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性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  狂武蔵(2020) 子どもの頃に何となく思っていた、テレビの時代劇と映画の時代劇との違い。映画ではチャンバラしている周りに、すでに斬られた死体役が転がっているけれど、テレビでは、死体役が転がっていない・・・。 という見方が妥当だったのかどうか、今もってよくわかりませんが、もしもその基準に従うのなら、この『狂武蔵』はかなりテレビ寄り、ということになっちゃう。なにせ、宮本武蔵たった一人が、吉岡一門73人ならぬ400人(私が数えた訳じゃないけれど、そういうことらしい)を相手に、ひたすら斬って斬って斬りまくり、死体が転がっていない訳がないのだけど、なにせワンカット/ワンショットのノンストップチャンバラ77分間(私が計った訳じゃないけれど、そういうことらしい)。チャンバラの邪魔になるので斬られたヤツはそそくさと画面から退場し、これで思う存分、暴れ回れるというもの。ただし、チャンバラが小休止すると、死屍累々たる光景が現れて、死闘の凄惨さを表現します。 相当に無謀な企画で、これを面白いと言ってよいのかどうかもよくわからないし、これを映画と呼んでよいのかどうかもわからない。夕日の差す中、武蔵が動けばカメラも動き、スタッフの影なんかもしっかりと画面に写っちゃったりしているのですが、もはやそういうことは超越していて、ノンストップチャンバラという無謀なチャレンジの実況中継、ドキュメンタリみたいな側面もあります。林海象の『ZIPANG』における連続斬り、あれと発想が近い部分、無きにしもあらずですが、結果的にはほぼ真逆の方に突っ走っている。むしろプロレス中継とかに近いかも知れませんな。体を張り、限界を超えようとするその姿を、固唾をのんで見守る我々。ただし、プロレス中継の場合はカメラも複数台使うし、中継のノウハウも蓄積されているだろうし、何より、プロレスラーの多彩な技があるのですが、この映画はチャンバラのみ、カメラ一台、まさに究極の一本勝負。 だから一見、同じようなことを延々と繰り返しているように見えてしまうのは確か。なんですが、武蔵が戦いながら移動するにつれ、場所が変わり景色が変わっていく。時間の推移が感じられるかというと、これはやや希薄な気もしますが、それでも夕暮れ時の一時間余り、何となく夕日が傾いていくような感覚の一端は、映画の中に刻まれています。 いわゆるミニマルミュージックみたいな感じですかね。同じことを繰り返しているようでいながら、少しずつ変化し続け、決して元には戻らない。 「面白いと言ってよいのかわからない」と上に書いたけど、普通の意味の「面白さ」とは違う意味での感銘が、残る作品です。「映画と呼んでいいのかどうかわからない」とも書いたけれど、映画の枠ををハミ出すことによって、新たな可能性が感じられたりもする。 この作品、もう一回撮れば、まったく別の作品になっちゃうかも知れないし、10回撮れば、異なる10本の作品が出来上がるかも知れません。ただ、その「もう一回」が、できない、ということ。その非再現性が画面から滲み出てくるところに、本作の凄みがあるように思えます。 でも、どんな映画であってもそれが実写である限り、完全には二度と再現できない瞬間をカメラに収めたもの、という点は同じなんですよね。。。[インターネット(邦画)] 7点(2023-09-02 10:25:26)(良:1票) 《改行有》

2.  クラッシャージョウ 見た感じの印象はあくまで旧来のリミテッドアニメの枠内の作品、ですが、メカの立体的な動きや人物の細かい仕草を取り入れ、製作者の意気込みを感じることができます。 ただ、申し訳ないけど内容はかなり薄く(ごめんね)、いかにも「キャラ立ちした4人組に会話させときゃ何とかなるでしょ」みたいな感じ。それが三文小説風の魅力と言えばそうなのかもしれないけれど、それにしては作品が大作めいているのが、なんとも不釣り合い。 ドタバタしてる割に起伏が少なく、長すぎ。でも、スターウォーズだって結局は、同じようなノリ、なんですよねえ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-07-22 07:49:32)《改行有》

3.  グラスホッパー 再現された渋谷駅前のシーンはさすがに驚かされますが、オープンセットでの撮影ならもっと自由度があってもよさそうなもの、なんか妙に不自由そうに見えてしまうのは、どうしたもんだか。 特徴的な何人かの登場人物たちが、それぞれ行動していけば、自然と映画になる・・・と言いたいところですが、どうも物語に、見え透いた作為のようなものばかりが感じられ、気分的にどうもノリません。伏線のための伏線。驚きが無い。[インターネット(邦画)] 4点(2022-03-03 23:06:04)《改行有》

