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コメント数 3872
性別 男性
年齢 53歳

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541.  ヤマトよ永遠に 本作、いきなり暗黒星団帝国による地球侵略が始まり、人類は唐突に危機に陥ります。そこで例によってヤマトが立ちあがる訳ですが……。敵の本拠地に乗り込んだヤマトの前に、昨今のバカミステリーもビックリの、費用対効果を極限まで無視した、壮大極まりないバカトリックが登場します。ここまで気の遠くなるようなトリックを仕込むヒマがあったら、地球侵略の段取りをもうちょっと考えろよ、と。さすがはヤマトシリーズ、この破天荒さが嬉しいですな。今回の作品、ちょっとメロドラマが入ってます。するとどうなるか。かつてのガミラスの連中は、みなドイツ人っぽい名前でしたが、今回の宇宙人はフランス人っぽい名前になってます。“ベルばら”調ですね。これまでの男泣き路線ではなく、女性にも受けそうな(?)、これまでにない感じ。アニメーションもグッと緻密になってるしね。そりゃま、第1作以来、だんだんネタ的に苦しくインパクトにも不足してきているのは否定できませんが、ちょっと意外な路線が楽しめる作品でもあります。今回の艦長・山南さんもまた、そういうインパクトの無さをよく表していて、沖田さんのような神秘性はまるで無く、存在感も薄いのですが、部下の話をよく聞き素早い決断を下す、とてもイイ人(すべて部下の主張に流されているだけ、という話もあるけど)。そういう人だけに、最期のセリフ(だけ)が光りますな。[DVD(邦画)] 7点(2013-11-28 21:23:03)

542.  口笛が流れる港町 本作、やっぱり尺が短いので、オハナシはドンドン進むのだけど、この短さにも関わらず、冒頭、2分近くも、ただ小林旭が馬に乗って岩山をやってくる姿をワンカットで見せてくれる。で、いきなり、宍戸錠との拳銃での挨拶。「これは西部劇なんだぜ」という宣言ですね。だから彼らがなぜ拳銃を持っているか説明もないし、地上げ屋風情の連中から彼らによって助けられるヒトも、彼らの拳銃に驚くこともなくアタリマエの顔をして「どうも有難うございました」なんて暢気に礼を言ってたりする。素晴らしきこの強引さ。何しろ尺が短いんだから。と思っていると、今度はサイコロ賭博のシーンが延々と続いたりする。そう、「対決」のシーンについては端折る訳にはいかんのです。ってな訳で、小林旭と宍戸錠が、微妙な距離感を保ちつつ、巨悪ならぬ微悪に立ち向かう、シリーズ第2作でした。次に“渡り鳥”が現れるのは、あなたの町かも知れない。もしも風光明媚な土地ならば、ですが。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-11-22 01:43:08)

543.  ギターを持った渡り鳥 何せ尺の短い娯楽作品、冒頭からいきなりの乱闘騒ぎなど、強引にお話が進んでいきます。さらには出てくる人出てくる人、「おや、君はあの時の」式に偶然の再会を連発。どこまで世の中狭いんだ。いやはや、問答無用ですな。陰のある流れ者の主人公は勿論、小林旭。最初は地上げ屋の手先みたいなコトもやったりして、単なる正義漢ではない、我が道を行く一匹狼。中盤には、意外な過去も明らかに。ってか、かなーり不自然にニヒルな笑みを浮かべる宍戸錠が出てきたあたりから、妙な展開になっちゃった気もして、やっぱり宍戸錠は只者ではないな、と(笑)。それにしても、函館を舞台にした本作、ロケーションが素晴らしいです。この「空気が澄んでいる」という感じは、一体何なんでしょうか。そして揺れる船上のシーン、観てるだけでも酔いそうな(挿入歌「地獄のキラー」がこれまた意外にイイ歌だったりする)。乱闘シーンでは、足を滑らせそうな危ないスタントも小林旭自ら演じているなど、とにかく、大作映画とは異なる活きの良さが感じられて、楽しい作品です。ところで、刑事さんがタバコをスパスパ吸いながら神社の境内に入って行っちゃうどころか、吸い殻をポイ捨てしたりするシーンを見ると、大らかな時代というか何と言うか。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-11-10 11:21:45)

