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コメント数 3873
性別 男性
年齢 53歳

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101.  岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇 《ネタバレ》 前作はまだ「少年」愚連隊だったけど、今回は「愚連隊」そのもの。半グレならぬ、全グレ寸前。なにせ凶暴、凶悪、殴り殴られ、蹴り蹴られ、悶え苦しむ。普通なら何人も死んでそうだけど、幸いにも登場人物たちが不死身なもんで、なんとかなっている・・・というのが逆に布石になってるんですなあ。ケンカばかりで万年、傷だらけ、でも死なないヤツもいるかも知れないけれど、ホントに不死身の人間なんて、いやしない。 今回の主演は千原兄弟、ダウンタウン東京進出後の2丁目劇場では中心的な存在だったような印象があり、しかもかなり性格がワルいという噂(笑)、どうしてすぐにこういう噂が立つんでしょうねえ。その危険な香りが映画の中にもプンプンと漂っています。プンプンと。これも布石でしょうか(・・・コホン)。 暴力的でありなから、叙情的。意外に「静か」な映画でもあります。そこに被せられる、エレキギターの呻き。どうしようもなさ、のもたらす哀しみが、そこはかとなく。 哀しいからケンカに明け暮れるのか、ケンカに明け暮れるから哀しいのか。 どっちでもよろしい。 それはそうと、今改めて見ると、千原兄弟、やっぱり互いに似てる(似てた。事故前は。)んですねえ。[インターネット(邦画)] 7点(2022-04-12 07:06:16)《改行有》

102.  七つの弾丸 冒頭から、一人の男が銀行強盗を企んでいるらしい様子が描かれます。 スタンドの光の中、拳銃の準備をする彼。並べられた七つの銃弾。この銃弾によって、何人かの人の命が奪われるかも知れない。犯人の男のこれまでの何十年かの人生が犯行によって大きな岐路を迎えるだけではなく、犯行で何人かの命が奪われれば、その人数分だけの何十年かの人生がそこで途絶えてしまう。 という訳で、決行の日に向かって、犯人の様子に加えて、後に犯行の犠牲となる人びとの姿や人となりが並行して描かれる、という、なかなか異色の映画。 例えばチャンバラ映画の中で主人公に斬られる「敵の手下ども」なんて、まさに斬られてナンボ、斬られるためだけに存在し、彼らの人生なんて映画の中では意味を持たない。映画の中で死ぬ「巻き添えを食う通行人」なんてのも、それに近くって、時には、残された者の涙くらいは描かれるとしても、大抵、本人の人生などそこには無い。それがお約束。 しかし実際の世界はそうではなく、事件の主役であろうと脇役であろうと、人それぞれが自分の人生においては主役であり、自分の物語を紡いでいる。それをちゃんと描いたらどうなるか? そんな作品です。 あとには虚しさしか残らない。そんな作品。[インターネット(邦画)] 7点(2022-04-10 12:53:59)《改行有》

103.  進め!ジャガーズ 敵前上陸 ポップアートというものの定義が「そう呼ばなきゃ他に呼びようがないもの」だとしたら、この作品など、まさにその通りの作品です。 テキトーでメチャクチャで、なんか、楽しい。何の臆面も無く「続なんとかのガンマン」とか「なんとかピエロ」とかのパロディが展開され、果てはスポンサー企業の宣伝まで。自由過ぎる。 しかしそのデタラメさの背景には「戦争」というものが垣間見えて、戦争さえ終わればこんなにアホらしくてクダラないことだってできるんだ、という、条件付きの自由だったりもして。まだ、戦後、なんです。 そういえば、いつまで「戦後」が続くのか、などと言われてきたけど、気が付いたらあまりそういうことも言われなくなってきて。気が付いたらすでに「戦後」は終わってしまってた、ということなんだろうか。[インターネット(邦画)] 7点(2022-04-09 00:16:07)《改行有》

