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コメント数 3873
性別 男性
年齢 53歳

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301.  酔いどれ天使 黒澤映画っていかにも演技が「芝居じみた」感じがあるのですが、この映画の志村喬、大袈裟に「フン!」と鼻を鳴らして大見得を切ったり、ちとやり過ぎ(鼻を鳴らすんじゃなくて、明らかに「ふん」と言ってます)。まあしかし、この映画がこれ程印象的なのは、そういうややコミカルな志村と、殺伐とした三船との関係など、その強烈な「対比」にあります。白眉はなんと言っても、例の、状況にまったくそぐわない音楽「カッコーワルツ」の挿入ですね(何しろインパクトあり過ぎて、街角の信号が「ピッポー、ピッポー」と鳴っているのを聞いただけでこの映画を連想しちゃうのよね)。今、映画で同じ事やったら随分ベタな映画になるかもしれませんが、つまりそれだけ、こういう表現方法が定着してきたという事でしょう。8点(2003-12-20 08:11:13)

302.  大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス 《ネタバレ》 コレ、マジで大好きなんですよね~。「ガメラは子供の味方」という設定が前面に押し出され、いやはや、ボクのレベルにピッタリ。哀しいまでに、凶悪怪獣ギャオスと人類の戦いが描かれ、↓shakuninさん仰るとおり亀怪獣は戦いに参入するもヤラレまくり。超音波で腕半分くらい切られかけて可哀相なのよね。ギャオスは首の骨が2本あってこれが音叉の役割を果たし超音波を出す(そんなバカな)。が、そのせいで、首が回らず後ろを向けないという弱点があるらしい(じゃあガメラは首が回るとでも言うのか?そんなシーン観た事無いね。あ、平成ギャオスは首が回るので憎たらしい)。とにかく強いギャオス、足指を亀に食いちぎられても再生してしまう生命力。しかし、水に弱いバルゴンに引き続き、今度のギャオスには光に弱いという致命的すぎる弱点が!(後のジャイガーと言い、どうしてこんな情けない弱点が多いのか…)。さてさて、土地の値上げを画策する強慾ジジイの孫の少年が本作の主人公。↓へちょちょ星人さんは少年が勝手につけた名前が定着しちゃう安直さを指摘しておられるが、最近でも「多摩川のアザラシ=タマちゃん」という情けないフィーバーが日本中に起きたくらいだから、あながち無い話とは言えませぬぞ(←いやいや、無いってば)。さて件の少年、クソ生意気ながら結構泣かせてくれます。人類で始めてガメラの背に乗って飛行。「目が回らなかった?」「ガメラはグルグル回らず飛んでくれたから大丈夫だったよ」「グルグル回る?そうか!」とこんなクダラナイ会話からギャオス撃退法を思い付いてしまうオトナたち。案の定失敗。売り惜しみしてた土地が怪獣騒動のため売れなくなり、村民どもが強慾ジジイのもとに殺到、「責任取れ!」そこに少年、「オマエたちだって欲張ったんじゃないか!ジイチャンばっかり虐めるな!」とオモチャを投げ付け号泣(このシーン泣ける!)。一同解散後、画用紙にギャオス撃退シナリオを書きはじめる神憑かり的な少年。「山火事を起こせば、ガメラは火が好きだからきっと来てくれるよ」「山火事なんて簡単に起こせるもんじゃないのよ」「いや簡単だよ、ウチの山を燃やせばいいじゃないか!」それを陰で聞いていたジジイ、ついにある決断を・・・いやあ、泣けるじゃないですか! そんなわけで、怪獣と人類の対決をいろんな意味でドラマチックに仕上げた、希有の一本ではないかと。 8点(2003-11-15 10:22:24)(笑:1票) (良:1票)

303.  天国と地獄 映画のどこを切り出しても隅々まで面白さに満ちています。身代金を払う決意をするまでの過程すら、ものすごい緊迫感。引き続く展開も、これでもかと、ありとあらゆる手で楽しませてくれます。反面、徐々に盛り上がっていく凄み、という点では若干弱い構成で、やや強引な気もしないではありませんが、山崎努のオーラがそれを補っています。8点(2003-10-26 16:12:56)

