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プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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501.  聖地X 《ネタバレ》 ポスター等のビジュアルイメージからガチなオカルト系ホラーを予想していた為、主要登場人物の死者数ゼロに少々肩透かしを食らいました。伝記、神話、民俗学、諸星大二郎系統とでも呼びましょうか。場所に由来する怪奇現象、いや奇跡に翻弄される人々のお話でした。一般的な死に対する恐怖ではなく、人智及ばぬ事象に対する畏れ。これもまたホラーには違いありませんが。 舞台は韓国。何故日本ではなかったのでしょう。それは日本国内にあのような場所は無いからです。勿論韓国にだって無いでしょうが、私は(日本人は)それを確認していません。そういう意味では、アメリカでもイギリスでもドイツでもいいのですが、韓国というチョイスがベストだった気がします。知っているようで知らないお隣さん。心が通じ合わないお隣さん。理解不能な聖地くらいあっても不思議じゃない気がしませんか。きっと日本国内で設定するなら離島になるのでしょうかね。海を渡れば別世界。離島住まいの私が言うのも自虐っぽいですけども。 それにしてもあの場所は凄い。まさに奇跡の土地。奇跡が起きるルールに気付いた主人公は大したものですが、全く悪用する気が無いことに驚き。私などすぐ金儲けに走るでしょうが、主人公は遺産で金に困っていないんでしたね。もっとも力を悪用するような輩には神様?からのお仕置きがあるのでしょう。ホラーともコメディとも付かぬ不思議な感覚のドラマでしたが、これはこれで面白かったと思います。珍味というやつです。 登場人物の中では緒形直人さんの味わいが抜群でした。如何にも怪しげながら、キーパーソンでも何でもないという。胡散臭いったらありゃしない。こんな空気感を出せる俳優さんは他に居ないのでは。かってトレンディドラマで主役を張っていた時より何倍も魅力的です。もっと重宝されていい役者さんだと思います。[インターネット(邦画)] 6点(2023-01-29 12:24:09)《改行有》

502.  いざなぎ暮れた。 《ネタバレ》 島根県松江市美保関が舞台のご当地映画。公式ホームページのプロダクションノートによりますと、もとは15分の短編映画企画だったそう。それが80分超まで膨らんだ訳ですから、映画に関わった皆さん大変なご苦労をされたことでしょう。もちろん作品にかける情熱が成せる業。その本気度は、地元PR要素がほとんど無いことからも窺えます。ただ本作の場合、タイトルどおり『古事記と縁ある神がかりな土地』であることが重要な伏線であるため、土地柄や祭りの伝承等はむしろ積極的に周知すべきだったと考えます。劇中での地元紹介は下品でも何でもありません。それに地元の人たちにとっての日常は、外部の者にとっての非日常。映画を通じた疑似旅行体験もご当地映画の楽しみ方のひとつです。ぜひ地元愛全開で郷土の誇れる歴史をPRして欲しいと思いました。 ヒューマンドラマ、犯罪もの、ミステリー、タイムリミット型サスペンスと多くの要素をはらむ物語は『神のお導き』によりヒューマンドラマへ軟着陸いたしました。ベタといえばベタな結末ですが、こういうお話みんな嫌いじゃないですよね。何より主役お二人がお上手でした。特に枚熊克哉さん。水商売のチャラさ、詐欺を企む悪党顔の隙間から覗く善良さが魅力的です。色気と雰囲気のある役者さんで、映画の格をワンランクアップさせる力のあるお方とお見受けしました。武田梨奈さんもすっかりアクション女優の肩書が外れたよう。贔屓の女優さんなのでご活躍何よりであります。ちなみに本作は吉本興業制作のため芸人さんが多数出演していました。ネルソンズの青山フォール勝ちさんに至ってはクレジット3番目という好待遇。いつものコント演技と変わりませんが、何の問題もありません。そもそも演技が上手いんですよね。歌ネタ王メンバーもチョイ役ですが印象的なポジションを任されていました。観光客役の方については神様=イザナギの化身との解釈も可能なオイシイ役どころでしたね。ちなみに、初見で和田まんじゅうさんの出番が分かった人は凄いと思います。[インターネット(邦画)] 6点(2022-09-28 09:24:03)《改行有》