4.  空海 KU-KAI 美しき王妃の謎 なんか、ものすごい長安の街のセットを作っての撮影らしいのだけど、ごめん、CGの印象ばかりが残ってます。ってか、実写なのかも知れない部分までCGに見えてしまうのは、やっぱりそれはCGなのか、それともCG並みに完成度が高いセットなのか(笑)。 かつてこの街に阿倍仲麻呂がいたんだ、などと空海が思ったのかどうか、そういう空想は確かにこの作品のとても面白い点、ではあるのですが、それならそれで、現在パートと過去パートを、もう少しうまく描き分ける演出に欲しかった・・・同じようにCG連発で、全編通じて平板な印象。[インターネット(吹替)] 5点(2022-02-27 12:03:43)《改行有》

5.  来る いやこれ、面白かったですよ。まず、ちゃんとコワく作ってるのがいいじゃないですか。私もこの歳になったら、ああやっぱりこの世にオバケなんていなかったんだな、と、あまりコワがることもなくなったんですが、もしこの映画を子供の頃に見てたら、だいぶコワかったんじゃないかと。 映画に出てくる「あれ」ってのが一体何なのか。私にとっては、「生きていく上での不安」という理解で、もう充分。正解なんて、どうでもいい。 だから、と言っていいのかどうか、ともかく、映画に登場する誰も彼もが、何かしらの不安を抱え、「あれ」に苛まれ、犯されていく。最初の主人公たる妻夫木なんておよそ薄っぺらな人物だけど、それでもやっぱり何か暗い過去を引きずっている。ましてや彼に取って代わって主人公になる人物たちは、さらに深刻サを抱えていて。 だから、まーったく何も考えて無さそうでアタマ空っぽな感じの松たか子は「あれ」を寄せ付けることなく、跳ね返し対峙してみせる。その姿はエラく迫力があって、イイなあ、と思うのです。悩み多き現代人にはマネできません。マネしたいとは思わないながらも、ちょっと羨ましい。 結局どういうことなのか、説明しちゃってもいいんだろうけれど、そうすると映画の勢いが止まってしまう。この作品はそうせずに、最後まで突っ走ってみせた。だから何だかよくわからんけど、でもイイなあ、と感じさせるものがあります。スピルバーグの、じゃなかったトビー・フーパーの『ポルターガイスト』なんてのは、もう少しうまくオチをつけているとは言え、やっぱりラストはそれなりにハチャメチャで、でも我々は「最後はそうでなくては」と思って観てるわけ。この『来る』のラストで、ちょっと『ポルターガイスト』を思い出しました。 「生きていく上での不安」というものは、いつの時代にもあって、昔なら、食うに困って・・・というところだったのが、現代において高級マンションに住むようになって衣食住の心配はなくなっても、今度は子育ての不安、さらには児童虐待の問題。 常に存在する、人間の不安に対して、こんなことで解決するのやらどうやら、ではあるのだけど、祈りというか祭りというか、儀式が展開され、そこには風が吹いて炎が揺らめく原初的なイメージが。 まあ、ワケ判んないけど、やっぱり「こうでなくては」、という感じがして、やっぱりコレ、面白かったです、ハイ。[インターネット(邦画)] 8点(2021-11-14 21:56:26)《改行有》

6.  狂った野獣(1976) 「野獣」かどうかは知らんけど、確かに狂ってます。もう、メチャクチャ。怒濤のハイテンション。 いきなり逃亡中の銀行強盗二人組がバスジャック。しかしそれを京都でやってしまったのが運の尽き。まあ、ロクな乗客がいないこと。バスジャックするには、かなり上級者向けの土地柄と言えましょう。 ひたすら舞い上がった犯人に、関西のおばちゃんパワーの洗礼を浴びせかける乗客たち。狭い社内をさらに所狭しと大暴れ、これだけでも充分お腹いっぱいになるけれど、物語はさらにギアを上げて別次元へ突入、暴走映画と化して、こうなるともはや誰にも止められません。カオスに次ぐカオス、暴走に次ぐ暴走、どこまで行ったら、気が済むのやら。 中島貞夫さんこそが、永遠の不良だと思う。だけどそれに付き合う俳優陣も、立派です。[インターネット(邦画)] 8点(2021-05-17 22:54:28)《改行有》

