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プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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681.  私の優しくない先輩 《ネタバレ》 (以下は私個人の勝手解釈です。未見の方はご注意ください。)“火蜥蜴島に越してきた心臓病の娘、イリオモテヤマコのひと夏の経験”は、“名も知らぬ少女が病院のベッドで今際の際にみた夢”でありました。虚実入り混じった物語でしたが、そのほとんどが空想だったと理解します。唯一の現実は、病床の少女に青年がキスする場面のみ。この事実は火祭りの夜、ヤマコが発した言葉により示唆されています。「ヤマコなんて名前の子がいますか?」観客が抱いていた疑問を劇中の人物が口にすることの意味とは何でしょう。火蜥蜴島なんて島があるか?武道・球技以外がマット運動部って?その他同級生の描写が一切無いのは何故?たこ焼き機が本格的過ぎないか?これらの疑問が正当であった事の裏付けです。全てが現実にあらず。天然記念物のような名前の女子高生は存在しなかったのです。ヒトカゲとは“人影”の意。ヤマネコは飼い猫とは違い、懐きません。病床の少女もまた病気を理由に、人との交流を避けてきたのではないでしょうか。そんな彼女を励まし、支え続けてきたのが“先輩”だったのでは。少女にとっては、疎ましい存在かもしれません。その情熱は、現実を見たくない少女には眩しすぎます。しかし先輩の思いは、最後の最後で少女に届きました。その言葉が胸を突きます。「人生、思い出をいっぱい作った奴の勝ちなんだよ!」それは面倒な事から逃げていては叶わぬこと。臭くて、ウザくて、暑苦しい思いをして、思い出は勝ち取るのです。「お前の感じた事全てが真実だ」もう戦う事すら叶わぬ彼女への、精一杯の肯定。少女のでんぐり返しは、空想を“本当”に変えることです。彼女がみた最後の夢を、先輩は優しい口づけで真実に変えてくれました…。ヤマコが存在しないと知ったとき、自分は物語に引き込まれた気がします。実在しないという事は、誰もがヤマコなのかもしれないのだから。本作は全ての観客に問いかけます。今、あなたは“感じていますか?”と。エンドクレジット。単なるオマケであれば、どんなに見事な技術を労しようとも、自分は心を奪われなかったと思います。高田延彦と小川菜摘が、最後までヤマコの父と母であり続けてくれたこと。これが何より嬉しかったです。美しく、そして優しい人生の最終回でした。[CS・衛星(邦画)] 9点(2012-02-01 18:23:39)(良:2票)

682.  ピラニア(2010) 《ネタバレ》 三角関係の1点が崩れて、残った2人が一緒になるというパターンは、フィクションでも現実でもよくある話。しかしながら第三者が客観的にみて2人を祝福できるかどうかは、意外とハードルが高いと考えます。本作はその点、よく配慮されていたと感じました。まず晴男について。ブラジャー事件、ピラニア復讐計画。確実に馬鹿ですが、不器用であるが故のこと。根が悪い奴でない事は伝わってきます。奈津にお金を貸す場面で、一度は見返りを求めてしまう情けなさも憎めない。彼は応援できます。一方奈津はどうでしょう。曽根にフラれた傷心から晴男を求めたのだとしたら、共感し難いところ。でも彼女は最初から晴男に心を開いていました。吃音の症状も少なかったし、彼に体を触られても嫌がったりしなかった。晴男に金の無心に行ったのも甘えがあったから。そもそも2人には最初から妙な信頼関係がありました。ハル(春)とナツ(夏)は惹かれあう存在。素直に2人を祝福できました。ピラニアとは凶暴な魚。それは晴男の持って行き場の無い感情。人は立ち直るために、無駄と思われる時間や不合理な行動が必要だったりもします。そんな情けなくて格好悪い人間が愛おしい。晴男よ、おめでとう。でも今度喧嘩をする時は、負ける覚悟で行ったりしないように。せめて水鉄砲にタバスコくらいは仕込んでいきなさい。本作はエロをコンセプトの一つにしているため、結構な絡みが用意されています。男性としては歓迎すべき部分ですが、最後の性交は蛇足でした。艶のあるシーンで艶消しとはこれ如何に。キス一つで2人の心の繋がりは、十分伝えられたと思います。[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-01-31 19:17:41)