503.  レディ in ホワイト 《ネタバレ》 如月彩花が纏う「白」は、「何者でもない」または「生まれたまま」の象徴と解します。彼女が原石だとしても、磨かれていなければただの石ころです。実績がない、己が能力を示していない者が威勢のよい台詞を吐いたところで「ほら吹き」「妄言」と取られるのがオチ。普通なら面接で落とされて終わりでした。しかし世の中には一定数の「物好き」や「ギャンブラー」、稀に「目利き」がいます。いずれにせよ彼女は運に恵まれ、とある企業に拾われました。新人がパワハラ上司の下についたら潰されるのが常ですが、彼女は持ち前の芯の強さ(というより傍若無人ぶり)を発揮して難局を乗り超えます。ここでも彼女は幸運でした。上司はパワハラ野郎であっても陰湿では無く、仕事面では有能でした。無能で陰湿な最低上司に比べてマシと言うのも変ですが、原石を短期間で研磨するには有効な劇薬だったようです。人事部長の采配や恐るべし。 黒を羽織らされても中に白を身に付ける気概にヒロイン適性あり。ハイライトはアンケートのシーンです。インタビューしながら主人公は涙しました。パチンカーの戯言の何処に心打たれたのか不明ですが、きっと「自分の中には無い何か」に化学反応が起きたのでしょう。止めどなく流れる涙は、まさしく「無駄なものが落ちた」「殻を破った」を端的に表したものと考えます。かくして原石は宝石に生まれ変わりました。「自分が宝石だと信じる」と「自分が宝石であることを知る」は天地ほど差があります。己が価値を知った宝石の居場所は自ずと決まる。そんな結末であったと考えます。ですから当初主人公が着ていた「白」と、ラストカットで身に付けていた「白」では全く意味合いが異なります。ちなみに宝石の種類はパールでしょうか。石言葉は「富」です。 もっとも今回の一件は「運よく宝石が発見された」極めて稀なケース。原石っぽく見えても大抵は駄石です。それに経験不足の子どもの高い自己評価と政治家の公約ほど、あてにならないものはありません。前述したとおり「ほら吹き」か「妄言」が相場。でも同じ事が自己評価の低い人にも当てはまります。宝石じゃないにしても、レアメタルや有価値な成分が眠っているかも。だからとりあえず研磨してみるのです。なるべく、いろんな方法で。何か出てくればラッキー。出てこなくても、形が良くなれば使い道があります。それに普通の石が無かったら道路一つ作れませんから。これが50年間石ころをやってきた者の持論です。 主演は吉本実憂さん。私の鑑賞歴では『罪の余白』『大コメ騒動』に次いで3作目。今はオスカープロモーションを離れているようですが、米倉涼子さんや福田沙紀さんと同じく戦闘力高めなオスカー顔の美人女優さんです。敵役は勿論ですが、第一印象のギャップを活かして良い人役もいける。意外と汎用性の高い顔のタイプなのかなと思います。どちらかというと主役よりも脇役で映えるタイプかもしれません。[インターネット(邦画)] 6点(2022-09-27 19:55:55)《改行有》

504.  映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生 《ネタバレ》 子ども向け映画にいちゃもんを付けようのコーナー(嘘)。やはり最大の難点は、3獣の扱いでしょう。空想サファリなる22世紀の施設に引き取ってもらうラストには、少々モヤモヤが残ります。飼い主の責任放棄には違いないので。では、3匹の寿命を短く設定して物語の中で最期を看とる結末なら正確かというと、それもまた違う気がします。子ども向けエンタメで倫理的正義を押し通すことに傾倒するのは、それはそれで大人のエゴという気がします(『ブタがいた教室』とおなじ過ち)。じゃあ何が正解かというと、難しいのですが。3匹が時空の穴に吸い込まれて、様々な年代と地方に飛ばされて、未確認生物の起源になるなら、テーマ的にも沿うのかな?何が一番しっくり来るのか、もう少し考えてみます。[インターネット(邦画)] 6点(2022-08-27 19:10:07)

505.  ゾッキ リヤカーや軽トラってやっぱ便利だな。と思った映画でした。[CS・衛星(邦画)] 6点(2022-04-12 18:48:47)

