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プロフィール
コメント数 3881
性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  ゴジラ-1.0 ゴジラ映画というジャンルと、個人的な人間ドラマとの、噛み合わなさ、ってのが元々あって、正直我々もその辺りは「言わない約束でしょ」ということで諦めてたフシがあるのですが。 ついに、そのどちらからも逃げずに、しっかりと噛み合わせてきた山崎貴監督。まずは、ありがとうと言いたいです。シン・ゴジラが完全にゴジラ映画を再構築してしまった後で、あるいはレジェンダリーピクチャーズがいかにも「CG大作」風のイメージを作り上げてしまった後で、それらのハードルをしっかりとクリアしつつ、この分野ではまだ誰も到達したことのないところまで、人間ドラマの領域に踏み込んでみせてくれました。『永遠の0』『アルキメデスの大戦』とも微妙な距離を保ちつつ。 そりゃ、正直言えば、見ながら「もっとセリフを絞ってくれたら!」とは思っちゃうんですけどね。 だけど、ゴジラと神木隆之介、絶対に成立しないと思われたダブル主演が、ここではどちらが折れることなく、その共演をちゃんと成立させている。国を護る、ということのヒロイズムと残酷さをも、両立させながら。 国を護ると言っても、それはもちろん、時の政府を護る、という意味では無くって(そういう意味での「国」に対しては佐々木蔵之介の口を通じ呪詛が並べ立てられる。ちょっとしゃべり過ぎか・・・)。神木隆之介演じる主人公には家庭があり、「妻」と「娘」がいるけれど、この3人には血縁も姻戚関係もない、いわば赤の他人の集まり。そういう仲間の集合体としての国を護りたい、護らねばならない、のだけど、実際に主人公を動かしているのは、かつて仲間を救えなかった罪の意識。自分は生きてていいのか、という後ろめたさ。ヒーローがヒーローとして死地に赴くのではない残酷さが、そこにはあります。マイナス1.0というタイトルのごとく、大戦を通じて負のエネルギーに支配されてしまったこの国、その呪縛から抜け出せるのかどうかが、呪縛を象徴するゴジラとの戦いを通じて描かれます。 戦後まもなくの、警察予備隊すらまだ無い頃。早くも始まった米ソ冷戦の兆しも物語に織り込み、戦後残されたわずかな軍艦(高雄、雪風…)や本土決戦用に温存された戦車でゴジラに立ち向かわざるを得ない、という設定が、作品のリアリティに繋がる以上に、悲壮感を感じさせます。さらに登場する、「あの」秘密兵器(隣の席で見ていた息子は、話の流れから「もしや登場か?」と予感してたらしく、覆いが外されるか外されないかのタイミングで早くもノケ反ってましたが)。 かつて仲間を救えず、ゴジラを見上げるしかなかった主人公は、ここではゴジラと肩を並べ、真っ向から立ち向かっていく。この場面、どこかの山間部みたいなところで、申し訳程度に散在するわずかな民家をゴジラが破壊してて、いかにも着ぐるみ撮影時代の「ゴジラあるある」なシーンになってますが、それも含め、味わいのある場面です。 佐藤直紀の音楽も魅力的ですが、ここぞという場面では定番の伊福部メロディが登場、特に例の「ゴジラ登場のモチーフ」はこれでもかとテンポが落とされて、ゴジラの威容とともに、見る者を圧倒します。 劇中、いくつか違和感を感じたような気もするけれど(銀座のシーンで突風の向きが逆になったような気がしたが、気のせい?あるいは理由あり? すみませんよくわからんかった)、忘れました。ははは。まあ、些細なことです。[映画館(邦画)] 9点(2023-11-04 08:24:34)(良:2票) 《改行有》