304.  キル・ビル Vol.1(日本版) かつて確かに、映画がオモシロかった時代があった! そんな頃の映画が今、蘇る! そんな感じですかね。しゃべりタランティーノと千葉真一、今再び夢のコラボレーション。タランティーノというヒト、映画なんてダサくて下世話でダメダメなもの、だからこそカッチョいいんだ、ということをよく「知って」ます。世の中、構図がどうのカメラワークがどうのと、ちょっとしたことでチヤホヤされる映画もあるけど、テクニックそのものは芸術じゃないからね(芸術の一端ではあるけどサ)。タランティーノはそんなことにはこだわらない。自分の好きなモノ、見たいモノ、見せたいモノ、やりたい事を、映画で実現する、それだけ。記号化された世界、それもバカでカッチョいい記号が目白押し。観て怒るもよし、喜ぶもよし、苦笑するもよし。私の場合はかなり楽しめたけど6~7割くらいは「苦笑」ですかね。ところで千葉真一の英語は聞き取りにくいがきっと流暢すぎるんだろうナ。あ、そうそう、今朝テレビで桂ざこば氏が「『キルビル』は観に行くつもりだ」と言ってました。お目当ては梶芽衣子の「怨み節」のようですが、きっとウィークエンダーのテーマを聞いて涙するであろう。8点(2003-10-25 23:05:30)

305.  雄呂血 後の雷蔵版も捨てがたいが、この原典版もスゴイ。バンツマは絶対、古今東西最高のアクション俳優だと思います。クライマックスの息もつかせぬチャンバラは、人間の能力を超えてます。目が点になりました。8点(2003-10-12 10:14:22)(良:1票)

306.  ハートブルー キャメロン作品はストーリーが魅力的であっても、シーンに関しては、惚れこむような魅力的なシーンというのはあまりないと思ってるのですが、本作を見る限り、ビグローは違う。本作は殆どストーリーそっちのけで、魅力的なシーンを徹底的に詰め込んでます。つまり、観ててとにかくカッコいい、観たいものが詰まった映画。特にパラシュート無しのスカイダイブって、鳥肌立つほどカッコいいよね。8点(2003-10-12 02:16:57)

307.  シンプル・プラン 墜落セスナ機から大金を横領するところから始まって、まさに先の読めない思いがけない展開が待っていますが、散漫にならずに求心力を保っていて、ラストまでじっくりと引込まれます。ストーリー展開と人物描写の魅力を損なわぬよう、おおむね堅実な演出ですが、ここぞというところでは、ちゃんとサム・ライミらしいコケオドシの片鱗も見せてくれます。8点(2003-10-04 22:25:56)

308.  暴走パニック 大激突 クライマックスは、深作印、怒涛の「仁義なき」カーチェイス。車ぶつけられた通りすがりの一般人までカーチェイスに参加。大阪にはこんな風にカーチェイスに参加するおばちゃんが本当にいるの? もちろんいるよ! 『バニシング IN TURBO』も顔負け。聞いてるか、ロン・ハワード! ところで最後に銀行を襲うシーン、梅田東映のすぐ外です。つまり、今映画を観てるその映画館の目の前で銀行強盗が行われるという、『デモンズ』もビックリの仕掛けです。その梅田東映も今じゃ無くなっちゃいましたけどねえ。8点(2003-08-23 22:32:14)

309.  始皇帝暗殺 この話は一体どこへ落ち着くんだろう、と思って観てたら、うん、なるほど!見事な展開で、クライマックスは興奮してしまいました。途中の戦闘シーンなど、スペクタクル映画としてもサービス十分で、見ごたえあります。しかし、カメラが変わった瞬間の繋がりの悪さ、やっぱり観てて変テコですなあ。これはこれで面白いからいいけど。8点(2003-08-10 19:11:10)

310.  GODZILLA ゴジラ(1998) CGの限界を超えた違和感溢れる描写に辟易する部分もありますし、ストーリーにトホホな部分もありますが、やっぱりコレはスゴイ。日本の『ゴジラ』とは比較不可能ですが、少なくとも『ロスト・ワールド』を凌駕しようという意気込みは感じられます。最初に姿を現すシーンは『インデペンデンス・デイ』ばりにカッコいいねえ。8点(2003-07-13 15:16:23)