506.  大コメ騒動 《ネタバレ》 大正時代の史実、世にいう『米騒動』を描く物語。ご当地富山県出身の俳優さんを多数起用し、当時の方言そのままに(ですよね)見事にドラマ化されています(ちなみに我が地元も語尾に「ちゃ」を付けます。北前船の影響かな?)。もちろん方言に字幕は付きません。考えてみればNHK朝ドラや大河もそうですね。唯一注釈が付いたのは『じんだはん=警察官』のみで、これは方言というより「古い呼び名」だからでしょうか。富山出身の方でなければ(あるいは富山出身の方であっても)台詞の正確な標準語訳は難しい気がしますが、前後の文脈や状況からニュアンスは伝わりますので何ら問題はありません。字幕や注釈をつけると興が削がれますので注釈・字幕無しの判断は正しいと思います。これは良いコダワリ。ただ本作のメインアイテム『米俵』にも同じようにコダワリを活かして欲しかったと思います。『米=命の源』なので、しっかり『重く』描かなければなりません。米1俵は約60㎏。1円硬貨なら60,000円分。それはもう重い。リアルガチに重いのです。明らかに米が詰まっていないフェイクな米俵を使っている場合ではありません。もちろん、軽い米俵でも重く見せる技術があるなら結構ですが、がーまるちょばレベルのスキルを持った演者は見当たらず。それならせめて本当に重い米俵を使いましょう。きっと大立ち回りの派手さは目減りするでしょうが、代わりにリアリティは増すはずです。これが本作で真に必要なコダワリでは。もっとも、主題歌が米米クラブ、曲が『愛を米て』なのが良いコダワリか単なる悪ふざけなのかは判断が付きませんけども。テーマがシリアスなだけに終始暗めなトーンだったのが残念。もう少し軽やかに、笑い多めの人情ドラマに仕立てても面白いネタであった気がします。[CS・衛星(邦画)] 6点(2022-04-01 23:14:47)

507.  孤狼の血 LEVEL2 過激なバイオレンスアクションの中にも多彩なキャラクターの魅力や、それぞれの理や正義がきちんと描かれていた前作は、時代劇的な楽しみ方もでき、総合的にみて娯楽作品に昇華していたと思います。しかし本作は刺激こそパワーアップしているものの、事象の裏に隠された人々の思いやドラマが伝わり難いつくり。これは役者の力量というより脚本の問題と考えます。申し訳ないですが、ただ辛いだけの激辛料理に思えました。苦くても辛くても構いませんが、旨味があってこその料理、失礼、映画だと思います。平均点は前作と遜色ないことからも一定レベルの満足度は担保しているのでしょうが、レビュワーの皆さんの感想は総じて短かめなことから、語りたい欲求を満たす映画ではなかった事が窺えます。[インターネット(邦画)] 6点(2022-03-17 19:22:31)

508.  嘘八百 京町ロワイヤル 《ネタバレ》 『コンフィデンスマンJP』のジャンルを骨董陶芸作品に絞り、人情噺に特化した感じ。小池と佐輔の掛け合いが面白く(贋作提供金額の値切り交渉に爆笑)、サブキャラクターの皆さんもレギュラー固定でファンには嬉しい限り。ゲストで毎回マドンナを配せば『男はつらいよ』的なシリーズ化も望める優良なフォーマットだと思います。ただし懸念材料もいくつか。まずは佐輔の処遇。前回贋作づくりから足を洗う事を誓っており、今回その約束を反故にした点をどう評価しましょうか。『人助け』『悪徳業者の成敗』が理由であれば良しとしますか。あるいは『本物を超える贋作』に価値を見出しますか。また、骨董の業界自体が狭そうなので、そう何度も似たような詐欺が通用するとも思えません。これは『コンフィデンスマンJP』の江口洋介、あるいは『一休さん』の桔梗屋さんのように敵役をレギュラー化する事で解決できるかもしれません。いずれにしても気軽に観られる貴重な『大人向け喜劇』であり、更なる続編を希望であります。[インターネット(邦画)] 6点(2021-11-09 19:58:30)

509.  台風家族 《ネタバレ》 ブラック&シュールコメディ+ヒューマンドラマ。あまり馴染みのない組み合わせで、少々戸惑いました。終盤はファンタジーと言っていい無茶な展開が付加され、さらに困惑度が増します。それでも全体を通じてみれば、映画技法として許容可能なレベルに収まっており不満はありません(ダニエル・ラドクリフ君の『スイスアーミーマン』あたりが大丈夫な人なら全然イケるでしょう)。大変エネルギッシュな映画でありました。役者の皆さんも熱演でした。「ま、ま、満足、一本満足」みたいなシーン強烈でしたね(実際の台詞は全然思い出せないのに!)。草なぎ剛さんは一皮剥けました。いや、もともとあのくらいはやれる方でしたか。 「隠された真実」が露わになり「胸を熱くする」のが、人情ドラマの醍醐味です。本作の場合『銀行強盗』や『釣銭泥棒』『賽銭泥棒』『醜い遺産相続争い』といったネガティブな出来事が、そこに至った経緯が明かされることでポジティブに裏返ります。「何だ、そういう理由があるなら仕方ないと」。勿論これはマヤカシです。正当性が認められるのは、それ以外の解決方法が無い場合のみ。こんな屁理屈、現実には通りません。しかし映画は虚構の世界。それを強くアピールするために、終盤の「超展開」があったと考えます。情に訴えられ、多少なりとも共感できるのであれば、それを受け入れるのが映画の楽しみ方。「裁判ではなく、感情の話」ですから。[インターネット(邦画)] 6点(2021-10-10 21:48:59)《改行有》