104.  網走番外地 南国の対決 「網走」に「南国」というミスマッチ感覚、これは要するに「行け!!南国アイスホッケー部」みたいなもんですかね。違うか。 今回の舞台は南国も南国、沖縄。北から南までを股にかけ、世間は狭いというか何というか。 だいぶギャング映画のテイストが入ってますが、日本刀振り回す任侠映画テイストもあり、さらには少年との交流、母子愛。これがまたエエ話なんです。 つまり、何でもアリのごった煮の世界。一種の治外法権。当時の沖縄が置かれた状況。とは何の関係もないと思うけど。 とにかくエエ話なんだから仕方がない。結構、シンミリさせられます。 と思ったら、終盤近く、例によってあのレジェンドが登場して爆笑を誘い(マジで笑った)、気持ちよくすべてをブチ壊しにしてくれます。素晴らしい。[インターネット(邦画)] 8点(2022-04-09 00:12:36)《改行有》

105.  でっかいでっかい野郎 冒頭、男がひっくり返っていて、死んでいるのかと驚く女性、平気な坊さん。しかし倒れていた男が身動きして生きていることがわかると、今度は坊さんの方が驚く、というツカミ。 でもでも、さらに驚くのは男の正体で、なんとヒゲゴジラ。じゃなくって、ヒゲモジャの渥美清。いややっぱりヒゲゴジラなんじゃないか、これは。 このあたりのシーンから、のどかな光景の下に広がる町が見えて、いいんですねえ。この映画、随所に「いい光景」が登場します。 ストーリーはもう、あるのやら無いのやらの行き当たりばったり、最後はホントに唐突に終わります。このテキトーさが、いいんです。 さしずめ、男はつらいよエピソード0。寅さんも柴又に帰ってくるまでの若き日の放浪時代は、こんな感じだったんじゃないかと。[インターネット(邦画)] 7点(2022-04-07 22:33:28)《改行有》

106.  ごろつき(1968) 健さんがキックボクサーを目指す、という、ちょいと異色の映画。だけど結局は、任侠映画以上に任侠映画らしい展開に。このクライマックスの殴り込みの激しさと言い、健さんが自作の主題歌を歌うシーンと言い、なんだか健さんのヤクザ映画総決算みたいですが、実際はこの作品の後もまだまだヤクザ映画路線は続きます。 弟分の役に、菅原文太。ですが持ち前の眼光の鋭さの割りに、イイ人っぽい役柄で、菅原文太でもいいのだけど、何となく川谷拓ボンで見てみたいタイプの役でもあります。 それにしても、作中でもホメられてますけれど、健さん、実にいいカラダしてます。最初はヘタクソなところから、次第にキックボクシングが上達してくるところまで、小気味よい動きを見せてくれます。が、試合のシーンはさすがにもう少し、スピード感が欲しかった、かな。[インターネット(邦画)] 7点(2022-04-05 22:41:11)《改行有》

107.  快傑黒頭巾(1958) 怪傑黒頭巾と言えば、主題歌はもちろん、つボイノリオ先生。じゃなかった、「快」傑黒頭巾。 爽やかな主題歌の中では、月光仮面同様、オジサン呼ばわりされてしまっている黒頭巾。正体は一体、誰なんでしょうね。って、この滑舌の悪いセリフ回しを聞けば、正体が大友柳太朗だという見当は、誰にでもつきそうなもんです。 さてこの、黒頭巾。見た感じ、鞍馬天狗と何が違うのかよくワカランが、声色を使い分けて敵を欺いたり、変装などもしてみたり、なかなか器用なところを見せてくれます。 この手の映画あるあるですが、クライマックスの舞台は妙な秘密基地みたいなところになって、時代背景を完全に無視した一種のオーパーツが登場して(時限爆弾!?)、ワケがわからないけれど勢いで乗りきってしまう。 ラストは端正な姿で登場し、流れるような刀さばきを見せる、大友柳太朗。これぞ、活劇。しかしこの髪型は、カッコいいと言っていいんだろうか。逆モヒカンという言葉が浮かんでしまった・・・。 以上、提供は、近藤無線でした。[インターネット(邦画)] 6点(2022-04-04 22:35:23)《改行有》

