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コメント数 3881
性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : ドイツ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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21.  ヴァレリアン 千の惑星の救世主 要するにコレって、「オモシロい」んだろか。 ってなコトを思う気持ちも映画早々に消え失せてしまい、もう明らかに、オハナシそのもので面白がらせようなどという気持ちは作り手の方にはサラサラ無くって。そりゃま、最後まで観ればそれなりに「ほ~」と思わせる要素も無い訳では無いですが(無いに等しいけど)、どっちかというとオハナシなんてそっちのけ、せっかくCG使いまくるんだから何でもデキちゃうんだよね、とばかり、脈略がないと言ってよい程に様々な事象が画面に現れ続け、様々な光や色彩が画面に溢れ、それを(楽しめる人は)楽しむ、というタイプの作品でしょう。そこは『フィフス・エレメント』よりも徹底しています。 なので、理屈抜きに発生する様々な変容(エイリアンのダンサーのコスチュームが変わるとか、風貌が変わるとか、しまいにゃ砂みたいになっちゃうとか)が、どれだけ我々の意表をつけるか、が腕の見せ所なのでしょうが、正直、『アバター』等々の後では既視感の枠から抜け出せておらず、ついでに宇宙船のフォルムがファルコン号のパクリにすら見えてきてしまって(笑)、いやはや、なかなかムツカシイですなあ。 軽いノリの主人公が繰り広げる陳腐な冒険譚を通じ、我々の前にぶちまけられる既視感混じりの映像の数々。これもまあ一種、広義のポップアート、といったところでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-03-01 07:15:57)《改行有》

22.  ヒトラー暗殺、13分の誤算 この邦題にもある「13分」という数字に、西欧では不吉なものを見るのかも知れませんが、映画の最後に出てくるタイトルを見ると、主人公の名前である「Elser」となってて、実際、この映画では「誤算」が何分であろうと、さほど問題ではなく、あくまで主人公個人を描いた映画なんですね。 それに、映画はその「13分」を直接は描かず、計画の失敗、拘束、拷問から物語が始まります。で、現在と過去が交互に描変えていく。現在の殺風景な留置施設の光景に対し、過去のシーンにおける自然の美しさが目にまぶしい。 ヒトラー暗殺計画は失敗し、無関係な人々の命を奪っただけに終わってしまう。過去に遡ったとて、そこに繰り広げられるのは、人妻との不倫関係に過ぎない。そこにあるのは、ただただ、寄る辺の無い主人公の姿。無力な主人公は、周りの人々の運命を狂わせただけで、所詮は無力な存在に過ぎなかったのかも知れない。のみならず、終盤で示される5年後のエピソードでは、主人公は何も無しえぬまま、思わぬ人の運命を思わぬ形で狂わせたことだけが虚しく示されます。 何とも、寂しい映画です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-04-21 10:52:58)(良:1票) 《改行有》

23.  三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 邦題にヘンな副題がついているので、きっとデュマの小説とは関係ないんだろう、とか思ってるとさにあらず、ダルタニアンと三銃士との出会いから律儀に描いてたりして、意外にちゃんと「三銃士してる」なあ、と。ただ、もちろん、あの迷走気味の原作よりは、だいぶスッキリしてますが。 それにしてもコレ、面白い。活劇ってのはこうやって撮るんだよ、と自信満々に撮ってて、実際これだけワクワクさせてくれるんだから、もはやなんだか腹が立ってくる(笑)。実写アクションとCGとの使い分けが、実にお見事で、ありとあらゆる場所を舞台に、奇想天外なオハナシを奇想天外に楽しませてくれます。 続編を匂わせるラストは、勇み足でしたかね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-11-25 21:20:59)《改行有》

