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プロフィール
コメント数 270
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 歳をとるごとに趣味と呼べるものがだんだん少なくなり、今では多忙ななか映画を鑑賞することがひとときの楽しみとなっています。
無数の作品の中から良作を探し出すツールとして、本サイトのお世話になっています。

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【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12
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1.  レ・ミゼラブル(2012) 《ネタバレ》 同ミュージカルのファンとしては客観評価が難しいが、ミュージカル版と同じく全て「歌」で物語を進行させ、その全てをライブ録音したというフーパー監督のこだわりのおかげで、全く不満のない作品に仕上がっている。そもそもユゴーの原作は、言うまでもなくその深い精神性、物語としてのスケール感、魅力あふれる多数のキャラクターなど、圧倒的な芸術性をもっているところに、ミュージカルはさらに素晴らしい音楽と娯楽性を軸にそれを再構築し、世界のトップミュージカルとして長年各国で上演され続けている。本作はその観客の大きな期待に見事に応え、さらには初めて作品世界に触れる人にも、そのアウトラインを知る機会を提供してくれたことを評価したい。特に、前半のアン・ハサウェイ演じるファンテーヌ「I Dreamed a Dream」の長回しシーンには、心をわし掴みにされたし、中盤の「One Day More」での高揚感はただものではなく、ラストシーンにいたっては、本作のオリジナルとして感動的なフィナーレを創作しており、エンドクレジットと同時に思わずスタンディング・オベーションをしたい衝動にかられた程だ。通常舞台では役者の細かい表情や感情表現を全ての席から観ることは困難であり、さらにセットの構築や場面展開にも限界があるが、本作はそういったミュージカルの限界を映画という手法で見事に打ち破り「レ・ミゼラブル」の新しい地平を観客に提示してくれた。ヒュー「バルジャン」が後半になるにつれ「ウルヴァリン」とイメージが重なってきたりもしたが(笑)、それはご愛敬。1年を締めくくり、新しい年を迎えようとするこの時、素晴らしい作品を鑑賞できた事に、製作スタッフとキャストに深い感謝の意を表したい。[映画館(字幕)] 9点(2012-12-25 14:14:17)(良:2票)

2.  インセプション 《ネタバレ》 この監督はいつも発想が違うし、奥が深い。個人的に好きな監督であるが、それは別としても、終始目を離せないスリリングな展開と、階層的な夢の世界観の描写、そして、主人公コブを通した内面世界の葛藤をからめ、大変な秀作に仕上がっていると思う。脳内世界での物語展開という意味では、「マトリックス」等にも既視感があり、決して新しいわけではないが、他人の夢に浸入して、アイデアを盗むだけなら凡庸なストーリーに堕してしまうところ、アイデアを植え付ける、題名どおり他人の考え方の「発端」をつくってしまうという発想は見事という他ない。そもそも夢というものは現代科学でもあまり解明されておらず、その点では本作も「下の階層ほど時間が遅く進む」に代表される自由な設定をつくることができる訳で、SFとはいえ、十分に許容できるし、本作はそれを最大に活用することに成功している。物語中盤で数人が夢の世界を共有するため眠っているシーンで、そこにいた老人が「夢と現実は、本当は逆ではないと誰が言い切れるのか」という趣旨のセリフを言っているが、本作のテーマは、まさにその発想を基にしているのだろう。ラストシーンのコマは、回っているように見えるが、まさにバランスを崩しそうになっているようにも見える。まさに観客にこのテーマを投げかけ、結論を委ねたかったのではないだろうか。[ブルーレイ(吹替)] 9点(2011-05-13 09:40:32)(良:1票)

3.  ホテル・ルワンダ 《ネタバレ》 私自身ルワンダの内戦についてほとんど知らず、当時「怖いね」とすら言っていない平和ボケの人間だ。本作は民族の内紛から始まる大虐殺から逃れようとする人々、そして助けようとする人々を描いているが、残虐な殺戮シーンは控えめにしつつ、その悲劇性や緊迫感は十分に伝わってくる佳作。主人公が四つ星ホテルの支配人であったがゆえに、絶望的な内戦の渦中にあって家族を守ることができ、多くのツチ族を救い、脱出するまで経過が「劇」になりえたといえる。事実が元とはいえ、その題材性は秀逸。それにしても。作品内にあったようにその民族の「違い」は元からあるものではなく、「よその国」の人間が作った違いとするならば、怒りを通りこえ悲しすぎる。違いは恐れを生む。「恐れは怒りに、怒りは憎しみに、憎しみは苦痛につながる」とのヨーダの名言を思い出す。それが人間の本性なのだろうか。この作品が世界に知らしめた事実はあまりに重い。話はそれるが、我が国では8割の国民が死刑制度存続を支持している。「目には目を、歯には歯を」が普遍の正義であれば、この悲劇に終わりはあるのだろうかと、暗い気分になった。鑑賞後、自分と生まれた場所が少し違っただけの100万人の人々が、昨日までの隣人から殺されてしまった事実を考えると、面白かったなどとは毛筋ほども思えなかったし、そのこと知った人間の使命について考えさせられた。[DVD(字幕)] 9点(2010-08-05 17:03:48)

