「全部ウソ」というわけ(訳としてはそうなってるけど、もしかするとキマグレンみたいに「世の中嘘だらけ」って言ってるかもしれない)。救いが見えなくなって、おかしな方向に。暗闇に迷い込んでしまった息子に向けて父の歌詞が継がれる「君と一緒に歌えたらいいのにな」。オヤジ抜きで再スタートを切ったバンドを映しながら。この父親、冒頭ワーカーホリックみたいだったけど、おそらく事件なければ息子と歌うことなんてなかった人なのかもしれません。空気みたいに当たり前になってるありがたいことは、失ってみないと気づかないものかもしれませんが、そうならないようにしなきゃと思いました。原題の『RUDDERLESS』は新人発掘のオーディションのイベント名でもあるんだけど、「舵取りのない」「指導者不在」みたいな意味。このタイトルの意味を知って観ると、また一層深みを感じます。あの若者が前進を始めたラストが光ってきます。久々に何度も見てしまう映画でした。[DVD(字幕)] 10点(2015-10-17 04:19:03)

3.  ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 《ネタバレ》 世界のある場では澄んだ水の「プール」ある場では汚い「おしっこ」となる「ピシン」の名を貰い対照的な二つの事柄と折り合いをつけることを運命付けられた主人公。名前の由来を作った男に泳ぎを教わり、オシッコの名から逃れるために自名の先頭二文字をとって「パイ」の通称を定着させる。誰も終わりを確認したことない無限の「円周率」を膨大に暗記して。この時パイは終わりの見えない広大な海で生還する為の努力を身につけるとともに、自分の名を通して「無限」と「循環」を身近なものにしていく。澄んだ水に始まり汚れたオシッコとなる命の営みも実は循環しており、泥を食べた子の口の中に宇宙が広がっていたのも「無限の循環」。父は神を信じず科学を信じ肉を食い、母は植物学者のベジタリアン。父は優しい幻想よりも厳しい現実に重きを置きトラの実態を見せる。一方、母は学者だが「心の問題」は科学に頼っていない。そんな両親の元で、あらゆる宗教に触れ真理を探ろうとする。父母に相違がありながらも、愛し合う夫婦であるように、相違ある宗教にも等しく心を傾けてみた。これが主人公が試練を生き延びる準備段階の物語。海に投げ出された主人公は、肉食と菜食主義の狭間で葛藤する。肉食を許せない菜食主義の自分は船の外にいて、とうとうシマウマに手をつけたトラに悲しむ。けれどいつまでもそのままでは生きていけない。菜食主義者はカツオを自分の物と主張しトラに譲らないまでになり、やがて主人公とトラは同じ船に同居する。鏡写しに対照の海と空の真ん中で。だが嵐の神に遭遇しトラは激ヤセ、菜食主義者も共に瀕死の姿。神に召される覚悟を決めたあと、女形の不思議な島で彼は植物が動物の屍骸を吸収する「生命の無限の循環」と、ミーアキャット一種だけの「多様性皆無の世界のつまらなさ」に気づく。菜食も肉食もありの多様な中で命は循環している。気づかせたのは、別れた彼女に問うた「森に咲くハスの花」。馴らしたはずの肉食獣は陸に戻ると挨拶もなく去る。所や場合が変われば何が正しいかも変わるから。「さよなら」を言わないのは、無限の循環の中で繋がっているからかもしれない。「ピシン」一つが二つの異なる意味を持つように、一つの真実は二つの物語を生み対照的な二つのものに折り合いをつけた。そして物語は名付け人を介して語り部に循環していく。 最後の独白は英字幕を読むとコックがただの悪人でないと分かる。コックはパイに自分の肉を捧げた。[映画館(吹替)] 10点(2013-03-13 00:16:51)(良:4票)

