みんなのシネマレビュー
鱗歌さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 3873
性別 男性
年齢 53歳

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順123
投稿日付順123
変更日付順123

1.  ザ・スパイダースの大進撃 マチャアキのタンバリンが何者かに狙われる怪事件が発生! って、こんな書き方すると、まるでこの作品がオモシロいかのような誤解を与えてしまうではないですか。 新春隠し芸大会みたいに楽しそうに演じてるし、デタラメなんのその、と楽しそうに撮ってるし、まあ、楽しいのは何よりだとは思うのですが、見る側としては、この脈絡無さといい、スベり具合といい、ちょっとついていけないです。 まるで、鹿児島に慰安旅行に行ったついでに撮ってきたような作品でした、ハイ。[インターネット(邦画)] 4点(2022-06-26 14:34:38)《改行有》

2.  サラリーマン専科 「単身赴任」というサブタイトルを目にして矢も楯もたまらず、いきなり2作目から駄文を投稿してしまいましたが、だってさ、この映画の主人公一家のマイホームの場所はどうやらK県K市、いま私が単身赴任でトバされてる場所に程近いところ、らしい(あ、鎌倉市じゃないよ)。マジで代わってくれ。 それはともかくこちらが第一作であって、早くも単身赴任ネタが仕込まれてるあたり、イヤホント、サラリーマンにとって切実なんです。さっきからどうでもいいコトばかり言ってますね、スミマセン。 釣りバカ日誌の代わりの映画、だからなのかどうなのか、ちょっと同じ路線です。大会社の社長役に西村晃。ノリノリですごく楽しそうに演じてます。三國連太郎よりずっと、楽しそう。どっちも同じぐらい悪人顔なんですけどねえ。 で、そこに妹ならぬ弟の縁談の話まで巻き起こり、この辺は男はつらいよ第一作路線。 という訳で、第一作から飛ばし過ぎるくらい飛ばしており、この時点でどこまでシリーズ化のことを考えてたのでしょうか。惜しみなく突っ走ってます。ただ、釣りバカ+寅さん、という点で二番煎じ感が出てしまうのは、残念なところ。 でも、喜劇らしい喜劇になってて、好感が持てる作品です。[インターネット(邦画)] 6点(2022-04-13 23:07:25)《改行有》

3.  サラリーマン専科 単身赴任 単身赴任! なんと哀しくも切ない響き! サラリーマンが単身赴任になると、どうなるか? と言うと例えば、どこかの誰かさんみたいに、突然、映画を見る手段がことごとく「インターネット」に切り替わり、映画の感想文を某サイトに投稿する頻度が妙に高くなる(だって、ヒマなんだもん)。 ああ、そろそろ1年になるんやなあ。ブツブツ・・・。 作品の冒頭いきなり、主人公は関東から関西へ、単身赴任。いいなあ。代わってくれ。 しかも、単身赴任のくせに随分エエとこ住んでるやないか。くそ~。と、今、自分がいる狭いアパートの部屋を眺め回す。 ふむ。このまま行くと、最後まで映画のことに触れずに書き終わっちゃいそうですね。まあ、たまにはそういうのも、いいでしょ。 ダメ? 私のような大阪出身者が関東(K県K市)に来たって、自分も周囲も、面白くも何ともないのだけど、とりあえず東京の主人公が大阪にやってくると、ドラマが始まる。しかも、松竹映画ということで山田雅人が参戦してるとは言え、基本は吉本興業の面々。実際の大阪以上にドス黒い「大阪」が渦巻き、脚本はこれでもかと大阪への偏見を煽り立てる。 しかし、大阪に来た東京人の体感としては、実際こんなもんなのかも。 それはともかくとして、隣の部屋から彷徨いこんできた猫を発端に、ひと騒動、ふた騒動。なにせ強引な人間しか登場しない作品なので、結構、ハチャメチャな展開。皆、芸達者で、楽しい映画。 実際の単身赴任は、楽しくないんやけどね。トホホ。[インターネット(邦画)] 7点(2022-03-09 23:04:03)《改行有》