24.  アウトバーン 2つの組織のはざまで命がけの戦いを繰り広げる主人公。と言いたいところ、なんだかグダグダになっちゃってますが。 それでも、ワイルドスピードがすっかり、物語も何もあったもんではなく、カーアクションを順番に見せていくだけの展覧会状態になっているのに比べ、一応は作品を通しての「戦い」を描いているだけ、まとまりがあるとは言えるかと。 まあ、ワイルドスピードに比べりゃアクションがもうひとつ、という声があるかも知れませんが、何もアソコまでする必要はなくって、クラッシュシーンを楽しむにはこれくらいで充分でしょう。 それにしても、ラストのあまりにもクドい説明の蛇足ぶり、メガマックスの方がなんぼマシなことか。もう一つノリが良いとは言い難い作品を、さらに失速させてしまって残念。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-08-12 14:56:58)《改行有》

25.  エスター 何から何まで先回りされて逃げ場のない感じが、しっかりとヤな気分にさせてくれる、なかなかにコワい映画。散りばめられた伏線がちゃんと恐怖感へと繋がっていくのがミソで、例えば「歯医者に行きたがらない」のは何故なのか、クライマックスでそれを、サラリと、しかし映像によってきちんと見せつけることで、「なるほど」感と恐怖感とが同時にやってくる。 異なる光が当てられれば、絵の異なる面が見えてくる。エスターの表情の変化もまたしかり。いやホント、実に実にヤな感じで、恐怖映画らしい愉しさを堪能させてくれます。[DVD(字幕)] 8点(2017-08-12 08:16:02)(良:1票) 《改行有》

26.  あん あんまり関係ないけど、2014年の米国版『ゴジラ』で、原発事故が発生する日本の町の名前が「ジャンジラ」とかいう、ほとんどあり得ないような地名で、ああこれは、絶対にどこの実在の地名も想起させないように、という配慮なんだろうなあ、と思ったのですが。 さて河瀬監督。いつも奈良のために尽力してくれていながら、私のような役立たずが奈良県民にいて、誠に申し訳ない限りなのですが、それはともかく、河瀬監督は、映画を撮る以上、どこが舞台なのか、はっきりと明示しましょう、ということなのか。奈良を舞台にした奈良土着の映画、ならともかくとして、奈良を離れた本作でも、最初の方こそ、土地勘のない私のような関西人にはわからないけれど、東村山という具体的な場所が、徐々に明らかになっていく。本作のように、差別を(しかもハンセン病という、構造的な差別を)描いた作品で、具体的な地名に取材するというのは、場合によってはその土地の人に「踏み絵を踏ませる」ということにもなりかねないのだけど、それでも、具体的な地名にこだわる。その「具体性」は、桜の木の季節による移り変わりの描写とも絡み合って、確かに我々に生々しく訴えてくる、「風情」以上のものを感じさせます。 ただ、プロの俳優に、演技ではないような演技をさせるというのが難しいところ。やはり演技は演技、そこに、ホンモノの元患者の「実際の」姿が重ね合わされる。絶対に埋められない「何か」が、その間にある。それを、どう捉えればよいのか。 永瀬正敏が全編にわたり、ボソボソしゃべっていて、これはラストでついに大きな声を出すところに繋がっているのだけど、「ああ、なるほどね」と思ってしまうその整合性が、すでに映画の持ち味を損なっているような気もしつつ。それでも樹木希林のこの配役は、何がどうあってもこうでなくてはね、というまさに一期一会、ではないかと。[CS・衛星(邦画)] 7点(2017-02-10 23:12:28)《改行有》

27.  イーグル・アイ カーチェイスがゴチャゴチャしててわかりにくかったり(迫力はスゴイけど)、この荒唐無稽な物語に少しでも説得力を持たせようとしたらしい後半、ちょっともたついた野暮な感じもするのですが、そういったことを差し引いてもなお、楽しくてたまらない、活きのいいサスペンス・アクション。かつてドリームワークスが『ピースメーカー』を引っさげて我々の前に登場した時のワクワク感を、思い出させます。 それに、荒唐無稽と言ったって、こういうオハナシ、あと何十年かするうちに、結構、「あり得る話」になってるかも。ま、色々といわゆる「ツッコミどころ」ってのもあるでしょうが、こういう大胆さと厚かましさが、いいじゃないですか。巻き込まれ型サスペンス、主人公をイジメるためなら、大抵のコトは許されるってもんです。謎また謎、そしてアクション。空港での追跡劇なんか、まさに出色のオモシロさ。 背景には、「何が正義か、何がテロか、なんて、所詮は相対的なものに過ぎない」という皮肉があって。でもそれでもって社会批判をしてやろうとかいう大それたことは考えず、そういう皮肉もあくまで事件の「謎」なりサスペンスなりに貢献するためにこそ存在している、というこの娯楽志向が、うれしいではないですか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-01-04 20:17:21)(良:2票) 《改行有》