4.  アバター(2009) 《ネタバレ》 地域の事情により不本意ながら2D鑑賞でのレビュー。それでも、さすがはキャメロン、映画の限界をまた広げたなという印象だった。プロット自体は他のレビュアーがご指摘の通り、新鮮味を感じるものではないが、本作の面目躍如は、ファンタジーながら、リアルに見せることに徹し抜いたことに尽きる。ひとつは、見事なる独自の世界観を相当なエネルギーを注いで手抜きなく構築した点。もうひとつは、それを実写(正確には実写とCGの高次元融合)で活写した、という点だ。アニメであれば(「もののけ姫」にしろ何にしろ)比較的自由に描ける世界も、(CGの違和感を最小限に)実写化するのは相当に困難な作業である。例えばもしナヴィが人間と同じ大きさで、全身青く塗っただけの特殊メイクで撮影されたとしたら、それこそありきたりのSF映画にとどまっただろう。ただ、陳腐なプロットとはいえ、環境破壊に対する警告や、生命の繋がりの大切さといった価値観も含まれており、この作品が現代社会に投げかけるメッセージはそれなりに重い。いろいろ書いたが、3Dでも観てみたかった(泣)[映画館(吹替)] 9点(2010-01-12 13:42:54)(良:1票)

5.  バンド・オブ・ブラザース<TVM> 《ネタバレ》 テレビ用とは思えない(むしろ映画ではできない10話構成と)圧倒的なクオリティーで、第2次世界大戦の欧州戦線の実像にせまるドラマとして新しいアプローチがなされており、それはおおむね成功したといえるのではないか。特に一中隊が訓練から終戦まで転戦していく様を時系列で見せていくストーリーは新鮮だ。ドラマである以上、一兵士の視点(従ってこの作品にあっては米国側の視点)で戦争が描かれるのはむしろ当然であろう。想像するに当時は、今の時代のように大所高所にたって世界を俯瞰し、「戦争は良くない」と簡単に言えた時代ではなかったのではないだろうか。いやがおうにもどこかの国に属し、善悪を超えて、自分と愛する人を守るために戦うことを余儀なくされた時代ではなかったか。自分自身がもしあの時代に生きていたら、そして戦争の最前線に立ったとしたら、という想像力に、この作品は大きな示唆を与えてくれる。そして、だからこそ「戦争は(たとえいかなる理由があろうとも)二度を起こしてはならない」という確信を与えてくれるのだ。その意味でこの作品は秀逸である。併せて各巻の冒頭に納められている実際の空挺部隊員たちの語りは、雄弁にして余りある。この作品は細部まで手を抜かず作り上げた戦争ドラマの傑作と言えよう。余談だが、DVDを5.1CHのサラウンド環境で鑑賞すると、銃弾が回りを飛び交う音がリアルに再現され、本当に戦場にいるような臨場感(というか恐怖感)を実感できる。[DVD(字幕)] 9点(2006-05-06 13:50:34)(良:1票)

6.  007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 《ネタバレ》 上映時間が2時間40分という長さながら、ダレ場がほどんどなく、ストーリーやアクションが展開していくため、決して長くは感じなかった。 ダニエル・クレイグ版007の最終作だけに、ダニエル本人のこだわりも随所に反映されているような気がする。 まさにテーマは世代交代であり、人間ジェームズ・ボンドへの回帰だったように感じた。 スペクターの親玉は既に逮捕勾留されているため、新たな敵が必要だった訳だが、今回の敵はそういった意味でやや後付け感は否めない。そのため動機や目的については不明確なままだったのが惜しい点だ。 ただ、それ以外は、美しい画を舞台に、アクションは期待を裏切らず、ボンドガール(ボンドウーマン)も美しく、ガジェットも炸裂の本作はクレイグボンド最終作にふさわしい面白さだった。 個人的にレア・セドゥの流し目に完全にやられてしまったのもご愛敬。 ボンドの最後、そしてエンドタイトル後のメッセージには賛否両論あるようだが、個人的にはダニエル本人がこの終わり方を条件に本作への出演を承諾したのではないかと思えるほど、納得の終わり方だった。 次回作の新ジェームズ・ボンドは、恐らく全く新しいフォーマットでリスタートするのではないかと思うし、それでいいと思った。[映画館(字幕)] 8点(2021-11-12 16:03:11)《改行有》

