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性別 男性
年齢 53歳

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981.  四谷怪談(1959) 《ネタバレ》 え~四谷怪談って、こんな話だっけか~?という映画。何しろ、登場するのは「善いイエモン」(とは言えやっぱり結構ワルいけど)。こういうイエモン役だから長谷川一夫なのか、それとも長谷川一夫を呼んでしまったから仕方なくこういうイエモンになってしまったのか? まあとりあえずは四谷怪談らしくお話は進みます。それにしても、お岩さんには映画の最初からすでに生気がありません、すでに生前からユーレイみたい。出世欲の無い伊右衛門をなじる父との会話、父「岩も肩身が狭かろう」、お岩「いえ私は」、父「お前は黙っておれ」。う~む自分で話を振ったくせに、だいぶ理不尽だ。お岩さんの幸薄さをすでに感じさせます。でまあ、いい感じに不幸への階段を滑り落ちていって、ついに恒例の変身(?)シーンへ。ここがもっとも切なくもコワい見せ場、と思いきや、わりとアッサリ目の描写(でもちょっとコワいよ~ん)。問題は、伊右衛門は陰謀に加担しておらず、むしろ騙される側、被害者であるという点。だもんで、クライマックスは、陰謀を知った伊右衛門が悪党どもを叩き斬っていくという展開へ。うひょ~これじゃあ、恐怖映画じゃなくてチャンバラ映画だよ。というわけで、なかなか意外な展開が楽しめるのですが、その分、焦点がボケてしまっていささか即物的、深みへと掘り下げることには必ずしも成功していない気が。可もあれば不可もあり、ってとこでしょうか。6点(2004-10-24 00:52:12)

982.  眠狂四郎 多情剣 すんません、どうもこの映画は何が言いたいのやら(って、別に何かが言いたくて本シリーズを作ってるとは思いませんけどね)。菊姫との再対決がテーマなので、細かい設定やら何やらすっとばしてテンポよく進みます。とにかく、「犬も歩けば棒にあたる」式に、狂四郎が歩けばとりあえず刺客が襲ってくる。だもんで、全体を通して振り返ると、何だか襲われ襲われの繰り返しで映画がいつの間にやら始まっていつの間にやら終わってしまった印象。う~、も少しメリハリが欲しい。ところで超プレイボーイの狂四郎だが、意外な弱点が。いやあ、まさかあんなブサイクな少女に弱かったとは。意外意外。冒頭、風俗店の呼び込みに敢え無く引っかかる狂四郎(たまたまその風俗店が目的地だったから良かったが)。そこで出会った少女を助け出すこの優しさ。なんでこの娘にはこんなに優しいのか。解せん。中盤のシーンのところどころでは、いつもの「狂四郎メイク」をし忘れてるんじゃなかろうか、と思えてしまうほど、優しい表情が垣間見える。そこに狂四郎の深い人間性を認めることができるのである(←大袈裟だっての)。いやあ、それにしてもこんなハッピーエンドでいいのだろうか? 素直にハッピーエンドを喜べない自分が、そこにいる。5点(2004-09-12 00:28:21)

983.  NAGISA なぎさ 「昭和」の匂いが希薄なのが、どうしても残念に思えてしまいます。やっぱりどうしても期待しちゃうんですよね、映画全体から懐かしい雰囲気が滲み出て、自然に「昭和」を感じさせてくれるのを。でもここでは、『恋のバカンス』その他でちょろちょろっと「昭和風味」に味付けしただけで、その味が映画の中まで染み込んでない感じ。それこそ、どっかのさびれた観光地の観光パンフの写真なんかの方が、よほど見事に「昭和」が炸裂してたりします(←単に写真を差し替えてないだけですね。ははは)。それに、ここに出てくる子供はみんな一人っ子みたいなんですが、これもピンと来ない原因のひとつ。という訳で、むしろ「今」の匂いを感じちゃうんですね。ストーリーの方も、何だか甘いというか、主人公の少女の成長を描くのはいいのですが、あんまり安直に「成長」しちゃうと、少女の個性自体が見えなくなってしまう。「個性」がはっきり示されてこそ、「変化」に重みが出ると思うのですが・・・。少年とのエピソードの展開も何だか予想通りすぎて逆にしっくりこない。とまあ、あれこれケチつけたわりには、実はこの映画を何とか誉めたい気持ちもあるんですけどね。賑やかな海水浴場でのバイト生活と、ひと気の無い波打ち際での少年との密会生活(?)、など、少女は、大人への成長過程で次第にいくつかの生活ステージを並行して持つようになっていきます。それが映画でもうまく並行して描かれるのが、何だか心地よいのです。少女のボクトツとした好演も良(一応あれは好演なんだよっ!と言い切る)。そしてラストシーンの印象的なこと、これは特筆すべきでしょう。6点(2004-09-12 00:05:11)