108.  デッドボール これはもう、作品自体が“デッドボール”な一本。って、それじゃあ出塁できちゃいますね。端的に、“アウト”です。はい。 まあ、最初のミッキー・カーチスのくだりを見た段階で、マトモな作品ではないことは明らかなのに、見る側もそこで見るのをやめず、作り手もそこで作るのをやめないんだから、これはもう一蓮托生、でしょう。いや、共犯というべきか。 野球ネタでスプラッター映画でっち上げよう、ということかと思ったら、もはやコレ、野球ですらない(笑)。一体、なにやってるんでしょうね。 これだけ無茶苦茶やっていながら、よく見ると実は結構、クオリティが高い、というのを期待してしまうのですが、残念ながら、高いとは言い難い。はつきり言えば、低い。これは残念。これでは単なる悪ノリになってしまう。憎めないんですけどね~。 それにしても星野真里、よくこの仕事を断らなかったと思う。彼女のおかげでこの作品が救われた部分も多々あると思う。その英断には拍手したいと思うのでした。[インターネット(邦画)] 3点(2022-04-03 20:35:53)《改行有》

109.  電光空手打ち 見ものの一つが冒頭のクレジットで、出演者が「高倉健(新人)」となってます。健さんデビュー作。誰にだって最初がある。 当然、健さん若い。髪型もお馴染みの健さん刈りではなく、やや長め。なかなかの色男。ヒョロッとした感じ。 舞台は沖縄、空手に邁進する健さんが、宿敵・山形勲に勝負を挑むも、手を合わせる前に気迫に圧倒され、弟子入りすることに。 収まらないのは、以前の仲間。というわけで、抗争に発展するのですが、何せ1時間ほどの作品、これで終わったのか?という微妙なラストで、やや中途半端。続きは次回のお楽しみ。という連続モノ。 空手の構えは何だかヘンなんですが、戦い自体はそれなりにキレがあって、悪くない。悪くはないけど、ちょっとマジメ過ぎるかな。とか言うのは、千葉真一あたりを基準に置いたマチガった見方かも知れないけれど。[インターネット(邦画)] 6点(2022-03-30 22:54:27)《改行有》

110.  ギャング同盟 《ネタバレ》 内田良平と佐藤慶が「いかにもギャングです」というイデタチで仲間を集めていて、そのあまりにギャングな格好が、どうにもダサいのですが、ギャングなんだから仕方がない(笑)。集められる仲間というのがこれまたサエない面々なんですが、サエなくてもそれなりに味がある、ので仕方がない。ダサかろうがサエなかろうが、いやむしろそれ故に、スタイリッシュな作品になってます。 で、彼らは何ゆえに仲間を集めているのかというと、その目的が、巨大組織(?)の会長の誘拐。武装して組織に乗り込み、派手に部下どもを殺しまくって、首尾良く誘拐に成功。ついでに誘拐してきたのが会長の娘。これがまた、よく見ると小悪魔的な美人ちゃん。しかしさらによく見るとそれは、若き日の三田佳子。ああ、歳月は残酷。って、大きなお世話。 とにもかくにも誘拐に成功し、身代金をせしめようとするが、そこからがうまくいかない。敵に囲まれ、絶体絶命。映画は籠城モノの様相に。 そしてクライマックス。ひたすら銃撃戦、これでもかと銃撃戦。クルマに積まれたダイナマイト(中盤に一度登場、そのシーンが格好いい)もさらに戦いに加わって、ド派手に盛り上げます。 何というか、低予算ならではの荒々しさ、みたいなものがありますね。これは。[インターネット(邦画)] 8点(2022-03-29 22:30:30)《改行有》