2.  ゴジラvsコング 結局、こうなっちゃったのは、誰のせい、なんですかねえ。 アメリカでゴジラ映画作るたびに口を挟もうとする東宝のせい、のような気はする(少なくとも小栗旬だけのせいではないと思う)。 ついに、「ほぼ東宝」な内容のアメリカ版ゴジラ映画が登場。 しかしこれを、着ぐるみ&ミニチュアではなく、CG満載の超大作として作ってしまうと、ここまで虚しくなるものかと。いやはや、勉強になりました。 ギャレス・エドワーズが、いかにゴジラの巨大さを描くかに拘りぬいて作り上げた2014年版のゴジラ、あの面影はどこにも見当たらず、もはや今作に登場するゴジラは、2014年版とは同姓同名の赤の他人のように見えてくる。 ビルのCGを並べりゃ巨大に見えるってもんでもないし、破壊のインフレが必ずしも質感を表現するものでもないし。 地下空洞などという舞台を設定した割には、地表世界との立体関係が活かされる訳でもなし、鈍重で平面的な取っ組み合いに終始。 プロレスラーが試合中に、リングを降りて場外戦をやるのは何のためか、理解してるんだろうか? 2005年のピータージャクソン版キング・コングがどこまで褒められた作品かはともかく、少なくともあの映画ではもう少し、「視点の上下移動」ということが意識されていた気がするんですが。 と言う訳で、そろそろ1998年版ゴジラに復活願い、エメリッヒに「ゴジラvsインデペンデンスデイ」ってのを作ってもらおう。その企画なら東宝がいくら口を挟んでもらってもOKです。逆に、無視しないでね。[インターネット(字幕)] 3点(2023-10-28 04:39:00)《改行有》

3.  紅顔の若武者 織田信長 織田信長の若き日を、若き日の中村錦之助が演じて、ただでもトーン高めの声が、若さが重なって殆どキンキン声。 大ウツケと言われた頃の信長役だけあって、どぎついメイクの不良顔。モノクロだからハッキリとは判らんけれど、髪の毛の色はもしかして茶髪、いやそれこそ金髪なんじゃなかろうかと。 というくらいの、なかなかのヤンチャっぽさ。ただしやってることは不良というよりは、田舎の子供、といった感じですが。 ただこの作品、どうしようも無い暴れん坊の信長が、斎藤道三に会いにいく際に突然、正気に戻ってそこで終わっちゃう。え、せめて桶狭間は?と、さすがに物足りない。いろいろキッカケはあったとは言え、唐突に真人間になった、という印象。 ところどころのシーンで、照明の当て方がイマイチなのか、背景に登場人物の影が妙な具合に映ってしまい、気になり出すとどうにも気になって仕方なくなっちゃう。もう少し巧く撮れなかったもんかなあ、と。[インターネット(邦画)] 5点(2022-06-08 22:34:58)《改行有》

4.  ごろつき(1968) 健さんがキックボクサーを目指す、という、ちょいと異色の映画。だけど結局は、任侠映画以上に任侠映画らしい展開に。このクライマックスの殴り込みの激しさと言い、健さんが自作の主題歌を歌うシーンと言い、なんだか健さんのヤクザ映画総決算みたいですが、実際はこの作品の後もまだまだヤクザ映画路線は続きます。 弟分の役に、菅原文太。ですが持ち前の眼光の鋭さの割りに、イイ人っぽい役柄で、菅原文太でもいいのだけど、何となく川谷拓ボンで見てみたいタイプの役でもあります。 それにしても、作中でもホメられてますけれど、健さん、実にいいカラダしてます。最初はヘタクソなところから、次第にキックボクシングが上達してくるところまで、小気味よい動きを見せてくれます。が、試合のシーンはさすがにもう少し、スピード感が欲しかった、かな。[インターネット(邦画)] 7点(2022-04-05 22:41:11)《改行有》