311.  悪い奴ほどよく眠る ああ、面白い脚本って、こう書くんだなあ、と感心した映画です。登場人物の設定が、ストーリー展開に必要充分な形で見事に配置されてます。リアリティの面からは、やや出来過ぎな設定かもしれませんが、ストーリーテリングのうまさという観点では、抜群でしょう。8点(2003-06-28 20:55:49)

312.  ペパーミント・キャンディー よく、悲しい結末の映画を続けてもう一度最初から観ようとする時、2回目は冒頭を観ただけで悲しくなってきます。結末を、私は知ってて、主人公は知らないわけですから・・・。この映画は、時間の流れと逆にエピソードを並べることで、それに似た感覚をもたらしてくれます。不必要にトリッキィな伏線を張らず、淡々とした語り口であるのが効果的で、好感が持てます。が、その分、観終わった時のダメージも大きいです。8点(2003-06-01 00:45:41)

313.  ベイビーわるきゅーれ 出演しているラバーガールのお二人が、いかにもコントじみた喋り方をしていて、なるほどコントでここぞというセリフが聞き取れなかったら命取りなので聞き取りやすく喋るのは大事なことなんだろう、と思いつつ、映画でこの喋り方というのは、違和感があるのも事実。ただしこの作品の場合、主人公の女性二人がモゴモゴという喋り方なもんで、うまく好対照になっています。もともと、ショートコント集みたいなところのある作品でもあるし、これもきっと意図的な演出なんでしょう。もっとも、モゴモゴ喋りの方は、字幕でも付けていただけると助かります・・・。 で、本当は、その対照が作品のメインなのではなくって、イマドキ女性のモゴモゴ喋りとキレのあるアクション、その不釣り合いな同居こそが、見どころ。冒頭のコンビニを舞台としたスピーディな立ち回りから、アクションも残酷描写も全開。いやあ、こういうお嬢さん、素敵ですね、ホレてしまうではないですか。 男性陣も負けてはいなくって、本宮泰風の極道芸がこれまたお見事。極道コントの一つの到達点とでも言えそうな。 ナンセンスもここまで徹底して本気でやってると、気持ちいいですね。[インターネット(邦画)] 7点(2024-05-06 18:47:24)《改行有》

314.  風来坊探偵 岬を渡る黒い風 風来坊探偵シリーズ2作目にして最終作。こんなに面白いのに、どうしてたった2作で終わってしまったのか? まあ、内容、メチャクチャですからね。あと、60分ほどの小品にしては、コダワリ過ぎ、金かけ過ぎ、だったのでしょうか。冒頭からミニチュア特殊効果で嵐に揉まれる船の描写が、なかなかの迫力です。 で、その船の沈没事件の謎の解明依頼が、千葉真一演じる探偵・西園寺五郎のもとに持ち込まれる。よりによってこんないい加減なヤツに依頼しないでも、と思うのですが、この難事件を60分ほどに終わらせるには、彼の軽薄さと強引さが必要不可欠。軽妙な会話のやりとりが、物語をグイグイ引っ張っていきます。 現地に急行する彼の前に立ちふさがる、堀越海運なる悪辣グループ。そこには案の定、用心棒のような男がいて、これが案の定、曽根晴美。千葉真一演じる主人公もインパクトある眉毛でなかなか濃い顔立ちですが、ライバル格の方も顔の濃さでは全く負けていません。この男、一作目に出てたのと同一人物なのか、それともここは一作目とは別次元のパラレルワールドなのか、イマイチ不明。 敵対グループと戦うだけなら、主人公が軽薄なだけの「任侠指数ゼロの任侠モノ」になってしまいますが、そこは「探偵」を名乗るこのシリーズ。何やら怪しいヒゲ画家の存在など、謎が謎を呼ぶ展開、さらにはアクションも散りばめられて、この短い尺には到底収まり切れない高密度設計になっていますが、それをしっかりちゃっかりさばいてしまう、手際の良さ。 何かにつけゲラゲラ笑い、まるで危機に陥るのが楽しくてしょうがないような、若き日の千葉真一。まさに、この時この瞬間にしか、作れないような映画で、2作ぐらいで終わっておいて正解だったのかも。[インターネット(邦画)] 7点(2024-05-06 08:38:56)(良:1票) 《改行有》