683.  鍵(1997) 世間は、自称○○に結構甘いです。本人が言うなら、そうなんでしょと受け入れてしまうところがあります。お笑い芸人、美人姉妹、芸能界のご意見番、ハイパーメディアクリエイター。有栖川宮なんてのもありました。川島なおみの場合は自称“大物女優”。全身から女優様オーラを発しています。正直、何故あんなに堂々としていられるのか不思議で仕方ありませんでした。でも本作を観てその謎が解けた気がします。彼女の自信の拠り所は、本作に在るに違いありません。ただし、それは彼女の錯覚。過大評価もいいところです。脱いだら一流女優というわけではないのに。でも勘違いも気付かなければ本物と変わらない。少なくとも本人にとっては。思い込めば血液もワインに変わるのです。川島にとっては、それが一番幸せなのかもしれません。でも僕は忘れませんよ。あなたが一番輝いていたのは、車だん吉の横だということを…。[DVD(邦画)] 4点(2012-01-27 19:54:47)

684.  冷たい熱帯魚 《ネタバレ》 『自殺サークル』『エクステ』『気球クラブ、その後』で、自分は園監督から脱落しました。今回久々の鑑賞に至ったのは『愛のむき出し』(開始から1時間程度しか観ていませんが)を思いのほか楽しめたから。これなら、今の自分なら、園映画を理解できるかなと。信頼できるレビュワー様が軒並み高評価であった事も鑑賞を後押ししました。確かに傑作と呼ばれるのも頷ける出来ばえ。画作り、脚本、演出。全てにおいて躊躇なく振り切れていました。でんでんの顔は当分忘れられそうもないですし、「透明にしちゃおう」はホラー映画史に残る名台詞でしょう。観客を惹き付ける力は抜群です。映画監督としてのセンスが傑出している事は、映画オンチの自分でも理解できました。凄かった。凄過ぎました。そう、自分には“過ぎた”のです。過ぎたるは及ばざるが如し。極上の料理も食べ過ぎれば苦痛であるように、本作の毒を自分は処理仕切れませんでした。美味しいが故に、毒と知りつつも取り込み続けてしまうのが恐ろしい。ついに自分の心は、動きを止めてしまいました。茫然自失のエンドロール。それは、村田の毒に犯された主人公の姿に重なります。この影響力をもってして賞賛の評価を与えることは可能です。むしろその方が妥当でしょう。しかし、主人公が村田に感謝などしていないように、自分も監督を褒め称える気になれないのです。もしこの映画を受け入れてしまったら、自分が監督の奴隷になってしまうような気がするのです。『冷たい熱帯魚』は完璧なる観客調教映画であったと考えます。以下余談。某入浴剤のCMにでんでんが出演しているのですが、もう怖くて仕方が無いです。生田斗真、透明にされちゃわなきゃいいけど…。[DVD(邦画)] 7点(2012-01-22 19:26:46)(良:2票)

685.  ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密~銭形姉妹への挑戦状 BSⅰで放送していたのは知っていたものの、一度もTV版を鑑賞することなく本作に臨みました。正直面食らいました。作風は『トリック』『富豪刑事』あたりに近いものの、それを遥かに凌ぎます。何かが。明らかに狙っていることは分かりますし、ツッコミ御無用な作品であるのも理解出来ます。でも免疫の無い人間には刺激が強すぎました。同じ女子高生刑事もの(←どんなジャンルだ)なら、個人的には『スケバン刑事』のノリの方が分かり易くて好きです。愛→舞→泪→零→雷→海とシリーズを重ねているので、13代目あたりで”はとこ”の銭形鬱の登場を予想しておきます。キメ台詞は、「憂鬱、陰鬱、躁鬱と、鬱もいろいろあるけれど、今宵はあんたをお縄にかけて、鬱憤ばらしといきましょう。その名も人呼んでケータイ刑事銭形鬱!鬱って言う字、書けるものなら書いてごらん!」で如何でしょう。[DVD(邦画)] 4点(2012-01-22 00:24:16)