7.  ハンターキラー 潜航せよ 《ネタバレ》 本作が劇場公開されていたことも知らなかったくらいマイナーな印象だったが、なかなかどうして最後まで飽きることなく見せ場が続く良作だった。 ロシア国防長官によるクーデターを察知した米海軍が、命がけでロシア大統領を救出するというプロットがまず面白い。 いささか荒唐無稽ではあるが、過去にゴルバチョフを失脚させた彼の国ならばありえなくもないという、ギリギリのリアル感はあるからだ。 途中でロシア潜水艦の艦長を救出したり、敵アジトでロシア大統領のSPを味方につけるという、ストーリー展開欠かせないご都合主義はあるものの、ジェラルド・バトラー演じる艦長とロシア艦長の友情を徐々に成立させていく過程は丁寧に描いており好印象。 また特殊部隊デルタ・フォースの陸戦と潜水艦との連携作戦という展開も新鮮で見応えがあった。 加えて(他の方も言われているように)、潜航時に艦が傾斜する(したがって乗組員も傾斜する)という、考えてみればあたりまえのシーンが恐らく本作で初めて挿入されているところもリアルで新鮮だった。 いずれにしても、潜水艦版「ミッション・インポッシブル」といえるような良質なサスペンス・ミリタリーアクションに仕上がっている本作は予想を超える面白さだった。オススメ。[インターネット(字幕)] 8点(2019-11-07 10:46:39)(良:1票) 《改行有》

8.  オデッセイ(2015) 《ネタバレ》 ストーリー自体は予告編から推測できる範囲を決して超えてはいないが、よくあるパニックアクションというよりも、最近はやりのサイエンスヒューマンドラマといったテイスト。宇宙飛行士の訓練というのは、想定されるあらゆるアクシデントに備える目的が大半と聞いたことがあるが、本作の主人公は出来過ぎなほどポジティブでどんな時もユーモアを忘れない、ある意味で苦難に挑戦する人間として理想の人物像であるところが本作の魅力のひとつだろう。また、主人公が植物学者というご都合主義はご愛敬としても、火星で生き延びるための科学的知見に基づくアイデアの数々(水の生成やプルトニウムを利用した暖房、16進法を活用した通信など)は、観る者の科学的好奇心を刺激せずにはおかない。そして、それらにも増して本作が最も魅力的なのは、火星に取り残された「たった1人」のために、予算やリスクを顧みず、あらゆる手立てを尽くそうとするNASAを始めとした人間達の奮闘である。こういった作品には珍しく主人公の家族は登場せず、地球で彼を待ちわびる群衆の表現も最小限であるにもかかわらず、鑑賞後に爽やかな印象が残るのは、終始流れる明るいオールディーズによるものだけではなく、1人の救出のために多くの人が力を合わせる「地球という素晴らしい星に私たちも住んでいる」という希望と一体感をわずかでも感じられるからかもしれない。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-06-13 17:55:29)(良:1票)

9.  フライト・ゲーム 《ネタバレ》 原題の「Non・Stop」の方がしっくりくる内容。結局犯人はリーアム演じる連邦航空保安官とゲームをしていた訳ではないと思うので…。まさにノンストップのサスペンスアクションとして楽しめた。主人公ビルの人物説明に無駄に尺を使うことなく、何らかの問題を抱えた人物であることを端的に表現しているプロローグは秀逸。しかし、まもなく観客はこの主人公が危機管理能力を備えた優秀な航空保安官であることを知ることになる。気になる人物が複数登場するなかで終盤までまったく犯人が読めない展開は、コアな映画ファンをも唸らせるレベル。正確には犯人を読む猶予を観客に与えず、次々に状況を展開させている訳だが、これは犯人が20分毎に時間を区切って要求を繰り返すプロットの妙でもある。メールのやりとりをカットを変えずに画面に表示する手法も、間を壊さず緊迫感をキープするのに役立っている。終始苦虫を噛んだような表情のリーアムがラストで初めて見せる笑顔が印象に残る。良作。[DVD(字幕)] 8点(2015-01-11 21:47:47)(良:1票)