5.  絞殺 題材となっている実際の事件は、本多勝一のルポ「子供たちの復讐」に詳しく書かれています。著者が著者なもんで、本多勝一バイアスがかかっちゃってますけれど、一方、この映画。バイアスなんてもんじゃなく、かなり改変されています。 あくまで実際の事件をヒントにしただけ、ということなのかも知れないけれど、まだあまり年月が経っておらず限りなく現在進行形に近いこの悲劇を、こんな風に「人を傷つけかねない」形で映画化するなんて、あまりその是非については述べたくないとは言え、ホント、よくやるよなあ、と。 もしかして、新藤兼人は、怒ってたのか? だとしても、ちと、アタマでっかちな作品、ではないかと思えて仕方が無い。 例によって性の問題を絡めて自分の路線に引き込んだり、父親の横暴を、近隣住人の無責任さを、進学校の非人間性を、極めて極めてステレオタイプに描いたり(ここまでくると硬直した偏見と言わざるを得ない)、という一方で実在の事件の顛末には一応、乗っかっておこうという点に、どうしても無理を感じてしまう。剥き出しとなった作為はコレ、貧弱さの表れ。 いや、西村晃、乙羽信子のお二人の体を張った演技が、その貧弱さを何とか覆い隠そうとしており、また実際、映画的な演出を欠くほどには無神経な作品でも無い訳ですが。 ただ、息子が家庭を破壊するシーンの迫力の無さ、特に、「撮影なのでホントには殴ってません」というのが信じられないくらいに丸見えになっちゃってる殴り合いシーンのヌルさ。何とかして欲しい。[インターネット(邦画)] 4点(2022-01-30 21:37:29)《改行有》

6.  高校大パニック(1978) 《ネタバレ》 自主制作の8mm映画のリメイク、と言う事なんだそうで、その元の8mm映画を見たことが無いので比較できないのですが、、、自主制作を元にしたにしては、あまり破綻の無い「真っ当な」作品だなあ、という印象。 いや、自主制作が必ず破綻しているとか破綻すべきだとか、言う積もりは(あまり)無いのですが、それにしても、これが本当に作りたかった作品の姿なのかな、と。 そもそも、高校生が学校に銃を持ち込んで籠城し、警官隊とやり合う、などという設定自体が、実際には起こり得ないとは言い切れ無いながらも、それなりにブッ飛んだ設定には違いない訳で。そのブッ飛び感のまま物語が突き進んでいく(事件発生までの経緯は端折り気味で、事件そのものの経過をこれでもかと描いている)のはいいんですけれども、その割には終盤からラストにかけて、さらにアクセルを踏み込む訳でもなく、普通に終わってしまった印象。 例えば浅野温子の存在は、「この程度」でよかったんだろうか? いや、この作品、面白かったんですけどね。ちょっと、ワガママを言ってみた次第。[インターネット(邦画)] 7点(2021-11-13 08:17:14)《改行有》

7.  ゴルゴ13(1973) それにしても思うのは、高倉健さんが初めてゴルゴ13のコミックを手にした時ってやっぱり「なんだこれは、オレじゃないか!」って思ったんですかねえ。 という訳で、ゴルゴ13を実写化するならデューク東郷役は高倉健さん。そしたら、キン肉マンを実写化するなら五分刈刑事役は渡哲也さんで決まり。ですね。 ってなことはどうでもいいんですが、イラン政府の協力のもと、全編イランロケ撮影、という、実にイランことをしてしまった本作。いや、砂漠でのカーチェイスを始め、雰囲気出てる箇所も結構あるんですけど、それでも何だか、色々と不自由そうな感じが滲み出てて。 別にロケだけの問題でもなく、無理矢理引き延ばしたようなストーリーが、なんともまとまらない印象。 ラストのヘリとの死闘、もうちょっとカッコよく手榴弾投げられませんかね。そんな種蒔きでもするような投げ方で、天下のゴルゴを仕留められる訳もなく。 まあ、珍品、ですね、これは。そう思えば、それなりに楽しめます。[インターネット(邦画)] 6点(2021-10-24 22:13:36)《改行有》

8.  木枯し紋次郎 《ネタバレ》 とある男の身代わりとなって罪を被り、三宅島に島流しとなってしまった木枯し紋次郎。だもんで、物語の少なからぬ部分が島流し先でのオハナシとなり、渡世人らしいエピソードはあまり無くって、何となくモヤモヤしています。それを補うように、多少、時間軸を行き来する語り口になっていたりもするのですが、あまり効果を上げていないようにも。 一方、冒頭のクレジットに「協力 三宅島観光協会」と書かれているところを見ると、実際に三宅島でロケ撮影をしたらしく、なる程、孤島らしい雰囲気が充満しています。 と言うわけで、どっちかというと、これは和製パピヨン、でしょうかね。 ただ、いよいよ島抜けを決行する段となって、小舟で大海原へ乗り出すも、嵐にあって難破する場面。流れついた先の光景が三宅島のそれと変わり映えがせず、結局、海岸の光景なんて島でロケしようがしまいが、大差ないんだなあ、と。それはいいとしても、このシーン、私はてっきり「三宅島にまた戻ってしまった」と思ったもんで、後で伊豆だと聞かされてズッコケそうになりました。三宅島ではない別の場所であることを示すカットが一発あれば、もっとスッキリしたかも、、、 という訳で、正直この辺りまではあまりノレなかったのですが、ここからは見どころ。紋次郎の前で繰り返されていく様々な悲劇(どうでもいいような殺し合いを含め)が、彼の虚無的な表情の向こうで彼の感情をひそやかに揺り動かし、最後の決めゼリフへと結びついていく。やっぱり、かっこいい。[インターネット(邦画)] 6点(2021-08-28 11:05:07)《改行有》