510.  サイレント・トーキョー 《ネタバレ》 「日本を戦争が出来る国にする」という首相発言に対する憤り。平和ボケ極まれる日本国民に向けた警鐘。今回の爆破テロ事件は、主にこの2点が動機と思われます。大きく括れば、世界平和を望むが故のテロと言えましょう。主義主張と行動が噛み合っていないように感じますが、目的達成の為の手段として「テロリズム」を許容する立場であれば、何ら矛盾はないのだと思います。大事の前の小事。日本語本来の意味での「確信犯」です。ただ、今回の犯人に「政治的信条」があったとは思えません。犯人の胸の内にあったのは、今は亡きあの人に対する深い愛情でした。 長い年月をかけ熟成された亡き人に対する想いは、「故人の意思を受け継ぐ」かたちで顕在化したと考えます。ただし、「本当に爆破テロが故人の意思であったか」は議論が分れるところかと。故人が爆破知識を犯人に授けたのは「この技能を役立てて欲しい」でありました。伝統工芸の職人が弟子に技術を伝承するように。老舗のうなぎ屋が秘伝のタレを後継ぎに託すように。自分が消えて失われてしまうのは、その対象が希少で有益であるほど、それを獲得するのに費やした労力が大きいほど、耐え難いもの。自死を決意していた者にしてみれば、自身が持つ爆破知識が受け継がれれば、それで満足だった気がします。もし戦争になったら、この知識を役立てて欲しい程度の話。しかし受け継いだ方からすれば、そうは行きません。「秘伝のタレ」を家庭内で消費するなど許されません。「宝の持ち腐れ」は罪だからです。犯人は、受け継いだ技能を最大限発揮する場をずっと探していたのでは。冒頭に述べた動機は後付けであり、キッカケに過ぎないと考えます。あの人が病んだのは、非情な現実に心が耐えられなかったから。テロリストを育成する気などハナからなく、後に起こる「必然の悲劇」を予想できなかったからと考えます。甘いですか。甘いかもしれません。 もし現実に、本件のような予告爆破テロが日本で起きたとしたら。昨今のコロナ対策の現状を見る限り、あれほど大勢の野次馬が溢れかえるとは思えません。危険だから近寄るなと言われれば、近寄らないのが日本人です。鉄道も運休するでしょうし。実際には渋谷駅周辺はスカスカだと思います。ただ、立ち入り禁止の規制範囲は結構あんなものかもしれないと思いガクブル。爆破規模は、毎度お馴染み「想定の範囲外」であり、首相が責められるべきはテロリストと対話しなかった事ではなく、立ち入り禁止規制区域が適正ではなかった事だと思います。[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-09-21 19:56:00)(良:2票) 《改行有》

511.  ファンファーレが鳴り響く 《ネタバレ》 高校生が現実から逃げ出す場合「引きこもり」や「家出」をするのが通例ですが、光莉は実行に移す気力がなかったため「人殺し」に走ったと考えます。矛盾するようですが、持久力を必要とする「引きこもり」より、瞬発力で可能な「人殺し」の方が、ハードルが低かったのだと思います。また月並みではありますが「猫殺し」が予行演習となったのも間違いないでしょう。果たして光莉は、自らを窮地に追い込むことで、強制的に現実逃避を実現しました。ちなみに彼女は「世の中を変えたい」と口にしますが、これは行為正当化の口実と考えます。自分自身を欺ければ、理由は何でも良かったのでは。明彦にしてみれば完全にとばっちりですが、危ないところを助けてもらった恩(実際は逃避のキッカケを与えただけ)、そして彼もまた逃避願望があったことから、彼女の尻馬に乗りました。ヒロイズムの勘違いもあったでしょう。彼は、なまじ「良い子」であったが故に判断を誤ったと考えます。2人の凶行は常軌を逸しており、彼らの中で「現実感」は皆無だったと思われます。現実逃避をしているから当たり前。まさに夢見心地。シンメトリーな橋脚下シーンが印象的です。「夢」と「現」。2つの世界を私たちは行き来しています。どちら側に居るのか、ときどき不安になりませんか?タイトル「ファンファーレ」はパトカーのサイレン音のこと。目覚まし時計が鳴り響きます。夢から目覚めた2人には、「新しい現実」が待っています。 冒頭のダンスシーン、死んだ猫のツクリモノ感は、本作が「寓話」であることを匂わせます。また殺人の導火線として「猫殺し」エピソードが必須でした。いじめ。腐った大人たち。様々な「言い訳」を駆使して、どうにか荒唐無稽な「人殺しロードムービー」を成立させています。これほどショッキングかつ現実離れした内容にせずともテーマを語ることは可能だったはずで、商業戦略的に刺激過多にした感は否めません。特にアパート襲撃はやりすぎでした。喩えるなら、どこぞのバラエティに出てくる激辛料理。味や栄養が二の次になる料理に、何の価値があるのかと。料理人として、それでいいんですか?と思うのですが。園子温監督あたりの悪い影響もありそうです(決めつけ失礼)。 エピローグについて。2人が犯した罪に対して適正な罰が与えられた形跡はありません。「心神耗弱」「未成年」。減刑に使われたであろう刑法の「チートカード」は悪質で、光莉が忌み嫌っていたはずの「社会のルール」に守られた無慈悲な結末と言えるでしょう。『殺すのなんて簡単なんだからね』は、犯罪加害者には適用されません。とはいえ、映画は因果応報に厳しい世界です。明彦には「報い」が待っていました。当然光莉にも、しかるべき報復があると考えてよいでしょう。守るべき者が出来た今、より厳しい仕打ちが予想されます。その時、彼女は初めて自らが犯した罪と向き合うのかもしれません。明彦の同僚は「罪を背負って生きていけ」と述べました。そう、これが私たちの社会が望む「更生」の姿であります。令和日本版『ボニー&クライド』で描かれたのは「破滅」ではなく「絶望」でした。[DVD(邦画)] 6点(2021-09-16 01:28:39)《改行有》