544.  宮本武蔵 巌流島の決斗 《ネタバレ》 吉岡一門との対決を制し、「後悔せず!」と叫んでみせた武蔵、しかしどうみても後悔しまくりなんですね。身寄りの無い少年の面倒を見るあたりは、罪滅ぼしといったところでしょうか。しかし、これまでの戦いで武蔵が得たものは、何だったのか。剣豪としての名は広まり、細川家指南役という話も舞い込むが、それではまるで、吉岡一門をギタギタにし子供の命まで奪ったのは、就職活動のためだったみたいではないか。と言う訳で、武蔵はスタコラサッサと旅立ってしまうのだけど、いくら逃げても肩書の方が追いかけてくるのが、有名人のツラいところ。一乗寺下り松の石仏、過去の妄執もまた武蔵を追いつめる。ついでにオババも武蔵を追いかけてきちゃったりして、最後の対決の場に武蔵を待ち受けるは、小次郎か、オババか。さあここから先は、ネタバレもヘッタクレもありゃしない、誰もがお馴染みの名セリフに名対決(小次郎が「卑怯」と罵る通り、武蔵は最後まで心理攻撃の手を緩めない。いやあ、卑怯だなあ)。剣の道に対する武蔵の疑念が、一種の諦念の形で確信に昇華されて5部作は幕を閉じます。シリーズ中、特に見所が多い作品でもないかも知れませんが、さすがにこの最終作を見ないことには、落ち着いて眠れませんからね。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-09-29 11:58:04)

545.  長靴をはいた猫 80日間世界一周 ハリウッドのシリーズ映画ってのもバカにできないのは、ちゃんと「前作以上のものを」と、完成度の高低はともかく、手間暇コストはかけて頑張ってます。噂によると初期のスタートレックシリーズなんかは例外のようですが。あ、あと『スーパーマンIV』、あれはもう完全な事故ですね(笑)。で、この、我らが『長靴をはいた猫』シリーズ。3作目に至って、クオリティの低下は明らか。何しろペロの声がなべおさみ、だなんて。って、それはどうでもよろしい(TV番組「生きものばんざい」を楽しんで見てた頃は、まさかあんなに悪いヒト(笑)だとはつゆ知らず)。そうではなくて、アニメーションのクオリティ。テレビ向けのような作業効率優先が感じられ、惰性によるシリーズ化、何かと制約が多くなってしまうのか。しかししかし、やたらと世界一周の行程が早く描かれていくと思ったら、クライマックスに見せ場が待っているのですね。手に汗握る、時計塔での追いかけ合い。世界一周の旅を約束の期限内に終えるには時計台に登らならければならぬ、それを何が何でも阻止しようとするモンスターのようなグルーモン卿。第一作『長靴をはいた猫』の圧倒的なクライマックス、あの興奮を蘇らせたいという作り手の思いが伝わってくる、見事なシーンだと思います。[DVD(邦画)] 7点(2013-09-22 09:06:00)

546.  八甲田山 新田次郎の小説「八甲田山死の彷徨」の息詰まる迫力というのは、克明な描写がもたらす“記録文学っぽさ”に大いに由来しているだけれど、その一方で、作家の想像による補填というだけではない明らかな創作も多々含まれていて、実際の事件に取材しているとは言え、登場人物の名前は皆、実在の人物から変えられていたりするのですな(その前に書かれた短編「八甲田山」ではまだ、それこそ作家の人生観を反映させるような創作は目立たず、雪山の恐怖を描く事自体に主眼があったものの、この時点ですでに名前の変更が行われている。一部の名前は「八甲田山死の彷徨」でさらに変更されている)。で、まあ、この映画もあくまで、小説「八甲田山死の彷徨」の映画化作品なワケです。青森第五聯隊と弘前第三十一聯隊の運命を、やや残酷なまでの対比をもって描かれるのですが、一方で、やはり役者が身をもって演じる“映画”ならではの、同情というか優しさのようなものも感じさせます。何しろ、雪山ロケの、どこまでが演出なのか(それとも演出など有って無いようなものなのか)わからぬトンデモナイ過酷な光景が延々と続くのですから、「ちょっとイイ話」的なセンチな要素も、映画に入れたくなるってもんでしょう。そのくらい、この映画は、やり過ぎです(笑)。カメラのレンズにまで雪が積もってませんでしたっけか。本当に撮影中に死人が出なかったのだろうか、なんぞとついつい心配してしまう、猛烈に我々に訴えかける力のある映画(映画の完成度とか何とかはそっちのけで)。そんな訳で、必ずしも記録文学とは言えない原作に基づいて、ある意味“記録映画”な作品が出来ましたとさ。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-09-11 22:29:34)