984.  ファイナルファンタジー いやあ、スゴイですね。観ててついCGであることを忘れてしまうこのリアルな動き。労作です。ビックリです。どうだ、CGでここまでできるんだ、という鼻息の荒さが感じられます。でもフルCGでなきゃ表現できないものとは思えず、何だか技術を自慢げに長々と見せつけられてるだけの気も。むしろ、生身の人間が演じていない分、やはり人間らしい深みには欠けてますね。アニメならこんなもんかもしれないが、動きがリアルすぎるもんで、比較対象がアニメではなく、実写映画になってしまう。やはり実写にはかなわない・・・いやいや、ちょっと待てよ、そうかな?イマドキの映画も、結構、この程度の演技力で成り立ってるのはナンボでもありそうな気がしてきた。役者の皆さん、せめてCGに負けないように頑張りましょう。ところで、フルCGでこれだけの描写ができるんだったら、次回はせめてもうちょっとマトモなストーリーで映画を作って下さいな。設定ばかり大仰で、ストーリーが正直言って驚くほど面白くないです。「CG役者」の演技力の欠除が、緊迫感をさらに無くしてしまってます。5点(2004-09-05 00:34:23)

985.  ラスト サムライ 当初から「アメリカ先住民モノの映画の設定を日本に置き換えただけ」という批判はよく耳にしました。私が同じ事書いてもしょうがないので、違う事書きましょう。この映画は「逆・戦国自衛隊」です。前近代的な武器しか持たぬ武士達が、近代兵器と圧倒的兵力を有する官軍に戦いを挑む、この「戦国自衛隊」以上に絶望的なる悲壮感! この映画をただ「武士道」の映画とだけ捉えては、多くの矛盾点、考証の甘さばかりが目に付いて辟易するでしょう(そう捉えられて当然だし批判受けて当然、なんですけどね~確かに)。しかし、ここで描かれている悲壮感はもっと普遍的なもの。そう、ジョン・ウェインが描いた『アラモ』の攻防にもつながるもの(この映画も評判悪いんですけどね、トホホ・・・でも私は好きですよ、情熱が漲っているんだもの)。やはり感動をおぼえずにはいられませんでした。それに日本人である私がこの映画を一段上から見下して「米国人は武士道をわかっとらん!」などと言うのも何だか気が引けて。じゃあ私は、今の日本人は、武士道を理解しているのか?今の日本映画の何割に、本作よりマシな「日本」が描かれているのか?自信ないでしゅ~。本作に映し出された圓教寺の荘重さ、ここをロケ地に選びカメラに収めただけでも大したセンスだと思います。トム・クルーズの殺陣も充分見ごたえあるし(明日からチャンバラトリオにも入れますよ)、真田広之の存在感も忘れられない。彼の長身ではないが重心の定まった姿、そして立ち居振る舞いは、まさに「武士らしさ」を体現しており、存在自体が映画に張り詰めた空気をもたらしています。そして何と言っても「ボブ」役には、日本一の斬られ役、福本清三氏。氏の起用こそが(製作者の意図はともかく)結果的に、日本の時代劇への強烈なオマージュになっていると言えましょう。そう、ラストサムライとは、彼のことだ! さて、観てて少し気になった点、それはカメラのズームの多さ。日本家屋での撮影では多くなるのも当然かもしれないが、戦闘シーンも白兵戦の中にカメラが入り、とにかく被写体がカメラに近い。ロング・ショットがたまにしか入らず、うぉー、もっとロングで見せてくれ~って思っちゃう。でも多分、この「もっと観たい」と思わせてくれる事が、重要なんですね。観たいものを観たいだけ見せてくれるのが、幸せとは限らないのだから。ところで、あの「大村」って・・・大村益次郎?8点(2004-09-04 23:36:03)(良:1票)