9.  GONIN サーガ これを、第1作の設定を上手く活かしていると見るか、それとも第1作に寄りかかり過ぎていると見るか。 第1作が、登場人物の行く末を様々に描いてみせ、その中にはホラーテイストまであったりして、欲張りな分、雑多な印象もありましたが、本作は割とまとまっていて、それが逆に物足りなくもあります。 竹中直人の存在だけは、今回もホラーでしたけれども。 終盤、やや弛緩したような感じもする上、カタルシスもやや乏しいのですが、それは映画がある方向に向かって進んでいくからで、その「方向」とは、「第1作に向けて時間を巻き戻していく感じ」なんですね。だから、やっぱりラストはそうなるよなあ、と。そして例のテーマ曲を背景に、夜の東京が写しだされて、映画は幕を閉じます。[インターネット(邦画)] 7点(2021-07-11 22:02:16)《改行有》

10.  この子の七つのお祝いに 《ネタバレ》 推理モノを映画化する厄介さ。岩下志麻がバーのママさんとして登場した時点で、「チョイ役みたいな登場の仕方だけど、後で重要な立場となるハズ」と、誰だって思いますわな。意外性もヘッタクレもあったもんじゃない。 その辺は、製作サイドも重々、承知なんでしょう。真犯人の意外性よりも、犯行に至る情念、いや怨念といったものを、クライマックスでこれでもかと描きます。 ただ。 それが岩下志麻なもんで、ちょっと浮世離れしているというか、トボけているというか。 夕焼けの赤さが部屋に立ちこめてくる中(これでカラスでも飛び込んできたら、まさにゴケミドロ)、過去が明らかになっていくのだけど、ちょっと、ノリ切れない。これは岩下志麻だけの責任ではなく、脚本も弱いのでは。愛する男を殺めてまでの復讐劇、にしては、それに対する慟哭みたいなものが、イマイチ感じられなくて。そもそもあんなハゲオヤジを、本当に愛してたのかね。とか。[インターネット(邦画)] 6点(2021-07-03 18:58:52)《改行有》

11.  GONIN2 正直、「メンバーを女性に置き換えただけであとは前作と全く同じノリ」みたいな作品だったらどうしよう、なんて思ってたのですが、勿論そんなコトは無くって、なるほど、女性五人組だと、こうなるんですねえ。 前作は破滅の美学、みたいなものがあって、死んでナンボの世界だったのが、これが女性になると、妙なもんで、なかなか死にそうな気がしない。いや、敵は強くてコワそうでヤバそうな男性軍団、それに比べるとどうしても女性の方が弱く、危うげに見えてしまうのですが(そして実際、危機に直面もするのですが)、そうなると逆説的に、彼女たちの、死にざまではなく生きざまが、浮き彫りになってきます。 そこに、任侠映画の悲壮感をプラスさせるかのように絡んでくる緒形拳が、彼女たちの守護神のようでもあり、「死にざま」を持ち込んでくる疫病神のようでもあり。 この緒形拳の存在が物語に幅を持たせつつ、物語は収まるべきところに収まった感があり、前作よりもまとまっているように思えたのですが、どうでしょうか。 「光」や「水」が作品のイメージを支えていますが、あのプールの上をカメラが自由に移動するシーン、どうやって撮影したんですかね。[インターネット(邦画)] 8点(2021-05-30 17:58:45)《改行有》