4.  ザ・ドリフターズの極楽はどこだ!! 「ドリフで育った世代」というのは、「ドリフを見て」ではなくまさに「ドリフで」育ったのであって、もう絶対に逆らえないというか、なんというか。ドリフというのはあくまで「テレビ番組のドリフ」であって、ドリフ映画が好きなわけではないんだけど、それでもドリフ映画にあの懐かしいメンバーの顔が登場し、そして何よりもあの懐かしい声を聞くと、何だか細胞の隅々までしみ通ってくるような。 こればかりはもう、どうしようもないのよ。 面白いか面白くないかはさておき、ドリフの姿を記録してくれたという点だけでも、やはりドリフ映画には感謝せねばなりません。 で、この作品ですが。通例であれば、いかりや長さんが他のメンバー、特にカトちゃんをイジメて、逆襲されたりされなかったりするところですが、この作品では、憎まれ役の面は後退しており、むしろ、長さんが周りから邪険にされてる状況。頑固オヤジの孤独と悲哀、といったものが、あのゴリラ面と相俟って、何とも言えない味わいを出してます。 出征体験を持つという役どころは、長さんの実年齢とちょっと合わないのですが、しかし合わないと言っても、あとホンの数年、早く生まれていたら、、、という、それが、あの戦争。 ドリフはメンバーの年齢差が大きかったからうまくいった、という話もありますが、年齢差がこの映画ではうまく活かされてます。 でもやっぱり、うまく活かされてるのは、やっぱり、このゴリラ顔、かな。 なかなかイイお話でした。[インターネット(邦画)] 7点(2022-02-24 23:09:45)(良:1票) 《改行有》

5.  讃歌 新藤兼人監督ご本人が登場し、オレはマジなんだぞ、という顔をすればするほど、冗談としか思えなくなってくる、そんな映画です。 谷崎潤一郎の「春琴抄」の映画化。 春琴と佐助の二人だけの世界、もはや句読点すらも、その流れを留まらせることは出来ない、ということなのかどうなのか、とにかく、独特すぎる文体で描かれる、独特すぎる世界。 それを映画化するんだから、相当、独特のコトをしなきゃ、ってことなんだとしても、いやはや、随分と気色のワルい映画にしたもんです。 それともこれこそが新藤兼人スタンダードなのかも知れんけど。 白塗り顔のオバチャン(乙羽信子)が語る春琴の姿は、さらに白塗りで、綺麗だとか神秘的だとか言う以前に、ただ不気味。昔話として語られていた二人の世界が、ラストのオバチャンの三味線の演奏によって現代とリンクする、と言いたいところだけど、イマイチこのシーンが効果を上げているような気がしません。 映画全体を通じ、描写がエキセントリックな方向に走りすぎて、かえって起伏が乏しいような。[インターネット(邦画)] 5点(2022-02-08 22:37:40)《改行有》

6.  貞子vs伽椰子 貞子と伽椰子は共演NGだということが、よくわかりました。 キャラが被っちゃってる・・・のかどうかすらも、よくわからん。謎過ぎる対決。 今さら、過去の遺物とでも言うべきVHSのビデオテープを物語に登場させんがため、言い訳がましい設定を一生懸命「説明」し、それがまた、正直あまり演技がお上手とも言えないお嬢さんたちによるものなので、最初の方こそゲンナリしてしまうけど、見てるうちに「これはもしかして、ホラーコメディを狙っているのではないか」という気がしてくる。 たぶん、そうだと思う。いや、そうに違いない。そうですよね? 違います? リングと呪怨、並行して描かれる2つの物語がついにクロスする、というより、何の前触れもなく突然組まれた対抗戦。新日vsノアみたいな。いや、面白けりゃいいんどけど。 コワさを売りにしてきた(はずの)二つのシリーズから、コワさを取り除いた上でちょびっとだけ対決させた作品。正直、どこを楽しめばよいのか掴みきれませんでした。修行不足でスミマセン。[インターネット(邦画)] 3点(2022-01-22 10:08:38)《改行有》