686.  ケータイ刑事 THE MOVIE 2 石川五右衛門一族の陰謀~決闘!ゴルゴダの森 《ネタバレ》 (TVシリーズ未見。前作の劇場版は鑑賞済みという立場での感想です。)前作にあった強度の“ゆるゆる感・グダグダ感”は鳴りを潜め、小気味良くなった印象です。堤幸彦監督の『TRICK』シリーズに近いリズムを感じます。TV版『ケータイ刑事』に思い入れのない自分としては、前作よりも本作の方が見易くてイイと思いました。ただしシリーズファンは、前作のようなアクの強い作品を好むのかもしれません。夏服の制服やくのいち風コスプレ等、主演2人の魅力を引き出すサービスカットは目白押し。彼女らのファンなら間違いなく楽しめると思います。個人的に嬉しかったのは、『噂の刑事トミーとマツ』の復活。松崎しげるの口から「トミ子~ッ」という台詞を聴けただけでもう大満足でした。そんな愛すべき2人のオッサンと、一人生真面目な演技を披露してくれた星野真里嬢に加点し、甘めの採点となっておりますことをご了承ください。[DVD(邦画)] 6点(2012-01-22 00:23:00)

687.  逆襲!スケ番☆ハンターズ ~地獄の決闘~ 《ネタバレ》 『総括殴り込み作戦』よりも本作の方が、劇場公開が1週間早いとのこと。2作品のうちコチラから観る方が正解だったようですが、自分は『総括』の方を先に鑑賞しました。とはいえ両作品に物語上の連続性がある訳ではなく、アサミを中心とした緩いキャラクター設定と世界観を共有しているだけのようです。『総括』で不満だった超スキルにまつわるパワーバランスが調整されている点、またアサミVSアキラの対決を主軸に据えた分かり易い展開等、2作品を比較した場合、完成度は本作の方が上と感じました。オープニング&エンドクレジットのセンスも悪くなかったです。ただ、特訓シーンやクライマックスを観ても分かるように、ギャグで観客を笑わせたい意図があるならば、無用な殺生は避けるべきでした。いかにバイオレンス映画であったとしても、です。特に○○を殺したこと。文章にするのも憚られるので詳細は省きますが、これはいけません。アメリカ映画で犬は死なないというWEB記事を見かけましたが、同様に日本映画では(というかどの国の映画であっても)○○を殺してはいけないのです。暗黙の了解事項。戦争映画等、相当の必然性があれば納得も出来ますが、自分には単に悪趣味なだけに思えました。そもそも立ち退きに反対している者を殺して構わないのであれば、地上げの苦労は無い訳で、作話の考え方に問題があったと言わざるを得ません。馬鹿コメディという免罪符があれば、どんな展開でも容認されると思ったら間違いです。馬鹿映画ほど、周到な計算が必要なのかもしれません。前述のとおり長所もありましたが、致命的な短所が足を引っ張った印象です。禁忌を犯していなければ7点を進呈していました。[DVD(邦画)] 3点(2012-01-16 18:57:14)

688.  爆発!スケ番☆ハンターズ ~総括殴り込み作戦~ 《ネタバレ》 『片腕マシンガール』と何処が違うの?と問われると、正直答えに窮します。何も違わない。どちらも正気の沙汰とは思えぬ映画です。『片腕~』に7点を進呈した自分ですが、本作にも同程度の点数をという気にはなれません。悪フザケが過ぎました。必然性のない指の詰め合いにも呆れましたが、一番の問題はピストルの弾を素手でキャッチする件。バカアクションというより完全にコメディの範疇。コレをやられると、全てのアクションが茶番と化してしまいます。バカでもアホでも構いませんが、茶番はいけません。何となくね。このおふざけを成立させるためには、言い訳が必要と考えます。本作の前身となる『やくざハンター』の予告編を観たところ、ピストルキャッチの特訓らしきシーンはありました。これも一つの言い訳。また『巨人の星』の大リーグボールだって打ち返されたように、必殺技は無敵ではいけないのです。致命的なウィークポイントなり、敵のボスキャラ(本作でいえば小嶺麗奈)にも同程度の秘儀がないとパワーバランスが取れません。それほどまでに、ピストルキャッチは法外でした。最後に主演の亜紗美嬢について。美形というワケでも、スタイルが良いワケでもありません。特別アクションが切れるワケでもない。でもワイルドな雰囲気は絶品でした。目つきと声がいい。殴り込みをかけるシーンでの啖呵「やくざハンターズ参上!」に痺れました。流石にこの手のアクション映画の場数を踏んでいるだけの事はあります。彼女に+2点の価値はあるかと。『やくざハンター』を鑑賞済みだと、また印象は違うのかもしれませんが、一見の客としての感想はこんなところです。[DVD(邦画)] 5点(2012-01-13 19:56:10)