315.  新・座頭市物語 《ネタバレ》 剣もバクチも無類の強さを誇りながら、普段は朴訥とした佇まいで周囲をケムに巻いている、この座頭市というヒト。こういうのが一番の悪人だろう、とか思っちゃうのですが、この第3作はあまりそういうイメージではなく、どうも本気で女性に惚れ、本気でカタギになろうとしているらしい。どう転んだって、勝新が誠実であるようには見えないんですが、それはさておき、そういうオハナシ。 しかし、いろいろと過去の因縁を抱えているもんで、簡単にはカタギになれない。それでもなろうとすれば、結果的には誰かが犠牲となる。こういうヒトは宿命として、決してカタギにはなれないんですね。 割と座頭市の個人的な部分にスポットが当たっていて、かつての師匠なんてのも登場します。まあ、これがロクな師匠じゃなくって。昭和残侠伝シリーズの池部良が親分に恵まれてないようなもんですかね。 この作品ではどちらかと言うと、普段の朴訥とした雰囲気が素の座頭市で、止む無く戦いに臨まざるを得なくなる、という展開。ある意味、まとまりの良い作品になってます。ニヒルさは座頭市よりも、彼をつけ狙う男(須賀不二男)の方に漂っていて、悪役顔が見事にキマってます。[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-04-21 09:28:02)《改行有》

316.  わが青春のアルカディア 劇伴の音楽、ところどころで実際のクラシック音楽も使われていますが(一部加工あり)、冒頭のタイトルの部分でも流れるメインテーマは、クラシック音楽を元にしたパロディ風の音楽で(『ライトスタッフ』とか『勝利への脱出』とかでビル・コンティがやってた、アレですね)、冒頭の一瞬はブラームス交響曲3番の第3楽章かと思わせながら、実はマーラー交響曲5番の第1楽章が元ネタでした、というオチになる。ウム、その手があったか。とは特には思わないけど。 それはともかく。 あまり評判のよろしくない作品のようですが、個人的には割と好きなんですけどね。いや正直、子供の頃はどういう訳かハーロックなるものがどうも苦手で、TVアニメの「宇宙海賊キャプテンハーロック」なんて絶対見ようとしなかったし、銀河鉄道999の映画に毎度出てきては大きな顔してるのもイヤだったのですが、そうやってかつて距離をおいてたお陰で、多少ヘンな映画であっても気にせず楽しめるのかな、とか。内容がムダに重いように思えるそのイビツさも、今、見返せば、作品の一種の個性。作りたいものを作りたいように作ってた、その結果、欠点はあっても独特の魅力が生まれれば、それでいいんじゃないかと。 ハーロックとトチローの出会いが、1000年前の第二次大戦から描かれる、輪廻転生の物語。いまや地球は異星人に支配され、ハーロックはレジスタンス活動に身を投じる。いろいろと出来すぎ、作り過ぎな要素も感じられるけれど、ひたすらヒロイズムを詰め込んで、一種の「真似のできない作品」、には仕上がってます。 アニメーションの緻密さ、ということでは最近の作品には到底かないませんが、それでも、いやそれ故にというべきか、メカニックな動きの見事な描写は、作品の大きな魅力になっています。[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-04-07 07:43:32)《改行有》