986.  怒れ!力道山 力道山先生が先生御本人の役で出演しております。先生の素朴な演技には何か心暖まるものがありますね。ちょっとセリフが長くなると、もう先生の目が完全に泳いでいます(プロレスの事を、演技だの八百長だの言うヤツは、これを見るとよい。少なくとも先生にはそれほどの演技力はナイ)。演技力はなくとも、弟子を大声で呼びつける時の声の張りは大したもの(こういうシーンだけ妙にリアル)。さてストーリーはというと、ひょんな事から小児麻痺の少年と力道山先生が知合った事から(高級車で貧乏長家に乗り付ける先生の姿、ホレボレするわ)、やがて、障害者施設を巡る陰謀に巻き込まれていく先生。この陰謀が明らかになっていく過程が、劇中ではほとんど省略されていて、記者がチョチョイと調べただけであっという間に陰謀が露呈してしまう、というやや手抜きの展開(トホホ)。しかしこの際そんなことはOK、何と言ってもこの映画の見どころは、二度にわたる試合のシーン。余計なカメラワークを排し、先生の勇姿をリアルに思う存分見せてくれます。はたまた、試合を前にした先生が暴漢に襲われ、立回りを演じるシーンもナイス。敵を次々になぎ倒していく(レンガだって崩れるゾ!)この痛快さ。しかし先生は腕を負傷。このままクライマックスの試合へ。勝てば施設は救われるのだが、相手は強敵、果たして怪我を負ったまま試合に臨む先生の運命やいかに! 先生が礎を作った日本のプロレスは、その後世界にも類を見ない成長を遂げました。日本のプロレスは世界一です(キッパリ)。先生、ありがとう!そして先生の遺志を継ぎ、今日も激しいプロレスを展開している現役レスラーの皆さん、ありがとう! プロレスよ永遠なれ。7点(2004-08-27 23:33:01)

987.  マッハ’78 子供の頃、親父に連れられて劇場に観に行ったのに、タイトルを忘れてしまった映画、の一本であり、この作品が最後までタイトルが不明のままだったのですが、ひょんな事からついにタイトルが判明、うれしさのあまり、勢いで作品登録をお願いしちゃいました。映画館で観たとは言え、78年と言えば私は幼稚園or小学1年生、それ以来一度も観ていない映画に対して、点数つけたりコメントしたりしてよいものやら。製作にたずさわった皆さんには申し訳ない限りです。そもそも私の記憶では、この映画はカースタントのドキュメンタリのように思っておりましたが、goo映画のあらすじなんか参考に読んでみると、どうも完全なドキュメンタリというわけでは無さそう?(←映画の中身あんまし憶えてないからって、そういうの読んでコメント書くのは反則だよなあ、笑)。まあとにかく憶えてるのは、カースタントの映画だってこと。これが子供心には訳がわからない! はい、次はクルマに爆薬つんでみました、走りながら爆発させてみましょう、はい爆発しました、運転手が火ダルマになって出てきて、皆で消火して・・・で、それだけ。一体何がしたいんだよ~、と、映画を観ている子供(私)の頭はもうパニック。でも、映画の中でさまざまなスタントが繰り広げられるのを観てて、まったく飽きなかった事を憶えています。そして最後は、ポルシェで海に向ってジャンプ!海にボチャン。それだけ(笑)。しかし、このクライマックスの高揚感と、海に浮かぶポルシェの映像は、意外なほど、記憶に残っているのです。横で見てた親父のつぶやき「意外とすぐには沈まんもんやなあ」とともに(←他に感心することはないのか~と思った)。6点(2004-08-22 00:29:55)