689.  DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう? アイドル映画とは、ファン向けのプレゼントであると考えます。喩えるなら、父兄に送る園児・小学生の学芸会。仮にそれが稚拙なものだったとしても、文句を言う親はいません。大切なのは子供が一生懸命やっているかどうか。あと、いい役をもらっているかどうか(苦笑)。我が子を映したホームビデオを見返して、つくづく思います。これは親以外にとっては、全く興味の無い代物だろうと。アイドル映画の本質とは、こういうことかと。ファン以外が楽しもうとする事に無理がある。ただし商業映画でもある訳ですから、一般観客からの批評を回避する術はありません。学芸会だとしても、最低限のクオリティは必要です。そこで本作。ドラマではなく、ドキュメンタリー。いやインタビュー集でしょうか。親にとっては、普段の様子が窺え子の本音が聞ける分、学芸会より興味深いかもしれません。でもだからといって、アイドル映画の主流がドキュメンタリーになったら寂しい気がします。製作はドラマよりコスト安。それでいてファンのニーズは高い。イイコトずくめです。しかし、効率を追い求めると文化は廃れてしまいます。オモシロ・トンデモなアイドル映画の火を消さないで欲しいのです。『青春グラフティ スニーカーぶるーす』『プルメリアの伝説 天国のキッス』『CHECKERS IN TAN TAN たぬき』。どうです?これら錚々たるアイドル映画が世に出なかったらと思うと…別に構いませんか。先代の国民的女性アイドルグループの映画はサッパリでしたが、その志は本作よりも高いと考えます。今やAKB48は押しも押されもせぬ国民的アイドルグループ。是非とも王道のアイドル映画にも挑戦して欲しいと思います。何なら『ピンチランナー』のリメイクでも。点数は映画の出来というより、大島優子の可愛いさに対して。[DVD(邦画)] 5点(2012-01-11 20:46:08)(良:1票)

690.  ゴールデンスランバー(2009) 《ネタバレ》 青柳にとっては、アイドルを助けたことが運のツキでした。いや遡れば、宅配のバイト、大外刈り、ファーストフード同好会、全てが間違いだったのかも。こんなネガティブな運命論が頭を過ぎるほど、主人公が追い込まれた状況は絶望的でした。でも彼のピンチを救ったのも、これらの経験。オセロのコマが裏返るように、個々のマイナスがプラスに転じていきます。胸を熱くしました。晴子の「だと思った」。父親の「ちゃちゃっと逃げろ」。その一言で救われる。青柳と晴子はリアルタイムで言葉を交わす事はありません。でも友情という絆で繋がっていました。このことが数々の奇跡を生みます。しかしご都合主義だとは思いません。そう観客を納得させる仕掛けが施されていると感じます。以心伝心のカローラの件は、「自分も思い出していれば向こうも思い出してる」という轟の言葉で補足されているし、打ち上げ花火も初キスのエピソードが無ければ出なかったアイデア。そもそも轟さんをロッキーと呼べる信頼関係を築いていた事に意味があります。礎のある奇跡は大歓迎。では、キルオはどうでしょう。彼は助っ人として、突如青柳の前に現れました。その後の動きも神出鬼没。何故こんな芸当が出来たのか。ショットガン男と因縁があること、劇中一般人を殺めていないことから、「通り魔」という肩書きの信憑性が疑われます。彼もまた別件のオズワルドではなかったか。キルオも当局と戦っていたのなら、その立ち回りに説明がつきます。世間に顔が売れていた青柳が生贄に選ばれた妥当性も含め、全編を通して“説得力”を感じさせる脚本でした。エンターテイメントでは、リアリティより価値があると考えます。結末も秀逸です。青柳は手足を失う大事故に遭遇したようなもの。以前と変わらぬ生活を望むのは無理な話。この結末で最善です。彼と仲間の勝負手が、未来を手繰り寄せたのです。「長引かせると厄介だ」そう思わせたことが値千金。当局にとっての安全策、“代替による早期幕引き”を引き出せたのだから。人生は思い通りには行きません。打ちのめされる事もある。そんなとき、どう振舞うかでその人の値打ちが決まります。満点じゃなくても花マルは貰える。「たいへんよくできました」。青柳にはこの人生を誇って欲しい。[CS・衛星(邦画)] 9点(2012-01-07 19:49:36)(良:2票)