7.  最後の特攻隊 冒頭、この物語は宇垣中将とは無関係です、みたいな但し書きが出てきて、すでに何だか煮え切らない印象。 誰のことも悪くは描きたくない、という気持ちはわからんでもないけど、全編にわたって、いい人ばかり登場し過ぎ、キレイごとを言い過ぎかと。もちろん自由な発言が許される状況ではないのだけど、それならそれで、無念を滲ませるような描写がもう少しあってもよさそうなもの。 「建もの探訪」氏に関わるエピソードには多少、そういう要素も織り込まれてはいますが(特に母との関係)、結局、自己犠牲の美談で丸め込んでしまう。 優等生顔の梅宮辰夫、これはさすがに喋りすぎでしょう。 このテーマを映画の題材に選んだ以上、やはり腹をくくって作品を作るべきだったのでは。 戦争を題材にした作品には、もっとむせ返るようなエネルギーと怒りを感じさせるものがあって、そういう作品と比べてしまうと、やはり無難さが目立ってしまいます。 ただ、空中戦におけるミニチュア撮影のクオリティの高さは、特筆モノだと思います。[インターネット(邦画)] 6点(2021-12-19 22:57:09)《改行有》

8.  斬、 池松壮亮演じる主人公も、塚本監督演じる浪人風の男も、どちらも剣の腕前は超一流、滅法強い。後者は、普段は穏やかで冷静ながらも、いざ剣を抜くべき時には剣を抜く、実に頼もしい男。であるのに対し、前者の主人公はと言うと、人に向けては頑なに剣を抜こうとしない、過剰なまでの煮え切らなさが、何とももどかしい。 しかし、結局は、二人が剣を持ち、そして強すぎるが故に、理不尽な戦いに向かわざるを得なくなる。それは、この二人だけではなく、主人公の弟分にも当てはまるかもしれない。 という筋立てに対し、登場人物たちが現代的な台詞回しで話すのを聞いていると、これは一種の寓話なんだろう、と思えてきます。国家が武力を持つが故に、戦争が起こって悲劇を迎えざるを得ない、ということ。 それが頭に浮かんだ瞬間、若干、鼻白んでしまうのも事実なのですが、しかし。 冒頭の刀鍛冶のシーンに始まって、劇中、刀を抜く、或いは鞘に収める音を克明に捉えてみせる、剣のイメージ。肉体損壊を伴う、凄惨な殺傷の描写。といったものが、山奥の静かな村で展開される、その様は、寓話であるか否か以前に、充分に我々に迫ってくるものを感じさせます。 そして、虚構の世界であるが故に、登場人物の死は、多かれ少なかれ、その本人の存在感を彩るものとなるのだけど、逆に言えば、映画の中で死なないことほど、むごい罰は、無いのかもしれません。 80分ばかりの短い作品ですが、濃密な世界でした。[インターネット(邦画)] 8点(2021-04-14 07:21:27)《改行有》

9.  ざ・鬼太鼓座 《ネタバレ》 ドキュメンタリ映画って言うと、きっと何か主張したいコトがあるんだろうと身構えてしまったりするんですが、この作品は、特に主張したいコトは無さそうで。 ってか、ドキュメンタリってのとはちょっと違いますね。決められた動き、決められた人物配置、作り込まれたパフォーマンス。日常的なシーンもあるけど、何となく嘘くさい(笑)。 しかしこの、圧倒的なパフォーマンス。非日常の、物凄さ。一柳先生の電子音楽が非日常感をさらに煽りつつ。背景の説明も紹介もなく、没入的な世界がこれでもかと繰り広げられます。特にあの、真下から捉えられたフンドシ姿。いやこれはちょっとマニア過ぎですかね。特にあの、商店街での凄まじいばかりの演奏。人間と思えん。ははは。 最後にようやくメンバーがテロップで紹介されると、その一人は今をときめく林英哲さんだった、というオマケつき。あ、ネタバレ表示しておこうっと。[インターネット(邦画)] 8点(2021-03-04 22:03:33)《改行有》