512.  ファーストラヴ(2021) 《ネタバレ》 星空を見上げ、なんて自分はちっぽけな存在なんだろうと感じる事があります。今抱えている悩みが小さなものに思えてきます。本作で多数挿入される『都市の遠景』からも、これと同じ効果を感じました。コトの大小は相対的なもの。たとえば、象は大きいの?小さいの? 環菜や由紀の抱えるトラウマの正体が明かされても、私はさほど大きな傷とは思えませんでした。性虐待の中では軽微なほう。世の中にはもっと辛い思いを抱えて生きている人がいる。おそらく2人もそう考えたのだと思います。これは心理的負担を軽減する知恵ですが、使用法が簡便なゆえに、致命傷をかすり傷と誤認する事があります。彼女らが心に負った傷は、自身が思うよりずっとずっと深いものでした。ここに相対的判断の落とし穴があります。心臓を一突きされた人に比べれば、お腹を刺されたくらい大丈夫、とはなりません。もし傷の深さを正確に把握していれば、もっと早く適切な治療を受けていれば、悲劇は防げたかもしれないのに。幼い子が最初に助けを求めるのは親です。親子関係が機能していないのは、子の成長にとって不幸以外の何物でもありません。 日本における臨床心理学の社会的位置づけは、カウンセラーである由紀自身が何ら治療を受けていない事からも、絶望的に軽視されている事が伺い知れます。2人のトラウマに共通するキーワード『性虐待』についても社会的認識度は低く、世界基準だとアウトな事例も日本では容認されていたりします。文化的な側面もありますし、何でも世界(結局は欧米のこと)が正しいはずありませんが、私も娘を持つ父として素行には気を付けたいと思いました(タイムリーにも、某ロックバンドのアルバムジャケットの赤ちゃんモデルが、性的搾取を理由に訴えを起こしたそうです。超有名な裸の赤ちゃんがプールで泳いでいるもの。何でもありだな!)。 事件の顛末について。殺意を認定するも情状酌量により懲役8年の実刑。妥当な判決に思えます。救護を放棄した責任は重く問われるでしょう。もっとも、彼女にしてみれば、親からされた事をそのまま返したかたち。ピンチに何もしなかっただけ。『因果応報』ですから、個人的にはノーカウント(痛み分け)としたいところではあります。環菜には、罪と向き合い、きちんとカウンセリングを受けて、社会復帰する事を望みます。父親もきっとそれを望んでいるでしょうから。[インターネット(邦画)] 6点(2021-08-26 18:48:50)《改行有》

513.  AI崩壊 《ネタバレ》 どう転んでも自らが開発したAIが暴走して人を殺めた事実は消えないので、はじめから『無理ゲー』感半端なかったのですが、最後は何となく丸く収まってしまう不思議。「こんな事件があった後でも人口知能は人間を幸せにすると思いますか?」との記者の問いかけに、主人公は「親は子を幸せにできるか?」に同じと答えます。すなわち自分にできるのは「祈ることのみ」という訳。無責任にも思えますが、そのくらい図太くなくては偉業は成し遂げられないという事なのでしょう。[インターネット(邦画)] 6点(2021-07-09 15:29:18)