988.  ホワイトアウト(2000) 原作読む時に、かなり期待して読んだものでした。で、まあ確かに、「ダイナミックな設定」と「意外な展開」というオモシロ小説の王道に正攻法で挑戦した点、結構楽しんで読んだのですが、王道である分、そこに+αが無いと、強い印象は残せない。そこがちょっと弱くて、敵との応酬は良いのだけど、肝心のサバイバル描写が、「富樫君よく頑張りました、の巻」ってな感じ、いささかスーパーマン過ぎる。で、これを映画化。ホレ見てみぃ、映像にしたらもう、スーパーマンぶり丸出しになってしもうた。この辺り、どうやって説得力を持たせるか、ですよね。しかし、一方では逆の問題もあり、冬山を舞台にする以上、映画は徹底的に登場人物を寒さで痛めつけ、映画を観ている人々までも寒がらせて欲しいところ。「アレ何だかそんなに寒く無さそうだなあ」って見えちゃうシーンは極力無くして欲しい。しかしそんな事したら、富樫君、というか、織田裕二ホントに死んじゃうかも、というジレンマが。だから、どちらかを犠牲にするしか無い。ストーリーをもう少し端折るなり織田裕二を犠牲にするなりして、寒くてコワい映像演出を徹底するか。それとも、ストーリーのオモシロさを徹底的に追求して、多少の不備は目をつぶるか。本作は中途半端なところにとどまってしまった気がします。でも、こういう日本発の大作アクション、今後も期待してますヨ!6点(2004-08-13 11:58:38)(良:1票)

989.  完全なる飼育 竹中直人と小島聖が激しい肉弾戦を繰り広げる、怪獣バトル映画。ストーリー的にはともかく、絵的には、飼育されたのは竹中直人の方に見えてしまう。そもそも、こんな竹中直人みたいなエキセントリックな風情の中年親父も一般性が無いし、こんな小島聖みたいな明らかに年齢詐称の女子高生もヘン。キャスティング段階で映画が早くもアブノーマル状態では、いくら濡れ場でガンバってみせても、あまり驚きがないが・・・。新藤兼人が一体どんな顔しながら、この脚本を書いたのやら、それを想像するのが本作の醍醐味でしょう。本筋に関係ないアパート住人の、本筋に関係ないエピソード群に、彼の現実逃避ぶりが垣間見えるような気が。2点(2004-08-13 11:08:42)

990.  白い巨塔 昔のテレビドラマの方、毎週、親が夢中で見てたのですが、私はどうも手術シーンが怖くて正視できず、親が見たがるのが非常に迷惑でした(笑)。だから私は見てないのですが、最終回前に田宮二郎が自殺して、トテモ心配した事を憶えてます(収録済みだった!)。で、このドラマ、後に再放送されたのが、今度は大学受験直前。こんな面白いもの放送されたら勉強できん!と友人が悲鳴を。私もハマりかけましたが何とかセーフ。後にこの映画版の方を観ることとなりました(原作は読んでませんが、これもとてつもなく面白いという話を周囲から何度聞かされたことか)。いやはや。やっぱり面白いですな。ははは。ちょっと全体的にセリフが長めになってしまうのが残念ですかね。まあ社会派映画では、多少はしょうがない面もあるのかもしれませんが、何しろ後半は裁判劇で、ココではどうしてもセリフが長くなってしまいますからね。全体に会話はもっとキャッチボール式にテンポよくして、メリハリがついていたらなあ、という気がいたしました。それでも裁判のクライマックス、柳原証言のシーンの緊迫感はさすがで、観てて力が入ってしまいます。そうそう、全然関係ないけど、ヘタクソな関西弁聞かされる時も、何だか力入っちゃいますね(これは気にし出したらキリがないけど。関西人田宮二郎のセリフですら何だか気になっきちゃう。笑)。それはともかく、いささか戯画的に描かれているとは言え、このような医療事故、さらにはドクハラの問題は、解決するどころか今もって現在進行形。この映画は「不幸にも」、まったく古びてしまう気配がないのですね。7点(2004-08-12 23:54:06)