10.  座頭市喧嘩太鼓 いつにも増して差別用語が飛び交い、いつにも増して激しい斬り合いが行われる、ような気がするシリーズ第19作。 まず冒頭、渡世の義理から、何の恨みも無い見知らぬ男を斬る羽目となる座頭市ですが、本作の狂言回し役である藤岡琢也の一味が最初に男の家に飛び込む場面では、オフの音声などを用いて断片的にその争いが描かれ、それに続いて座頭市ひとりが男と対決するシーンは、仁義を切ってから相手と斬り合うまでを長回しのワンショットで描く。これが何ともカッコいい。 本来ならそこでお役御免、というところですが、そこに男の姉である三田佳子が現れ、例によって例のごとく・・・と言ってはナンですけれども、彼女と座頭市との微妙な関係(もっと微妙でもよかったか、と思わんでもないけれど、何せ80分少々の映画なので、ある程度は割り切る必要が)、座頭市に男を斬らせたオヤブンの悪辣ぶりが描かれていきます。そんでもって、座頭市のライバル格、好敵手の剣豪が、佐藤允。う~む、このヒト、剣豪顔と言えばそうかもしれないけれど、途轍もなく「空気読めない感」みたいなのが出ていて(『転校生』なんか、特にそうですね)、ま、確かに、少なくとも、只者ではないな、と。 という、只者ではない(けどあまり強そうではない)ライバルとの死闘が、本作のクライマックスとなります。いやこのヒト、強いんです、きっと。羽根つきの羽根をいきなりスパッと斬って見せる、ああいう意味のない行動が、いかにも剣豪らしい、んです。きっと。 ってな訳で本作、最後まで見せ場が多く、三田佳子がヒロイン、というマイナス要素を差し引いても(?)、座頭市映画の魅力を堪能できる作品でありました。[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-11-28 01:39:01)《改行有》

11.  座頭市海を渡る 《ネタバレ》 座頭市、ついに海を渡る。って言っても、お四国に行くだけですけどね。国内旅行です。 おっ、邦衛さんが出てるぞ! とか、あばれはっちゃくの親父さんが出てるぞ! とか、色々と驚きがあるのですが、しかし何と言っても、脚本が新藤兼人。だから、と言ってよいのかどうか、とにかく何だか、変です。これこそが新藤兼人ワールド、なのでしょうか。 これまで大勢を斬ってきたけど、斬りたくて斬ったんじゃありません、どうかもうこのような事が繰り返されないように、と願掛けする座頭市。だけどそれをお願いする先が「金毘羅さん」。何となく、この神様の守備範囲を超えているような気も。 さらにこの後、八十八ヶ所を回る、とか言ってる座頭市ですが、本当に回っているような気配は感じられず、結局、金毘羅さん以外には四国を舞台にした理由も特に見当たらないのですが、それはともかく。 やはり自分の殺生を金毘羅さんに相談したのが筋違いだったのかどうか、座頭市が旅すれば、やはりそこには死人が出てしまう。残されたのは彼の馬と、座頭市。登場人物はなかなか増えず、物語が動き出す気配もまだない。一向にエンジンがかからない本作。いつもとはだいぶ雰囲気が違うなあ。 馬について旅する座頭市がたどり着いたのが、彼を襲った男の家。そこには妹がいて、紆余曲折の後、何となく二人はイイ感じに。うれし恥ずかし水浴シーンとか(別にエロい描写は何もないけど)、座頭市がめっきり「青春」してしまってるではないですか。こんなヒトだったのか、座頭市。 ついでに、シリーズ恒例の(今の観点では問題の多い)盲目ネタも、本作では、まるで初めて思いついたかのごとく、しつこく繰り返されて。新藤兼人は、これがシリーズものだということをわかってるんだろうか。わかってるからこその独自色、なのかも知れませんけれども。 悪役の親分格が、山形勲。ガサツで粗暴だということはわかるけど、そんなに極悪なんだかどうなんだかが、よくわからない。単なるガキ大将、ってのが正直な印象。 クライマックスでは当然のごとく、山形一味と座頭市が対決するのですが(オープンセットなのかロケなのか? 雰囲気よく出てます)、ここでまた妙なヒネリが加えられていて、「村人はみんな隠れてしまい、座頭市がひとりで戦うことになる」という展開。真昼の決闘の見過ぎ、ではないでしょうか。どうせ座頭市だから、ひとりで充分、敵が何人いようと勝つに決まってる。と我々は思うけれど、新藤兼人は思わなかったのか。 ま、脚本がそうなっている以上、座頭市も今回は若干、危機に陥ったようにも見えるのですが、ヒロイン、そこで大暴走。座頭市を見捨てるのかと村人を焚き付けまわった挙句、何を勘違いしたか、はっちゃく親父こと東野英心(クレジットは東野孝彦)が飛び出してしまい、案の定、一撃で殺されてしまう(オイオイ!)。 見てはいけないモノを見ちゃったような、後味の悪さ。座頭市は「よくやった」的なコト言ってるけど、いやいやいや。そういう問題では。 という、実に実にツイストの効きまくった、ちょっと困っちゃう作品でした。[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-09-13 14:04:05)《改行有》