7.  空母いぶき 《ネタバレ》 この作品、観てると、あれやこれやのシーンで「そりゃアカンでしょ」とケチをつけたくなり、次から次に不満が続出するもんでメンド臭くなって、何に不満だったのか、忘れてしまいました。ゴメンなさい。 それは無責任だろうって?おっしゃる通りですスミマセン。では頑張って何とか思い出してみると。 まずこの空母いぶき、何人くらい乗ってるんですかね。いやはやこの、スケール感の無さ。ホントは大勢乗ってるんでしょ? 国家の危機とかいうのもあるけれど、まずこの現場において、大勢の命がかかってるんでしょ?ホントは。 他の艦も同様。何人乗ってます、何人の命がかかってます、という、単なる数字。 まるで数人しか乗っていないような空母いぶきとは言え(笑)、その内部をさまざまな形で描いてスケール感を出してくれたら、あるいは舞台であるこの空母の魅力を描き出してくれていたら、見てて嬉しくもなりますが、そういう描写も貧弱で。空母に乗り込んだ記者たちが行動を制限されていることを言い訳に、描写もチャッカリと制限しちゃってる? 今回たまたま乗艦していた記者(本田翼)は、「私はすべてを目撃した」みたいなコトを言うけど、一体何を目撃したんでしょう? 映画見てた私は、何の悲惨な光景も見てませんよ? いかにもCGな炎上シーン(どんな被害なのかサッパリわからない)は確かに見た気がしますけども。あるいはあの不自然にとってつけたような人道シーン? これでは、どっからどう見てもこの記者、自衛隊の都合のいい広告塔にしか見えなくって。 西島秀俊と佐々木蔵之介との間の緊張感、ってのが物語の軸なんだろうけど、サスペンスにはおよそ程遠い中途半端なもの。西島秀俊の顔に安心印がついてしまってます。 そもそも敵の攻撃が場当たり的過ぎるのも、盛り上がらない点。相手が何を考えているかわからない時の不気味さ、ってのは、確かにあるのかも知れませんが、さすがにこれほどの拙攻では、コワくないですよね。 以上、このくらいは何とか思い出したので、勘弁してください。[ブルーレイ(邦画)] 4点(2020-01-12 10:47:50)《改行有》

8.  狂った果実(1956) 《ネタバレ》 いかにも即興的なハイテンポの中で展開される、三角関係(実際は3.5角関係くらいかな?)が招く悲劇。 ギラギラと暑苦しくって、若き日の津川雅彦のおぼこ顔がさらに暑苦しさを増す。なんでしょうかこの顔は。って大きなお世話。北原三枝の一見純情そうな妖しさが、すべてを狂わせる。こりゃ罪だわ。 という訳で、刹那的な熱狂、そして死。ああ、こりゃ要するに夏祭りですね。 ある意味、普遍的なテーマかもしれませんが、若者の洋風でモダンな風俗に、和風の調度が映画の中で同居しているのが、独特の雰囲気になってます。時代を感じさせると言われればそうかも知れませんが。 あとできれば、空撮がもう少し安定していたらなあ、と。[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-08-14 07:27:12)《改行有》

9.  黒部の太陽 《ネタバレ》 一度は辞退を申し出た三船敏郎が、関電社長からいかにも通り一遍の慰留の言葉をかけられただけで早速翻意したり、石原裕次郎が、周囲からのまるで催促するかのようなセリフに乗せられて、破砕帯についての弁舌をふるったり、と、やたら手続き的な脚本が正直、気になるのですが。 それに、命がけでこの難工事に取り組んだ人々の艱難辛苦を描こうとしたであろう作品にもかかわらず、石原裕次郎を中心にしたヒーローものになっちゃってるのにも、違和感はやっぱり感じます。父との対立の場面や、工事が進まないことから現場で突き上げをくらう場面において、周りの状況を音声等で描き、あえて石原裕次郎の表情だけを捉える描写、こういうのも確かにやり方のひとつかも知れないけれど、もうひとつしっくりこない。スターの顔面だけが見せ場じゃないでしょ、時には例えば「背中で語る」ってのも必要でしょうに。終盤、ついに関電トンネルが貫通する瞬間も、大勢の作業員たちを差し置いて、石原裕次郎がおいしくかっさらっていく。そんなんでいいのか~。何も、石原裕次郎がツルハシやらドリルを手に「自分も先頭切って作業してます」みたいなコトしなくてもよくってさ。「私は現場では無力です、だけど・・・」という苦悩の描き方だって、あるはず。こういったあたり、ヒーロー映画の限界でしょうか。 しかし。 そうは言っても、作品の多くを占めるトンネル工事シーンの数々、よくぞ撮ったなあ、と感じさせる出来栄えで、なんやかんかケチつけつつも、やっぱりスゴイんです。それに、トンネル完成の際の三船敏郎の挨拶の場面もいいんですけど、それより何より、大勢のエキストラを導入した無数のヘルメット姿が感動的。「数」が感動に結びつくよい例ではないかと。[CS・衛星(邦画)] 7点(2017-03-04 10:07:02)《改行有》