991.  忠臣蔵(1958) 3時間近い長尺ですが、飽きるなんてとんでもない、これでもコンパクトで喰い足りない印象。何しろ相手は忠臣蔵ですからね、日本人の心のルーツですよ、これは。なんちゅうても、タッキーこと滝沢修の演じる吉良コーズケノスケの超イジワルぶり。「この田舎大名が!」う~む、誰もが子供の頃、一度はこんな奴にイジメられた経験あるのでは?(え?社会人になってからも?)。まさにこれぞ心のルーツである所以。この吉良役の憎々しさは、ドリフのコントで志村けんが演じた吉良に間違いなく匹敵します。一方、浅野内匠頭を演じるのは・・・がーん。雷蔵だ。この気丈さと薄幸ぶりは実にハマってますが、殺陣が見られないのが残念!「殿中でござる」シーンでホンの少し見られるけどね。まあ、でももし雷蔵が吉良役だったら? これじゃ、四十七士が乗り込んできたって、円月殺法でイチコロ、返り討ちにしちゃうのは目に見えてる。これでは忠臣蔵にならない。よってまあ妥当なキャスティングと言えましょう。その後の展開はもう、聞くも涙、語るも涙。そして待ちに待った討ち入りへ。全体的に、適度にチャンバラを散りばめているものの、殺陣に破天荒さがなくおとなしい感じは否めない、しかし勿論これはこれでよいのだ(←強引だなあ)。そして意外に爽やかなラスト、誰もが、日本人に生まれてよかったと思う瞬間ではなかろうか。8点(2004-08-01 00:41:20)(良:1票)

992.  眠狂四郎 人肌蜘蛛 プロレス中継で、一方の選手が攻め込まれグロッキーになっている時、解説者が必ず言うセリフ「いや、でもまだ目は死んでませんよ!」。この後の反撃を期待している訳ですね。しかしこれにまったく当てはまらないのが眠狂四郎、なにしろ彼の目はサカナの目、最初っから死んだ目をしております(生気が無い!)。しかしそれこそがまさに狂四郎の魅力、雷蔵の研ぎ澄まされた棒読みセリフともあいまって、まさに生ける死神。さて今度の敵は・・・エロ将軍家斉の子、土門家武と、双子の妹・紫だっ!紫を演じる緑魔子が良い(個人的に)。部屋まで紫色という、安直にして不気味な設定、まさにアブノーマル度も急上昇。うん、緑魔子になら殺されてもいいかな。とは思わんけど。さて、狂四郎が出会った寺田農演じる薬師寺兵吾、実は狂四郎と同じ「黒ミサの子」なのだが、なぜか土門家に目をつけられており、今にも連行されそうに!しかしこれまた何故か、身代わりに狂四郎が連行されてしまう!「十九の若造よりはオレの方がイジメ殺すにしても手間がかかって面白かろう」なかなか言えるセリフじゃないよ。しかし、だからと言って土門家の手下も何故狂四郎を連行するんだろうね、意味不明。まあいいんですけどね。空には不気味な鳴き声を上げるカラスが飛び交い・・・って言っても何故か合成映像。着いた先の土門屋敷もなんかヘン。いきなり色仕掛けの紫、これは当然効果なし。続いて登場する、紫の手下のクモデとかいうタコ入道、棍棒振り回し威勢はよいが、あんまし強そうじゃないなあ。土門家の裏には何故か決闘場のごとき気の効いたスペースが!? 狂四郎VSタコ入道! ええと、まだ映画の半分も語ってませんが、まあ、全編こんな感じです。雷蔵ならではの「無駄のないチャンバラ」が堪能できます。マカロニ時代劇です。ハイ。6点(2004-07-17 00:23:02)(笑:1票)

993.  アナザヘヴン 原作からして、ちょっとガッカリものだったので・・・。読んでて、とにかく尻すぼみ、説得力もどんどん無くなっていきます。あとがき読んでみりゃあ、連載中に読者から来た手紙にまで影響されて書き進められたとか? そんなんじゃあ、まとまる訳ないでしょう。あくまで連載小説として読むならそれもアリかもしれんが、単行本として一気に読むと、どうもパッとしない。さらにはこれを映画にしてしまうと・・・まあ確かに映画らしく纏めてはいますが、どうしたって原作の計算の足りなさ、尻すぼみ感は、映画ではかえって目立っちゃう。キャスティングもいまいち好きになれないし、サスペンスとしても弱い。う~む、「原作者=脚本家=監督」というのは、ある世界を描ききるためのひとつの理想かも、という期待もあったが、なかなか難しいですな。原作の魅力であった部分すら削ぎ落とされ、原作をさらに下回ってしまった感があります。4点(2004-06-27 02:22:34)

