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プロフィール
コメント数 3872
性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  長屋紳士録 《ネタバレ》 迷子になったのか、それとも親に捨てられたのか、という少年。とある長屋に連れてこられ、よりによって、長屋でも一番コワそうなオバチャンが世話をする羽目になる。まさに、鬼ババアってヤツです。バカだの、汚い子だのと、まあボロクソ。そのやり取りが、何とも可笑しいんですが、見てるうちに何だかホロリと来ます。いやこれがホントに。 最終的に描かれるのは、やはり、別れ。一刻も早く出て行って欲しい時には別れられないのに、別れたく無くなったときには、別れざるを得ない。結局、家出後の再会も、動物園も、写真館も、すべては別れへの前奏曲だった、ということでしょうか。 少年の父親が突然現れ、形式的な挨拶をし、別れ自体は機械的に進められていく。ここでこれが、娘を嫁に出す笠智衆だったら、絶対に涙を見せず寂しい笑みを見せるところですが、そこは鬼ババアですから、鬼の目にも涙、ってヤツです。 戦後の混乱期、ならではのオハナシでもありました。 ところで、こうやって見ると、小津作品でもフォーカス送りって用いられてるんですね。茅ヶ崎から帰ってきた場面で、奥の人物からゆっくりと手前の人物へとピントが移動したり。手前の鉄瓶から奥の人物へとピントが移動したり。[インターネット(邦画)] 9点(2022-05-23 22:44:43)《改行有》

2.  南国土佐を後にして 若い頃の小林旭はマジでカッコいいですねえ。鋭い眼光、眉間のシワ。え、それは天知茂も共通でしょ、だって? いや、そうなんですけど、やはりアキラは別格。クールさの極致。ある時期以降の小林旭とは到底、同一人物と思えないのですが、その「ある時期」がいつだったのかが、これまたよくわからない。 アキラが若ければ、浅丘ルリ子も若い、南田洋子まで若い! なんとペギー葉山まで若いぞ! と言いたいところだが彼女だけあまり若く見えないのはどういう訳か。スミマセン。 それはともかく、小林旭演じる主人公が出所するところから物語は始まります。菅原文太が出所する場面は何度も何度も見た気がしますが、これは日活作品。 この主人公が高知に帰るものの、前科者ゆえ、なかなか社会復帰できない。というより、前科を利用したイヤガラセを受け、真っ当の人生を送ると誓った彼の心もつい、折れそうになる。高知を後にして再び東京に舞い戻った彼。しかし、かつての仲間からの誘惑は続き、彼のフィアンセ奪おうとする内田良平一味も彼をつけ狙い続ける。 殴り合い、取っ組み合いのアクションも見どころですが、なんと言ってもダイスの勝負が圧巻。代役を用いず、アキラ自身が見事なダイス捌きを披露して、『スティング』におけるポール・ニューマンのカード捌きにも全く引けを取りません。この見事なダイス捌きがあってこそ、勝負の場面でも緊張感が高まるというもの。 カリスマ性を感じさせるに充分な小林旭の存在感が、光ってます。[インターネット(邦画)] 7点(2022-05-14 09:15:11)《改行有》

3.  七つの弾丸 冒頭から、一人の男が銀行強盗を企んでいるらしい様子が描かれます。 スタンドの光の中、拳銃の準備をする彼。並べられた七つの銃弾。この銃弾によって、何人かの人の命が奪われるかも知れない。犯人の男のこれまでの何十年かの人生が犯行によって大きな岐路を迎えるだけではなく、犯行で何人かの命が奪われれば、その人数分だけの何十年かの人生がそこで途絶えてしまう。 という訳で、決行の日に向かって、犯人の様子に加えて、後に犯行の犠牲となる人びとの姿や人となりが並行して描かれる、という、なかなか異色の映画。 例えばチャンバラ映画の中で主人公に斬られる「敵の手下ども」なんて、まさに斬られてナンボ、斬られるためだけに存在し、彼らの人生なんて映画の中では意味を持たない。映画の中で死ぬ「巻き添えを食う通行人」なんてのも、それに近くって、時には、残された者の涙くらいは描かれるとしても、大抵、本人の人生などそこには無い。それがお約束。 しかし実際の世界はそうではなく、事件の主役であろうと脇役であろうと、人それぞれが自分の人生においては主役であり、自分の物語を紡いでいる。それをちゃんと描いたらどうなるか? そんな作品です。 あとには虚しさしか残らない。そんな作品。[インターネット(邦画)] 7点(2022-04-10 12:53:59)《改行有》