4.  エイリアン/ディレクターズ・カット 《ネタバレ》 エイリアンの『卵』からフェイスハガーが出てきて、そのフェイスハガーがチェストバスターを潜伏させる為の宿主として「獲物をがんじがらめにした『繭』」が用意されてると考えてらっしゃる方もいるようですね。『2』のせいで、そっちを先に体験した人の中には、そういう受け止め方の人もいるんでしょう。でも僕の受け止め方は違います。エイリアンに狩られた生物(ブレットと船長)は、なにか不思議な作用の物質(体液)を注入されて、全身の肉が次第に卵に変化していくのだろうと受け止めました。ブレットと船長は、あの後、完全に卵の形になって、その肉の一部はフェイスハガーになる予定だったってこと(お尻を上にした方が効率イイと思うけど・・・って冗談も、肛門がパカッと四つに開くと思ったらコワイ)。最初に発見した宇宙船に卵が一杯並んでたけど、あれはきっと宇宙船の搭乗員たちだったんじゃないかなぁ(整然と並んで冬眠中に卵にされたとか)。ただ、効率悪そうだけどね。エイリアン1体誕生するのに卵用の生物1体とチェストバスター潜伏用の1体の計2体の生物を必要とするのだから。けれど、あの卵がどうやってできるのかって設定は、『2』でのクィーン・エイリアンとかよりも、捕らえた生物の肉を卵に変化させちゃうって方が、よっぽどキモくて不可解で残酷で怖いと思っとります(酸の血の持ち主に相応しい不思議生態じゃありませんか)。昔ショウジョウバエかなにかの昆虫の生態についてのTV番組で知ったのだけど、さなぎの時期にその中身は細胞を維持するのではなくドロドロの液状に溶けちゃうんだとか。そして新たに成虫用に細胞を構築し直す作業が行われてるんだそうだ。それって独立した生命体だったミトコンドリアが他の生命体に乗っ取られたのと同じように、もともと芋虫で完成形だった生命体が何かに乗っ取られ遺伝子組み替えられて、羽のある別生命体になってるのかもしれないじゃん??? 足の数も口の構造もまるで変わるんだよ~!! そういうことが現実に地球上の生命体であってることを思えば、他生物の肉を再構築して自種の卵に変化させちゃうって生態もアリだと思えます。積み上げた緊迫感のリズムを失速させるとかでカットされたらしいけど、あのシーン込みで初公開されてたら、『2』のクィーンなんてできなかったのに・・・(『2』も好きだけど、クィーンだけは興醒めだったんですよね、急に凡庸な昆虫に思えて)。[DVD(字幕)] 10点(2011-09-23 04:58:00)(良:1票)

5.  十二人の怒れる男(1957) もう大好きな作品なんですが、見るたびに思うのは、この主人公のようにたった一人で「でも」って態度を取る勇気が自分を含めとくに日本人にどれだけあるのだろうということ。とりあえず一度はそういう態度を取れたとして、自分の意志を曲げずにいることが「やっぱり自分がおかしいのかな?」とかだんだん心細くなったりしないのかな。この映画ではたまたま少しずつ支持者が出てくるわけだけど、「もう一度票を取って11対1だったら譲る」って場面もあったわけで、それは正しい判断とかなんとかの問題じゃなく結局数の論理だし、それでなくても平行線で長引けば「取り引き」が発生して、そういうとき僕は自分自身に「場の空気読め!」って言い聞かせちゃうのかな。だったら真剣に考える意味ないじゃーん。ところで、こういう制度の中でガリレオが裁かれたら正しく裁いてもらえるのかな? もちろん当時の宗教支配が強い背景の中で・・・。現在の日本だって「それでもボクはやってない」みたいな裁判官がいるのでは、自信ない小市民をねじ伏せるのは楽勝なのかもしれない。とか考えちゃうくらい、たった一人の「でも」って態度の勇気のことを考えさせられます。「ニューオリンズ・トライアル」みたいに影で陪審票を操る怖い存在のことを考えると、なおさら勇気が要ります。[DVD(吹替)] 10点(2010-10-23 15:51:14)(良:1票)