12.  座頭市関所破り 冒頭、行きずりの男から手紙を託されたり、はたまた宿で女性と相部屋になってしまう座頭市。こういったエピソードがうまく絡み合っていき、剣豪風のライバルも1~2名ほど登場したりして、なんだかよく出来たオハナシのような気はするものの、その割にはピンと来なくって。 大映の「準主役級俳優の層の薄さ」みたいなものが、こういう映画ではどうも悪い方に出てしまいますね。座頭市以外がなかなか目立たない。あまり大映のイメージが無い平幹二朗がライバル格だけど、端正で行儀よく、そしてイマイチ目立たない。 そんな中で、上田吉二郎のダミ声が唯一、存在感を示していますが、このヒトも、大映映画だったらやはり、ガメラ対ギャオスの方が光ってましたかねえ。 ついでに、何のために出てきたのかワカランけれどとりあえずそれなりに目立ってしまっているのが、「青火がパーッ、ボヤがポーッ」でお馴染み、ダイラケ師匠。ただしストーリーにはあまり絡まない、単なる賑やかし。 という訳で、せっかくのよくできたオナハシの割には、どうもチグハグな印象。ラストの殺陣も、もう一息盛り上がるかと思ったらいきなり終わっちゃうので、なーんか、不完全燃焼。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-08-31 21:02:45)《改行有》

13.  座頭市鉄火旅 《ネタバレ》 仕込み杖の刀に寿命がきて、もうあと一人切ったら、折れてしまう、という設定が、劇中で無闇に殺陣を演じることへ制約を与える一方で、シリーズに新たな色合いをもたらしています。刀の秘密を知るのは、座頭市と東野英治郎演じる刀匠、ただ二人。周囲は「これがあの座頭市か」と一目置いておべっかを使いまくり、しかし実際にはあの刀にはもはや頼れない、という、何とも言えない居心地の悪さ。 一方で、悪玉の親分がしゃべろうとするのを、マッサージ中の座頭市が首を振り回してマトモにしゃべれなくしてしまう、なんていう悪乗り気味のギャグをかましたりもして。 東野英治郎との関係も作品に微妙な変化を与えていて、座頭市は彼のことを信頼しているようだけど、ホントに信じていいのかどうなのか。「これは師匠の作だ」とか言って仕込み杖を借りたはいいけど、もしかしてそのままパクろうとしてるんじゃないの、とか。でもこれがしっかりと、重要な伏線になっている。 クライマックスでは、新たな剣を手に、ここまでのうっぷんを晴らすかのようにダイナミックな殺陣が繰り広げられます。本作の音楽は、伊福部昭ではありませんが、怪獣映画のような音楽をバックに、ノシノシと路地裏に踏み込んでいく座頭市の姿は、迫力ありまくりです。[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-05-06 17:41:55)《改行有》