4.  ならず者(1964) またも香港ロケ、と聞くと、もしかして同年の作品『東京ギャング対香港ギャング』の余りフィルムで一本、でっち上げたのではないか、などと邪推をしてしまうのですが、おそらくそんなことは無くって、あのザラつきまくった映像は今回は見当たりません。 が、ロケならではの独特の雰囲気(どこかアヤしく、いかがわしさも感じさせる)、ってのは本作でもしっかり味わう事ができます。 特に今回は、香港から横浜、さらにはマカオ、という、ある意味フルコース。 主演の健さん、いかにもギャングです、という格好をした、一匹狼。まずは殺しを成功させるものの、思わぬ展開が待ち受ける。 基本、スマートでクールな役柄ではあるのですが、殴り合い取っ組み合いのシーンがなかなかに凄まじい。中国人の婆さんをシバキ上げる場面の容赦の無さ。丹波哲郎と殴り合う場面などもヒヤヒヤさせられます。終盤の乱闘の激しさもまた。 いや、この作品、カッコいいです。[インターネット(邦画)] 7点(2021-12-21 23:00:02)《改行有》

5.  長脇差忠臣蔵 キャストを見れば、雷蔵・本郷功次郎・勝新の若手三大スター共演、と誰しも思うところですが・・・雷蔵以外の二人、完全にチョイ役で、待てど暮らせど出てきません。しかし心配するなかれ。多彩な脇役たちが登場し、映画を盛り上げてくれます。 タイトルは「忠臣蔵」となっていて、また実際、忠臣蔵を元にした物語なのですが、時代は幕末に置き換えられ、任侠モノとして作られています。これが意外にピタリとはまってて、うまいんです。掛川の次郎吉親分が、老中にたて突いたばかりに、理不尽に処刑されてしまう。次郎吉一家は解散し、子分たちは身をひそめながら、復讐の機会を伺うのですが、その間、周囲の誤解をじっと耐え忍ぶ姿、確かに忠臣蔵テイストを堪能できます。しかもこの復讐劇、やくざ風情が老中に立ち向かおうってんだから、本家忠臣蔵以上に大それた無謀な計画、テンション上がりまくりなのです。しかしこの無謀さが無謀なだけに終わらないのが、やはりこの幕末という時代のなせるわざ。ここにさらに、清水の次郎長親分なども登場しちゃったりして、もう何でもアリアリのハイパー忠臣蔵。 敵役の配置も本作の面白いところで、「討ち入り」に向けてただ「浪士」が潜伏してるんじゃなく、敵方もその間、追及の手を緩めない。うん、この作品、スパイ映画でもあるのです。中でも光るのが、好敵手・天知茂。もちろん、上田吉二郎オヤブンの極悪ぶりがあってこそ、この知的なクールさが光るところでもあるのですが。 という訳で、これは、楽しめますよ。[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-07-17 15:37:05)《改行有》