28.  クラウド アトラス 2144年のソウルは北朝鮮になっている、ってコトを言いたいんだったら、何となく言い当ててそうな気もしますけどね(笑)。それ以外に何かありますかね、この映画。 時間も場所もバラバラな複数の物語をごちゃ混ぜに描いて、しかし基本的に何もかもが解説調なので、わかりやすいったらありゃしない。並行して提示されるこれらいくつかの物語の間には、留意すべき大した関連性も無いらしいので、気楽なもんです。また、映画の構成としても、ある物語において、シーンと次のシーンとをどう繋ぐかなんて事も考えなくってよいからこりゃ楽です、別の物語をコマーシャルみたいに間に挟んでおけばいいんだから。 ただ、何やら意味ありげに感じさせるのが、同じ俳優を各物語に異なる役で何度も登場させる点。だけどコレ、撮ってる方は楽しいかも知れないけれど、観る側にとっては鬱陶しいノイズにしかなってない。最後にはわざわざ懇切丁寧に、誰が何の役か「種明かし」してくれるなんて、ああ私たちもナメられたもんです。ちょっと反省しなければ。しかしこのエンドクレジットにおける「種明かし」以外に、カタルシスも盛り上がりも無いんだから、一応、この「種明かし」が、作品のクライマックスのつもりなんでしょうか。[CS・衛星(吹替)] 1点(2017-01-04 16:49:05)《改行有》

29.  ボーン・アルティメイタム カッコいい映画、ではあるんでしょう。駅の雑踏の中で携帯電話をつかったコンタクトや、街中で突然展開されるカーチェイス。ただ、正直、ストーリーはもうネタ切れじゃないですか、これは。世界各地を舞台にイロイロやってるけど、オハナシはあまり先へ先へとは繋がっていかず、どうも何を描きたいのかよくわからない。主人公のアクションもそりゃカッコいいけど、建物や自動車のガラスをこうも何度も突き破ってみせられると、他にやることないのかよ、と。 で、どうもこの映画は、ただの追いかけっこ映画であって、これといってストーリーと言えるものがないんじゃないか、と思えてくる。そう思えてきつつも、「自分が誰なのか」というこのシリーズの結末を、最後にはちゃんとつけてくれるんだろう、と思っていたら。 なーんか、とってつけたような結末なのでした、とほほ。[CS・衛星(吹替)] 5点(2016-11-19 16:03:11)(良:1票) 《改行有》

30.  ラッシュ/プライドと友情 静と動、硬と軟、まるで正反対の二人のレーサーが、しのぎを削り合う。物語の構成は一見、エピソードの寄せ集めみたいでありながら、そういう雑多な印象は無く、我々を捉えて離さないのはやはり、二人のライバル関係からくる緊張感が映画を貫いているからでしょう。二人は正反対のようでいて、無鉄砲で破天荒なハントもレース前には緊張から嘔吐を繰り返すし、一方のラウダについても、自分の運転に、同乗する女性やファンが喜んでくれると満更でもない顔をする。二人とも、自分の生き様に自信を持っていながらなお、相手の生き様に対する共感を心のどこかに持っている、そういうライバル関係であるように感じられます。 迫真のレースシーンは、実際のレースと見紛うばかりだし、主演の二人も役になりきっていて、モデルになった実際の二人の写真らしきものが登場しても、違和感がありません、いや、違和感無さすぎ。 と、実話に多くを取材しつつも、最後まで二人のライバル関係を、馴れ合い抜きで描き切ったこと、この映画の勝利と言えるでしょう。[CS・衛星(吹替)] 8点(2016-10-29 10:33:59)《改行有》