547.  現代やくざ 人斬り与太 『仁義なき戦い』前夜、とも言うべき作品。文字通りの「仁義なき」生き様、アナーキーな愚連隊の姿を、エネルギーあふれる深作演出で暴力的に描き切ってます。しかしまた、大きな組織の狭間で、彼らに向こうを張ろうとして目一杯背伸びをし、敗れ去って蹂躙されていく主人公の姿が、なにやら先の大戦で敗戦した日本の姿そのままのようにも見えてきて、なかなかに切ないものがありますな。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-08-25 08:53:57)

548.  悪名一番勝負 田宮二郎がモメごと起こして出演できなくなりました~。というこの時点で、この『悪名』シリーズも終わってるのね。だから本作、すでに番外編っぽい印象、ついでに脚本・監督にマキノ雅弘が登場、これは我々への大きなプレゼント。田宮二郎の抜けた穴は、ちゃっかり甥の津川雅彦で補ってしまう。そんでもって、すでに殆ど寅さんと化していた本シリーズを、任侠モノ路線に引き戻し(ラストではドスを振り回す朝吉親分)、ついでに数多くの様々な途上人物の悲哀を盛り込んで、市井モノの一面も。しかし、前作までのまるでファミリー路線のようなホノボノした雰囲気を思うと、本作、急に密度の高いムツカシイお話になったわねえ、と(思えば寅さんシリーズってのは初期の一部を除き同一監督で撮り続けられ、あれはあれで実に幸せなシリーズだったよなあ、と)。本作、趣向が変わったのはいいけれど、朝吉親分の影がやや薄い(敵方の密談ばかりが描かれる印象アリ)のがちと残念。いや、それだけに、ひとり倒れふたり倒れた後についに朝吉親分が敵地へ乗り込むクライマックスが盛り上がるのです……ですが、その直前のおりんとの絡みが、ちょっとアッサリし過ぎかな。一番おいしい役は、どう考えても、田村高廣。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-08-05 23:18:14)

549.  十三人の刺客(2010) どこか超現実的な浮遊感とも言えそうな虚無感を漂わせていたあの元映画よりも、『将軍家光の乱心 激突』のスペクタクル調に近いかも知れません。だから、あのスックと立ちふさがった姿、役所広司じゃなくて千葉真一だったらなあ、と思わんでもないし、殿様の「イッチャッテル感」も京本政樹の方がストレートだったりするのですが、まあ何にせよ、この作品、“修羅場”の映画です。「タイタス・アンドロニカス」のノリとも言ってもいいかも知れない。クライマックスの破壊と修羅場を描かんがためにすべてを準備し、あとはただひたすら、殺戮、破壊、修羅場。“刺客”たちが次々に弓矢を投げ捨てる姿がひたすらカッコいいのです。そしてあの鮮烈な、「みなごろし」の文字の、どんな残酷描写よりも引けをとらない恐怖。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-06-09 12:05:21)

550.  昭和残侠伝 唐獅子牡丹 難点はいろいろあるかも知れないけれど、日本人のメンタリティに完璧なまでにフィットするこういう作品には、やっぱり逆らえませんなあ。健さんが弟分の起こしたトラブルの尻ぬぐいのため、やむなくヒットマンとなり秋山の親分さんを斬ってしまうのだけど、この対決の場面が「お互い納得ずく、正々堂々の戦い」が強調され、ああ健さんは悪くないんだ、と。はたまた出所後の健さんが親分さんの未亡人と息子をサポートするのだけど、自分が斬った張本人だとなかなか言い出せない、これもまあ健さんは口下手だからしょうがないなあ、さらには未亡人役の三田佳子も健さんを弁護してくれるもんで、ああ健さんは悪くないんだ、と。この辺りが娯楽作品の限界、作品の浅さでもあるのでしょうが、そのお陰で誰もが作品を気持ちよく楽しめちゃう、ってのも確か。クライマックスの左右田組への殴り込みのシーン、明らかにイメージは「忠臣蔵」で、サービス満点、しかも討ち入りだけに終わらずに石切り場での死闘になだれ込み、これはもうギャング映画のノリで、サービスし過ぎ。すばらしい。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-05-26 08:24:27)