6.  浪花の恋の物語 タイトルだけ聞くと何だか軽くてヌルそうな感じですけれども、実際は文芸調の重みのある作品。悲恋の物語がじっくり描かれていき、じっくり描かれるからこそ、物語が後半の主人公たちが追い込まれてく姿に収束していく時のその絶望的な流れに、格別なものがあります。主人公の行動は、客観的に見ればいたって浅はかでどうしようも無いものではあるのですが、ここではその短絡的で直情的な行動が、絢爛たる花街の完成されきった世界の描写の中で対比的に描かれることにより、その無力さ、果敢なさが浮き彫りとなって我々に迫ってきます。圧倒的な非人情の世界の中に放り込まれた、無力な二人の姿、その世界に抗おうとして敗れ去る二人の姿。そしてその世界と、二人との間に位置する観察者としての近松門左衛門の存在が、またこの映画の物語に厚みを加えています。ラスト、彼によってこの事件が脚色された文楽が上演されている。(あるいは実際の事件の顛末を知ることなく)この舞台上の物語に魅了され感動している観客たちの姿と、実際の事件と自ら脚色した物語との違いを知る近松の最後の表情。彼の表情の奥にある心の慟哭こそがこのシーンの多層性、とも言えるのですが、それにとどまらず、現実の事件に触発されてひとつの作品が作られることそのものの感動もまた、ここにはあります。実話を元にしたなんて言うと、得てして「表面的」とか何とか批難されたりもするのですが、実際の事件を作品でそのまま再現する「リアリティ」が重要なんじゃなくって、それこそ様式化された人形劇へ置き換えちゃったってまるで構わない。実際の事件におけるある感情の一面、それは単なる一面に過ぎなくとも、作品として再構築され普遍化されて、人々の感情へと刻み込まれて永遠化していくということ。その感動ですね。[CS・衛星(邦画)] 9点(2014-11-26 01:39:21)

7.  南極物語(1983) 昔むかし、その昔、TV番組「題名のない音楽会」で司会のマユズミ御大が、本作の音楽を評し、こんな単調な音楽でヴァンゲリスは莫大な報酬を得たんだ、ってな事をおっしゃっていて、確かこの時のオチは、“それに比べ自分が薄謝で作曲した日テレスポーツのテーマ曲は未だに使われている”ってな事だったかと(ちょっと記憶あやふや)。お怒りごっとも、でもこんな雄大な映像がつけられちゃ、大抵の音楽は感動的に聴こえるってなもんです(?)。と言う訳で、とにもかくにも、雄大な自然。『八甲田山』まではいかないにしても、それに次ぐような、ド根性ロケ映画です。南極に置いて行かれた犬たちのサバイバル物語で、犬たちは次々に命を落として行っちゃうけれど、決して暗い内容ではなく、むしろ目を引くのは、大雪原を走る活き活きとした犬の姿、その生命力。それに比べると、日本に帰った人間たちのドラマ部分の、何とも不自由なことよ。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-07-24 23:17:31)

8.  長靴をはいた猫 80日間世界一周 ハリウッドのシリーズ映画ってのもバカにできないのは、ちゃんと「前作以上のものを」と、完成度の高低はともかく、手間暇コストはかけて頑張ってます。噂によると初期のスタートレックシリーズなんかは例外のようですが。あ、あと『スーパーマンIV』、あれはもう完全な事故ですね(笑)。で、この、我らが『長靴をはいた猫』シリーズ。3作目に至って、クオリティの低下は明らか。何しろペロの声がなべおさみ、だなんて。って、それはどうでもよろしい(TV番組「生きものばんざい」を楽しんで見てた頃は、まさかあんなに悪いヒト(笑)だとはつゆ知らず)。そうではなくて、アニメーションのクオリティ。テレビ向けのような作業効率優先が感じられ、惰性によるシリーズ化、何かと制約が多くなってしまうのか。しかししかし、やたらと世界一周の行程が早く描かれていくと思ったら、クライマックスに見せ場が待っているのですね。手に汗握る、時計塔での追いかけ合い。世界一周の旅を約束の期限内に終えるには時計台に登らならければならぬ、それを何が何でも阻止しようとするモンスターのようなグルーモン卿。第一作『長靴をはいた猫』の圧倒的なクライマックス、あの興奮を蘇らせたいという作り手の思いが伝わってくる、見事なシーンだと思います。[DVD(邦画)] 7点(2013-09-22 09:06:00)