31.  ハンナ 《ネタバレ》 戦うことを運命づけられた少女ハンナ。彼女が父のもとを離れる時、それは宿命の敵との戦いの火ぶたが切られた瞬間でもある。その敵とは、彼女の「母」ともいうべき存在、ケイト・ブランシェット。という、「母」と「娘」の対決、みたいなオハナシで(もう少し複雑な裏事情はありますが)、そう思って観ると、何だかエリック・バナが、絵に描いたようなダメパパにも見えてきてしまうのですが、そうは言わせじと、見事な長回しの(疑似かも知れないけど)格闘シーンを見せてもくれますが。 いずれにせよ、ハンナ役のシアーシャ・ローナンの、何とも言えぬ透明感、そしてカッコよい走り。彼女が旅する中で出会う、アメリカ人の少女、まあこちらは何という俗世まみれ感(笑)。2人の人生がそこでクロスする訳ですが、この対比は、いやはや、なかなか・・・。 それでもハンナは走り続ける。映画の冒頭がいきなりなら、ラストだっていきなり。対決の決着がついた瞬間に映画は終わります。このスピード感。 ところで、トム・ホランダーの悪役はなかなかユニークでしたが、少し「時計じかけのオレンジ」魂が注入されてましたかね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-09-30 12:44:44)《改行有》

32.  メトロポリス(1926) なーにが「ヨシワラ」だよ(それとも「ヨシヴァラ」とでも読むのか?)とは思っちゃうんですけどね。 しかしまあ古典的名作、ですから。 という以前に、凄いんです、モーレツなんです。エゲツない。 全編、物語というよりも、舞踏。 超現実的な舞台で、超現実的なパントマイムが、整然と繰り広げられる。 その整然とした秩序が、後半、混沌の世界と化していく、その様は、まさに壮大なる崩壊。 例えば交響曲なんかの世界で、「闘争から勝利へ」とか「混沌から浄化へ」なんて言ってきたわけだけど、そういう世界観では表現できなかったものが、ここにある。そういう世界観が茶番となってしまう、如何ともしがたい時代がやってきた、ということでもあるんだろうけど。 革命児ベートーヴェンにも出来なかった世界。マーラーは薄々ヤバいと思ってたんだろうけど、でもここまではやらなかった。 いうなれば、崩壊こそが浄化。いやはや。[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-06-10 00:13:28)《改行有》

33.  エアフォース・ワン 久しぶりに観て、面白さを再確認。と言っても、随分前に観たっきりで、どうしてもラストのあのあんまりにもあんまりなCG墜落シーンが一番印象に残っちゃってたのですが、今回は他のコトも少しは印象に残ったさ(笑)。 そもそも、その昔、ダイ・ハードという映画に興奮して、「続編ができるんだったら、次の舞台はきっと、飛行中の飛行機内だナ」とか思ってたら、イザ出来てきた続編の舞台は、飛行機ならぬ飛行「場」。そんな訳で、まるで私のツマラナイ夢を敢えて拾ってくれたような作品が本作なのでした。しかしコチラの作品、孤軍奮闘するのはポンコツ刑事じゃなくって、何と大統領、って言っても『インデペンデンス・デイ』の後だから誰も驚きませんけれども。 映画の開始から、少しずつ、大統領のやんちゃぶりというか熱血漢ぶり、あるいは家族思いの面などを描いていく手際の良さも好感が持てるし、戦いが始まって以降は、飛行機内という限られた空間でさまざまな場面を準備して、戦いを盛り上げてくれます。そしてクライマックスには戦闘機の空中戦やら脱出劇やら、さらにさらに大盛り上がり、かなり興奮します。でもどんなに盛り上がったって、大統領は大統領、スーツ姿は譲れないのです。 ところで、アラン・リックマンの訃報に触れて思うのは、ダイ・ハードって、見事に中堅役者を集めてそれぞれに光を当てて見せてくれた、という点では稀有の映画だったなあ、という事で、その点では、スター映画である本作には、そういう楽しみは薄いのですけれども。[CS・衛星(吹替)] 8点(2016-01-16 01:23:59)《改行有》