111.  まむしの兄弟 恐喝三億円 《ネタバレ》 ただでもデタラメな、この「まむしの兄弟」、今回は監督が鈴木則文になって、ますますお下品、デタラメに。 という訳で、例のコンビが登場すると途端にエロさ全開のおバカ路線になるのですが、その一方で松方弘樹が出てくる場面は妙にハードボイルド。まぬしの兄弟シリーズらしからぬ、何だか鶴田浩二の主演映画でも見てるような気分に(とは言え松方弘樹なのでコチラもなかなかハードにエロい)。 そのギャップがこの第6作(だっけ?)の特徴。特徴的過ぎて、ちょっと付いて行きづらい気もするけど。  クライマックスは豪快に銃撃戦で大暴れするも、いったん背負ってしまったオゲレツの看板はそう簡単には降ろさせてくれない、というオチ。[インターネット(邦画)] 6点(2022-03-29 22:02:55)《改行有》

112.  リアリズムの宿 つげ義春の「リアリズムの宿」とはなーんにも関係ない作品なんだろう、と思ってたら、最後にリアリズムの宿が登場します。ダメ押し、といった感じですね。すでにこの映画ならではの世界、というか空気を、堪能。アホらしく、マッタリとして、にも関わらず唐突さが意表を突いたりも。 主人公のひとり旅ではなく、冴えない男ふたりの旅を描いたことで、原作とは違った「映画らしさ」が出ています。 男女3人が、ボケーッとゲーム機の画面を眺めていて(類似のシーンは他にも登場するけど)、しかし実際はそこにゲーム機があるわけではなく、撮影のカメラが置かれているもんで、3人と我々が向かい合う形になる。カメラを通じて意味も無く登場人物と我々とが向かい合うこの時間帯、一体なんなんだ、と思いつつ、野郎2人の顔を見てもしょうがないので、ついつい視線が尾野真千子の方に向かってしまう。いかん、映画なんだから、やはり画面の一点ではなく、隅々まで視線をはしらせるべきだ、という思いとの葛藤。煩悩というべきか。 それがまたアホらしくて。 そういう煩悩を余所に、たとえ誰も見ていなくても、荒波は今日も海岸に押し寄せ、雄大な光景を人知れず繰り広げる。[インターネット(邦画)] 7点(2022-03-23 22:39:21)《改行有》

113.  地球防衛未亡人 ダンが壇にダン隊員と呼びかける、ほぼ出オチみたいな企画の作品。 開き直って、お粗末さをかえって武器にしたような作品でもありますが、特撮部分はちゃんとウルトラマンっぽく仕上げていて、意外にわるくない、かも。 一方、毒のある風刺が散りばめられていて、それも、こんなコトをおふざけでやっていいんだろうか、と、ちょっと気が咎める部分もあったりするのですが、もっとも、そんなコト気にするくらいなら、そもそもこんな作品見ようとは思わない訳で、気にしないことにする。。。 とは言え。おふざけが過ぎると風刺も弱まり、どつちつかずの中途半端になってしまった印象は否定できません。しかしこれも、そんなコト気にするくらいならこんな作品見ない訳で、やっぱり気にしないことに。。。 とは言え。 壇蜜が怪獣相手にハダカ踊りしているのを見ると(煮え切らないセミヌードなのは、これも「そんな映画」だからではあるけれど)、何となく石井輝男のヘンタイ系作品を思いだしたりして。路線が違うんだから比べるべきではない、と言われるかも知れないけれど、でも連想しちゃうんだから仕方がない。そして、どうしても、所詮アタマで考えた「ヘンなコト」と、体の奥底から湧き上がってくるような「ヘンなコト」とは、やっぱり ヘンタイのレベルが違うよなあ、と思わざるを得ない訳で。 それでも、いいのかも知れないけれど。この作品、「単なる思いつき」の美学、というヤツかも知れませぬ。[インターネット(邦画)] 4点(2022-03-22 22:58:47)《改行有》