12.  GONIN 《ネタバレ》 取柄があまり無いか、あるいはまったく無いか、という5人が、とにもかくにも集まれば、物語は転がり始める。よりにもよって、ヤクザから大金を強奪しよう、などという無茶な計画。こんな計画、うまくいったが最後、後に待つのは破滅でしかない。 という訳でこの作品も、フィクションであるが故に、登場人物たちにとって「いかに死んでみせるか」こそが自分達の存在意義であり、大きな見せ場となります。誰が、いつ、どうやって死ぬか。死に様こそが、彼らの生き様。 物語の中心にいると思われた佐藤浩市、だからといって、彼が最後に死ぬとは限らない。物語に束縛されることなく死んでみせる、その自由さ。 となれば、やはりこれも、最後まで生き残ってしまうのは一種の罰となりうるのだけど、その意味では、敵の殺し屋たちまで含めてすべての者たちに死を演じさせるのは、一種の優しさであるのかも。[インターネット(邦画)] 7点(2021-05-01 20:59:32)(良:1票) 《改行有》

13.  極道大戦争 吸血鬼に血を吸われた人間は吸血鬼となるよう、極道に血を吸われた堅気は、極道になってしまう、という、考えようによってとても真っ当な内容の映画。 と持ち上げようと思ったけど、途中からはもう、極道映画でも吸血鬼映画でもなくなって、ナゾのキャラ達が果てしのないバトルを繰り広げる格闘映画と化す。 とことんバカバカしく、かなり寒いギャグも挿入されるけど、もうここまでくると、ちょっとやそっとの寒さは気にならなくなります。 それよりも、この小汚い街角を舞台にしたニラミ合いや激しいバトルが、見てるうちに何だか妙にカッコよく見えてきて、『用心棒』でも見てるような気分になってくる。 と、何の義理だかよくわからんけど、この映画を持ち上げておきます。[インターネット(邦画)] 7点(2021-03-30 22:36:31)《改行有》

14.  昆虫大戦争 『スウォーム』の10年も前にこんな映画を撮ろうと思った事自体はエライと思いますけれども。しかし何も10年も前にここまでヒネらなくてもよかったんじゃないの、と。 あるいは、ここまでヒネくれなくても、と。 昆虫は人間の事を、一応、オコってるらしいのだけど、何だかそんなことはどうでもよくって、映画は「人間の愚かさ」ばかりを描こうとする。というのが余りにも見え透いていて、いささかゲンナリしてきます。 ただ、この迷走ぶり(ラストシーンには、まさに絶句)と、あちこちに見られる珍妙なセリフは、本作の珍品としての価値を高めては、おります。 それとも、ここは素直に「つまらん」と言っといた方がいいのかな。[インターネット(邦画)] 4点(2021-03-10 23:26:44)《改行有》

15.  極道の妻たち 最後の戦い 《ネタバレ》 岩下志麻の関西弁がヘンだ、という声がどうしても出てくるんですけれど、そして実際、一作目の時はどうしてもそういう印象を持ってしまうんですけれど。しかし、彼女が主演に復帰した、このシリーズ第4作。やっぱりみんな、この独特の関西弁を、待ってたんじゃないの?と思えてくる。 この不思議なイントネーションで発せられるセリフは、彼女がいくら演技しようと、無感情なセリフと化してしまうのですが、そもそも彼女が演じるこの姐さんに、常人の持つ感情など不要。彼女には常に迷いがなく、常に自分がこれからすべきことを熟知している。まさに、極道界における神のような存在ですな。 夫役の小林稔侍は、刑務所に入っている間こそ、まるで鶴田浩二のような趣きを感じさせるのに、娑婆に出てくると二流、三流感が出てきて、これもいかにも小林稔侍らしい、というか。 かたせ梨乃は、ええと、これは、一体どういうイメージなんですかね。ははは。迷彩服って・・・。 岩下志麻が刀を自分の足の甲に突き刺す場面は、名シーンと言っていいでしょう。抜き身の刀を突きつける小林稔侍、その彼とのやり取りが上半身の動きで描かれる中で、突如、刃が足元に向かう意外性と、その衝撃。 ただ、足を大怪我しちゃったもんで、肝心のクライマックスで動きが悪くなっちゃう、という代償を払うことになりましたが。 ラストシーンでは(なぜか)背後から警官隊に乱射され、これはクライマックスで活躍できなかったお詫び、ということでしょうか。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-10-04 14:40:41)《改行有》