10.  インターステラー 《ネタバレ》 クリストファー・ノーランは誰も思いつかないようなユニークな発想を作品化する監督として既に一定の地位を確立しているが、本作もその期待を裏切らない作品だった。近年のSF映画は面白さを追求するあまり設定自体が荒唐無稽な作品が多いが、本作はまさに「サイエンス・フィクション」を地で行く設定で、相対性理論などの実際の科学的理論に基づいたストーリーテリングには好感が持てた。また宇宙空間の「無音」表現なども秀逸で、極力リアルな画作りにこだわっていることがわかる。未来の地球が食料不足による危機を迎える設定も現実味がある。砂漠化が進み、土埃に悩まされる様子は、じんわり迫りくる滅亡表現としてありうる未来を提示しており興味深い。結局テーマは「愛は地球を救う」といった、某チャリティー番組のような主題だったのだろうか。ところどころにご都合主義な展開もあり、また途中から何がどうしてこうなったの?という展開もあるが、難解なプロットはそのままに3時間飽きさせることのないストーリー展開は見事で、ハードな映画ファンをもうならせる大作として素直に評価したい。[映画館(字幕)] 8点(2014-12-06 20:23:29)

11.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 見ようによっては、インド・スラム版の「スタンド・バイ・ミー」のような少年達の成長を追った群像劇とも見られるが、それを日本でもお馴染みのクイズ番組(これって日本オリジナルじゃなかったんだ…)での進行に合わせて少しずつフラッシュバックさせて見せていく手法は実に巧みであり、最後まで引き込まれて観ることができた。日本のような国では、インドやバングラデシュの底辺で生活している人の実態を垣間見ることは難しいが、本作は本筋の間に、しっかりとそれらの現実を捉えている。また、ダニー・ボイル特有のスタイリッシュなカット割りと画作りが秀逸で、キャプションや音楽も効果的に配置されていた。斬新な題材と斬新な構成、そして誰しも胸に抱える夢とピュアな心に訴えるストーリー。なるほどアカデミー賞総なめもわかるような気がした。[地上波(吹替)] 8点(2013-02-25 15:14:26)

12.  ダークナイト ライジング 《ネタバレ》 ノーラン版バットマン三部作の最終章。この「ライジング」は内容的に「ビギンズ」「ダークナイト」と深く関連しており、「伏線回収篇」ともいえる位置づけのため、前二作の内容を頭に入れて鑑賞した方がより深く楽しめる。前作では「正義」とは「悪」とは、がひとつのテーマだったが、今回は「ヒーローとは」という問いかけが印象に残る。それゆえに、バッドマンが最後にゴードン本部長に語りかけるシーンは感動した。ただ、今回の敵であるベインのすごみが尻すぼみだったのと、ブルースが閉じ込められた地下牢をもっと闇と絶望を象徴する描写にすればなお良かったと思う。しかし、アクション映像の素晴らしさと最終章としてのまとめ方の上手さ、後味のきれいさなど、さすがはノーラン監督と思った作品ではあった。[映画館(字幕)] 8点(2012-08-06 15:14:35)

13.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 「007ビギニング」といってもよい内容。それだけにこれまでの「お約束」に縛られることなく作られた感がある。ここ数年の「007」シリーズの路線には正直飽きていたところだっただけに、新鮮で良かった。スパイ映画らしい出だしには「00」が殺しのライセンスであることを思い出させる効果があったし、それに続くオープニングタイトルと音楽もセンスが良く、新しい「007」への期待感を高めている。無骨な顔のダニエル・クレイグはこれまでのニヤついたボンド像を打ち壊し、「英国諜報部にはこんな奴いそう」と思わせるリアリティーを醸し出した点で評価できる。とにかく良く走るスパイという意味では「Mi3」のトム・クルーズばりではある(笑)。アクションは(スタントを多用しているのだろうが)全編通して見ごたえ十分。ボンドとヴェスパーの愛情劇も、それに絡むドンデン返しも良く練られているが、少し説明不足の感が否めない。もう一度見返せば良いのかも知れないが…。いずれにせよ、本作は長さを感じさせず、映画の魅力てんこ盛りの力作であることは間違いない。 [DVD(字幕)] 8点(2007-08-10 10:50:27)《改行有》