9.  なにはなくとも全員集合!! むかし年末年始のテレビでよくドリフの映画を放送してて、子供心に、「ドリフって、テレビでは面白いのにどうして映画ではこうもつまんないんだろう」とか思ってた訳です(『正義だ味方だ~』みたいにバカ笑いしたものもありますが)。大抵は途中で観るのをやめちゃったっけか。で、このたびBSで(しかもゴールデンの枠で)ドリフ映画を放送するってんで、こういう映画、今観たらどうなんだろう、と。はい、この映画は観たことなかったです、かつ、子供の頃の自分だったらやっぱり途中で観るのやめちゃったと思います、ドリフ、脇役だもんね。桃屋のオジサン出てるけど(笑)。あまりドタバタの要素も無いし。でも逆に言えば、「ドリフ映画」という縛り抜きで、これはこれで活きのいいコメディ作品として楽しませてくれます(まあ、タバコの取り合いをする長廻しのあたりなどは、コントを意識したサービスかも知れませんが)。鉄道職員とバス会社の対立を超えて愛を実らせる若い二人……って、コレ、元ネタは「ロミオとジュリエット」じゃないですか。志ん朝師匠と中尾ミエですけど(笑)。若いドリフが脇を固めて盛り上げる。それにしても、(ドリフのコントと“映画”との相性が良いかどうかはともかく)高木ブーだけは、テレビよりも、ちゃんと役割を振ってもらえる映画の方が、若干、活き活きしている(ように見える)のでした。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-06-09 08:22:25)

10.  楢山節考(1958) 《ネタバレ》 どうみても書割チックな背景、あまりにも明らかなセット撮影に、とりあえずはビックリするんだけれども。でもすぐに、この作品は決して「まるでドキュメンタリみたいだね」という意味でのリアリズムを狙った作品ではないこと、舞台のイメージで作られていることがわかります。いやむしろ、観ているうちに、この世界観に呑まれていき、そういう違和感自体がわかならくなっていく。そしてクライマックスの雪山の描写に至っては、これはまさに圧巻で、セット撮影はここまで表現できるのだ、という凄みに圧倒されます。で、全編の物語が、閉鎖された舞台の世界、完結した説話の世界として、描かれていたものが、最後に、実際の「姨捨駅」が写されることで、現実世界との接点を突き付けられる、という訳ですが。しかしまあ、この「姥捨駅」と、年寄りを山へ捨てたという姥捨て伝説とは関係ない、とか。そもそも姥捨てなどという風習が実在したのか、しなかったのか、とか。そういう声もあるのですけども、映画としての効果たるや、ドキリとさせられて、これは絶大なものがあります。ただ……勢いあまって隣人の息子を殺してしまうのは、ゴメン、かなり笑撃的でした(笑)。でもどうしてこんなエピソードにしちゃったの? 深沢七郎の原作を読んで感じるのは罪悪感。納得して捨てられに行く母親、そこに雪が降って「良かった」というラストは、まさに表面だけのハッピーエンドで、一皮めくればすごそこには残酷さがある。捨てられてハッピーな訳ないもんね。この残酷さの中に幸せを感じ取らねばならないことほど、残酷なことはないもんね。そしてまた結局は、捨てる側の立場としては、崖から親を落とすのと、山に置き去りにするのと、大差ないもんね。読んだ瞬間、ハッピーエンドを感じてしまい、次の瞬間、こんな残酷な物語にそれを感じてしまった自分に対し、罪悪感を感じる。しかるに本作、「隣人殺し」のエピソードを描くことは(つまり残酷な隣人と母想いのオレとは違うのだ、という主張は)、本当に必要だったのかしらん???[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-05-27 09:08:55)

11.  ながぐつ三銃士 東映アニメーションのトレードマーク、長靴をはいた猫“ぺロ”の活躍を描くアニメ映画第2弾。第1作のクオリティの高さたるや、ほとんど衝撃的とも言うべき奇跡的作品だったので、インパクトの面でどうしても続編に分が無いのだけど(実際、第1作には到底かなわないのだけど)、でもこの第2作も動きの細やかさは健在、アニメーションの楽しさを堪能できます。今回の物語は、三銃士、とは全然関係なくって、西部劇ですね。西部劇らしく盛り上げようとすればするほど、何だかマカロニ風味になってしまうのですが・・・。ま、それもまた楽し。作品の長さがもう少しあってもよかったかな、という点での若干の物足りなさを除けば、ほぼ満足。とにかく、この楽しさが貴重、ですね。[DVD(邦画)] 8点(2011-03-30 22:50:06)