691.  哀憑歌 ~CHI-MANAKO~ 《ネタバレ》 愛らしい動物の代表「ウサギ」を、オカルトホラーの題材に選んだ着想は悪くないと思います。真っ白な体毛は『呪怨』の伽椰子を、赤い瞳は『SIREN』の島民を、始終ヒクヒクとしている鼻は『奥様は魔女』を連想させます(こりゃホラーじゃなかった)。ウサギのディテールは、よく見りゃコワイのです。また、芸能界ウサギ顔ランキングがあるなら、上位に食い込むであろう田畑智子をキャスティングしたセンスも間違っていません。ただ、どうせなら市川実和子や中嶋朋子といった一流のウサギ顔も登場させて欲しかったところです。上手く作れば結構なホラーになった可能性はあります。でも残念ながら、ウサギはやっぱりウサギでした。草食小動物の可愛らしさは消せていませんでした。肝心の田畑もウサギ人間に成り切れていません。『A.I.』のオスメント君の“まばたき無し”を見習って、鶴太郎の小森のおばちゃまよろしく始終モゴモゴしないと。オチも弱く、怖くも悲しくも驚きも無い、味気のない仕上がりの作品でありました。ちなみに印象的に使われる小道具「化粧品」は、ウサギを使った動物実験が問題になっているとのこと。プロパガンダ映画の要素もあるようですが、その効果は如何ほどか。[DVD(邦画)] 3点(2012-01-07 10:29:08)

692.  マイマイ新子と千年の魔法 《ネタバレ》 新子のマイマイは想像力と感受性のアンテナ。千年前の人々の暮らしに思いを馳せ、友の痛みを自分の痛みとして感じ取る事ができます。新子の父親は研究者であることから、もともと好奇心旺盛な家系なのでしょう。しかしマイマイは新子の専売特許ではありません。貴伊子も新子と同じ千年の夢へ飛び込めたように、マイマイはどの子どもだって持っています。いや、我々大人にだって。ただ、新子のように「明日の約束を返せ!」と叫ぶのが“しんどい”事や、空想に割ける時間が限られている事を大人は知っています。だから、普段は仕舞っているだけ。でも使わなければ、どんなお宝も錆びてしまいます。自分のマイマイを久しぶりに出してみたくなる本作のような映画は、大人にとって貴重な存在だと思いました。類似作品として真っ先に思い出されるのが『となりのトトロ』。“ススワタリ(真っ黒くろ助)が見えるのは子どもだけ”と、空想と現実世界に明確な線引きがされていたトトロに対し、本作の境界はやや曖昧です。マイマイが有る限り、人はいつでも千年の魔法に酔う事が出来るのですから。そういう意味では、ファンタジー色の強いトトロの方が厳しい世界観だと感じました。トトロは成熟した大人が作ったアニメ。マイマイ新子は子ども心を忘れない大人が作ったアニメ。[DVD(邦画)] 6点(2012-01-04 22:55:31)(良:1票)