514.  罪の余白 《ネタバレ》 オーソドックスな復讐劇の体裁ながら、悲壮感は弱目です。その理由は次の通りと考えます。①娘の死が殺人とまでは言えないこと。 同級生からの虐めを苦にした自暴自棄による事故死ですから、父親にしてみれば“殺された”と感じるのは当然ですが、娘の自己肯定感の低さが根底にあったことも見逃せません。出生時に母の命と引き換えに生を受けたという負い目は強烈なトラウマとなり、娘の命を奪った遠因と捉えることも可能でしょう。事実、父の怒りの矛先は加害者だけでなく、娘の心の傷をケアできていなかった自分自身にも向けられており、異なるベクトルへの激情が“復讐の推進力”を弱めていたと考えます。②加害者が小物過ぎる。 弱者が強者に一矢を報いることが復讐劇の醍醐味のひとつ。というより、ジャンルに関わらず敵役は強くなくてはいけません。本作の場合、加害生徒の『女子高生』という立場は強者に分類されるかもしれませんが、主人公の『大学講師』も決して低いとは言えず、社会的地位によるハンデはさほど感じられません。また、加害生徒はスクールカーストでトップに君臨する女王ですが、あくまで子ども集団の中での話。芸能事務所の面接エピソードからも分かるように、一般社会で通用する人間力ではありません。現時点では、単に自己評価だけは高い(自尊心だけは高い)子どもでした。そんな未熟な子ども相手に、大人が本気で潰しにかかれば、ひとたまりもないのは言わずもがな。父が酒を絶ち反撃体制を整えた時点で、この勝負の結末は見えました。なお、父の復讐プランは、前述したように自分自身と加害生徒両方に向けられたものであり、自罰と他罰両方の性質を併せ持つものでありました。③内野聖陽。 感情移入先として、正直適役とは思えません。彼は最後に勝つ人間の面構えをしています。もっと“弱さ”を体現できる人だったら一緒になって苦しめた気がしますが。 悲壮感弱目の復讐劇は、物足りないとも言えますが、おそらく国民性も影響している気がします。加害者だけでなく自分自身にも非があると考えるあたりが、某隣国映画と決定的に違う点であり、復讐劇の“濃さ”や“強さ”を分ける要因となっているのではないかと。[インターネット(吹替)] 6点(2021-05-02 16:24:26)《改行有》

515.  一度死んでみた 《ネタバレ》 『ゴースト ニューヨークの幻』『destiny 鎌倉物語』『too young to die若くして死ぬ』『大木家のたのしい旅行新婚地獄編』『スカイハイ』『丹波哲郎の大霊界』『真夜中の弥次さん喜多さん』etc。いわゆる『あの世』を扱った映画を挙げ出したらキリがありません。名作から珍作までよりどりみどり。それだけ魅力的な題材なのでしょう。そんな数多ある『あの世映画』の中にあって、本作が異質なのは、タンパクであることです。それはもう、アッサリ、サクッと、シンプルテイスト。スペクタクルにも、サスペンスフルにも、如何様にもドラマチックに振れる優良な題材なのに、本作のアプローチは極めて単調なコメディでした。火種の周りに、特大の打ち上げ花火やらスターマインがゴロゴロしているのに、脇目もふらずに手持ち花火をしているような。これが線香花火なら、むしろ信念を感じますし、侘び寂びもありますが、そんな高尚なものではなく、安い花火セットで最初な消化してしまうような駄花火なのです。もっとも本作の場合は、駄花火(そんな言葉はない)とはいっても、広瀬すず、堤真一、松田翔太と超豪華仕様であります。気楽に楽しめる手持ち花火もそれはそれで楽しいですし、本作を否定する気は毛頭ありませんが、いろんな意味で凄く贅沢だなあと思うわけです。そんな贅沢な駄花火の中で目を引いたのは、妻夫木聡氏。ほんのチョイ役ですが素晴らしいアクセントでした。いつの間にこんなに上手くなったのかと驚くばかりです。[インターネット(邦画)] 6点(2021-04-25 19:28:42)