6.  未知への飛行 《ネタバレ》 「ちょっと眠たいけど、見ちゃおう」と鑑賞し始め、最初のうちはうとうとしてたんですが、そのうち目がパッチリ! そんなに興味なさそうだった妻が「特撮もなくて安上がりな作り方してるのに、凄い緊張感ね!」と興奮し始め、夫婦でごろりと横になって観ていたのが、中盤からは二人とも起き上がって鑑賞。途中でまた妻が「白黒なのを全然感じさせないわ!」と感心。下手な最近の映画より、インパクト強かったです。ウォルター・マッソーをモノクロ映画で見るのは初めてだったけど、「サブウェイ・パニック」よりコメディ離れした固い演技で、しかもおいしい役でした。どでかいパネルに戦況が図で表示されるのにハラハラした最初の映画は10代後半に観た「ウォー・ゲーム」だったけど、そのずっと前、自分が生まれた年に既にこういう映画があったのかと感動しました。核が落とされる恐怖を基本リアルに扱った映画は「ザ・デイ・アフター」他いくつか観てきたけれど、が~~~~んとショックを受けてベソかきそうになったのは、この映画が初めてです。あの電話のシーン、原爆そのものの映像を出さずに、こんな安上がりでこんな緊張を作り出すアイディアって、ホント凄いなと脱帽です!! 久々の大当たりで、見終わった後しばらく放心状態でした。 【2016/2/14 追記】戦争を扱う話には史実を扱う物と架空の話があります。それで、最近思うことなのですが、史実を扱った作品て要注意だなーと。その時その場のリアルを生きてこなかった人間にとって、史実を扱った物語は、無思考に「これは実際にあった出来事」と信じてしまいがちで、そこにもし現実にはなかった尾ヒレが描かれていたり、どちらかに偏ったプロパガンダや捏造が含まれていた場合にも、それ込みで『事実の重み』を感じてしまう危険があると思うのです。そういうマインド・コントロールを受けてしまうと、何を言ったところで「でも、こういう歴史的事実があるのだから」で思考停止してしまう人間もたくさんいるわけで、その逆に「あれは実は捏造でした」なんてことが明らかになった時の真実に対する混乱も。そういう害を思うと、本作のように架空の物語として現実の問題提起をする作品というのは、純粋に一思考一意見としてフラットに接することができるので、その意味でも価値が高いと思います。[DVD(吹替)] 10点(2010-10-23 07:18:30)(良:2票) 《改行有》

7.  奇跡の人(1962) 《ネタバレ》 いつか自分の子供に見せたいと思いながらも吹き替えものが見当たらず「まだ字幕は辛いだろうな」と時期を待ち続けていました。学校で何か学んだのか、子供の方からヘレン・ケラーのことをいろいろ聞いてきたもので「これは時なのかも?」と10歳の子供に字幕で白黒の映画を恐る恐る鑑賞させてみました。こちらの不安などものともせず、いささか大げさなオープニングが功をなして引き込まれる引き込まれる。やって来たサリバン先生を部屋に閉じ込める悪ガキっぷりに、先の展開が楽しみになったようで、成り行きを見守りながら茶化すお兄さんのジョークも手伝って、ハマったようでした。食事の躾のシーンは、もちろんもう目が釘付け状態で、二人きりの言葉のない攻防だから字幕に煩うこともないし、ドリフのドタバタを観るようにギャハギャハ笑いながらも、実在したヘレン・ケラーという人物の持った障害(+親の哀れみ)がどれほど人間としての質を蝕むものかを感じ取っていたようです。凄まじいタイマン勝負のあとも、わが子の集中力は持続し続け、世の中のもの一つ一つに名前があることにヘレンが気づくラストまでじっと見入っていました。今どきの10歳を最後までつなぎとめられる白黒の字幕映画って、そうないと思いますし、大人の自分は何度鑑賞しても笑って泣いちゃう感動作です。力強い作品![DVD(字幕)] 10点(2010-08-22 12:13:30)(良:1票)

