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【製作国 : ドイツ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 結局、あらゆる手段を使って、「ダニエル・クレイグ、そんなに悪くなかったじゃん」という一言を引き出すことに成功した映画。確かに悪くなかった。いや、かなり好き。当初、散々ボロクソに言われていたダニエル兄さん、「やってられっか!」って思ったこともあったはず・・・劇中の「ボンド辞めます」シーンで、微妙にダニエル兄さんの進退問題が頭をよぎり、「もう少し、もう少し、がんばれー」と脳内声援を送ったのは私だけ?[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-04-07 10:17:47) 2. シカゴ(2002) 《ネタバレ》 見事なまでに悪人揃い。しかも「世間様に顔向け出来ない」悪人じゃなくて、「世間様に顔を見せたくって見せたくって仕方ない」悪人ども。みーんな自分の事しか考えていない。富と名声を得るためには手段を選ばない。でも、これこそがショー・ビジネス!例えストーリーが陳腐だろうと、この映画の面白さは、そんな虚栄に満ちたショービズ界が、自らの世界を自嘲気味に描いたことにある。「私たち、セクシーでゴージャスだから何やっても許されるのよね~うふふふ~♪」「俺たち、どーせ踊らされてるだけなんだよね~あはは~~」。倫理や道徳がぶっ飛んでる、と言えばそれまでだが、今現在のどこかの国の芸能界を見ていても、実はあんまり違わないんじゃないかと思える不思議さ。だって今テレビ画面に普通に溢れているのは………逮捕歴のあるミュージシャンだったり、玉の輿に命懸けてるタレントだったり、暴○団とも繋がってる芸能人や芸能事務所だったり、単なる宣伝機関と化している芸能ジャーナリズムだったり……「シカゴ」との違いは、さすがに殺人者にはなかなかお目にかかれないこと(ま、裏で何があるかは知りませんよ)。そして、その中に、ロキシーやヴェルマのようにちゃんと歌って踊れる真の「タレント」が殆どいないこと。うーん、どっちが幸でどっちが不幸なんだろう?!8点(2004-12-23 12:54:20)(良:1票) 3. らくだの涙 年に一度の掘り出し物的映画を挙げるなら、今年はこれ。まず、冒頭のシーンでラクダの顔を正面から捉えるアングルに引き込まれました。ラクダを映像化する時って大体、あのコブを強調するために横から撮りますよね。だから、殆どの人は、ラクダと面と向かったことなんてなくて、それがどんな顔をしているか知らないはずです。でもこの映画は、ラクダに文字通り「真正面から」取り組んでいます。何かを問いかけたそうなラクダの多彩な「表情」に、一緒に笑ったり涙したりしたくなってしまう……動物は、人間も含め、CGばかりで見てちゃいけないな、と思わず反省させられる一本でした。ラクダに押されそうだけれど、現代モンゴルの遊牧民たちの生活描写も(幾つかの箇所で「演出」が見られますが)立派にストーリーを組み立てています。9点(2004-11-16 01:01:07) 4. マン・オン・ザ・ムーン 《ネタバレ》 「カウフマンを面白いと思うか」と「この映画を面白いと思うか」は、全くの別モノなのかもしれない。自分の場合、前者はNo、後者はYes。素材はイマイチだけれど上手く味付けしたなぁというのが感想(逆の事を思う人の方が多数かも?)。特に後半部分が秀逸だ。自分の孤独や苦しみを他人に理解・共感してもらえないことほど辛いことはない、と考える人は多い。特に癌なんかに侵された日には。でも、それで笑いを取ろうと考える人は、少ない。そして、取った笑いで自分も笑っちゃおうとする癌患者なんて、ほぼ皆無。こんな稀有な人間を演じるのって不可能に近いとも思えるのだけれど、キャリーの熱演の中にその光と影が見事に宿っていた。正直、カウフマンというコメディアンに対しては何の評価も出来ない。ただこの作品、他人から笑いや怒りを引き出すことを生きる糧にしている人間の、死を直視してなおそれに貪欲に突き進む姿と、その「死に方」こそが結局その人の「生き方」なのかな、と思わせる人生の幕引きの見せ方は上手い。これは殆どキャリーの好演のなせる技。それを確信させられるのが、インチキ療法中の吹っ切れ笑顔と葬儀中のミュージカル調フィルムということで、どうもこの映画、カウフマンが笑えるか笑えないかでは評価出来ない気がする。8点(2004-03-29 09:09:47)(良:2票) 5. アバウト・ア・ボーイ 涙の押し売り。恐怖の押し売り。ビックリの押し売り。共感の押し売り。