10.  雲霧仁左衛門 呉服屋が貯め込んだ大金を狙う雲霧一味と、それを追う火盗改めとの対決。クライマックスの大捕り物が、見どころ、ですけれども。 何か観てて張り合いが無い、その理由は色々ありそうだけど。ひとつには、仲代達矢演じる雲霧仁左衛門の、とらえどころの無さ。ちょっとあまりに、フツーの人すぎるのでは。いやそうでもないんだよ、と、意味ありげにかつての青春の日々(?)を挿入し、またクライマックスのあとも妙に物語を引っ張り、蛇足のようなラストのもう一盛り上りがあったりするのですけど、雲霧仁左衛門自身の存在感の薄さはいかんともしがたく、盛り上がりの方も不発の印象。 脇役に目立つ人をバラマキ過ぎて、ますます埋没してしまいました。 あんたのせいだよ、宍戸錠(笑)。[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-05-30 23:25:48)《改行有》

11.  黒い十人の女 《ネタバレ》 「好きな男性のタイプは、優しい人!」とか女性が言ってたとしても、別に、例えばお年寄りに席を譲るような男性が好きなわけじゃなくって、「この私に対して」優しい人、という意味なんでしょう。 さてこの映画。「名うてのプレイボーイに弄ばれた女たちが、一致協力して男に復讐するオハナシ」という体裁ながら、なかなかそうスムーズに事が運ばないところがミソ。復讐されるべき男ってのは、なるべく卑怯で狡猾で、できればマッチョな方が、復讐され甲斐もあろうかというもの、それが本作では船越英二なもんで、どうにも頼りない。この自分が殺されなきゃならないほど悪いことをしたか、と本人が思うのもごもっとも、こんな敵役には向かないフニャフニャ男を殺すオハナシなんて、まさにオハナシになりません。という訳で、事態は迷走を始めて。迷走すればするだけ、映画が「女優の演技合戦」みたいになっちゃうのが、チト重くもあるんですが。 何にせよ、現実では、殺されるなんていうのは悲劇中の悲劇、だけど映画なら、殺されて映えるキャラってのもある訳で、結局、「殺される価値のない男」は殺されることもなく葬られてしまう。 この「誰のためにもなってない」感って、何なんでしょうね。[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-01-07 22:52:18)《改行有》

12.  沓掛時次郎 遊侠一匹 《ネタバレ》 前半は時次郎と朝吉の物語、男の滑稽な意地が悲劇へと繋がるその一方で、遊女たちの「どこ吹く風」とばかりのバイタリティが印象的。そしてこの前半の物語は、「やるのかやらねえのか」と挑発に対する時次郎の「やりたかねえよ」との言葉と、これを覆し突如爆発する怒りとともに終わります。そして後半は、時次郎とおきぬとの物語ですが、これまた、男の意地が招いた悲劇から幕を開けます。おきぬの夫を斬ってしまった時次郎、夫を斬られたおきぬ。揺れ動く二人の微妙な関係を象徴する「櫛」。ラストは、病魔と闘うおきぬと、彼女のために死地に赴く時次郎、二人の戦いが並行して描かれますが、待ち受けるであろう悲劇を予想させるに充分なここまでの展開があってこそ、このクライマックスは真に息を飲むものとなっています。悲壮感あふれる錦之助アクションを、ご堪能あれ。[CS・衛星(邦画)] 10点(2014-12-04 20:53:31)

13.  紅の銃帯 和製ウエスタンとも呼ぶべき作品のひとつですね。そう呼んでしまうと、いかにもキワモノっぽい感じですが、いや、そんな変テコな作品ではなく、ちゃんと日本が舞台の、日本のオハナシ。ただちょっと、西部劇かぶれしたような主人公が西部劇のような雄大な光景の中で西部劇のように銃撃戦を行うというだけなんです。まあ、銃が当たり前のように出てくるのはやっぱり変かも知れませんが、でも日活アクション必需品ですからね。西部劇っぽいところがあっても、物語は例によって例のごとく、地上げ屋みたいな連中が出てきて云々かんぬんという、アリガチなパターンで、うん、これは確かに日本のオハナシだね。主人公を演じるのは宍戸錠。まさにアクションスター、この身のこなしはやっぱり大したもの。小林旭みたいなキビキビしたイメージとは違って、普段はノラリクラリしながら、見せるところは見せてくれる。ただしノラリクラリの部分の印象の方は強いので、まーはっきりいって、変、ではありますが。さて、悪徳連中に狙われた鉱山の権利の行方は、そして、主人公の過去に隠された秘密とは。って言ってもこれはまあミエミエでして、それがイイんですけれどもね。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-08-20 21:52:24)