516.  MANRIKI 《ネタバレ》 芸人『永野』の笑いを物語に変え映画化したもの。永野の笑いが好きならどうぞ、興味がないなら観る必要はありません。以上 でも構わないのですが、流石にあんまりなので少し掘り下げます。永野氏の笑いは、傍若無人でノンデリカシーが持ち味です。著名人をおちょくり、コンプレックス・差別・偏見・暗黙の了解等『それは触れない約束』をフォーカスします。憎めない毒舌などという生易しいものではなく、純然たる悪意を感じます。また、一般的には『滑り笑い』カテゴリーと思われがちですが(失礼)、実際はストロングスタイルの一人コント師です(褒めました)。大衆受けするはずのない(失礼)独特なセンス(褒めました)。ニッチな笑いなのに(失礼)一応メジャー芸人に分類されるあたり(褒めました)、ほとんど奇跡というか(褒めました)何かの冗談と言わざるを得ません(失礼)。最近では、アイドル・高城れにさんとコントユニットを結成しライブ活動を行っており、ももクロファンの私としては永野氏を批判する立場にないものの、いつ見ても犯罪者の目だなと思います(失礼)。とはいえ笑いのセンスは結構好みだったりもします(最大限褒めました)。そんな永野(どんな永野?)のファンを公言する俳優・斎藤工氏とタッグを組んで本作が制作されたとお聞きしました。斎藤氏もなかなかの変態ですので(実は褒めています)、なるほど納得の『アブノーマルなサスペンス風コメディ』に仕上がっております。不条理で押し通しても良かったはずなのに、整合性あるオチを付けるあたり、根は真面目なのでしょう(実は褒めていません)。繰り返しますが、永野に興味がないなら観ても得はありません。[DVD(邦画)] 6点(2020-12-20 00:51:19)《改行有》

517.  決算!忠臣蔵 《ネタバレ》 舞台が赤穂(兵庫県)ということで関西芸人が多数キャスティングされています(バリバリ関東芸人イメージの上島竜兵さんが兵庫出身とは知りませんでしたが)。彼らに期待されているのは、ネームバリューとネイティブな関西弁を操ること。コメディリリーフとしての役目は課されていません。芸人が大挙出演しているのに彼らが全然笑わせようとしないため、妙な違和感を覚えました。そうでなくとも、大笑いするタイプのコメディではなく、現代社会と対比させた風刺がメイン。言うならば苦笑い系喜劇です。純然な笑える喜劇を期待してみると肩透かしを食うかもしれません。勿論これはコメディとして不出来なのではなく、仕様の問題。カカオ80%チョコが大して甘くないのと同じです。討ち入りシーンも無ければ、吉良上野介に至ってはキャスティングもされていない異色の忠臣蔵でした。かつて『わんわん忠臣蔵』なんて映画もありましたが、手を変え品を変え、様々なアレンジが施されるのは、原作が長年日本人に愛されてきた証であります。もはや擦られ過ぎて原形が分からない気もしますが、これも『歴史に名を刻む』事の副作用のひとつでしょう。中村義洋監督のお金時代劇は『殿、利息でござる!』に次いで本作で2作目。これはもう3部作行きますね。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-11-20 20:27:37)(良:2票)

518.  バースデー・ワンダーランド 《ネタバレ》 小学5年生の二女と一緒に鑑賞しました。娘は大層面白かったそうですが、お父さんは物足りませんでした。そこで物語の捉え方が違うことに気づきました。娘は『旅行』として、私は『冒険』のつもりで物語と向き合っていたのです。おそらくこれは娘が正解。添乗員付き、保護者同伴なら、そりゃ『旅行』ですよね。異世界でロールプレイイングする凝った趣向のツアーであります。主人公の母親も経験者のようですし、“危険は無い”と判断し年頃の娘に夢旅行をプレゼントしたのかもしれません。ですから『千と千尋の神隠し』や『オズの魔法使い』『不思議の国のアリス』等と比較して“生ぬるい”と判断するのはお門違い。どちらかと言えば、マイケル・ダグラス主演の某作や、シュワちゃんお目々ビックリの某SFと同カテゴリー作品と考えます(こちらは完全大人向け。生半可な冒険より余程ハードですけど)。『冒険』の方が『旅行』より偉いワケでもありませんし、『〇ィズニーランドに行ってリフレッシュしたら嫌な出来事も気にならなくなりました』な結末も悪くありません。ただし、オリジナリティに欠ける点は少々気になります。他の冒険ファンタジーと似通った設定や描写が目に付くが故に、『冒険』と勘違いするのです。あるいは、かつての『冒険』を現代風にアレンジしたら『旅行』になりましたって事かもしれませんが。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-11-10 19:23:16)(良:1票)