最近の映画は、妙に「押し売り」が増えている。これでもか、これでもか、と見る側の何らかのリアクションを誘う映画の数々。……ちょっと辟易した時、これを見た。イイ!だってこの映画、無理に感情移入を引き出そうとしない(それくらい主人公に現実味がない)。泣けない(あっさり味)。ストーリーには華麗な起承転結もなければジェットコースター的怒涛の展開もない(まったり)。ちょっとだけ社会からずれたり、一般に「かわいそう」と認識されているような人々を見て、ま、彼らのも私のも、人生そんなに悪くないわな、と思ったりするくらい。で、後味はなぜか抜群に良い。思えば私たちの日常は物凄いドラマに彩られている。テレビの中とはいえ、凄惨な事件や信じられない出来事や感動のドラマが日々垂れ流し。だからこそ、時には自省のスパイスが効いたモノローグで、押し売られ続けるモノをブロックしてみるのがいいのかも。8点(2004-03-27 08:13:28)(良:2票) 6. ボウリング・フォー・コロンバイン ドキュメンタリー=真実、公平、客観的、なんて幻想は、はなから信じていない。映像作品なんて全て、作り手のファインダーからモノを見せているに過ぎないのだから。ムーアが撮ったのなら、ムーア色に染まってるに決まってる。ムーアの考える「正しさ」が「正しいこと」として描かれているに決まっている。……そんな前提のもとで見た。だからもう、あとはアリかナシか、だ。共感できるか出来ないか、だ。……少し前、友人の母がアメリカで銃殺された。友人の弟は事件を目撃して永遠に声を失った。それを聞いていた私は、この映画のテーマをアリだと思った。共感した。押し付けがましくてもいい、独善的であろうと構わない、これ見よがしに突撃取材するムーアに、ヤッチマイナー!と声援をおくっていた。……しかし同時に考えた。ムーアはヒーローではない。観客が受け止めるべきは、あくまで彼の問題提起であって、その答えではない。答えは自分が出すものなのだから。「私の答え」であるべきなのだから。……逃げていられないな、と思った。やっかいだ、久々に色々考えさせられる映画出会ってしまった。 9点(2003-12-13 10:36:26)(良:2票) 7. インビジブル(2000) 「バーホーベンって……単なるエロジジイなんじゃ……?」というほのかな疑惑(これ以前の一連の監督作品における)が確信に変わり、なぜか晴れ晴れとした気分で見ることの出来た作品。 (一応触れておくと、内容は多くの方々のご指摘どおりダメダメ。) 3点(2003-12-05 23:15:01)(笑:1票) 8. ダンサー・イン・ザ・ダーク これを映画館の巨大スクリーン(前から2列目)で見ていた時に、私を襲った各種症状(時系列順)→(1)ひどい車酔い(2)ひどいミュージカル酔い(3)ひどい不幸酔い。教訓。このどれにも免疫の無い方にはお薦め出来ません。充実した気力・体力のある方で、不思議ワールドに足元をすくわれ過ぎない自信のある方、また他人の幸・不幸への共感を惜しまない方が、なるべく遠目(首を括った人間が等身大以上には見えない距離)にて鑑賞することをお勧めします。(なお、症状は複合的に現われ数日間持続する可能性がありますので、鑑賞後の社会活動には十分な注意が必要です。)6点(2003-12-04 09:52:41) 9. 戦場のピアニスト あらん限りの暴力の描写に、多くの観客が幻滅したりウンザリしたり、時には退屈だと感じたかも。でも現実には、これと同じようなことが世界の様々な地域で今この瞬間にも起きている。映画の場合、不快なら目を閉じれば済むけれど、そんな現実からも目を背けていて良いのか・・・?主人公の生き方が、受身かつ強い教訓やメッセージ性とは無縁に感じられる分、むしろ「わたし」が試されているような気がする。どれだけ泣けた、どれだけ怒った、どれだけつまらなかった・・・といった感覚の押し売り的な「量」ではなく、何を考えたのか、を観終わった人に聞きたくなった映画。9点(2003-11-21 07:22:29)(良:1票) 10. ベッカムに恋して この邦題、何とかしてくれ。純粋な恋愛ものでもベッカムものでも無いんだからさぁ。内容は、明るく前向きなサッカー少女と、彼女を取り巻く友情・家族愛をめぐるコメディー(そしてシリアス。ふり幅がちょっと中途半端か)。イギリスでは大ヒットしてDVDでも大人気。多文化社会理解の牽引役と見なされる向きも。何かをやり遂げようとしながらも、因習やら伝統やら周囲の環境にそれを阻まれている人に元気をくれる映画。7点(2003-11-12 01:28:14)
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