14.  三度目の殺人 《ネタバレ》 三度目の殺人、って何がどう三度目なんでしょうか。Ⅾ・フィンチャーの『セブン』みたいなシステムですかね、これは。 顔のアップが多い、顔面映画です。表情だけで画面の緊張感を持続させなきゃいけない、ってのは、俳優さんにとっても大変だったんじゃないかと思われる、のですが、こういう時に役所広司というヒトは妙にノリノリな感じに見えてきて、ホントにこれでいいのかな、とも。それに比べると、広瀬すずは、時に表情を揺らがせつつも、相手に内心へ入り込ませない意志を表情に漂わせて、強い印象を残します。 実際、人間の表情から内面を完全に読み取ることなどできないワケで、「演技」というものはしばしばその読めないはずの内面を読み取らせんがために誇張気味に行われたりもするのですが、この映画の場合は逆に、事件の当事者たちの表情は様々な形で、内面を読み取られることを拒絶しています。だから事件の真相も、モヤモヤしたものになっています。一応は、「役所広司と広瀬すずは実は知り合い」であり、「父親に虐待されていた彼女を守ろうとした」のが一連の事件の真相、であろうという体裁にはなっていますが、では彼女の母親である斉藤由貴の、存在なり、役所広司との関係なりは、どう考えたらよいのか。役所広司と広瀬すずとは、(設定上の矛盾があろうがなかろうが)「雪のケーキ」のエピソードによる繋がりが示すように、実の父と娘の関係なのではないのか。とか・・・。雪合戦の幻想シーンや、役所広司との写真の中で示される、彼女の笑顔。 物語に登場する殺人シーンもまた、本当にそこにいたのは誰だったのか、描写が揺らいで、真相をはっきりとは示しません。ただ、血の付いた「頬を拭う」という動作が、犯罪への加担の有無にとどまらない広義の共犯関係のようなものも示していて。 ラスト近くで、福山雅治の顔と役所広司の顔とが、両者を隔てていたはずの仕切りへの映り込みによって重なるのですが、ここも、両者が重なっているようでもあれば、福山雅治が重ねようと顔を近づけるたびに役所広司の顔が離れていき「重なること」を拒絶しているようもであり。 役所広司の内面に繋がっているのであろう「十字架」のモチーフが、福山雅治の頭上でクロスする電線として示され、しかしそれを見上げる彼もまた「十字路」のど真ん中に立っている・・・。[地上波(邦画)] 7点(2019-12-17 21:42:06)《改行有》

15.  残穢 -住んではいけない部屋- 日常にひそむちょっとした「恐怖体験」を掘り下げてみると、因縁めいた話が底知れず広がっていく、というオハナシ。 原作はルポルタージュを装ったような文体で書かれたフィクション(ですよね?ははは・・・)で、怪談らしいボヤっとした話が、ボヤっとしつつも不気味に連鎖し繋がっていく、というところが特徴。山本周五郎賞受賞など、結構、評判が良いようですが、ごめんなさい、私自身はもうひいとつピンと来なくって。 「これがもしホントの話だったら、コワい」+「実話っぽい書かれ方をしている」=「だからコワい」、ってな側面がこの小説にはあって、結局、「読み手がこれを実話であるかのように捉えられるか否か」にかかっているみたいなところがあり、どうもそれは、小説というものの持つコワさとは少し違うもののように感じられちゃう。 で、本作。かなり原作に沿って映画化しているので、その点、さらに弱い印象。主人公のポツポツとした独白を交えて進めていくあたりは、さしずめ「あなたの知らない世界 THE MOVIE」といった感じがあるのですが、「あなたの知らない世界」が妙に怖かったのは、実話っぽいかどうかというよりは、恐怖体験とやらをごく短いドラマに仕立てて素材のまま投げ出したような生々しさと、「なんでこんな番組を真っ昼間にやってるんだ」というワケのわからなさにあった訳で、そういう意味でも、それと同じような世界を長編映画に引きのばしちゃった時点で、ちょっと不利。 闇にうごめく人影様のものの描写など、映像作品らしい味付けもあるんですけどね。あるんですけれど、「結局、そういう描写に頼っちゃうのか」という不満もあって。ここぞというシーンでそれを見せるのならともかく、最初の方からそれを画面の賑やかしのように出してしまう。 ところで、「久保さん」が映画では女子大生になってて、「なんで大学生がこんな広いマンションに一人で住めるんだ」とか思っちゃうのですが、この女子大生が、原作の「久保さん」とは異なってイマイチ何を考えているのかよくわからんまま、原作の「久保さん」みたいに気がついたらアチコチの場面に登場してて、そこは何だか妙に面白かったです、はい。[CS・衛星(邦画)] 4点(2019-10-20 02:28:01)《改行有》