994.  怪竜大決戦 とりあえずこのテの映画は、ヘンテコな所にツッコミを入れながら観るのがひとつの楽しみではあるのですが、そういう意味では本作はかなりの強敵。細大漏らさずツッコミを入れるのは至難の業で、本気で取り組んだ日には、もう休むヒマもない程。いわばツッコミどころのみでできたような映画。でも若き日の松方弘樹は元気いっぱいに演じている。観てて涙が出そうです。本当にいい人だなあ。大蛇丸を演ずる大友柳太朗はさらにキレてる。怪演ではなく、敢えて快演と言うことにしましょう。さらには小川知子も・・・いやこれは少々イモっぽいか。この映画、とにかくふんだんにSFX(ではなくて「特撮」)が盛り込まれてますが、その悶絶しそうな程のクオリティはまさに手作りの味わい。ある種の達観すら感じられるような感じられないような。でも最後の竜とガマの対決は、大掛かりなミニチュアセットを用いたなかなかのもの。前半で首をちょん切られても平気だったイカズチ丸が、クライマックスではあっけなくやられて「無念~」とか言ってるのはなんだか情けない。まあでもいいや。この映画なんだか観てて楽しいもん。7点(2004-06-27 01:51:40)

995.  どら平太 お蔵入りになっていた「四騎の会」共同脚本作品がついに日の目を見る!というわけなんでしょうが、市川崑監督はまるで「あくまでこれはオレの映画だ!」と言わんばかり、まるで犬がションベンで電柱にマーキングしていくがごとく、遠慮会釈なく市川色に染めて行っております。時に艶っぽく、時にバカっぽいこの映像は、誰が何と言おうと市川映画。鶴太郎の役どころも何だか、今にも手をポンと打って「ヨシわかった!」なんて(加藤武の代わりに)叫び出しそうではないですか。さて一方、主人公のどら平太を演じるは役所広司・・・この配役は難しいですねえ。役所さんがやるとどうしても「ホントはきっとマジメな人なんだろう」みたいに思えてきて、あまり意外性がない。ま、でも楽しく観られたので、OKです。ただ、殺陣はちゃんとやって欲しかったなあ(スローなんか使ってカッコつけたのはちょっとガッカリ)。8点(2004-06-26 02:07:10)

996.  三匹の侍 いや~コレめちゃくちゃオモロイですねえ。娯楽の鏡と呼びたくなる程、よくできたストーリー。悪代官の娘を農民が人質にとっている所に偶然出くわしたGメン丹波哲郎。ひとまずは高見の見物を決め込むのだが、演じている丹波自身は、おそらく農民の味方をする気マンマンなのである。顔に出ている。ただ、脚本の都合上、いきなり農民の味方をするのもヘンなので、一応ここは態度を保留する。しかし勿論、映画観ている側にすれば、丹波がいずれ農民側に立つのは明らか、そればかり待っているのだから、少し焦らせば充分である。そして丹波さえ農民側に立てば、二匹目の長門勇が農民につくまでの描写など、時間を割く必要もない(見たまんま)。こうなりゃあとは三匹目の平幹二朗が態度を決めるのをゆっくり見守ればよい(気のせいか、少しSHINJOに似てるなあ)。何しろその間、丹波哲郎が大サービスで映画を盛り上げてくれるし。そしていよいよクライマックスの一大チャンバラへ。見ごたえあります。でも最後の1対1の決闘はなんか中途ハンパでしたね。いっそ『スパルタンX』みたいに3人で戦った方が・・・なんてことはナイけど。というわけで、ストーリーの方はオモシロすぎるくらいオモシロいのですが、その一方で五社監督の演出、1シーンごとに入念に練り、工夫を凝らして撮っている、そのハリキリ具合もよく感じられて、なんだかゴーセイな一本を観たなあ、という充実感があるのでした。8点(2004-05-30 02:26:45)