693.  鈍獣 《ネタバレ》 凸やんは何者なのか?凸やんは何故死なないのか?作中の謎に明確な回答が得られぬまま、物語は幕を閉じます。本作の楽しみ方は、解釈を求めぬスタンスで正しいと思います。不思議な余韻を楽しむ映画。これから記載する内容は、私個人の勝手解釈。裏付けはありません。それを承知でお読みいただければ幸いです。 凸やんの正体について。浅野の胸に第3の乳首が在った事から、彼は凸やんで間違いありません。『鈍獣』の作者も鉄橋で本人が認めたとおり。しかし浅野は当初、小説家ではないと言い張りました。数々の思い出も忘れたといいます。嘘でしょうか?なら、何故嘘をつく必要があったのでしょう。彼は、本当に何も知らなかったのだと感じました。あの時の凸やんは、凸やんではなかった。別の人格。江田の指摘どおり、鉄橋で亡くなった凸川君(子供相撲の西の横綱)ではないかと。江田と岡本の証言によれば、凸やんと凸川君はよく似ていたといいます。浅野が凸やんの人格でも、凸川君の人格でも、江田らに区別はつかないでしょう。そしておそらく凸やん自身も、自覚をしていません。小説家としてのペンネームも凸川。凸川君を死なせてしまった後悔の念が、小説『鈍獣』を生み、凸やんの中に凸川君という別人格を作り出した。凸の反対は凹です。両方合わさって正方形。凸やんにとって凸川君という人格は、正気を保つための凹だったのではないか。鈍獣のキャラクター(角のある獣)も図案化すれば“凹”。凸やんが死ななかったのは、凸川君が既に死んでいるから。人は二度死ねません。あるいは“凸川君を死なせたくない”という思いが、浅野を不死身にしていたのかもしれません。「もうお終い?」そう問い続ける凸やん。「まだ終わってないよ、ウルフ」と江田。この会話に隠された本当の意味に、心が沁みました。 いろんな想像や解釈が出来る映画は自分にとって良い映画です。ただ、コメディ要素が豊富なワリには、笑うに笑えぬもどかしさを覚えました。凸やんと江田、岡本の友情を示すエピソードがイジメに思えてしまったのが、乗り切れぬ原因だったかと。役者陣はみなお見事でした。[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-01-01 00:01:16)(良:1票)

694.  人魚伝説 《ネタバレ》 漁師夫婦の仲睦まじい日常が綴られる穏やかな序盤から一転、夫殺しの濡れ衣を着せられた妻の復讐劇は、クライマックスにかけて怒涛の如く狂気を加速させていきます。ジェットコースター。もう止まらない。止められない。虐殺者数は八つ墓村以上か。女の細腕で、あの武器で、あれほどの大量殺人など不可能です。つまり彼女は、もう“人”ではなかったのだと思います。だから網に巻かれて海に投げ込まれても死ななかったし、窮地に嵐をも呼んだ。我が髪を抹香に見立て、亡き夫に焼香したとき、彼女が人間を辞める準備は整いました。信じていた男に裏切られ、遂に彼女は修羅となります。結末は、不死の人魚への転生とみる事も出来ますし、あるいは事象全てが、主人公が今際の際にみた夢との解釈も可能かと思います。にっかつロマンポルノの流れを汲む濡れ場は一般映画とは一線を画すハードなもの。シチュエーション的には“切なさ”や“痛ましさ”といった感情が呼び起こされる場面でも、彼女の強いキャラクターがそれを打ち消しています。悲惨な物語に向き合い易いとも言えますが、個人的には“切なさ全開の日本人的ドロドロ復讐劇”の方が好み。ATGならではの不思議な味わいの作品でありました。[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-12-29 20:05:45)

695.  マン・ハンティング リデンプション(OV) 《ネタバレ》 (前作『マン・ハンティング』の感想からの続きです)前作で“マン・ハンティングとはライダーマン・ハンティングのことである”との仮説を提示しましたが、本作でも引き続き検証を試みたいと思います。その1。捕獲者について。彼には痛覚が無い事が発覚しました。しかも銃で撃たれても不死身。これはもう完全に改造人間で間違いないでしょう。ライダーマンである可能性は更に高まったと考えます。その2。獲物について。本作の次期ライダーマン候補も、なかなかのタフガール。前作の彼女には(ルックス的にも)及ばぬものの、トラバサミをものともせぬ強靭さを見せ付けました。しかし意外な事に、初代ライダーマンの御眼鏡にかなったのは、社長秘書(愛葉るび)の方。片手の欠損はまさしくライダーマン継承者の証。彼女こそが本命だったのです。おそらく次作ではアタッチメントを装着した正統後継二代目ライダーマンの勇姿が見られることでしょう。さしずめ主人公の方は二代目電波人間タックルか。そういえば初代タックルとバストサイズが酷似しているような。さて、最後に本作最大の謎についても触れておきましょう。終盤に主人公が口にした白い液体のこと。明らかに変なのです。脈絡が無さ過ぎる。これは、とあるタイアップ商品で説明がつくと考えます。『仮面サ○ダー』という商品をご存知でしょうか。缶にライダーが模様された人気清涼飲料。彼女が口にした謎の白い液体は、おそらくカ○ピスです。見たまんま。そう、次回は『仮面カルピ○』で一儲けしましょうというアピール。どうです?もう『ライダーマン・ハンティング』としか思えないでしょ。自分でもそんな気がしてきました。オレ、疲れてるのかな。ちょっとお薬もらってきます。[DVD(邦画)] 1点(2011-12-27 20:39:55)