16.  極道VS不良番長 《ネタバレ》 極道シリーズ対不良番長シリーズ、ついに対決。 と言うのは大いに「看板に偽りあり」でして、肝心の不良番長こと梅宮辰夫が、映画始まって早々にバカやって大怪我で入院してしまうという設定。だもんで、実際に若山富三郎親分の好敵手となるのは、不良番長の弟・渡瀬恒彦。ま、どう考えても、この方が「正解」だとは思いますけれども。 若山親分、今ではカタギになってホルモン焼きの屋台なんぞやっているのですが、子分どもの屋台が鈴なりに連なって、一大コンボイをなしているその光景は、カタギか否か以前の、相当アブナイものを感じさせます。しかもロケ撮影は阪急沿線? こんなコトが許されるのは阪神沿線だけだと思うのだが。いや、近鉄もOKかな? とにかく何ともアホらしいオハナシの上、演出も少々雑で、粗製乱造っぽいニオイがプンプンしますけれども、さんざん迷走したようでいて、ちゃんと屋台野郎とバイク野郎のライバル関係に物語の焦点を合わせてくるのは、さすが。 バイクによるアクションが見せ場を作れば、ホルモン屋台も装甲車と化し、クライマックスの壮絶な戦いへ。 コメディタッチかと思いきや、中盤からは結構、バンバン人が死にまくって、それも中には「えっまさかそんなコトで死んじゃうの?」という、なかなか笑劇的な殺戮シーンなんかもあったりして。 いやあ。いい時代、ですなあ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-06-15 20:51:43)《改行有》

17.  交渉人 真下正義 「踊る大捜査線」の本シリーズ2作に続く、スピンオフですが、前作2作では舞台としてお台場が想定されていたのに対し、こちらは東京都心部そのものが舞台。犯人に操られた試験車両が、地下鉄の路線を暴走する(この試験車両の風貌を見てると、なんでラピートがこんなところを走ってるの?とか思っちゃうのですが)。その謎の犯人に立ち向かうは、交渉人サンタマリア。 という訳で、パニック映画の要素を取り込んでいて、よくこんな撮影をやったもんだ、と感心させられます。地下鉄の構内・線路のさまざまな光景が登場し、エキストラもタップリ動員して、圧巻です。 主人公のサンタマリアは犯人との交渉役なもんで、基本的にはコントロール室で犯人とボソボソしゃべるだけですが、代わりに寺島進が街に出て暴走し、笑いとスリルを提供してくれます。 ヒッチコックを模倣したような後半の展開の先には、楽しくもバカバカしい顛末があり、しかしここでようやく主人公も、事件が起きている「現場」へと向かうことになる。少し苦味のある、大団円。 前2作よりも、楽しめました。[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-08-15 18:38:09)《改行有》

18.  この世界の片隅に(2016) 最近も吉村昭の「戦艦武蔵」を読んでたら、この巨大戦艦を建造するという計画が極秘中の極秘なもんで、造船所の方を見てたというだけで一般人が片っ端から連行されてしまった、みたいな話が出てきて、巨大戦艦建造という一大プロジェクトの前には、個々の人間の運命なんて芥子粒みたいなものなんですけれども(そしてその膨大なエネルギーが注がれたプロジェクトの、果敢無い顛末)。 で、本作でもやっぱり、主人公がうっかり港の絵を描いてしまったばかりにどえらく叱られる場面がありますけれども、本作から受ける印象って、真逆なんですよね。戦時下だろうが何だろうが、あくまで市井の人々が中心にいて、その一人であるにすぎない主人公の姿が描かれる。その喜怒哀楽こそが、重大事件な訳で。戦時下には戦時下の暮らしがあって、「たくましく生きている」と単純には言えない、つらさ、恐ろしさとも向き合わなければいけないんだけど、やっぱり生きている以上は、生活していくしかない。そのとめどなく続いていく日常、ってのは、やっぱりこれは「たくましさ」なんだよなあ、と。 でも、かけがえのないものを失う悲しさ。物語の前半に登場する「指さし」の仕草が、印象的で。[DVD(邦画)] 9点(2019-08-01 22:00:28)《改行有》