519.  グレイトフルデッド 《ネタバレ》 何かを検証する場合、多角的な視点を持つことは必須です。本件についても、ナミの生い立ちを知る事で、事件の原因や全体像を探ることが出来ますし、ナミの立場に立つならば、一連の狂行にも確実に合理性が存在します。しかし、被害者にとっては加害者の事情など知ったこっちゃありません。突然拘束され、辱しめを受け、息子を殺された事実が全て。今は殺すか殺されるかの修羅場ど真ん中。「これは戦争だ」この異常事態にパニクらず、的確に状況を把握した笹野じいさんは流石だと思いました。狂気には狂気をもって抗うのが道理ですから。果たして2人の全面戦争は、じいさんの勝利で終結しました。しかしながら、これはナミが望んだ結末でもあります。愛する者の手にかかり、孤独な生から解放される幸せ。しかも神様の御許しありのオマケ付き。笹野じいさんにとっては、死合に勝って勝負に負けたようなもの。無力感は想像を絶するものでしょう。さて、この後じいさんは立ち直れるでしょうか。きっと神様はじいさんに、これまでと同様に救いの手を差し伸べてくれるはずです。それが神様の仕事。しかし、元を正せば、一体誰のせいでこんな事態になったのかという話。人は苦しみから逃れる為に神様をつくり、その神様に苦しめられる。何の事はない、要するにマッチポンプです。確かに万人にとって、死だけが救いかもしれません。(以下余談)主人公ナミの子供時代を演じたのは、アイドルグループ『アメフラっシ』の愛来さん。ももクロのご縁で存じあげております。子供時代の愛来さんと、成人したナミのビジュアルマッチングが実にお見事でした。にも関わらず、お姉ちゃんの方はお前誰だレベルの違和感で不思議マックス。これは単にキャスティングの不手際か、あるいはお姉ちゃんだけは運命から脱出できた事実を端的に表すための変化と捉えればよいのでしょうか。さて、どっちなんでしょう。[インターネット(邦画)] 6点(2020-10-30 21:21:32)

520.  屍人荘の殺人 《ネタバレ》 『吹雪の山小屋』や『絶海の孤島』といったミステリー常套の『日常遮断』状況を、『ゾンビ』を用いて成立させたアイデアは『いちご大福』なみに斬新で、さらに『ゾンビ』の特性を密室殺人のトリックのタネ仕込んだり、徹底してグロテスク描写を排除したりと、ミステリーとしてもゾンビ映画としても、意欲作であるのは間違いないでしょう。まず注目したいのが『ゾンビ』の定義。一般的には以下の条件を満たすものが『ゾンビ』と考えられます。①死人であること②人を食らうこと③知能減退と感情喪失④ゾンビに噛まれるとゾンビに変わること⑤頭が急所であること⑥もう人間には戻れないこと。細かな条件はもっとあるでしょうが、大まかこんな感じ。さて本作の感染者たちは『ゾンビ』と言えるでしょうか。答えは『わからない』。③④の条件は満たしていますが、②⑤は微妙(食らうというより噛んでいるだけ。ゾンビじゃなくても頭を破壊されれば死ぬでしょう)、①⑥は未検証です。にも関わらず館に立て籠った人たちは早々に『襲ってくる顔色の悪い人』を『ゾンビ』と認定しました。これをもって『短絡的』とか『あり得ない』と非難する気はありません。トイレに落ちてた『かりんとう』は、もう『アレ』にしか見えないのと同じ。それより、イチホラー映画の架空の設定が、常識化している事実に感動します。ホント『ゾンビ』は偉大な発明です。さて、次の焦点は『ゾンビ対処法』。人々が取った作戦は専守防衛でした。これは当然の選択です。救助が来るのは時間の問題ですから。彼らは『正当防衛』でしかゾンビを殺していません。ただし『殺人(殺ゾンビ)』の倫理ハードルは常識より遥かに低く設定されています。これは『武器』を手にした効果と考えます。映画『トレマーズ』のガンマニア夫婦同様、『武器』があるなら使いたいのが人情というもの。死が隣り合わせにあり、武器を手にし、倫理ハードルが異様に低い状況で『復讐』は決行されました。もちろん犯人には『覚悟』がありましたが、土壇場で踏み留まる可能性も十分にあったでしょう。また犯人は『ゾンビにすれば2度殺せる』と憎しみの感情を吐露していますが、『一度ゾンビにしてから殺せば心が痛まない』理由もありそうです。いずれにしても『環境』が『復讐』を後押ししたのは確か。『場の空気』とはかくも恐ろしいものです。そういう意味で、比瑠子ちゃんが明智ゾンビを殺した件も『場の空気』に違いませんが、彼女の場合は積極的に利用したのです。そもそも比瑠子ちゃんが明智と葉村くんを合宿に誘ったのは、ワトソンを明智から奪い取りたかったから。優秀な人間は千載一遇の好機を逃しません。迷探偵から名探偵へ『ワトソン君の移譲』が本作の裏テーマでありました。本作は、いわば新探偵コンビ結成エピソード。そうだとしても、明智恭介という愛すべき超優良キャラクターを葬った罪は重大であります。責任を取って比瑠子ちゃん&葉村君コンビが活躍する続編をつくって頂きたいと思います。できればコメディ強めで。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-10-25 08:26:33)(良:1票)

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