34.  ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 第2作の続き・・・というより、第2作のオマケみたいな。第2作のラストからそのまま第3作に繋がり、設定上もその制約を受けてしまう中、どう工夫して見せてくれるかがポイントとなるのでしょうが、これがどうも不発。謎に乏しく緊張感に乏しく、ただこれまでのエピソードにケリをつけるだけでは、作品としての存在意義もやっぱり乏しく、あの魅力的だった第1作が懐かしく感じられてしまいます。せめて後半の裁判シーンばかりは、もう少し工夫があっても良さそうなもの(これまでにも様々な映画が演出の腕を競ってきたシチュエーション)かと思うんですけども。ただ、もしデーモン小暮閣下が裁判の被告席に立ったら、きっとこんな感じになるんだろうなあ、と思わせてくれる点は少し貴重でした。[DVD(字幕)] 5点(2015-11-22 08:29:51)

35.  ミレニアム2 火と戯れる女 今回はオハナシは売春組織の追及。と思いきや、その方面には必ずしも深入りせず、一話完結型どころか、次第に、まさに前作の「続編」となっていきます。その前作とのつながり、ある意味では強引なところもあるかも知れませんが、後から無理に辻褄合わせしたような「前作ファンご機嫌伺い」型のつながりではなく、ちゃんと一連の物語として計算された強引さであるのがお見事。ただ、それでも小さくまとめてしまった印象はあるかな、とも。 前作の、皮膚感覚ともいえるあの生々しさはここでも見られますが、リスベット役のノオミ・ラパスの中性的な魅力と体を張った演技が、そこに大きく貢献しています。しかしあの大男、いちいち詰めが甘いところばかりが目立ち、あまり怪人物という感じがしないのが、ちょっと残念ですが。[DVD(字幕)] 7点(2015-10-31 18:10:13)《改行有》

36.  ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝 いかにウソ臭く見えようとも、やり過ぎるくらいにやってこそ、まさにCG雨あられ、がハムナプトラシリーズの持ち味であることをよくわきまえて作られた第3作ですね。1作目をハンパに引きずっちゃった第2作は、わたしゃどうも苦手なもんで、今回、中国を舞台に大幅リニューアルした点、悪くないと思います、が・・・。だからといって良くもないですね。今回は息子が大人に成長したオハナシにしよう、ってなワケですが、父親との反目の描き方もテキトーなら互いに認め合う過程もテキトー。こういう中途半端さはむしろ鬱陶しいだけだったりします。あと、「何がどうなると、こんな大変なコトになる」みたいな、いかにもゲーム的設定、無関係にも関わらず身を挺して戦ってくれているハズの雪男たちの悲壮感のかけらもないノー天気さ(映画における「消耗品」)。いくらなんでもなあ、と思いつつ、ただここまでアホな内容はこのシリーズ以外ではなかなか味わえない、という希少価値もあったりして。正直、小難しい作品になどならず相変わらずおバカなシリーズであることに、ホッとしてたりもするのよ。[地上波(吹替)] 6点(2015-09-23 21:32:46)(良:1票)

37.  ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 主人公のジャーナリストが、40年前の少女失踪事件の調査を依頼される。という発端は、中途半端な唐突さで、イマイチかな、とも思うのですが(巻き込まれ型サスペンスの持つ切迫感も乏しいし、その前の裁判敗訴のエピソードも、主人公がヒマになったと言ってるだけで、収監までのタイムリミットも物語に貢献していない)、映像を通じて繋がっていく過去の秘密、さらには当時発生していた連続殺人へと話は展開し、俄然、面白くなってきます。偶然撮られていたシャシンの、荒い粒子の中に過去がぼやけて見える、それが徐々に焦点を結んでいく面白さ。とは言え、謎ときの興味だけが本作の面白さではなく、むしろ、主人公とともに謎をおいかける、ドラゴンタトゥーの女、リスベットの存在が、本作をユニークなものとしています。事件とその犯人を特徴づけるのは、サディズムと暴力であり、一方でリスベット自身もまた、サディズムと暴力の中で生き抜いてきている。この猟奇犯罪が、特異的で一過性のものではなく、その芽となるものはいつでもどこにでもあることの証言者たる彼女の存在によって、ドラマに多層性が生まれています。作品終盤は、蛇足とみるか余韻とみるか、人によって感じ方がわかれるかも知れませんが(私はやや蛇足かとも)。[DVD(字幕)] 8点(2015-09-13 08:47:07)