8.  キング・コング(2005) 《ネタバレ》 今どき超巨大ゴリラの映画なんか・・・と思っていたから、目当ては昔の摩天楼を見ることと、ジャック・ブラックをどう起用するのかという興味だけで、それ以外は一切の期待をしてなかったのが良かったんでしょうか。劇場の大スクリーンで観たんですが、ツボにはまりました。『タイタニック』のあと、なかなか感動できる映画に出会えないと思っていた不満を、この映画が満足させてくれるとは思ってもいませんでした。『21グラム』や『ザ・リング』では何とも思わなかったナオミ・ワッツにこの映画で見とれもしました。路頭に迷うことになった女芸人と、窮地に立たされた映画作家が、どう道を切り開いていくかという話しに始まるのもとても気に入りました。コングはCGの巨大ゴリラに「Beautiful」の魂を吹き込めただけで大拍手です。コングがもともと一匹じゃなくて連れと生活してたことが分かる骨の映像も、野獣の孤独を演出していて好きです。『ロード・オフ・ザ・リング』の一作目のつまらなさに続きを観る気にもなれなかったのを、観てみようかと考え直せたのは、この『キングコング』に触れたからでした。ラストのコングの死んだ目、反射のないテクスチャに変わるだけかもしれないけど、唸りました。 【11.9.12追記】ようやくオリジナルを見たんですが、オリジナルのデナムとドリスコルの方が良いです。デナムの最後のセリフはオリジナルでは無理を感じないし、ドリスコルをなぜナヨっちいキャラに変えたんでしょ? 「女なんて邪魔!」ってムードの船乗りのままで恋させて欲しかったなぁ。そうでなくても帰国後の劇場でのウジウジしたところは、あまり好感持てません(あのシーンは流れを断ち切ってると思うし)。本作のドリスコルはアンを救い出しはするものの何故か頼もしさや存在感がない。代わりにオリジナルにはないバクスターという男優キャラがスカル島で「現実のヒーローはビール腹で・・・」って、ああいうセリフ言ってくれるキャラの方が立ってる。アンとドリスコルがサヤに納まるラストが同じなら、冒頭の不況背景やジミー少年を加えて長尺にするよりも、ドリスコルのキャラをもっと練って欲しかったなー。けどコングはオリジナルより好きなので10点のままで。[映画館(字幕)] 10点(2010-01-06 20:58:40)

9.  ターミネーター ポスター観て、コナンに出てた芝居下手そうな筋肉マンのB級ドンパチアクションか・・・と思ったけど、旧友と暇つぶしに観る映画がこれくらいしかなくて観たのが最初。金の無駄遣いのつもりでいたら「エイリアン」を観た時と同じ感動を得て大満足した。「やっつけるの無理、逃げ切れないだろ!」と思わせる演出は、監督がエイリアンの続編に声かけられるのも納得! 最初シュワちゃんがオファー受けたのはカイル・リース役だったそうだけど、シュワちゃん本人がターミネーター役をやりたがったそうだ。とくに出始めのシュワちゃんの雰囲気や演技力を考えると、オファー通りの配役だったらこの映画は成功していない気がする。あの体格と感情のないロボット役のおかげで、いい出世コースを手にできたと思う。工場の廊下を歩いてくるロボットは昔観たマイケル・クライトンの「ウェスト・ワールド」を思い出させる。「ターミネータ2」もキャメロン監督で、シュワちゃんはあか抜けてカッコ良くなってるし、映像も奇麗だし、特撮も格段に良くなってるけど、個人的にはこの1作目の方が好きです。ベタなお説教臭いところがないのに加え、あのポラロイド写真のエピソードひとつで、この映画の格はグンと上がったと思います。あれがなかったら見終わった後の余韻は、ただの「面白いSFアクションだった!」レベルで、すぐに忘れてしまうものになっていたと思う。SFは特撮のこだわりも大切だけど、やはり脚本の良さが一番の命だなと思う一本です。[映画館(字幕)] 10点(2009-12-15 16:46:47)