14.  ユナイテッド93 《ネタバレ》 言うまでもなく、あの「9.11」にユナイテッド93便で何が起こったかが描かれた作品であるが、正直序盤から心拍数が上がりっぱなしであった。観客は既にこの便の運命を知っているため、もはや取り戻せない時間を犯人・乗客・そして混乱する管制スタッフと追体験することになる。この映画に有名な俳優は当然必要ない。犯人グループの緊張感、ショックのあまり目の血走った乗客、涙ながらに大切な人に電話する乗客、シロウトのようにうろたえる客室乗務員、すべてが演技とは思わせない迫力で迫ってくる。犯人がいつ決行するのか、政府関係者は何もできなかったのか、そしてどのように最後を迎えるのか・・、観客の緊張は緩むことなく最後まで進んでいく。ここに搭乗する人物(犯人を除いて)は、私達と何も違わない。私たちにもいつ訪れるかもしれない危機を観客に突きつける作品である。「危機管理」という言葉を考えさせる作品である。決して面白い映画ではないが、多くの人が見ておくことをお薦めする。[映画館(字幕)] 8点(2006-08-15 09:41:07)

15.  ワイルド・スピード/EURO MISSION 《ネタバレ》 1作目から順に鑑賞。 ドミニクファミリーとしては前作のまま終わっていたらメデタシなところ、ホブスが捜査協力を依頼するには「レティが生きていた?」くらいの動機付けは必要なわけで、そこはすんなり入れたし、最後まで観れば、やっぱり彼らもホームに帰りたかった、というのも理解できる。 そういう意味では、1作目から観ていないとイマイチ入り込めないストーリーかもしれない。(最後は3作目TOKYO DRIFTにもつながるし) それにしても、前作「MEGA MAX」から普通のハリウッドアクション娯楽大作になっちゃった感じの本シリーズだが、本作に至ってはほとんど「ミッションインポッシブル」なみのミッションとアクションが展開され、そもそもこの人たち単なる車好きの強盗集団だったよな……、なんて考えながら、国際犯罪組織のプロを相手にした格闘や銃撃戦を観ていると、そんなことどうでも良くなったし、ヴィン・ディーゼルがブルース・ウィリスに見えてきたのもご愛敬。 とはいえ、F1みたいな装甲車でどんどん車を跳ね上げたり、クライマックスではいよいよ戦車も登場してのカーアクションは新しい発想で見応えがあった。 また、ストリートレースというお約束も忘れずに挿入されている。 ラストには3人目のハゲも登場し、次回作への期待も高まった。 ここまで来たらハゲ3人による三つどもえが観たい。(さらにブルース・ウィリスが加わればパーフェクトだ) 気がつけば、シリーズのファンになっている自分に気づき、まんまとやられた感じがする作品だった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-17 11:20:21)《改行有》

16.  イエスタデイ(2019) 《ネタバレ》 ある日この世界が「ビートルズが存在しない世界」になっていたら… 大のビートルズファンで、ギター片手に少しくらいの曲なら弾き語りもできる自分としては、この上なく興味深い妄想だ。 それが実際に映画になるんだから、やっぱりビートルズってすごい存在なんだよね。 作品としては、イギリス風のコミカルなタッチで、主人公ジャックの挫折と成長、そしてエリーとの恋を描く王道ラブストーリー。 欲深な人はいるものの、いわゆる悪人は登場しないハートフルな物語である。 たびたび出てくる「ネット検索」シーンが現代風なポイントとしても効果的に使われている。 でも冷静に考えたら、ビートルズの楽曲がいかに素晴らしくても、ジャックが真似たくらいでここまでの大騒ぎになるかな…とも思ってしまう。 「あの時代」に「彼ら」が歌ったから、その後もずっと残る価値をもっているわけで… 最後に登場するあの方も「声」が全然違うので、少し拍子抜け。 とはいえ、そうした冷静な評価は抜きに、純粋にビートルズの名曲とそれに(いい意味で)振り回される人間模様を、主人公と一緒に経験するのが本作の楽しみ方なのだろう。 後半に登場する二人のビートルズファンが「彼らの名曲をこの世界に残してくれてありがとう」というセリフ、この言葉を入れたいがために作ったのではないかと思えるほど、ビートルズの素晴らしさを再確認できる作品。[インターネット(字幕)] 7点(2020-05-04 14:20:21)(良:1票) 《改行有》