12.  楢山節考(1983) 小説『楢山節考』と比べてしまうと、どうしても、“悲惨さ”の印象が強くなってしまいがちなのが、映像化ということの宿命か。要するに、小説、映画、それぞれの持ち味があるわけですけれども。それにそもそも、深沢七郎の小説における、人の生死を淡々と描くあの超然としたニヒルさの裏には、それに匹敵する憐れみの心が感じられてならないし、その相反する両者の帰着が独特のアナーキズムに結びついているのでしょう。本作では、土俗的なエネルギーを映像化することで、ほとんど呪術的なエゲツナサにまで発展してます。まあ、ここまでくると、監督の趣味もだいぶ入っているのかもしれませんが(笑)、「どひぇー、日本ってこんな国だったのか」と外国人をビビらせるにはもってこいの映画であります。個人的には、モノクロで撮ってくれた方が、何がしか「キレイな」作品になったんではないかといく気もしますが。[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-12-30 17:44:53)

13.  ナージャの村 ベラルーシのとある村の日常が、静かに描かれています。まさに、それだけ、です。なんの変哲も無い村なのですが、普通とは異なった点が。それは、住人の数が奇妙に少ないこと、村の入り口の道にはゲートが設置され、監視下におかれていること。そして、これは目に見えないのだけれども、かつてのチェルノブイリ原発事故により、放射能汚染されていること・・・。このドキュメンタリー映画は、原発をことさらに非難しようなどという姿勢は見せていません。ただ、かけがえのない「日常」、おそらくはいずれ近いうちにこの地上から姿を消すであろうある村の「日常」を、淡々と記録しています。視点は冷静、克明ですが、その背景に何か、いとおしむような感じを受ける映画です。文明をより享受している我々日本人の方が、本来なら原発とは密接な日常を送っていそうなものなのに、たまたまチェルノブイリと「距離的に近かった」彼らの方が結果的に、取り返しのつかないまでの影響を受けているとは、皮肉な話です。しかし、この透き通るような映像を見るにつけ、「現在」の大事さというのも強く感じ、「観る」という行為自体を、改めて強く意識させられます。・・・とは言え、一番強く印象に残っているのが「パンチラ」と「豚の丸焼き」とは、我ながら情けない。とほほ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-03-31 22:57:39)(良:2票)

14.  NAGISA なぎさ 「昭和」の匂いが希薄なのが、どうしても残念に思えてしまいます。やっぱりどうしても期待しちゃうんですよね、映画全体から懐かしい雰囲気が滲み出て、自然に「昭和」を感じさせてくれるのを。でもここでは、『恋のバカンス』その他でちょろちょろっと「昭和風味」に味付けしただけで、その味が映画の中まで染み込んでない感じ。それこそ、どっかのさびれた観光地の観光パンフの写真なんかの方が、よほど見事に「昭和」が炸裂してたりします(←単に写真を差し替えてないだけですね。ははは)。それに、ここに出てくる子供はみんな一人っ子みたいなんですが、これもピンと来ない原因のひとつ。という訳で、むしろ「今」の匂いを感じちゃうんですね。ストーリーの方も、何だか甘いというか、主人公の少女の成長を描くのはいいのですが、あんまり安直に「成長」しちゃうと、少女の個性自体が見えなくなってしまう。「個性」がはっきり示されてこそ、「変化」に重みが出ると思うのですが・・・。少年とのエピソードの展開も何だか予想通りすぎて逆にしっくりこない。とまあ、あれこれケチつけたわりには、実はこの映画を何とか誉めたい気持ちもあるんですけどね。賑やかな海水浴場でのバイト生活と、ひと気の無い波打ち際での少年との密会生活(?)、など、少女は、大人への成長過程で次第にいくつかの生活ステージを並行して持つようになっていきます。それが映画でもうまく並行して描かれるのが、何だか心地よいのです。少女のボクトツとした好演も良(一応あれは好演なんだよっ!と言い切る)。そしてラストシーンの印象的なこと、これは特筆すべきでしょう。6点(2004-09-12 00:05:11)

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