10.  エイリアン 芋虫の背中が割れて全く違う形のサナギに取って代わったのを目の当たりに見た時、物凄いものを見たと思ったけど、ダン・オバノンも自然界や昆虫などの不思議な生態に触発されてこの映画のアイディアを思いついたんじゃないかなと思ってます。そのエイリアンのデザインを手がけたギーガーを起用したのがスコット監督らしいけど、この映画を観た人の何割があの宇宙人の頭がでっかいオティンティンだということを知っているだろう。製作段階では「頭おかしいんじゃないか」みたいな周囲の反応の中、監督はギーガーのデザインを強く買っていたそうです。ストーリー展開も、公開前は「もっと早めに見せ場を作れ」という上の反応だったそうで、それはあの名作「猿の惑星」でも同じことがあったそうです。でも、どちらの映画も「はいはい、ではそうします」とはならずに、長く引っ張っておいて突然たたみかける演出を断行した結果、大ヒットしました。スコット監督は当時まだそれほど有名ではなかったけれども、それだけに作品にかける感性と決断力はスゴいと思います。そしてスコット監督を起用したウォルター・ヒルも偉いと思います。冒険する勇気を持った人たちが集まらないと、こういう映画は作れないのだろうなと思います。 クライマックスで「幸運のお星様・・・」と祈るシガーニーのセリフは彼女自身が提案したというのも拍手。ただ当たり役をもらったのではなく、自分が預かった役を最高に演ずる努力もあったから、彼女はこの作品で成功者になったのだと思います。[映画館(字幕)] 10点(2009-12-14 18:09:57)(良:2票)

11.  タイタニック(1997) 《ネタバレ》 あの恋愛劇に単純に感化されたかのように誤解されるのがイヤで、なかなかシンプルに「いいよね」と言いづらい雰囲気がありますが、これまでで一番感動した作品です。『アビス』で完全にキャメロンの虜になり、予告を見る前から必見と決め、予告編では「あの絵のモデルは私よ」と言うおばあちゃんにワクワクし、劇場公開で期待以上の出来に大興奮しました。何度か見るうちに非常に冷めてしまったのは、斧で手錠を切るあまりに軽くラッキーなシーンくらいで、それ以外はとりたてて突っ込む気になりません。恋愛劇としては、かなりベタな話と思っていますが、この作品が問いかけて来る「安全に永く退屈に生きるか、安泰はなくも人生を楽しめているか」といった部分に心を動かされました。欲を言えば、子どもっぽく見えない骨太な男と、も少し線の細い女性を主人公に観てみたいと思いますが、主人公格に満足いかずとも、のめり込めるほど作品自体に力があるのだと思います。[映画館(字幕)] 10点(2009-01-31 06:48:38)

12.  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 - スペシャル・エクステンデッド・エディション - 《ネタバレ》 大きく揺れ動くものに接する人間の体の揺れが不自然ということ以外、何も不満がありません。戦闘シーンも人間描写も素晴しい。赤い炎の目のサーチライトはどんな怪物より不気味で、支配しようとするものの恐怖を巧く表現していると思います。プロジェクターで観てますが、劇場の大画面でこの作品を体験しなかったことを悔います。フロド役のイライジャ・ウッドはホビット役にはピッタリと思ったくらいで、これまで特別な印象もなかったのですが、本作のクライマックスの表情(目)の演技は大拍手を贈ります! 十分に余韻を味わえるエンディングも最高です。あのラストの何げない日常のささやかな幸福がいかに大切か、戻って来た緑に満ちた美しい映像が雄弁です。これを守るために長い旅があったことに思いふけります。ゴラムの意地悪い企みにも健気にがんばったサムに当然与えられるべきご褒美ですね。フロドも海を渡って新しい1ページを紡ぐのでしょう。久々に清々しい気持ちで満腹になれた作品です。[DVD(吹替)] 10点(2008-12-27 02:45:57)