17.  フューリー(2014) 《ネタバレ》 戦車部隊を中心に描いた戦争映画は近年のメジャー作品としては新鮮であり見応えがあった。本作はB・ピットが優秀な車長ウォーダディを好演しているわけだが、ストーリーは新米副操縦手ノーマンの視点でも描かれており、意図的かどうかわからないが、他の搭乗員を含め登場人物の掘り下げはほとんど行われていないため、どの人物にも感情移入しにくい。強いて言えば、敵を殺すことに何の躊躇もなくキリスト教にも懐疑的と思われたウォーダディが、実は敬虔なクリスチャンだった事が終盤ほのめかされる程度だ。本作はそういう人間ドラマより、むしろ戦場の描写をよりリアルにすることにより、戦争の悲惨さを淡々と描いているようも思えた。特に最初はドイツ兵に銃口を向けられなかったノーマンが戦場で変貌していく様、そしてドイツの街に侵攻した兵士達の傍若無人な振る舞いとウォーダディの清廉な振る舞いの対比が戦争の悲惨さを雄弁に物語っており、「プライベートライアン」とも通じるメンタリティーを感じた。最後の十字路の戦いは「ここが死に場所」と腹を決めたウォーダディの姿が「300(スリーハンドレット)」のレオニダス王に重なってみえた。[DVD(字幕)] 7点(2015-04-30 11:34:31)

18.  ラッシュ/プライドと友情 《ネタバレ》 ニキ・ラウダの名前くらいは知っている程度の前知識で鑑賞したが、レースそのものよりも二人の天才ドライバーの生き様に焦点を当てられている。実話をもとにしていることもあり、F1という世界を知るきっかけとしても適した作品になっている。1回のレースで25人の出走者のうち、2人平均で命を落とすといわれる当時のF1。その一種異常な世界でトップを目指す人間の葛藤が二人のライバル関係を軸に描かれる。破天荒で自己の楽しみを追い求めるハントと、クールに割り切るラウダ。作品ではラウダが語り部であり、自身の大事故が大きなイベントとして描かれるものの、ラウダが主役というわけでもなく、全体を通して2人に同程度のスポットを当てられており、対照的な二人の生き方への共感度を観るものの感性に委ねている点がよかった。それにしても70年代のF1レースを再現することは容易ではなかったと思われるが、音響面や細かいガジェットまでしっかり作りこまれているのは好感をもてた。その意味で映画館で見た方がより楽しめただろう。[DVD(字幕)] 7点(2014-11-01 13:52:02)(良:1票)

19.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 3D吹替版で鑑賞。ラストを除いては終始舞台を宇宙空間のみに限定し、出演者も事実上スペースシャトルのミッション・スペシャリスト2名のみという、かなり思い切った設定の作品。このため2名の俳優はより高度な演技力が求められる(ヘルメットを被っているシーンが多いので声の演技の比重が大きい)ところだが、特にサンドラ・ブロックは切羽つまった女性科学者を文字通り体当たりで演じている点は評価に値する。いずれにせよ二人のコミュニケーションがストーリーの核心をなすため、字幕版で役者自身の声も聞いてみたいとも思った。本作はフィクションではあるものの、よくある荒唐無稽なSF作品とは一線を画し、全編通して観客を宇宙ステーションの船外活動に連れ出したかのような視点で制作されており、そのリアルさはもはや「シュミレーション」に近い画作りとなっている。本当に人間が無重力空間にいれば、顔がリフトアップしたりもするのだろうが、その辺は不問にするとして、今後NASAの座学で上映されてもおかしくないレベル。ストーリーとかドラマ性は期待せず「宇宙」の静寂さと恐ろしさ、そして地球の美しさを体感したい方は劇場で鑑賞することをお勧めしたい。 [映画館(吹替)] 7点(2014-01-03 19:49:44)(良:1票) 《改行有》

20.  ラブ・アクチュアリー 《ネタバレ》 かなり以前にDVDで鑑賞したが、英国首相のエピソード以外はほとんど記憶に残っていなかったということもあり、新鮮な気持ちで2度目の鑑賞。豪華キャストによる群像劇として知られるこの作品、クリスマスの5週間前を起点にざっと9組ぐらいの様々な愛のストーリーを同時進行で見せていく構成は今見ても斬新だ。絵コンテやシナリオなどは難しい作業だったと想像するが、ラストに向けてこれらのエピソードが集束していく流れは、音楽の効果も相まってドラマチックだった。ほとんどのエピソードに共通しているのは「気持ちを伝える勇気」があれば誰でも予想していなかったドラマが起こりえるというメッセージだ。クリスマスシーズンにオススメなとってもハートウォーミングな作品。[DVD(字幕)] 7点(2013-12-26 12:20:35)(良:1票)

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