696.  マン・ハンティング(OV) 《ネタバレ》 (本作を楽しむ上で…楽しめればですが…影響は無いと思われますが、未見の方は一応ご注意ください。)謎で溢れている本作。とても全容解明は叶いませんが、不可解な点を整理し、想像力を働かせることで真相に近づく事を試みてみます。疑問1。「ハンティングゲームについて」。役名“ハンター”1人で、獲物を追い詰める事は可能でしょうか?獲物が自由に逃げられる状況を考慮すれば、狩る側には頭数が必要です。最低でも3人、いや5人は欲しいところ。追跡装置を活用している形跡はありませんでした。にもかかわらず、人里から大して離れていないあの場所で、ハンターは一人でミッションをやり遂げました。信じられない。疑問2。「脅威の肉体を持つ主人公」。実に4日間、彼女は飲まず食わずで過ごしました。腕を矢で射られ、朽木に足の甲を貫かれる重傷を負っても、逃走し続けるタフネス。そんな女子高生が存在するのでしょうか。これらの疑問は、彼らを“普通の人”と想定するから発生することに気づきます。もし彼らが常人でなかったなら…。思い起こされるのは手術を匂わせるシーン。勝手にある手術だと決め付けていましたが、違ったのではないか。例えば改造手術とか。某特撮ヒーローもので、似たような場面を見た気がします。ズバリ言いましょう。本作の正式名称は『マン・ハンティング』ではなく、『ライダーマン・ハンティング』が正しいと!彼女は2代目ライダーマン候補だったのです。となると、ハンターは初代ライダーマン。ハンターが仮面を被っていた事も、安物のボウガンが脅威の殺傷力を発揮した事も説明がつきます。このハンティングは、彼女にヒーローとしての覚醒を促す為のものだった。エンディング、暗転する画面の向こうで鎖を引きちぎり雄叫びをあげる主人公の姿が目に浮かぶようです。続編では2代目ライダーマンの勇姿が見られることでしょう。これが本作の真相。え?ライダーマンが人を殺すかって?続編はそんなんじゃないって?知らん知らん。 (『マン・ハンティング リデンプション』に続きます)[DVD(邦画)] 1点(2011-12-27 19:51:49)(笑:1票)

697.  怪談新耳袋 怪奇 《ネタバレ》 【ツキモノ】怨念主は周囲の人間に対して強い不信感を抱いて死んでいったものと思われます。“見殺しにされた”。だから「ミザル・イワザル・キカザル…」という恨み言を繰り返します。見る意思のない目なら要らないだろうと。取り憑いた相手も主と同じ孤独な女を選んでいるのでしょう。呪いの背景はおそらくこんなところ。少なくとも主人公は、この女の思いを汲み取る必要があったと考えます。でないと、気味の悪い女に襲われたという表層的な恐怖しか観客に伝わりません。死に様がギャルも真っ青のパンダメイクっていうのも、あんまり怖くない…。【ノゾミ】母の友人は主人公に向って「このままだとあなた死ぬよ」と言いました。霊障によって命を落とすという意味。でも仮に霊が憑いていなくても、彼女は危うかったと思います。自殺に至らずとも、前に進めないのであれば死んだも同じ。本当に助けてもらったのは、主人公の方だったのかもしれません。静かなオカルトホラーという狙いは悪くないですが、一本調子は困りものです。震え上がる恐怖を乗り越えて、切なくも心温まる余韻に浸りたいと思いました。ツキモノ3点、ノゾミ5点の採点です。[DVD(邦画)] 4点(2011-12-21 19:58:01)(良:1票)