317.  霊的ボリシェヴィキ 《ネタバレ》 まず、「霊的ボリシェヴィキ」なる意味のよくわからない(というより、おそらくマトモな意味なんて無い)言葉が先にあって、それをタイトルに映画作ったとしたらどんな映画になるんだろう、ってな感じの映画。で、結局、こうなっちゃいました。 数名の者が、工場跡みたいなガランとした部屋に集まり、百物語風の降霊会っぽいことをやっている。その降霊会が、左翼系セクトの集会になぞらえられているように描かれていて。 革命思想ってものがそもそも宗教じみている、というか、心霊主義者ってのがそもそもイデオロギーじみている、というか。 集まったメンバーが自分の過去ばかりを語っている時点で、革命的でも未来的でも無いような気がするけれど、なんかよくわからんながらも、そこには奇妙な相似形があるような気もまたしてきたり。 要らんことを言うと暴力を振るわれ、しかし結局は逆らえない。聞こえたはずの、どこからともなく響いてきた笑い声は、テープに録音されておらず、トランプカードの奇妙な一致も、トリックがあるんだか無いんだか。というモヤモヤ感の中、怪しさは徐々につのっていく。トリックであることがすでに広く知れ渡っている「妖精写真」、なのに呪縛から逃れられない。 何らか怪異が迫りくる雰囲気の中、その怪異の正体は、実は自分の過去、そのものであり、まるで自分の内部に吞み込まれていくような、ラスト。 うーむ。わたしゃ学生運動とかの左翼活動が昔っから大キライで、蛇蝎のごとく憎んでいるのですが、結局はこの「嫌う」という事自体が、何らかの形で、それに縛られている、ということ、すなわち一種のオブセッションとも言えるんでしょう。「ノンポリ世代」が持つ後ろめたさと、「ノンポリで何が悪い」という開き直り。そこに生じるかすかな、しかし根強い苛立ちは、上の世代との単純な比較から生じるものではなく、自分の内部から来るものであることを、認めざるを得ない。。。 とか何とかツマラン理屈をこねくり回して見る映画ではなく、あくまでホラーです。怖さ、というか、その怖さが明確な像を結ぶ前の「ヤな感じ」を楽しめば、それで良し。70分少々の短い映画、シチュエーションが限られていて(登場人物の語りが少なからぬウェイトを占める)、その分、舞台となっている部屋、その空間が、しっかり描かれている。これが実にいい感じに「ヤな感じ」。古びた工場、廃工場のようでもあり、しかしそこに備えられている金属製の設備・什器は、冷たい光を反射している。 こういう雰囲気がしっかり出ていれば、タイトルなり設定なりがよくワカランものであっても、楽しめるもんです。[インターネット(邦画)] 7点(2024-01-13 16:47:05)(良:1票) 《改行有》

318.  虎影 映画なるものを見ている最中、面白いと思ったりつまらないと思ったり、あるいは驚いたり退屈したり。色々感じはするけれど、エンマ帳みたいなのをつけながら見ている訳で無し、後で感想文書こうとか点数つけようとか思いながら見ている訳でもなし。「良いシーンが多かったから、つまるところ、これは良い映画である」などと思う訳でもなく。結局は、見終わった時に感じる充実感ってのが、あったり無かったりして、基本的にはそれが映画の印象となる。で、この充実感はどこから来ているのだろう、と思い返せば、なるほど、心当たりにぶつかって、ああ、きっとこれなんだ、と。幸い、充実感を感じることが多いからこそ、まだまだ他の映画も見たくなる。 しかしそこで戸惑ってしまうのが、例えばこの『虎影』なる、フザケたおしたニンジャ映画。あきれ返るほどにフザケまくっているにもかかわらず、見終わった瞬間、ああ、90分余りの充実した時間を過ごせたわい!と感じてしまったのは、なぜなんだろうか。 これは困った。 一応、もう一つの尺度として、「人に勧められるか」という視点もあるんだろうけれど、この点では正直、厳しいものが・・・。 無理矢理この充実感の由来を思い起こせば、結局は陳腐な表現になるけれど、この自由さ、ってことになるんでしょうかねえ。 何だか板みたいなのに縛り付けられた人間が、斜面を滑り落ちる、その上に乗っかって繰り広げられる戦い。合成感丸出しで、いかにもチープ、あり得なさ加減が凄まじいのですが、「そんなに斜面が長い訳無いやろ」というくらい、ひたすら斜面を下り続ける、このずうずうしい時間感覚。いやいや、これこそ、映画の基本ではないでしょうか。 はたまた、石垣での人間パチンコ。アホ過ぎ。 だけど一方では、ケレン味たっぷりの長回しチャンバラもあったりして。 うん、おそらく、この「盛り沢山」感にダマされたのかも知れぬ。 という訳で、これ、オススメです。[インターネット(邦画)] 7点(2023-11-03 07:09:07)《改行有》