16.  座頭市二段斬り ヒロインに相当する役が「連想ゲーム」でお馴染み坪内さん。座頭市に好敵手に相当する役がこれまた連想ゲームでお馴染み加藤さん、ではなくって、「ヨシ、ワカッタ!」でお馴染みの方の加藤さんなのですが。こういった、本来なら物語で大きな存在感を示すであろう登場人物たちが、もうひとつ目立ってなくって、それはひとえに、「桃屋のCM」でお馴染み三木のり平が、あまりにも存在感を出しまくっているから。 彼の娘役の少女がやたらと歌がうまくって、それがまあ、顔を見たら、小林幸子なワケです。ホント、このヒト、変わりませんね。これは、当時から老けてる、という理解でよろしいのでしょうか。 この父娘の存在が、本作では際立ってます。特に三木のり平。はたしてこの物語は、彼を最後まで生き残らせるのか。それとも途中で殺してしまうのか、そのどちらの展開をとるかで、映画が比較的明るい基調の作品となるのかどん底の暗黒作品となるのかの、大きな分かれ目になります。小林幸子がどうなろうと、もう、知ったことではありません。 それとは別に、演出面では、手持ちカメラのちょっとアングラっぽいシーンがあったりして、こういうのは独特のイヤラシサがあって、いいですね。[CS・衛星(邦画)] 6点(2019-10-12 12:04:18)《改行有》

17.  座頭市あばれ凧 いつも誰かに命を狙われている座頭市、今回もいきなり銃撃を受けて負傷。それが縁となって、川渡しを仕切る親分のもとに居候することに。 坊主頭にズングリ姿の勝新が居候しているのを見てると、なんだかドラえもんみたいに見えてきちゃうんですけどね。 例によって例のごとく、ガツガツとモノを食らう座頭市の健啖ぶりが、圧巻です。白ご飯だろうと何だろうと、ドラ焼きのごとく食って食って食いまくる、このバイタリティ。 でまあ、居候生活が平穏に続く訳もなく、座頭市の前にはいつも事件が待ち受ける。縄張り争いの果てに、ついに血で血を洗う惨劇へとなだれ込むことになるのですが、恩人の復讐に立ち上がる座頭市、明るい場所でも充分強いのに、視界の効かない暗闇では、もはや鬼神のような強さ。あの「暗くなるまで待って」ってのはもしかして座頭市をヒントに作った舞台&映画なんですかね(多分違うと思う)。それはともかく、暗がりの中で、刃先に蝋燭の炎を載せた仕込み杖を振り回すと、それにともなって照明を切り替え、まさに光の乱舞ともいうべき殺陣を展開してみせてくれます・・・。 とは言え、このクライマックスを除くと、もうひとつ中身が薄い気もしなくもないんですけどね。 あの、急に川に入って、急に水に潜って、ユルユルと敵を切りまくる、水中殺陣のシーンだけは、何がしたかったのかよくわかりませぬ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2019-07-24 20:07:40)《改行有》