19.  ゴジラ キング・オブ・モンスターズ もちろん、あの東宝怪獣たちが最新のCGで再現されてるのを観りゃあ、とりあえず「うわぁ~」とテンション上がっちゃうのですが、その一方で、「何だか、最近の映画でよく見るタイプのCGモンスターと大差なくなちゃったなあ」とも。妙な既視感が。 かつてのキングギドラって、まったく無表情の3本の首が、機械的かつテキトーにカクカク動いてたのがかえって不気味で、味があったんだなあ、と改めて気づかされます。ああいうローテク感ばかりは、CGではなかなか出せないし、出して欲しくもありませんが(スパイキッズ3みたいな例も、あるといえばありますが)。 うん、まあ、でも、やっぱりカッチョいいよねえ・・・。 2014年ゴジラでは、いかにモンスターの存在をデカく見せるか、多くの工夫が凝らされていて、その点では本作は2014年には及ばない印象。2作目ということもあってインパクトも薄れてます。でもカッチョよい。 問題は人間たちのドラマ部分。別にゴジラ映画で人間ドラマなど期待してはいないけど、それにしたって、登場人物たちの存在感の無さ。動かない、何もしない。せめて、乗り物を乗り換えたんだったら、映画の中で乗り換えろよ、と言いたくなっちゃう。映画の登場人物ってのは、歩くなり走るなり、メシを食うなり、ハナクソほじるなり、何でもいいから映画の中で「動作」を見せてこそ我々も感情移入できるんであって。 およそ、お飾りにも、なってません。[映画館(吹替)] 6点(2019-06-08 04:21:52)(良:1票) 《改行有》

20.  ゴジラ FINAL WARS 84年ゴジラよりも前の一連のゴジラ作品総まとめ。といった感じで、怪獣出るわ出るわ、戦うわ戦うわ。 かなりオフザケモードなので、拒絶反応もあろうかと思いますが、そうは言ったって、同じく「総まとめ」作品である『宇宙怪獣ガメラ』と比べりゃ、はるかにマシでしょうに。え、あんなのと比べるようになったらオシマイですか・・・。 オフザケではあるけれど、はたまた今の目で見ると(いや当時の目でも)物足りないCGなんかもあるけれど、この、バトルに次ぐバトル、相当な数のミニチュアセットも準備して、ひたすら戦う、ひたすら壊す、バトルの物量作戦。怪獣同士が戦ってナンボでしょう、という昭和ゴジラ魂はしっかり感じることができます。これを「退行だ」といわれりゃ、そうかもしれないけれど、まあ、ファイナルと銘打ったお祭りですから。 でも最後と銘打ったのに、結局「新(シン)~」というタイトルでまた作っちゃうってのは、どうなんでしょうね。この分で行くと、この後またシリーズ再開して、タイトルも「ゴジラは生きていた」とか「ゴジラNYへ行く」とか「ゴジラの命日」とかになっちゃうんでしょうかね。 それはともかく、私は結構楽しませてもらったんですけど、一方で色々と、つまらぬことではあるのですが思うところもあって。その昔、ショー・コスギがニンジャ映画でブレークした頃にインタビューで「息子のケインにはアクション・スターとして英才教育をしている。だから誰もケインにかなう訳がないんです」みたいなコトを言ってたんですけど、で、本作などでもその身体能力を伺うことはできるんですけど、その能力をフルに発揮するには、相応のアクションができる相手役がいないとやっぱり難しいなあ、と。松岡クンも頑張ってはいるんですけど、ねえ。 一方で船木誠勝は、妙に強そうというか、少なくともあのヒクソン戦の時よりは強そうに見えるけど(それにしても、もしあそこでスタンディングで様子を伺わずにグラウンド戦に飛び込んでいたら・・・)。 あと、この映画、せっかく「格闘枠」みたいなのがあってソチラ方面のヒトたちが何人も出てるのに・・・本来ならここで呼ばれるのは、佐竹雅明こそが適任者のハズだったんですけどねえ。不幸というか、色んな意味で残念ですよねえ。[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-05-25 13:27:57)《改行有》

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