38.  スコア 《ネタバレ》 ロバート・デ・ニーロ演じる主人公は凄腕の金庫破り、その手口は鮮やかなんだか何なんだかよくわからなくって、むしろクライマックスの「笏」を盗み出そうとする場面なんか、そこまでする必要が本当にあるのか?という込み入った手口。もちろん、それが面白い。緊張する場面ではBGMを使わず、効果音を響かせて緊張感を増し、いよいよ危機が迫るとBGMでスピードアップする。なかなか盛り上がりますな。デ・ニーロはまるでスポーツを楽しむかのように着々と金庫破りを進め、またその一方では恋人と結婚してジャズクラブ経営をしたいなどという、平凡だけど味のある願望を持っている面もある、要するに彼はいいヤツ。エドワード・ノートンはと言えば、障がい者になりすまし、イイ人過ぎる職場のオジサンをだます、要するに悪いヤツ、という訳ですな。そして好感の持てるヤツが、最後に笑う。わかりやすくてイイ話です。しかし、一番好感が持てないのは、やっぱりどうみても、カリスマですと顔に書いて登場しているけれど実際には何のオーラも出していない、あの爺さん、すなわちマーロン・ブランドなんですよねえ。まあ、彼の出演は、「ダブルゴッドファーザーの記念写真」という意外には何もないと思われるのですね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-06-20 23:38:03)(良:2票)

39.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 冒頭でパルクールを(こんなに長々とやる必要もないくらい長々と)展開して、新生007映画は肉体アクションで行きますよ、と。実際、新ジェームズ・ボンドのダニエル・クレイグは、数々のアクションをこなしてみせ、実際、全力疾走するシーンもやたらカッチョよいのです。うーむ、やっぱボンドと言えばロジャー・ムーアでしょ、という病んだ世代(笑)としては、あの「アクションはすべてスタントマンに任せてますから」と言わんばかりの涼しげな表情が懐かしくもあったりするのですが、ま、アレはアレとしまして。なにせこの、クレイグ=ボンドのかっこよさ。そして「新・第1作」と言うか、むしろ「第0作」とも呼ぶべきこのリニューアル作品ならではの、ときに感情を隠すことなく人間味をみせる(それなりに、ですが)ボンドの姿があります。いくらボンドだって、睾丸を攻撃されれば痛いし恐怖も感じるのです(これまでの作品におけるボンドはそもそも、まず睾丸を第一優先で守ってたもんね)。正直、カジノの場面はさほど盛り上がらないし、映画の終わりの方も間延びした感じ、全体的に作品をもう少し引き締めて欲しい気もするのですが、それでも007シリーズの中で異彩を放つ作品、いいもん見せてもらったな、と。 ただ、ダニエル・クレイグがボンド役を退いたら、次やるヒトは大変ですな。ロジャー・ムーアの功績はやはり、「誰でもボンド役が演じられそう」なところまでハードルを下げた点ではないでしょうかね、ハイ。[CS・衛星(吹替)] 7点(2015-05-09 09:47:15)《改行有》

40.  スピード・レーサー マッハGoGoGoを、愛すればこその作品なのか、それとも憎んでいるからこうなっちゃったのか。まー実にやりたい放題やってますね。しっかし、児童番組みたいなレベルのCGと映像、これだけでも困っちゃうのですが、問題の本質はそこにあるんじゃなくって、ドラマをひたすらセリフで埋めてしまうこのつまらなさ。映像上は色々とヘンなことやってみせるけど、作品のベースの部分があまりにも弱いので、どうにもなりません。まるで、すでに作ってしまった失敗料理に、後から一生懸命調味料を振りかけているかのような。チンパンジー君の名演技だけが救い。[CS・衛星(吹替)] 2点(2015-03-13 09:12:18)(笑:1票)

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