551.  源氏九郎颯爽記 白狐二刀流 幕末の世に現れた白装束のヒーロー、源氏九郎。義経の子孫だそうですが、本当は宇宙人か何かなんでしょう、この浮世離れ具合は半端じゃありません。時代劇なのにフラメンコが演じられたり、西部劇の無法者たちのように空に向ってピストルが乱射されたり(なぜか戦う時には撃たない?)、脇役が勝手にコントを始めたり、何でもありあり、展開も異常に速く、まさにゴッタ煮状態。SFですね、これは。しかし、展開が異常に速くとも、ただ漫然と速いのではなく、キメるシーンはしっかりキメてくれる。そして、細かいやり取りを織り込むことで、得てして脇役悪役の方がイイ顔をしていたりするのです。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-05-11 10:54:55)

552.  悪名桜 こういうシリーズものを観ておりますと、作り手の側としてはマンネリ路線の中にも多少の変化を、と趣向を凝らしたりするところなのでしょうけれど、観る側にはそれが結構気になる変化だったりもします。このシリーズは、「悪名」と言いながら実際はまるで聖人のようなイイ人、しかも腕っ節は滅法強い、という朝吉親分が、悪を懲らしめるオハナシ。悪を懲らしめると言っても、単なる鉄拳制裁だったりする訳ですね。世の中がよくなったのやらならなかったのやらよく判らなくても、観てる我々はとりあえず溜飲を下げる。とにかく、“任侠界の出来杉クンこと朝吉親分の悪者退治”ですから、いわばここで描かれているのは一種のユートピア。ところが本作、ちょっと感じが違う。まずそもそも、朝吉親分はいきなりカタギの商売人になっている。「八尾の朝吉」という“悪名”も本作ではあまり通じない。親の死に目に逢えなかった悔恨より、とあるチンピラを更生させようとするも、殆ど空振りで救いも無く。ユートピアとしての本シリーズを感じさせないまま、やるせない怒りをぶちまけるように、ヤケクソのように、クライマックスの殴り込みへ突入しますが、それとて、敵役の藤岡豚也じゃなかった琢也に「自分たちを倒してもまた別の連中がのさばるだけ」と捨てゼリフを吐かれてしまう訳で。シリーズ中の異色作と呼ぶほど異色ではありませんが(正直、マンネリですが)、ちょっとひっかかる作品ではあります。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-04-30 13:31:33)

553.  悪名波止場 歌ありアクションありの人情活劇。一応は任侠シリーズで一応は死人も出ますが、コメディですね、これは。前作のラストシーンからそのまま物語は始まり、要するに、藤田まこと演じるニセ清次(その2)にまつまる騒動なのですが、ニセ清次は早々に退場。彼の妹のために一肌脱ぐ朝吉親分、このあたりはどっちかというと寅さん映画のノリですが、寅さんと違ってさすがは朝吉親分、金の工面のためマジメに肉体労働に励んでおります(任侠シリーズなのに?)。という、寅さんよりさらにカタギになっちゃってる朝吉親分ですが、やはり本分は悪への鉄槌、ラストでは悪党一味にトホホな制裁を加える“ハングマン”と化します(水攻めにあう吉田義夫さんの引きつった顔)。……やっぱりコメディですね、これは。おんな舟のアマゾネス軍団の凶暴さには朝吉&清次もタジタジ。という、時代のバイタリティが感じられる楽しい作品でした。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-01-27 08:29:24)

554.  若親分千両肌 池広一夫監督の眠狂四郎最終作も何だか陰気でしたが、若親分最後を飾る本作も、映像的にはちと陰気なところがあります。でも内容は楽しくまとまっておりまして。雷蔵の若親分が、もはや若旦那か若番頭にしか見えないのは、これはもうとやかく言わないことにして、本作の楽しさはやっぱり、長門勇演ずる座長さん、というか、アヤシゲなカラテの達人ですね。そして物語も、任侠モノの枠に収まらず、これはもはや、エスピオナージュと言っちゃってもいいんじゃないですかね。盗まれた軍の機密書類。陰謀劇。そして炸裂する若親分の怒りと、長門カンフー(↑さっきカラテと書いたっけ)。まさにこれぞ、スパイアクション映画。で、何でタイトルが「千両肌」なんだろうね。私は「若親分は二度死ぬ」でよいと思います。そして、ショーン・コネリーとは違い、雷蔵若親分はもう帰ってこない。ラストの「た~~け~し~~」という謎のテーマソング(?)を耳に残して。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-01-14 13:15:09)