13.  イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 《ネタバレ》 すごく良かったです! コンピューターのハシリとなる物の、丸いパーツがズラリと並んでガシャガシャ動いてるレトロで重厚な感じと、無くした友の魂とそのマシンがリンクしていく展開に、ありがちな人工知能と友愛を描いたSFとは全く異なる品格を感じました。 イイ刑事さんとの間でやり取りされる話が、そこをうまく補強していて印象的。なんでか分からないけど、刑事さんとの尋問シーンは『アマデウス』のサリエリと牧師のシーンを思い出しました。 少年時代の描写で「あれ〜???」と思ってたら、やっぱりそうだったという、あの少年の演技は分かりやすくて良かったです。しかし、同性愛が犯罪だという現実が存在していたことには少し驚いた。 組織の中での命令系統に従えと言われて、その言葉を逆に利用しちゃう反撃ぷりや、今ならGoogleあたりがもっと進化した手口でやりそうな人材発掘の仕方、総スカンくらいそうな危うい状況を紅一点が救ったり、通信係の女性のお喋りが重要なヒントになったり、面白いエピソードがいっぱい詰まって話が進み、暗号解けた後にも次々とドラマは新たな展開。 組織の解散シーンも、なんだか007を観てるような気分がして、正体を知られずに世界を救うヒーローというものが、マーヴェルコミックの世界とかじゃなく、現実にあるということに、言葉にできない感情を抱きました。 主人公アランの報われなさは、単に彼がゲイだったからとか、そんな単純なものではないし、暗号が解読されたことを秘密にするという戦略も彼自身には損なことのはずだし、現在では「実は彼のおかげで命拾いできた人が沢山いるのです」ということは分かっても、では彼がいなかったら死んでいたであろう人は誰なのか、助かった誰もがそれを自覚できず、シンドラーみたいに直接感謝されたりはないわけですよねー、きっと… で、結局は自作コンピュータに亡き友の面影を重ねながら「独りにはなりたくない」と言い、犯罪者扱いの中で薬漬けにされ最期は自殺。なんて可哀想なんだ。[DVD(吹替)] 9点(2016-01-24 22:28:55)《改行有》

14.  リンカーン 《ネタバレ》 見入るような面白い作られ方をしているかといえば、全く地味でオーソドックスな感じの映画だと思います。けれど、いくつかの登場人物たちから発せられる名セリフの数々が凄いなと、これほど人の発する言葉に魅了されたのは初めてかもしれません。歴史資料だけをもとに、これほどの印象的なセリフの数々が並べられるだろうか? これはきっと脚本家たちの並々ならぬ努力があったのではないかと…もし、そういうわけでもないならば、それらの言葉を現実に口にしたであろう歴史上の方々の生きる力の凄さといいますか、どう言っていいかわかりませんが、とにかく言葉が持ってる魂がパワフルなのです! 吹き替えで鑑賞しましたが、字幕でも観てみようと思います。吹き替えは、サリー・フィールドの声が「違うやろ~!」過ぎます。 「リンカーン知ってる知ってる、奴隷解放した人だよね」程度のバカ私に、この偉業を成し遂げるのにどれほどの難関と苦悩があり、どれほどの人々の努力と知恵と勇気が必要だったかを教え刻んでくれたこの映画を作ってくれたスピルバーグに感謝します。[DVD(吹替)] 9点(2015-02-05 21:55:15)《改行有》

15.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 3Dで観ました。カメラがはじめてサンドラに接近する頃には、ふわっと足が軽くなったような錯覚を覚え、こんなふうに体が反応していることに少しビックリ。撮影はヘルメットなしだったらしいけど、視点がヘルメットを通過して入り込んでくる映像で納得。なかなかいい具合にサンドラの立場になり切れます。ヒューマンなドラマ性はあまりなく、アクシデントの連続でたたみかけるアトラクション型ムービーでしたが、面白かったです! 不安感・危機感の伝達表現が上手いんでしょうか、心臓・血流を掻き乱されるほど体が反応していました。映画なんだから自分は安全圏で高みの見物と分かっているはずなのに、映画でこれほど体が強く反応したのは初めてです。 グラビティとは「重大なこと」「容易ならぬこと」「重力」「引力」のこと。1単語でこの映画の全てを的確に表しているタイトルなのに、なんで邦題に0をくっつけたんでしょう。もったいない。[映画館(吹替)] 9点(2014-01-30 23:02:35)