114.  喜劇 急行列車 冒頭の東映マークが何かのマチガイではないかと思えるほど、のんびりまったり、松竹風味。 そしてあの懐かしき、のんびりまったり、国鉄テイスト。これじゃあ、民営化されちまう訳だ。 しかし一方で、列車内で妊婦が(お約束通り)産気づく場面では、「あと45分で次の停車駅です」などと言いながら、列車を走らせ続けたりして。なんで途中の通過駅に列車を止めないんだよ、と言いたくもなりますが、いや、正確な運行こそ、すべて。これぞ鉄道のロマン。 かどうかは知りませんけど、とにかく、長距離夜行列車が舞台ということで、変わりゆく景色が作品の魅力であります。さまざまな景色の中を、列車は走り続ける。 列車内のトラブルあれやこれや、といった内容で、小ネタが多く、まとまったストーリーはあるような無いような、ですが、その小ネタの積み重ねの中に、夫婦のあり方というものをそれとなく見せてくれます。 特急ではなく、あくまで急行。人生って、そういうもんでしょ、と。[インターネット(邦画)] 6点(2022-03-22 22:36:04)《改行有》

115.  男の顔は履歴書 男の顔は履歴書、だなんて言われても、とても私の顔なんぞまるで履歴書っぽくはないのだけど、これが安藤昇だとドンピシャ当て嵌まる。「現在」の顔は眼鏡にヒゲの典型的な中年オヤジ風、しかし頬の傷は間違いなく、彼の過去を語ってます。さらにはこの、冷たい眼光。この顔ならば、セリフが棒読みであればあるほど、かえって迫力が。 そこから場面は敗戦まもなくの、闇市へ。この後も時代がアチコチに飛び、さらには中途半端な独白が入ったりして、多少ヘンな映画ではあるのですが、それでもなお、独特の迫力が。 朝鮮人の一味の横暴なども描かれるけれど、登場人物それぞれが皆、それぞれの言い分、それぞれの思いがあって。あ、菅原文太はあまり無さそうですけどね。 クールな安藤昇の弟役に、伊丹十三。「ゆーとぴあ」かと思ったぞ。とくに言い分が多そうな役で、映画を盛り上げます。 でもって、映画にさらに迫力をもたらしているのが、例によって独特のローアングル。そしてクローズアップは、被写体が画面からはみ出んばかり、まさに、はみ出るかはみ出ないかの臨界状態。 クライマックスの銃撃戦、斬り合いも、もはや、尋常なものではなく、凄まじいエネルギーを放ってます。 ちょっと意外な、しかしこれしかないだろ、という絶妙のラスト。[インターネット(邦画)] 8点(2022-03-17 22:52:45)《改行有》

116.  浮草物語 旅芸人の一座がとある町にやってきて、それがいかにも街道沿いの宿場町か何かみたいなことろ。風情があります。 で、その町には、一座の親方の元妻と元息子、いや息子に「元」は不要ですね。「元」をつけると何だか今では娘になってしまったみたいで、決してそうではありません。それはともかく、彼らの存在が嫉妬を呼んで、思わぬ展開となっていく。前半は(自分が実の父とは知らない)息子と一緒に釣りに行ったり、わりとホノボノしたシーンが続き、そこから後半は波乱の展開。余韻を残すラストまで、なかなか巧みな物語構成で、グイグイ引っ張っていきます。 クライマックスで、一座の娘が二階に上がり、息子と視線を交わす場面、その無言のやり取りの雄弁さ。まさにサイレントならでは。[インターネット(邦画)] 8点(2022-03-16 23:03:21)《改行有》