555.  第三の悪名 最近めっきりおとなしい(?)朝吉親分、巷で自分の噂を聞いたところ、どうやら皆、“朝吉は先の大戦で戦死した”と思っている。彼はもはや過去の人。一方で街にはまた怪しげな連中が跋扈し始めているのだけど、それが何と朝吉親分の軍隊時代の上官。当時は理不尽な暴力を振るった上官も、今では暴力は部下任せ、自らは「大学出のインテリやくざ」として、理知的にのし上がろうと野望を抱いているらしい。演じる長門裕之のクールな表情が、勝新のクールさのカケラもない表情と対照的過ぎて、あははは。しかし作品の性質上、結局は朝吉親分が暴力を振るいまくって解決しちゃうお話なんだから、知性は否定され、「いやぁ、暴力って、本当に素晴らしいですね」というコトを言いたい作品、なんですかねえ。ともかく、元上官とのカラミに加え、“モートルの貞”の仇との対決あり、いとこい師匠のチョイ役出演あり、となかなか楽しめます。清次のキャバレーに悪辣なツラ構えの連中が集まってくるシーンが圧巻! 朝吉の姿を皮切りに、店内をグルリ一周見回すカメラ、一周してもとのアングルに戻るかと思いきや、全く別の角度から朝吉を捉えている! 今どきのハリウッド大作にも負けないトリッキーなカメラがスゴイ。[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-12-25 06:38:41)

556.  続・新悪名 ひょんなことから靴磨きの少女になつかれてしまった朝吉親分。さらには木賃宿で知り合った旅一座の興行にまつわる金銭トラブルに巻き込まれてしまい。という訳で本作、任侠モノなのやら、人情モノなのやら。要するにその両方、という訳ですな。少女のエピソードの方がややハンパな終わり方で、ハッピーエンドと呼んでいいのかどうか、何しろ母親がミヤコ蝶々なもんで、オハナシをどう持っていこうが、こんな母親では少女の将来が案じられてしまって仕方がない(笑)。その心配な母親を演じる蝶々さん、やっぱりいかにも芝居の人、という感じで、映画では何となく浮いてしまう面はあるのだけど、溌剌たる田宮二郎とのやり取りはもう見事なもの、ぜひこの二人の漫才も見てみたくなります。そして何と言っても本作のMVPは、時に憎々しく、時に卑屈に悪役を演じきった遠藤辰雄(太津朗)ですね。ラストの大立ち回りでは、長廻しのシーンも多い中、息も絶え絶えボロボロメッタメッタに勝新にヤラレてみせるその姿。もうはっきり言って感涙モノです。いや、悪役だからホントは同情されてちゃいけないんでしょうけどね、でもホレボレしちゃうのです。[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-11-24 16:26:37)

557.  将軍家光の乱心 激突 痛快娯楽時代劇よ、今ひとたび。ってな感じで、まーとりあえず派手に盛り上げる盛り上げる。ワンカット撮影で俳優自身がスタントをこなしている事をアピールする千葉真一の厳しい演出もあり(ターザンロープの凄さ!)、また時代劇と思えぬ爆破シーンの多用もあり(ちょっと爆発多すぎませんか?)、派手さには事欠きません。しかも時代劇であると同時に西部劇。荒野があり、風が吹き、土煙が舞う。『ワイルドバンチ』のごとく橋が爆破され、『明日に向って撃て!』のごとく、画面が静止する。とまあ、楽しさ満載の映画ではあるのですが…。でも違和感もあり。身を挺してひとりを守り抜くノリは千葉チャンの『里見八犬伝』に近いのかな。でもやってることはもっと悲壮感があって、テロリズム映画『十一人の侍』みたいなところもある。で、どうも登場人物たちのアッケラカンとした感じと、やってることの自爆テロみたいなハチャメチャさが、しっくりこないのです。例えば緒形拳演じる主人公、恨みを持ちつつもそれを表に出さぬ、本来ならもう少し影のある存在だと思うのですが。その影があまり描かれない。ましてや他の連中なんて、何で唐突に自己犠牲的いや自己破壊的な行動に走るのか、さっぱりわからない。自己犠牲も連発すると、こちらもマヒしてきて、「はいはい、で、次は誰が死ぬの?」みたいなことになっちゃう。もう少しドラマに厚みがあってもバチは当たらんでしょう、などと思っちゃうのですが。でも本作、とにかく痛快です。久しぶりに観てまた楽しませていただきました。[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-09 22:34:39)