997.  血槍富士 《ネタバレ》 この映画、「作られた話」って感じではなく、まるで、巧みにちりばめられたキャラクターたちが勝手に人間模様を編み上げていって映画が進行させられているような、自然な活き活きとした感じがあります。中心の三人、まるで黄門様と助さん格さんみたいな取り合わせですが、別に世直しもしないし、千恵蔵もヒーローとはとても言い難い朴訥ぶり、まるで加東大介が二人いるかのような・・・。で、細かいエピソード群が絡み合いつつ、なんとなくケリがついたような雰囲気になってきた矢先、突然の悲劇が! そう、これまで穏やかに編み上げられて来たストーリーの流れを突如ブチ切る大事件、黄門さまと格さん(?)が惨殺されてしまう! 二人がここまで実に活き活きと描かれて来た分、その死は衝撃的です。駆け付ける千恵蔵の姿、それは『血煙高田馬場』のバンツマを彷佛とさせ・・・るようなカッコいいものではないのですが、そのモッチャリ感がまた、その後の壮絶な殺陣に、凄みを加えているのも確か。そしてラストは↓にもありますように、「チエゾー、カムバーック」の叫びを背に聞きながら、ひとり静かに去っていくのでありました。ぺぺぺんぺん(笑)。8点(2004-05-30 01:56:53)(笑:1票)

998.  十三人の刺客(1963) 七人の侍と忠臣蔵を掛け合わせると、戦争映画になっちゃった、という作品。ラスト30分の死闘はもはやチャンバラではなく、戦争です。映画の始めのほうは断片的な描写のためモヤモヤしているのですが、それが明石藩主暗殺計画へと収束していくあたりでスッと見通しがよくなり、もうワクワクしてきます。途中、藩主一行が行方不明になり、オヤ、と思わせるも、あんまり大したエピソードに伸びないのは残念でしたが。それでも、落合宿についに藩主一行が現れるシーンは、ゾクゾクします。そして壮絶な死闘へ。要塞と化した宿場町には光と陰が交錯し、さらに砂埃も舞い上がって凄まじいばかり。狭い路地での戦いでは、自然、登場人物の動きはカメラに対し前後方向に限られることとなり、それが、こちら迫りくるような独特の迫力をもたらします。う~む、それにしても実に潤いの無い話だ、命を投げ出しての殺し合い、たどり着く先などどこにもない。リアルすぎるほどの殺陣とは対照的に、何か夢の中の出来事のような現実感の希薄さ、まさに悲壮感のみで紡ぎあげたような映画です。ところで、ナレーションはやっぱり芥川隆行に限りますなア。無条件に説得力を感じてしまうこの声。安心感があります。伊福部昭の音楽はいつもどおりの怪獣映画風の音楽(?)で、人によっては真骨頂と呼び、また人によってはマンネリとも言う。わたしゃ結構好きですが。8点(2004-05-23 16:09:40)(良:2票)

999.  突入せよ!「あさま山荘」事件 この映画のジャンルは、パニック映画だ!と言いたい気分。「突入するまで」の部分は実際の事件のテレビ中継などでお馴染みですが、本作での見どころは、何と言っても、突入した後の屋内での連合赤軍との攻防戦!なかなか怖い。見ごたえあります。しかしやはり他の部分ではスケールの小ささが気になっちゃう。「実際の事件の時の映像観てると警官隊たくさんいるように見えたけど、ホントはこの映画みたいな雰囲気だったのかな?」などと思えてきちゃったんだけど、いやいや、やっぱり「実際の映像」の方が正しいらしい(笑)。とりあえず大勢の警官隊のエキストラを背景に並べ続けるだけでももっと緊迫感が出たのではないかな、と。いっそ私も呼んでくれればよかったのにっ(笑)。ところで佐々氏役の役所広司は実にいい感じでしたね。本人と顔は似てないんだけど、何となく、佐々氏は若い頃きっとこんな感じだったのだろう、と(根拠も無く)思っちゃう。7点(2004-05-09 00:53:17)

1000.  クリフハンガー 《ネタバレ》 これはねえ・・・面白いと思うよ(笑)。雪山の迫力とストーリーの面白さがよく噛みあった痛快作です。別にあんなに登場人物を片っ端から殺さないでもよかったんだけどね、そこまでしなくても十分面白いんだから。見どころはラスト、宙吊りのヘリの上での死闘をよく見てみよう。ジョン・リスゴーは最初メッポウ強いんだけど、スタローンに噛み付かれた途端、なぜか動きが止まってしまう(笑)。そして敢え無くやられてしまうんだな。スタローンは毒ヘビなのか? まあおそらく、単に編集後の事をあまり考えずに撮影しちゃったんだろう、とは思うのだが。8点(2004-04-18 01:43:57)

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