16.  パシフィック・リム 《ネタバレ》 ここでのレビューを読んでから観に行ったので、内容は無視して楽しむつもりでいました。話は確かに単純過ぎでドラマとしては長く記憶に留める価値を感じませんが、長く記憶に残る映像はあちこちにあります。僕はここでのレビューを見なければ、この映画を見てなかったと思います。『トランスフォーマー』と同じようなものと思っていたので…。この映画を見終わって、とても満足な気分に浸れました。この作品、ちょっと変わってるなと思ったのは、スター俳優が出てないこと。ちょっと前なら、ブルース・ウィリスとかウィル・スミスあたりがヒーロー主人公して、あとはそれを補強するばかりのキャラで賑わせて…という感じが多い中で、この作品は出演者それぞれがカッコイイ場面を持ってます。オタクキャラ二人にさえ。日本のアニメやいろいろに影響されてるんでしょうが、線が細くてどう見てもこの手のヒーローなど無理そうな日本のオバサン好みの男を使わなかったことは有難いです。ちゃんと骨を感じて安心感がありました。ロボットや怪獣を見上げる映像のアングルも巨大感や重量感がたっぷりで、何度も劇場に足を運ぶ人の気持ちが分かります。芦田愛菜ちゃんのハリウッド・デビューおめでとう。それから、ヘルボーイことバールマンがこんなにカッコイイ男に見えるとは、キャラデザうまい![映画館(字幕)] 9点(2013-09-12 23:35:07)(良:1票)

17.  幸せへのキセキ 《ネタバレ》 斬新さや派手さは一切なく、全体的なムードとしては地味なので、誰にでもオススメという感じではないと思いますが、とってもいい映画だと思いました。登場人物それぞれがよく描けていて脚本がとても丁寧だと思います。父と息子の確執も、娘の可愛らしさも、亡くした妻への引きずる思いも、動物園で出会う女性と女の子の魅力も、主人公の兄も、ヒゲおやじも、全て印象的に出来上がってて手抜かりがない上手さだと思いました。最近の映画でこれだけキャラクターそれぞれをしっかり印象的に描けてる映画は貴重だと思います。「なぜこの動物園を買ったの?」になんて答えるのか気になっていたら「いけない?」という返事。僕にはとっても印象的だったこの切り返しが、ラストに泣かせるとは思ってもいませんでした。とっても上手い映画だと思います。いろんなシーンのコミュニケーションのやりとりが記憶に残る作品です。[DVD(字幕)] 9点(2013-03-18 10:23:20)

18.  ヘルプ 心がつなぐストーリー 《ネタバレ》 10点か9点かで迷いました。前の方が書いていらっしゃいますように 、少し厳しい描写が控えめで、当時の黒人の生活にのしかかっているバックグラウンドやばれた場合の恐怖が弱めになっているかも。日本人にはこの当時の黒人差別に関してあまり馴染みがないから、もう少し酷いところを示してもよかったかも。以前観た『カラーパープル』『プレイス・イン・ザ・ハート』『ミシシッピー・バーニング』などがそこを補ってくれた感じです。「アメリカの娘たちの会」の会長は『カラーパープル』でソフィアを雇ってた車運転おばさんで、チョイ役だけど意識した配役だったのかな? 書くことは自分を救う、みたいなことをセラピー分野で聞き覚えがあるけど、タイトルはそういう意味が込められているんでしょうね。「汚い」「病気が移る」とトイレを別にするのに、そういう存在に食事を作らせて平気で食べてる状況が愚かで、そこにしっかりとツッコミいれたエピソードが良かったです。『カラーパープル』の唾入りレモネード思い出しました。スキーターの彼氏とのエピソードもなかなか良くて、その分成り行きが残念でした。スキーターの母親は目つきが印象的な女優さんですが、適役ですね。あの顔つきが後に非常に活かされて印象的ないい場面があります。シーリアとその旦那さんもいい人で、良かった! 胸がスカッとするシーン、気持ちが優しくなるシーンが良質の作品でした。[DVD(吹替)] 9点(2013-03-14 13:55:41)(良:1票)