319.  COWBOY BEBOP カウボーイビバップ 天国の扉 正直に言うとこの作品、ストーリーにも登場キャラにも、何の関心も持てなかったんですけどね。テレビシリーズとやらを見ていたら、印象も違ったのかもしれないけれど。 にも拘わらず、楽しめちゃう。何かといえばそればっかし、と言われるかも知れないけれど、やっぱりこの、アニメーションの緻密さ。登場人物の動きにちょっとした反動を描きこむことで、動きが活きてくる。あるいは、飛行機が向きを変え、画面に対する角度が変わっていく自然さ。これ、CG援用でやっちゃうと、かえって不自然に感じたりするんですが、この作品では絶妙です。 あのモノレールを舞台にした追跡、そして戦い。これ、めちゃくちゃカッコイイじゃないですか(ちょっとだけ、このシーンは実写映画で見たかった気もする)。 終盤の空中戦のスピード感もお見事。映画全体的にテンポがイマイチだった(?)のを、一気に取り返す感じ。 東京タワーか通天閣かよくわからんけど(後者では無さそうだな)、戦いが行われていると、ネオンのHALLOWEENの文字のHが消えて、ちょっと『ハイランダー 悪魔の戦士』を思い出したりもしましたが、それより何より、ラストは雨が降っていて、こりゃ『ブレードランナー』だなあ、と。[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-09-24 17:23:59)《改行有》

320.  日蓮と蒙古大襲来 歴史、宗教、スペクタクル、とくると、大作映画の王道3点セット、という感じがいたしますが、それにしても1958年製作のこの映画。例えばウィリアム・ワイラー版の『ベン・ハー』が翌59年の映画であることを思うと、なかなか攻めてるなあ、と。 いかにも、海外映画がイエス・キリストだったら、日本映画は日蓮で勝負、といった感じで、弾圧に屈することなく法華経の教えを説く日蓮上人の姿が描かれます。大地震のシーンでは地割れが起こり家屋が倒壊し、日本映画だって負けてませんよ、という意気込みが伝わってきます。 タイトルにあるように、目玉は蒙古大襲来、と言いたいところですが、待てど暮らせど元は襲来してこない。映画がかなり終わりに近づいたところでようやく元寇となるも、時間の関係で、文永の役と弘安の役がまとめられた感じ。戦いの流れなどはあまり描かれず、もっと日本側の苦戦を描きこんだ方が盛り上がるんじゃないの、と個人的には思っちゃいますが(防塁などもすでに築かれている模様)、到来する大船団、巻き起こる混乱、大規模な合戦シーンを矢継ぎ早に叩き込み、そして暴風雨のクライマックスへ。ミニチュアを駆使した迫力の映像が、圧巻です。 なお実際は、文永の役の頃は台風の到来シーズンには当たっておらず、弘安の役の時は台風が到来したのであろうけれど、壊滅的な被害という訳でもなさそう(その後も戦闘は続いた)ですが・・・。 それはともかく本当は、前半をもっと削っていいから(宗教者の親子の情を描くというのも、ちょっとどうかと思うけど、日本的と言えば日本的か)、元寇をたっぷり描いて欲しかった、とは言え、こんなスペクタクル映画向きの題材がその後もあまり描かれてこなかったことを思うと、貴重、であり、感謝。 あ、元寇以外がつまらないと言ってるんじゃないですよ。そこまでの約2時間も、日蓮の苦難また苦難の連続で、物語を引っ張っていきます。だんだん、なんでこの人こんなにイヤがられてるんだろう、と思えてくるのですが、空気読めない感たっぷりの表情で日蓮を熱演する長谷川一夫。空気が読めないんじゃないです、信念なんです。 時宗を演じるは、市川雷蔵。何となく、ピッタリな気がします。この空気読めない感(笑)。 いざ元寇となると、日蓮の存在感が薄くなり、そのまま唐突に映画が終わってしまう印象で、企画的にはやっぱり多少、無理があったような気もしますが、日本映画のパワーを感じ取ることのできる作品、だと思います。[インターネット(邦画)] 7点(2023-09-17 11:22:03)《改行有》

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