14.  口笛が流れる港町 本作、やっぱり尺が短いので、オハナシはドンドン進むのだけど、この短さにも関わらず、冒頭、2分近くも、ただ小林旭が馬に乗って岩山をやってくる姿をワンカットで見せてくれる。で、いきなり、宍戸錠との拳銃での挨拶。「これは西部劇なんだぜ」という宣言ですね。だから彼らがなぜ拳銃を持っているか説明もないし、地上げ屋風情の連中から彼らによって助けられるヒトも、彼らの拳銃に驚くこともなくアタリマエの顔をして「どうも有難うございました」なんて暢気に礼を言ってたりする。素晴らしきこの強引さ。何しろ尺が短いんだから。と思っていると、今度はサイコロ賭博のシーンが延々と続いたりする。そう、「対決」のシーンについては端折る訳にはいかんのです。ってな訳で、小林旭と宍戸錠が、微妙な距離感を保ちつつ、巨悪ならぬ微悪に立ち向かう、シリーズ第2作でした。次に“渡り鳥”が現れるのは、あなたの町かも知れない。もしも風光明媚な土地ならば、ですが。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-11-22 01:43:08)

15.  沓掛時次郎(1961) 任侠モノとも思えぬ雷蔵の異常なサワヤカさが、目に眩しい……。池広一夫監督というと、マチャアキが孫悟空やってたテレビドラマ『西遊記』の、とりわけヘンテコな内容の回を演出していたとの印象が強いのですが(この偏った印象もどうかと思うけど)、本作ではどうしてこうも無難路線に走ってしまったのか。何しろこの雷蔵時次郎さん、いいヒト過ぎて、というより、「いいヒト」であるかのように作られ過ぎてて、ワケがわからない。まあ、この作品、お茶漬けのようにサラサラと楽しめれば、それでよいのかな、とも。志村喬が出てきて、杉村春子が出てきて、まるで黒澤映画と小津映画の片鱗を大映作品で味わえちゃった、みたいなちょっとしたお得感(?)はあるかも。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-09-15 12:42:41)

16.  国定忠治(1946) ご存じ、忠治親分の大活躍……と思いきや、正直、あんまし活躍してません。作品が作られて70年近くも経ってから言うのも何なんですが、もうちょっと戦後の日本を元気づけるような活力あふれる作品になってても良さそうなもんですが、GHQの陰謀なのか、それとも、予算不足、準備不足、はたまた、やる気不足なのか。70分ほどの短い作品ながら、工夫も盛り上がりもあんまり無くって、ちょいとつらい。これは“スランプに陥った国定忠治を描いた作品なのか”とでも言いたくなる…。[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-09-05 23:18:43)

17.  クリフハンガー 《ネタバレ》 これはねえ・・・面白いと思うよ(笑)。雪山の迫力とストーリーの面白さがよく噛みあった痛快作です。別にあんなに登場人物を片っ端から殺さないでもよかったんだけどね、そこまでしなくても十分面白いんだから。見どころはラスト、宙吊りのヘリの上での死闘をよく見てみよう。ジョン・リスゴーは最初メッポウ強いんだけど、スタローンに噛み付かれた途端、なぜか動きが止まってしまう(笑)。そして敢え無くやられてしまうんだな。スタローンは毒ヘビなのか? まあおそらく、単に編集後の事をあまり考えずに撮影しちゃったんだろう、とは思うのだが。8点(2004-04-18 01:43:57)

18.  蜘蛛巣城 後に『乱』でもシェイクスピアを取り上げた黒澤監督ですが、『乱』の元ネタである『リア王』が壮大この上無い戯曲であるのに対して、こちらは、緊迫感がこの上ない『マクベス』が元ネタ。例によって、舞台作品を思わせるカメラではあるのですが、動と静の対比など、映画らしい演出がキマってます。劇ではバーナムの森が動くシーンなんて表現できないしね。昔NHK教育でやってた、BBC製作の「シェイクスピア劇場」での『マクベス』よりも、この『蜘蛛巣城』の方がむしろ、原作の臭いがよく出てるんじゃないの、と思えた程。ま、そのくらい、強烈なイメージで編み上げられた映画です。『乱』もこの頃のパワーで作られてたらなあ、という気はします。それにしても山田五十鈴は怖い。9点(2003-08-23 22:15:06)

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