558.  ニッポン無責任時代 一言で言えば、「元気な映画」ですよね。「現金な」でも結構ですが(笑)。歌って踊る植木等の活きの良さ、調子良さには観ててつい頬が緩むし、大胆でちょっと雑なカット割りなども、むしろ楽しかったりします。元気で、動きに満ちた映画。この主人公、やってることは“周囲と比較すると”メチャクチャだけど、自分ではうまくいくと信じて、最後まで投げ出すこともなくすべてをやり切ってしまうんだから、別に主人公自身が「無責任」って訳じゃなく、むしろ、こんなヒトが大成功しちゃうこの映画のノリこそが、確信犯的「無責任」という訳なんでしょう。堅苦しい世の中において、「無責任」の楽しさよ。ところがところが、裁量労働・成果主義の現在から見れば、むしろこの主人公ほど優秀な人材はいない、ってなことになりかねない。世の中全員がこんなヒトばかりでは、困るんですが。ホントは、閉塞状況の中にあえぐ現在の我々が、この映画を観て感じ取るべきなのは、「多様性」ということの価値、なのかも知れません……。[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-09-23 09:05:07)

559.  楢山節考(1958) 《ネタバレ》 どうみても書割チックな背景、あまりにも明らかなセット撮影に、とりあえずはビックリするんだけれども。でもすぐに、この作品は決して「まるでドキュメンタリみたいだね」という意味でのリアリズムを狙った作品ではないこと、舞台のイメージで作られていることがわかります。いやむしろ、観ているうちに、この世界観に呑まれていき、そういう違和感自体がわかならくなっていく。そしてクライマックスの雪山の描写に至っては、これはまさに圧巻で、セット撮影はここまで表現できるのだ、という凄みに圧倒されます。で、全編の物語が、閉鎖された舞台の世界、完結した説話の世界として、描かれていたものが、最後に、実際の「姨捨駅」が写されることで、現実世界との接点を突き付けられる、という訳ですが。しかしまあ、この「姥捨駅」と、年寄りを山へ捨てたという姥捨て伝説とは関係ない、とか。そもそも姥捨てなどという風習が実在したのか、しなかったのか、とか。そういう声もあるのですけども、映画としての効果たるや、ドキリとさせられて、これは絶大なものがあります。ただ……勢いあまって隣人の息子を殺してしまうのは、ゴメン、かなり笑撃的でした(笑)。でもどうしてこんなエピソードにしちゃったの? 深沢七郎の原作を読んで感じるのは罪悪感。納得して捨てられに行く母親、そこに雪が降って「良かった」というラストは、まさに表面だけのハッピーエンドで、一皮めくればすごそこには残酷さがある。捨てられてハッピーな訳ないもんね。この残酷さの中に幸せを感じ取らねばならないことほど、残酷なことはないもんね。そしてまた結局は、捨てる側の立場としては、崖から親を落とすのと、山に置き去りにするのと、大差ないもんね。読んだ瞬間、ハッピーエンドを感じてしまい、次の瞬間、こんな残酷な物語にそれを感じてしまった自分に対し、罪悪感を感じる。しかるに本作、「隣人殺し」のエピソードを描くことは(つまり残酷な隣人と母想いのオレとは違うのだ、という主張は)、本当に必要だったのかしらん???[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-05-27 09:08:55)

560.  ジャッカル うわめっちゃオモロイやん。以前観た時はなぜつまらんと思ったのだろうか。ってそりゃ、映画『ジャッカルの日』のオモシロさ、さらには小説『ジャッカルの日』の面白さ(ホントに興奮したなあ)があったからに決まってるんですけどね。大体この『ジャッカル』、原作が「ケネス・ロスの脚本」(フォーサイスの小説ではなくて)とせざるを得なかったところがすでにトホホなんですけれども。しかしその逆境にもめげず、よくぞ製作してくれました。もうこれ、オリジナル作品です、『ジャッカルの日』との関連なんて、事前に試射してみるシーンくらいのもんでしょ。優秀な殺し屋が、よりにもよって暗殺にあんな大砲みたいなヤツを使うなんていう発想が素敵です。前半は、ケガとカツラが似合う男、ブルース・ウィリスが、カツラまたカツラのファッションショー、神出鬼没とばかりに様々な場所に現れる。髪型と背景がひたすら変化し続ける、というのが面白く、自動車のペインティングなどを着々とこなしていく描写も面白い。要するにこの怪人ぶり。ギア様はちょっと存在感が薄く、だもんで、ギア様関連の背景も薄くなってしまった感があるのが惜しい(ってか致命的かも)点ですけど、地下鉄での追跡劇などは、今回観てて本当にシビれました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-01-04 09:44:38)(笑:1票)

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