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プロフィール |
コメント数 |
4677 |
性別 |
男性 |
年齢 |
41歳 |
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1. シージャック(2012)
《ネタバレ》 私はハリウッド映画ばかり観てる人間ですから(笑)、
レンタル屋さんでこの作品を見かけた時、
手に汗握るサスペンス&海賊との銃撃戦みたいな
そういう展開があるのかと思って観たのですが、
その予想は良い意味で裏切られました。
派手さは無いですが、とてもリアルな描写で
深く入り込んで鑑賞出来ましたね。
海賊といっても、時には釣りとかして
和気あいあいになったり、通訳の人は割と
理性的だったりして、それがまたリアルで良い。
そして社内で交渉のプロを交えながら海賊と
繰り広げる交渉劇もまた凄くリアル。
あ、現実世界で起こる海賊との交渉もこんな
感じなんだろうな~って思わせます。
普段は落ち着いた責任感ある社長さん。
それ故、激高したり、一人席を外して
考え込んだりしてる描写は人間味を感じ共感させられる。
船内にいたコックが主人公ではありますが、
船員たちを救い出そうとする社長さんもまた
ある意味主人公の一人みたいなものです。
そしてあのラスト。いや~、やられました。
ズシリときましたよ。家族と出会っても、
喜びの表情一つ見せないコック。でもあの展開って、
実際にありえそうですもんね。
ハリウッドスタイルとは真逆だけど、
本作はとことんまで現実の出来事に忠実な
作りに思え、だからこそ登場人物全てに共感が出来る。
傑作だと思います。[DVD(字幕)] 9点(2013-05-07 23:29:57)《改行有》
2. 100,000年後の安全
《ネタバレ》 フィンランドのオルキルオトに世界で初めて建設されているという放射性廃棄物の処分場。その存在自体全く知らなかったので、とても興味深かったです。地下を採掘して、巨大な街ぐらいのスケールの空間を数キロに渡って構築、完成は2100年頃で、廃棄物の保持期間はなんと10万年という、とてつもなく壮大なプロジェクト。個人的には、放射性廃棄物の危険性うんぬんよりも、インタビューに答えてる人たちが皆、未来の人類に対してすごくペシミスティックに考えてるところが気になりました。このプロジェクトにたずさわる会社の人たちや、放射能の専門家の人とか、そういう人たちがインタビューに答えてるんだけど、皆さん共通してるのは、今の世界や人類は、未来にそのままの形では持続しないという点。フィンランドは数万年後に氷河期になるという話から始まり、未来の人類は今とは使う言葉が違うだろうから看板は絵を描いて伝えるべきだという話から、仮に処分場に未来人が訪れても、我々がピラミッドの建設理由を未だわからないのと同じように理解出来ないだろうと言う話、この100年で2度の世界大戦が起こったのに、10万年も平穏でいられるのかという話等々。そこには明らかに、技術的、文化的に、あるいは人類そのものに対して、持続性を疑問視している様子がうかがえる。おそらくだけど、もし日本でこういう処分場が建設されるとしたら、ああいう「未来の人類」に対しての議論は一切なさそうな気がする。僕個人として、科学技術がそのまま永続的に進歩していくという楽観的見方があるから、インタビューを受ける皆さんの考え方には色々な意味で興味深かった。[DVD(字幕)] 7点(2012-01-29 22:10:36)
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