18.  座頭市兇状旅 《ネタバレ》 川べりのボロ家を刺客たちが取り囲むクライマックス、このシーンだけでも、ああ観てよかったと思わせるカッチョ良さ。 と、ロケシーンも良ければ、屋内シーンもやけにキマってて。 本作、ニセ三船敏郎みたいな浪人のライバルが登場して、剣豪らしい雰囲気をビンビン感じさせますが、いやこれがホンモノのミフネだったら、どういうキャラか想像もつきそうなもんだけど、何せニセモノだけに(と、勝手にニセモノ呼ばわりしちゃってますが)、敵なのか味方なのか、好敵手なのかそれほどでもないのか、見当がつかないのが、かえって面白かったりします。 で、虚しさあふれる結末を迎えたあと、座頭市は陽気にふるまってみせながら去っていきますが、盲目である彼の手に、もはや仕込み杖はなく、一体どこへ向かって行けばいいのか、何とも言えぬ寂しさが漂います。[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-02-26 21:07:04)《改行有》

19.  ザ・ドリフターズのカモだ!!御用だ!! ドリフ映画って、東村山音頭で志村けんさんがブレークする前に終わっちゃったので、加トちゃん中心、ということになるのですが、あと1年、シリーズが続いてたら、どんな映画になってたんだろうな、なんて思ったり。 子どもの頃、年末年始によくテレビでドリフ映画を放送してて、正直、8時だヨ全員集合とかドリフ大爆笑とかから期待するほどには面白くないな、とか思ってたんですが、逆に言えば、テレビみたいなドタバタオンリーではなくって、ちゃんと物語に仕立てている。 とは言え、本作などでも、ラストの結婚式場での騒動なんか、もはや、なぜこんなところでこんなメチャクチャやってるのか、もうワケがわかんないんですが。 それにしても、笑いには厳しいといういかりや長さんがなぜ、決して5人が5人ともが名コメディアンとは言い難いこのメンバーでドリフやってるんだろう、と思ったりもするのですが、こういう映画を観てると、確かに5人の個性がうまく分かれていて、それぞれの役にピタリとはまっている感じがして、ああ、長さんはこういうチームプレーを目指してたんだな、と改めて思います。中でも凡人の代表みたいなブーさんが、映画では意外にいい味出してたりして。 でもって、いかつい顔の長さんが、イジられてナンボ、ヒドい目にあわされてナンボ。特にこの作品では刑事役なもんで、少し銭形警部なんかも思い起こさせるものがあったり。そう、ギャグの中心を担っているのは加トちゃんのようでいて、実は長さんが周りと「ズレてる」ところにこそ、オモシロさがあったりする訳で。 そうは言っても、やっぱり、それほど面白くないんですけどね・・・[CS・衛星(邦画)] 6点(2018-01-10 22:25:33)《改行有》

20.  座頭市果し状 《ネタバレ》 いつも通りの量産型大映時代劇(これは決して悪い意味ではないのです)の雰囲気ではありますが、志村喬がいて、待田京介とか、それこそ小松方正なんかもいたりするゴチャマゼ感、多彩な顔触れが楽しいところ。 座頭市が志村喬演じる医者と一緒に居てるんだなーと思ってたら、今回の敵の一味には手裏剣や銃といった飛び道具を使うヤツがいて、そんな奴らを相手にしてはさすがの座頭市も危ういのではないかと思っていたら案の定、銃で撃たれて深手を負ってしまう。ああ、だからそもそも志村喬が医者役だったんだな、と妙に納得。だけどここで、待ってましたとばかり志村喬が治療する場面になる訳ではなく、あえてその前に、座頭市が自分の刀で自ら弾丸を摘出するシーンを入れてくるのが、意表をついているというか、ちょっとした変化になっていて、上手いんですねえ。 中盤、勝新が、手元を見ずにお猪口に酒をピタリと注いでみせる、こういうでの場面のスゴミが、盲人である座頭市が飛び道具を操る一味と互角に渡り合うスゴミや得体の知れなさとも繋がり、そしてクライマックスにおいて血塗れのまま敵地に向かう座頭市の姿の凄まじさにも繋がっていく。そこで展開される殺陣もこれまた凄まじく、まさに大殺戮。東映の任侠映画みたいでもあり、こういう点でもゴチャマゼ感覚があり、いや、楽しいではないですか。[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-12-02 16:16:53)《改行有》

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS