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プロフィール
コメント数 3873
性別 男性
年齢 53歳

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301.  リメインズ 美しき勇者たち 何となく、「よくわかんないけど千葉チャンが何かやりたいらしいから、一回だけみんな協力してあげようよ」とか言って誰も止める人がいないまま作られちゃったんじゃないか、と思えてくるのが、この映画。作品の出来がイマイチであればあるほど、逆に千葉真一というヒトの人徳みたいなものを感じてしまう。 吉村昭の小説「羆嵐」は読んでてエラく怖かったのだけど、同じ実際の事件をテーマにしているとは、とても思えないくらい、ちっともコワくって、どうも張り合いが無い。 菅原文太がマタギのリーダーで、デンと構えた姿がショッカーの怪人みたいなら、真田サン以下の若手が身軽に散開してみせる姿は、ショッカーの構成員のよう。 肝心のヒグマは一部ホンモノを使ってガンバってるけど、ここぞというシーンではキグルミ感溢れるキグルミなもんで、コイツが暴れているとヒグマまでショッカーの怪人に見えてきてしまう。 さすがに姿をハッキリ撮し過ぎ、ですかね。 ヒロインの復讐譚としても弱く、盛り上がりに欠ける、というのが正直なところ。 ただ、雪原をロングで捉え、人物が小さくなってしまっても敢えてこの大自然をカメラに収めようとしているのは、見どころになっているのではないかと。 皆さん、よく見たら体張ってるんですけどね。何せ写りが小さいもんで。[インターネット(邦画)] 5点(2021-03-06 20:32:27)《改行有》

302.  フィギュアなあなた 柄本佑演じる主人公のダメ男っぷりが、物語が進むにつれて、何だか妙に愛おしく感じられてきたり。 映画終盤で、女のコが下半身丸出しのまま宙を漂い続けているのを見ていると、さすがにそろそろパンツくらい、穿かせてあげてよ、という気持ちにもなってくるのですが、当の本人がまるでそんなことを気にしてないような晴れやかな表情で飛び続けるもんで、だんだん、アソコだのパンツだのといったことが、些細なことのように思えてきちゃいます。 そんなこと気にしなくていいんだ、自由なんだ、と。 であるなら、これは、「許し」の物語であったのか。 ダメ男にとってそれは、儚い「許し」に過ぎないものではあるけれど。 ・・・しまった。最後をダジャレでシメてしまった。穿かない=儚い、ってか。お後がよろしいようで。[インターネット(邦画)] 8点(2021-03-06 16:56:04)《改行有》

303.  ざ・鬼太鼓座 《ネタバレ》 ドキュメンタリ映画って言うと、きっと何か主張したいコトがあるんだろうと身構えてしまったりするんですが、この作品は、特に主張したいコトは無さそうで。 ってか、ドキュメンタリってのとはちょっと違いますね。決められた動き、決められた人物配置、作り込まれたパフォーマンス。日常的なシーンもあるけど、何となく嘘くさい(笑)。 しかしこの、圧倒的なパフォーマンス。非日常の、物凄さ。一柳先生の電子音楽が非日常感をさらに煽りつつ。背景の説明も紹介もなく、没入的な世界がこれでもかと繰り広げられます。特にあの、真下から捉えられたフンドシ姿。いやこれはちょっとマニア過ぎですかね。特にあの、商店街での凄まじいばかりの演奏。人間と思えん。ははは。 最後にようやくメンバーがテロップで紹介されると、その一人は今をときめく林英哲さんだった、というオマケつき。あ、ネタバレ表示しておこうっと。[インターネット(邦画)] 8点(2021-03-04 22:03:33)《改行有》

304.  KG カラテガール かなりカラテの心得があり、さらに恐らくは充分にリハーサルを繰り返して撮影に臨んだのだろう、とは思うけど、いかんせん、倒される側の男どもが一生懸命倒されてあげてるばかりで、一向に「格闘」が成立してない、ってのが、どうにもイタイ。  それを除くと…………何も残らん。[インターネット(邦画)] 2点(2021-03-03 20:26:03)《改行有》

305.  無敵社員 一時間ほどしかない上にこれと言って中味も無く、およそ映画を一本見たと言う気にはなれないのだけど、若く明るくサワヤカな健さんを見られただけで、貴重な経験と言えるのかな、と。これが健さんかと思うと、少し、目の毒ですけれども。[CS・衛星(邦画)] 5点(2021-03-03 20:14:43)

306.  たつまき奉行 この頃の大スターというのは、見た感じ、五頭身くらいしかないので、どこをどのように味わえばこれをカッコイイと感じることができるのかがまだ会得できていないのですが、そんな大スター・片岡千恵蔵が遠山の金さんを演じていて。 悪役が月形龍之介だもんで、金さんと水戸黄門が対決しているようなもんで、そうなるとどうみても千恵蔵金さんの方が分が悪く、こちらの方が悪いヒトに見えてしまう。そんな大スターの、大活躍。 物語はと言うと、佐渡丸の難破事件に端を発し、それを捜査する金さんの前に現れるさまざまな登場人物たち、その中には思わぬヒトが実は思わぬ正体だったりして、話は二転三転、最終的には陰謀が白日の下に晒される、という、同じ船の難破でもヒッチコックの『レベッカ』より数層倍、込み入ったオハナシになってます。 まさにこれぞ、エスピオナージュ。 でもちょいと、やり過ぎ、ですかね。裏の多い物語に対し、見せ場の方が追い付かず、気が付いたら事件が終わっちゃってる、みたいな印象です。演出にやや雑な部分も。 とは言え、例によって群衆シーンなんかは気合いが入っていたりして、さすがは「この頃の」東映、といったところでしょうか。[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-02-23 19:51:34)《改行有》

307.  鉄道員(ぽっぽや)(1999) 《ネタバレ》 高倉健さんって、どっちかというと面長で、やや長い耳をお持ちだもんで、この映画のお顔を拝見していると、何だか仏像のように見えてくる。 と思ったら、実際、そういうオハナシでした。はい。 雪に埋もれた小さな駅が舞台ですが、小さくとも駅は駅。映画に出てくる「駅」って、魅力的、なんだなあ。 そういや、志村けんさんの出演が話題になりましたが、ゆーとぴあのホープさんも出てましたね。よろしくーーーーねッ![CS・衛星(邦画)] 7点(2021-02-14 14:35:49)《改行有》

308.  暴力金脈 《ネタバレ》 ヤクザ映画も、かつての任侠モノから、組織ヤクザ・経済ヤクザが描かれるようになって、「だったらこういのもアリでしょ」とばかり、総会屋をテーマにした作品なんですけれども。若干、無理があったかな、と。でもまあ、そこがユニークだったりもします。 主演が松方弘樹で、最初は単なるチンピラみたいな彼が、やがて総会屋としてのし上がって行って、でも世の中にはさらに巨悪が存在していて単身それに立ち向かっても勝てやしない、という、一種の挫折に終わる。「茶番だ!」と世の中をあざ笑いながら。 松方弘樹がバイタリティの塊みたいにガツガツしているのが、まず迫力があって、映画の推進力になってます。が、ヤクザ社会を絡めつつもあくまでテーマが総会屋なので、あまりアクションに走ることもできず、またユーモアを絡めつつ社会批判的な要素を匂わせつつもその路線に突っ走ることもできず、やっぱりちょっと、中途半端かなあ、と。 ヤンチャな松方と冷徹な丹波が好対照。やっぱり、丹波の勝ち、ですかねえ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-02-12 22:17:03)《改行有》

309.  永遠の0 《ネタバレ》 これはもう、原作の悪い所がそのまんま出ちゃったなあ、と。 原作自体、正直、これを小説として読むことはできず、情報の少なさをフィクションと著者の感想とで水増ししたルポルタージュ、として受け止めてしまったんですけれども、映画化にあたっても、原作の基本構成は変えられず、結局、特攻というものに対する感想を述べ続ける映画になってしまいました。いや、映画らしい味付けも確かになされているんですけどね。染谷将太復帰の場面を視点を変えて繰り返し描く場面なんかもちょっとした面白さがあるし、井上真央が染谷将太をいったん拒絶する場面なんかも原作の弱さを補っているとは思います。 ただやっぱり、いちいち挿入される現代パートが、ひたすら胡散臭さにしか繋がっていなくって、こればかりはもう、どうしようもありません。 CGによる描写は、意外によくできていたなあ、と感じる部分もあるのですが、ただ残念ながら、あの戦闘機なり軍艦なりに、肝心の「生身の人間」が乗っているようにはどうしても見えない、ってのは、やはりイタいです。[ブルーレイ(邦画)] 5点(2021-01-04 17:58:06)(笑:1票) 《改行有》

310.  ビー・バップ・ハイスクール(1985) かつて、この映画の監督さんが、「ジャッキー・チェンのように体を張ったアクション」こそがホンモノのアクションであり、そういうのを目指したんだ、みたいなことを言っていて、当時の私はかなり反発を感じたもんですが。まずアクションと言えばカーチェイスとクラッシュだろう、と。それに、こんな映画とジャッキー映画を一緒にするな、と。 でもその後の私の人生で種々雑多な映画を見てきた、その過程とは結局、このビー・バップ・ハイスクールという作品が、真似しようにも簡単には真似できぬ稀有の作品であることを確認する過程であった、と言っても過言ではない、とまで言うとこれはもう明らかに過言なんですけど(←そればっか)、でも確かにこれは稀にみるハチャメチャ痛快作である、ってコトには確信を持ってます。持つようになってしまってます。 こういうツッパリ、ってのも今ではすっかり絶滅危惧種となって、ウチの子供に訊いても「今までにこんな髪型を見たのは仮面ライダーフォーゼぐらい」とのこと。そりゃまあ、ナンボか誇張はありますけれども、そんな未確認生物を見るような目で見なくっても、かつてはこんなヒトたちが、そこそこ生息していたワケで。 で、そんなヒトたちが、ほとんど「人間の体はどこまで頑丈か」「どこまでの無茶に耐えられるか」を競うように、映画の中で無茶しまくってる。一体、何でしょうね、どうしてこんなワケのわからない「頼もしさ」を彼らに感じてしまうのでしょうか。 クライマックスの一大合戦が、アホらしくてダサくって、闇雲にカッチョいい。いや、ホント、貴重な作品です。[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-01-04 17:27:34)(良:1票) 《改行有》

311.  仁義なき戦い 代理戦争 《ネタバレ》 冷戦下、世界のあちこちで勃発した戦争は、大国間のいわば代理戦争だった。一方、日本のヤクザ社会もまた、そういう代理戦争の様相を呈していた、というのがタイトルの由来ですが、どうでしょうね、そんなに「代理戦争」感は強くない、ってか、もともとこのシリーズ自体が、消耗品としての男の生き様を描いてて、むしろシリーズの世界観そのまんま、という気も。 代理戦争、というよりは、心理戦。吹き荒れる暴力の背景には、裏切り、謀略が渦巻いている。上は金子信雄から、下は(一見何も考えてい無さそうな)川谷拓三まで、とかく要らん策略を張り巡らせては、事態を悪化させ、その結局犠牲になるのは、渡瀬恒彦のような若者。ただ死んでいく者が多い中で、渡瀬恒彦演じる若者は、母との関係が作中に織り込まれ、息子を失った母親の哀しみをこれでもかと描く。こういう、殺伐とした映画にウェットな情を絡めてくるのが、深作監督らしいところ、と言えましょうか。 危険なニオイをプンプンさせる菅原文太ほか、コワモテ俳優がずらりと並ぶ中(眉毛が無いとは言え梅宮辰夫の顔が、コワモテに分類されるのかは正直よくわからんが)、スター・小林旭がそこに顔を並べているのが、ちょっと異彩を放っています。正直、東映に来てもこういう「非・スター映画」の中に放り込まれてしまうのでは、もったいない起用、という気がしなくもないのですが、確かに作中で独特の雰囲気は醸し出しています。 ラストは、まさにここから、という場面でオシマイ。イジワル。[CS・衛星(邦画)] 8点(2021-01-02 07:13:48)《改行有》

312.  関東流れ者(1965) 本作の新規登録依頼を「日本大侠客」と一緒に出させていただきましたが、どちらの作品も、明治時代を舞台に鶴田浩二が、大木実を子分に従え、藤純子とは微妙な関係にあり、内田朝雄に立ち向かう、要するに殆ど同じようなことをやってるもんで、チョット混乱してきてしまいます。私自身はコチラの方を先に見たにも関わらず、両者を比べると何となくコチラの方にパクリ感を感じてしまい、でもコチラの方が先に作られた映画なのです。本作の方が、やることなすこと、いちいち極端なんですよね。面白いからいいけど。 何が極端と言って、ダイナマイトを手に獅子奮迅の活躍をする大木実もそうだけど、とにかく村田英雄の眼力のスゴさ。ほぼ人間離れしていて、これぞ極端中の極端といってよいでしょう。顔は鶴田浩二より若いようにしか見えないけれど、描きに描きまくったような眉毛の下で眼力を飛ばしまくり、鶴田浩二に「オヤブン」と呼ばれて本人も完全にその気になって、ひとり、異次元に突入してしまっています。まさに摩訶不思議な村田ワールド。 後半には若き日の北島サブちゃんも登場。正直、こちらはサルにしか見えない。ごめんなさい。いやホントごめんなさい。でも風呂に入ってはイイ声を披露し、終盤には泥にまみれて壮絶な最期を遂げてみせる、さすがサルちゃん、じゃなかった、サブちゃん。 ちょっと冷たい感じの小山明子と、鶴田・大木との哀しき関係。さらにはどこのイモ姉ちゃんかと思ったら洋装の藤純子。工事請負に関し不正を働く、内田朝雄・遠藤辰雄率いる悪徳業者の横暴ぶり。ついに彼らが一線を越えたとき、男の怒りが炸裂する。 やってることはいちいち極端だけど、ストーリーの盛り上がりに対してすべてがちゃんと収まるところに収まっていて、さすが、と思わせるオモシロ映画になってます。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-12-31 06:56:08)《改行有》

313.  女の警察 “女の警察”を小林旭が演じています。でも女の警察って、一体何でしょう。なんとなく、敵から女性を守る正義の味方、みたいなものを想像してしまうのですが(多少はそういう役割も果たしているようですが)、基本的にはむしろ真逆。キャバレー経営会社の保安部長として、夜の街の女性たちを見張り、支配する、どっちかというと女性を食い物にする側の人間です。それを我らがアキラが、クールに演じる。この女性への容赦なさは、さしずめ現代版・眠狂四郎、ってなところか。でも狂四郎を演じると雷蔵は何だかミョーなことになってしまっていたけれど、さすがはアキラ、どんな役でもアキラ色に染めてしまう。無色透明に近い色だけど・・・。 しかしまあ、この1969年の作品、ロマンポルノ前夜という雰囲気が漂っていて、日活もだいぶヤキが回ったけど、まだフンギリがついていない、ってな感じでしょうか。明らかに「ここからはそのテのシーンです」と言わんばかりに、唐突に濡れ場に突入したりして、エロそうな雰囲気が休息に立ち込める。でもそれが雰囲気先行で、観てる側が恥ずかしくなる割に、実際には大したコトやってるでもなし。でもソッチ方面に期待せずに見れば、ちょっとしたご褒美があるかも??? それはいいとしても、このクールでダークな主人公をせっかく小林旭が演じているのだから、もう少しアクションを見せて欲しいところ。多少の乱闘はあれど、全体的にアクション少なめで、これは寂しい。 まるで売れっ子の作家が締め切りに追われて無理やり短編ミステリを書き飛ばしたようなストーリー、見せ場も少なく、しかし考えようによっては、「迷走している映画会社」でなければなかなか作れないタイプの作品、とは言えるかも知れませんが。[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-12-31 06:12:58)《改行有》

314.  日本大侠客 《ネタバレ》 石炭積み出しに沸く明治の北九州・若松を舞台に、侠客・吉田磯吉の半生を描く。とは言っても、とても実話とは思えない点が多々あるのですが、フィクションで誇張された漢気が漲った、これぞ痛快娯楽作、という作品になってます。ユーモアもあれば悲壮感もあり、ホントに面白いんだ、これが。 磯吉オヤブンを演じるは、鶴田浩二。気が良くって無鉄砲、愛される存在ではあるけれど、身内からすれば頼りないことこの上ない。そんな彼の成長譚みたいなところもあって、いや、まあ、最後までずっと頼りないっちゃあ頼りないけれど、でも人間、こうやって周りから徐々に頼られるようになって、ジワっと成長していくもんだよね、というのが、よく出ています。 方言によるセリフがまた、何とも言えぬ人間味を感じさせるし、さまざまな人間が集まってくる港町らしく、さまざまな方言が入り混じる(関西訛りの役者たち)のも面白いところ。エキストラの動員により、町の雑多な感じや、殺伐とした争い、といったものも、映画によく表れています。 商売人としてはサッパリだけれど、舎弟たちに愛され、仲仕たちに愛され、大物オヤブンにも愛され、しかし藤純子演じるお竜との切ない関係があったりもして。その他、病弱なヒットマンとか、人が好さそうに見えて実は剣の達人のオッチャンとか、脇を固めるキャラクターも多彩で、それぞれが忘れ難い存在感を示しています。 そして、若松を牛耳ろうと企むハゲ親父・岩万こと内田朝雄との、深まる因縁。ラストはもう、殴り込みならぬ、討ち入り状態で、準備のために集結した主人公たちの姿が、どえらくカッコいい。激しい死闘、そして最後に鳴り響く銃声。シビレます。[CS・衛星(邦画)] 9点(2020-12-29 04:15:35)《改行有》

315.  制覇(1982) 物語の中心人物が、「谷」口組の田「所」組長、ってんだから、モデルが誰なのかは明らかで、さすが芸能界にも幅を利かせた人物だけのことはあって(なのかどうかは知らないけれど)、これでもかと有名俳優が名を連ねたオールスター映画となってます。冒頭に出演者がクレジットされないので、誰が出てくるかは見てのお楽しみ。まあ、あの人この人、出てくるわ出てくるわ。まずは主人公に、世界のミフネ。 医者役にはどこかで見たことのあるオジサンが。と思ったら鶴田浩二で、本来、このヒトの端正な顔立ちはこういう役にピッタリだと思うのだけど、ヤクザ映画にカタギの役で出てくるとヘンな違和感が。一瞬、誰かワカランかったぞ。そんでもって、日活からやってきた大スター、小林旭の顔も。なんだかこの辺り、モデルとなった組長さんとは因縁深いヒトたちでもありますが。 他にも菅原文太、若山富三郎、丹波哲郎などが続々登場、それから、意外に重要な役でハングマン名高達郎、意外に重要でない役でアオレンジャー宮内洋、等々。次は誰が出てくるかを気にしだしたら、お腹いっぱいになってしまいます。後半に入ったらもう新たには誰も出てこないだろう、と思ってたら何と、披露宴のシーンに志茂田景樹の姿が(?)。ただしこれは原作者枠であることがラストのクレジットで判明。 と、賑やかな顔触れのヤクザ映画巨編、という訳ですが、組長の家庭のシーンになると、これが途轍もなく日常的、庶民的。完全にホームドラマの世界です。暴力の世界と家族の世界を表裏一体で描く。他の組織との抗争、跡継ぎの問題。まあ、『ゴッドファーザー』みたいな路線を狙ったんだろう、とは、おそらく誰しもが感じるところ。 もちろん、完全に同じ路線ではないし、実際遠く及ばないし、一方で本作ならではの(良くも悪くも)日本らしさ、みたいなものがあったりもするのですが、いかんせん、内容的にチト弱い印象。組長襲撃に端を発する前半は、悪くないとは思うのですが、後半、やや薄味になってしまったような気がします。若山富三郎の無骨さは光っていますが、どうも尺の長さに割に見どころが少なくって。 とは言え、主役のモデルになったお方の息子さんが作品に関わっていることもあってか、雰囲気はよく出ています。跡目を発表する岡田茉莉子を前にして、幹部たちが居ずまいを正すシーンなんか、いいですね。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-12-26 06:10:36)《改行有》

316.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 遠藤周作の小説の映画化ですから、やっぱり竹中直人に出演して欲しかったなあ、と。何の役かというと勿論、「カメオ出演する原作者」の役で(そんな役、無いけど)。 「イエスの生涯」で遠藤周作はイエスを、ただひたすら愛を説いて十字架上に死んでいった無力な青年、人々の苦しみを分かち合う「永年の同伴者」として描いており、そしてこの「沈黙」における「あの人」もまた、弾圧される信者たちや主人公を直接的に救うことはなく、しかし彼らの苦しみに寄り添う存在として描かれています。 しかしその一方で、この「沈黙」には、異端の者として挫折していく主人公の哀しみ、みたいなものが同時に描かれていて、遠藤作品では「留学」などが同様の視点を感じさせますけれども、これにはもしかしたら、極東の地に生まれてキリスト教の世界では傍流を歩まざるを得ない作者自身が、投影されているのかも知れません。 という点から見ると、やはりこれは、あくまで欧米人の視点で描いた映画なんだな、という気がしてきます。あくまで主人公と神との関係(あるいは、信者と神との板挟み、とでもいうか)に主眼が置かれていて、そして信仰心そのものに主眼が描かれていて、異端の哀しみみたいなものは、あまり感じられない。これはこれで、なるほど、と思わせるものは、あります。 舞台となっている長崎、五島列島の風景は、どことも得体の知れぬ、何やら地の果てのような雰囲気であって、我々日本人の目にすらも「見知らぬ異国」として映る、謎めいた世界のように描かれています(日本でロケしてないから、と言っちゃあ、それまでだけど)。原作同様のセリフが登場しても、どこか雰囲気が異なっているのは、そこに、自国としての日本、という感覚が一切含まれていないからでしょうか。作者が日本人であり続けねばならなかったように、主人公も日本人として後半生を送らねばならかった、そのことへの諦念よりも、「形はどうあれ、やっぱり信仰心、だよね」というノリで押し切ってしまうのが、やはり欧米の視点、なんですかね。 と言う訳で、次は是非「おバカさん」の映画化をヨロシク![CS・衛星(字幕)] 8点(2020-12-08 20:10:50)(良:1票) 《改行有》

317.  日本女侠伝 鉄火芸者 藤純子さんの日本舞踊、さすがですね。冒頭のタイトルバックから、安心して見られます。本編の中でも随所で腕前を披露していて。寛美先生もご満足でしょうな、きっと(気難しげなお師匠さんの役です)。 物語はというと、曽我廼家明蝶vs安部徹、マジメ企業と悪徳企業との戦い。曽我廼家明蝶は藤純子演じる主人公の芸者さんのパトロンみたいな感じですかね。で、彼のもとで菅原文太が働いていて、藤純子と知り合って・・・ってのはいいけれど、二人が実は初対面ではなくって、過去に意外な接点があった、というあたりが、正直、出来過ぎた話で、もう一つ乗れないところ。回想シーンでこの事実を一気にバラされると、見てる方もちょっと面食らってしまいます。いや、出来過ぎで何が悪い、と言われりゃ、そうなんですけれども。 それ以外にも、ちょっと「え?(笑)」というような思わぬ事件が発生したりして。ちょっと強引かな、と。 とは言え、クライマックスに向けては、これはもう、強引で大いにOK、ああ、やっぱりそうなるよね、という大事件と、最後は殴りこみ。 結局、菅原文太であったり、エロ親父の伴淳三郎であったり、「男のヤセ我慢」みたいなのが見せ場になっていて、藤純子が啖呵を切ろうとなんだろうと、女性はそっと静かに耐えるだけ、というのが、女性を主人公にした作品にしてはちょいと寂しい部分でもあるのですが、今の視点でそれをどうこう言うのも、ちょっと違うかな、と。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-12-06 19:04:43)《改行有》

318.  若おかみは小学生! あの、「鼻クソほじり感」とでもいうのか、バっちい感じが見事に迫ってきて、これはもうアニメという枠を超えているのではないか、と。 それを素晴らしいと言うのかどうかは知りませんけれど。 いや、鼻クソがこの作品のすべてだと言う訳では勿論なくって、踊りなどの細かい動き、こちらの方が本来の見どころと言えましょう。好感が持てます。 ただ、ストーリーはというと、無理にキャラとエピソードを盛り込んでとっ散らかした感じは否めず、ラストも取ってつけたような「エエ話」になってて、そんなキレイなまとめ方でいいのか~と思わんでもないのですが、こういうのを「手際の良さ」と言うなら、確かにこれは大したものだ、とも思います。変則的と見せて、最後は直球勝負。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-12-06 05:54:52)《改行有》

319.  座頭市喧嘩太鼓 いつにも増して差別用語が飛び交い、いつにも増して激しい斬り合いが行われる、ような気がするシリーズ第19作。 まず冒頭、渡世の義理から、何の恨みも無い見知らぬ男を斬る羽目となる座頭市ですが、本作の狂言回し役である藤岡琢也の一味が最初に男の家に飛び込む場面では、オフの音声などを用いて断片的にその争いが描かれ、それに続いて座頭市ひとりが男と対決するシーンは、仁義を切ってから相手と斬り合うまでを長回しのワンショットで描く。これが何ともカッコいい。 本来ならそこでお役御免、というところですが、そこに男の姉である三田佳子が現れ、例によって例のごとく・・・と言ってはナンですけれども、彼女と座頭市との微妙な関係(もっと微妙でもよかったか、と思わんでもないけれど、何せ80分少々の映画なので、ある程度は割り切る必要が)、座頭市に男を斬らせたオヤブンの悪辣ぶりが描かれていきます。そんでもって、座頭市のライバル格、好敵手の剣豪が、佐藤允。う~む、このヒト、剣豪顔と言えばそうかもしれないけれど、途轍もなく「空気読めない感」みたいなのが出ていて(『転校生』なんか、特にそうですね)、ま、確かに、少なくとも、只者ではないな、と。 という、只者ではない(けどあまり強そうではない)ライバルとの死闘が、本作のクライマックスとなります。いやこのヒト、強いんです、きっと。羽根つきの羽根をいきなりスパッと斬って見せる、ああいう意味のない行動が、いかにも剣豪らしい、んです。きっと。 ってな訳で本作、最後まで見せ場が多く、三田佳子がヒロイン、というマイナス要素を差し引いても(?)、座頭市映画の魅力を堪能できる作品でありました。[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-11-28 01:39:01)《改行有》

320.  日本女侠伝 侠客芸者 《ネタバレ》 藤純子演じる芸者さん、威勢よく啖呵を切って見せたりもするけれど、さすがに「侠客」ってなことはなくって、それはどちらかというと健さんの役どころ。侠客&芸者、です。 無論、芸者さんなので、男性客をもてなしてナンボ、のところはあるのですが、一方で理不尽にははっきりノーと言い、それも常人離れした格闘能力がある訳でもなく、皆で力を合わせて相手の横暴に立ち向かう。かつてのウーマンリブ運動を見るようでもあります。 その一方、健さんはというと、こちらは弱小企業が悪徳大企業に押しつぶされようとするのに必死で立ち向かう、その先頭に立っていて。 いやがらせの数々を何とか耐え忍ぶも、ついに一線を越えて犠牲者が出たことから、健さんの怒りが爆発。このテの映画の定番、殴り込みとなる訳ですが、ここでもやっぱり、死地に赴くのは男であって、女の姿はそこには無い。男は気前よく死んでみせ、女はただ、芸者の身のままで悲しみに耐えるしかない、という、今見りゃ、ちょっと古風過ぎるオハナシで、フェミニストの皆さんからはブーブー言われそうな内容なんですけれども、でもラストで、悲しみに耐えつつも強く生きていこうとする、いや強く生きていかねばならないからこそ悲しい、そんな表情を湛えた藤純子が、イイんですねえ。鮮烈な印象を残します。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-11-25 21:46:53)《改行有》

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