19.  LOOPER/ルーパー 《ネタバレ》 私は良質のSFというのは科学的理屈やディテイルに完璧こだわることではなく、いかに人間や社会というものを描けているかどうかだと感じています。タイムパラドックスもののセオリーがどうたらこうたらと、物語が伝えたい本質とさほど関係ないことにうるさい人たちに、この作品の評価を落とされてしまうのはとても残念な気がします。この作品は2作目までで終わらせとけば良かった『ターミネーター』シリーズの愚かなループと、『マイノリティー・リポート』がうまく描くことのできなかった部分に、強烈な答えと光を提示してくれたと思います。私がこの映画を観て強く感じたことは「世界を良くしたいなら、まずは自分の子供を愛して大切にしっかり育てなさい」ということでした。最後に復習に来るキャラクターでさえ、自分を拾ってくれた悪人に自分の存在価値を認められたいという愛情を欲しているし、すべてのキャラが自分と関わる者との絆を大切に思っているわけですが、その大切にする方向や方法が問われてる映画だったと思います。ひとりひとりが他者への思いやりを持ち、かつ家族が愛し合って健やかに心を育て合うことができれば、社会は未来は良い方向に向かうはずだと、そういう魂を感じる良作でした。子役、上手い子を見つけたなと思います。幼くして持つ重い枷に潰されまいと、同年代に比べてしっかりした判断行動を見せる健気で逞しく孤独を秘めたキャラに合った目をしてました。[映画館(字幕)] 9点(2013-01-22 18:27:10)(良:2票)

20.  モンスター(2003) 《ネタバレ》 シャーリーズ・セロンがこの作品のためにどんだけ頑張ったか、テレビ番組で観てました。彼女はあまり好きになれない女優さんだったのですが、この作品を観て初めて敬意を持ちました。あれほど捨て身になれる役者さんなら、もっといろんな役で活躍させてあげて欲しいです。どの程度事実に即しているか分からないので、純粋に映画のストーリーをそのまま受け止めた上の感想を述べます。短絡的な感じはあるのに、なぜか「バカな女だ」とは感じられず、かわいそうに感じました。最初の殺人は「そりゃ仕方ないよ」と味方する気持ちにもなりました。その一度の境界越えで、人の感覚って少しずつ麻痺しちゃうのかもしれないですね。はじめのうちは殺す相手を選別してた感じがするけど(「激しいのは好きじゃない」「こういうことするの初めてだ」と言った男は多分殺されてないですよね?)、林で撃たれた警察や「孫の顔が見たい」と命乞いした優しい紳士のことはやはり赦されないです。恋人を見送るとき「救いが欲しい」「私は自分が赦せないから」と言う彼女の気持ちが痛々しくてたまりませんでした。彼女は自分がしたことをちゃんと分かっている。でも、それと同時にこういう道しか与えられなかった自分の生い立ちや社会環境への赦しがたい思いにも飲み込まれていて、それが自分の行為を正当化もしている。誰も自分を大切にしてくれず蔑み、そんな中で自己肯定感を持つことなんてなかなか難しいだろうに、その上に自分の犯した罪で自分自身でも自分を嫌う。もはや自分自身だけの世界にさえ安らかな居場所がない。その地獄から救われるため、世界にたった一人でいいから、自分を大事に思ってくれる存在が欲しかった。自殺目前に、一途に純粋に人を愛するチャンスが訪れて、それを維持するためにがむしゃらに頑張れば、自分自身も愛されて、きっと人生が好転すると信じたのに、多大な犠牲を払っても彼女は結局信じた全てに裏切られた。「勝手にほざけよ」で締めくくられるラストのナレーションは、主人公の立場に寄り添っていてかなり好感持ちました。罪なく殺された人がいるので、主人公に対して「お前が死ぬのは当然」と考えることも出来ますが、主人公の悲痛な感情がそういう部分に押しつぶされない力を持って描けていて良かったと思います。生まれに左右されず平等に生活環境や教育が得られる社会はまだまだなんだなぁとあらためて思わされました。[DVD(吹替)] 9点(2012-05-29 21:04:25)(良:2票)

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