698.  笑う警官 《ネタバレ》 本当に申し訳ありません。最初に謝っておきますが、自分は本作を観て良からぬ想像をしてしまったのです。それは大森と宮迫の関係について。2人は潜入捜査という修羅場を乗り越えてきました。その中で共に心を病み、友情を越えた関係性を築いたという。友情を超えた関係って何?自分には“愛情”しか思いつかないのです。そういう目で2人を見ると、もうね、そういう風にしか見られません。サックス演奏、尺八で拳銃自殺した警官、タイプライターの音色、全てがゲイのメタファーに思えてしまいます。流行の言い方をするならボーイズラブってヤツですか。そんな映画なワケないですよね。ですよね?最後にもう一度謝ります。邪推をして、本当に申し訳ありませんでした。[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-12-13 22:27:54)

699.  エクスクロス 魔境伝説 《ネタバレ》 同ジャンルの作品としては、『片腕マシンガール』が思い浮かぶのですが、本作の方がバイオレンス・ホラー・ギャグの各要素の配合割合が程よく、取っ付き易いと感じました。スベリ笑いに逃げていない感じもいいです。“混ぜるな危険”で、やっと本作がコメディだと認識したくらいです。センスも悪くなかったですよ。例えばクライマックス。敵を相手にアミーゴが手にする最終武器は、巨大バサミでもチェーンソーでもなく、携帯電話。確かにキーアイテムではありますが、いかんせん殺傷能力はゼロ。どう使うのかと思ったら、まさかの写メ攻撃。“ペンは剣よりも強し”ならぬ“電子データ流出は斧より怖い”。結構ハイブローなギャグじゃないですか。ネット社会の恐ろしさを監督は知っているようです。もしかしたら以前にネットで叩かれたことでもあるのかな。初メガホンは『バトルロワイアルⅡ』ですか…なら納得。今や飛ぶ鳥を落とす勢いの松下奈緒と、もはや何処を飛んでいるのか分からない鈴木亜美コンビのミスマッチぶりは新鮮だし、2人のサービスカットにもニンマリ。小沢真珠が悪ふざけに付き合ってくれたのも嬉しかったです。あとはキーファー・ザザーランドが出てくれたら完璧でした。だけど、岩尾はナイなあ。ただのブサイクオチじゃもったいないです。同じ芸人なら、どきどきキャンプの岸じゃないと。とはいえ、自分は本作を気に入りました。結構な珍作。深作ジュニア、もしかして侮れない?![DVD(邦画)] 7点(2011-12-08 22:00:00)

700.  秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE II ~私を愛した黒烏龍茶~ 《ネタバレ》 『私を愛した黒烏龍茶』というサブタイトルが、スポンサーコマーシャル以外の何ものでも無かった事に驚愕しました。つまり『黒烏龍茶より愛をこめて』でも『女王陛下の黒烏龍茶』でも『黄金黒烏龍茶を持つ男』でも『黒烏龍茶は2度死ぬ』でも良かった訳です。(最後のはスポンサー的にアウトかな?)ベンチャーは何処も厳しい。製作資金調達の為ならコレくらい貪欲にやってもいいでしょう。いや、やらいでか。普通なら“ダサくてカッコイイ”を目指すロボットのデザインを、リアルにダサくする手腕も超一流。世界平和だの、子どもを救えだの、説教臭い事この上ない主張なのに、素直に受け止められる不思議。「大人の手は子供の涙を拭くためにあるんじゃ」という台詞に、総統のリタイアを引き止めようとする吉田くん精一杯の罵倒に、涙涙涙。こんなおふざけパクリ映画に感動するなんて、俺ってつくづくダメだなと。やっぱりダメな奴は何をやってもダメだなと。でも鷹の爪が大好きだ!この気持ちに嘘はありません。締めはもちろんコレ。“た~か~の~つ~め~”ビバ総統!アンタ格好良すぎるぜ![DVD(邦画)] 8点(2011-12-07 22:23:01)(笑:1票)

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