117.  あの丘越えて 《ネタバレ》 田舎育ちの野生児指数バリバリな少女がある時、離れ離れに都会で暮らしている父のもとに呼ばれて・・・というお話なのですが、主人公の少女を演じるのが美空ひばり、だもんで、「少女」に見えない、美空ひばりにしか見えない。その歌唱力には、圧倒されまくり。 彼女が起こすプチ騒動の数々、終盤だけちょっと大ごとになるけれど、最後は取って付けたようなハッピーエンド。これがもう、本当に取って付けたようで。もしかして、これは現実の世界ではなく、少女が大正池に入水自殺した後の、死後の世界なんじゃなかろうか、と疑いたくもなります。なりませんか? 彼女を育ててくれた「お婆」が、泣かせます。最初の方で、汽車に乗った美空ひばりの手を握りながら、信じられないような全速力で汽車に併走するお婆の姿。まさしく命懸けですよ、これは。迷シーン、かつ、名シーンです。[インターネット(邦画)] 6点(2022-03-15 22:14:47)《改行有》

118.  不能犯 松坂桃李が死神みたいな訳で、依頼を受けては超自然的な手段で人を殺していく、その繰り返し。だもんで、オムニバスとまでは言わないものの、細切れの印象で、内容的にちょっと弱い。 さらにそこに、爆弾事件が強引に重なって、カオス状態。だいぶ無茶な構成だけど、悪くはないです。 とりあえず、松坂桃李の貧乏臭くもワルそうな感じが、雰囲気出してます。 沢尻エリカは、コレ、どうなんでしょうね。ははは・・・。[インターネット(邦画)] 6点(2022-03-14 22:26:17)《改行有》

119.  天と地と 50億円余の製作費(多くの関係会社が泣いたという噂)に、大量に動員したエキストラ、こういったものを持て余しているのがヒシヒシと画面から伝わってくる、まさに自家中毒状態の作品。 大勢のエキストラでマスゲームを演じたら、さすがにスペクタクル感はイヤでも出るだろう、と思ったら、実はそうでもなかった、というのは、大きな発見、大きな教訓。私も正直、意外でした、ハイ。 ひたすら薄っぺらい音楽が、ますます作品をスペクタクルとは真逆の方向へ。 ずっと安く済ませながらあれだけ盛り上げた『戦国自衛隊』は、やっぱりエラいと思う(傑作だと言うつもりは無いけど)。 とは言え『乱』の製作費26億円が、フランス資本に頼らざるを得ず、日仏合作となったことを思うと、角川春樹の野心、一目置くべきものなのかも。[インターネット(邦画)] 4点(2022-03-13 13:20:51)《改行有》

120.  馬を放つ 《ネタバレ》 主人公のオジサン。結構、普通のヒトなんですよね。ツケで茶を飲んで、ついでに店の女性と浮気寸前、なんとか踏みとどまったりして。ちょっとした事件もある、普通の日常。 一方でオジサンは、他人が飼ってる馬をこっそり逃がしてしまう、という妙なクセがある。もちろんこれは犯罪。しかし、その背景には、馬とともにノビノビと暮らしてきた、遊牧民としての民族性みたいなものが、オジサンの心の一角を占めている、というのがあって。 民族の誇り。それは別に、意味も無く自分たちを持ち上げて自慢することなんかじゃない(そこは勘違いしちゃいけない点)。先祖から受け継いだものに対する、責任感、とでも言えばよいか。 しかし、誰もが同じ責任感を共有している訳じゃなく、時代は変わり、価値観も変わり、揺らぎが生じる。オジサンはいささか、ラジカルに過ぎたのかもしれない。けれど、それをただ排除すればいいのか? オジサンの正体は、実はこの映画の監督さんで(笑)、やはり、祖国の美しい景色を、飾ることなく在るがまま、しかし真摯に映画へと焼き付けています。主人公が映写技師だったというエピソードもまた、映画愛の表れのようでもあり、フィルムに収められた「古き良き時代」(イヤでもここには「良き」が付いてしまう)に対する郷愁の表れのようでもあり。 ラストは一種の悲劇、ではありますが、イマイチ頼りない主人公の息子が、主人公の何かを受け取ったのかもしれない、ということを微かに感じさせて、映画を締めくくります。[インターネット(字幕)] 9点(2022-03-13 12:30:35)《改行有》

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