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プロフィール
コメント数 1000
性別 男性
年齢 60歳
自己紹介 レビュー数が1000に達したということで、活動を停止します。(今のところ)仕事がひじょうに忙しいので、映画を楽しむゆとりがありません。落ち着いたら再開するかもしれませんが、とりあえず未定です。

皆さま、ありがとうございました。縁があったらまたお会いしましょう。

※変更要望は出すかもしれません。

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【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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61.  エニグマ 《ネタバレ》 なかなかよくできたサスペンス映画でした。面白いのは、戦時下で主要人物は軍に所属しているのに、あらかた私情で動いているということ。戦争の正義とか大義名分とは対局のところにありますが、それもむしろサスペンス向けでしょう。主人公のトムはもちろん、彼が探していたクレアも、情報を漏らしていたパックも、軍よりは個人の感情を優先させています。とはいえ、そこが詳細に描かれているのはトムだけで、あとの2人はミステリーの「犯人」という存在ですから、あまり掘り下げられていなかったのは残念です。特にパックはポーランド人ですから、肉親を殺されたとはいえナチスに情報を流すというのは、ちょっと首をかしげます。クレアにしても、パックのどこに惹かれて愛したのかというのが不明ですし、そういう点では説得力に欠けますが、ミステリーとしては致し方ないでしょう。現実の「カティンの森事件」を扱っているのでもう少しドラマ重視にもできますが、あくまで背景にとどめているのは潔いです。 こうした点を除けば、イギリスらしい堅実で上質なミステリーでした。あくまでサスペンスなので、暗号解読の方法自体は理解できなくても大丈夫ですし。また中盤、Uボートからの暗号を傍受するためアメリカの輸送船団を危険にさらすという作戦が立てられるのですが、これが私情で動く主人公たちと対照的で、なかなか効果的だったと思います。 出演者では、サフロン・バローズがファム・ファタールらしく神秘的な美女でけっこう。対するケイト・ウィンスレットは、まんまる眼鏡で体型もちょっと丸く、コロコロしてかわいらしかった。この2人の対照も面白いですね。 ここでの点数は低いですが、どうも映画のポイントを外して鑑賞した方が多いようで……。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-06-29 16:59:11)《改行有》

62.  アイリス(米英合作映画) 題材としてはよくありますし、今後もこうした映画やドラマは作られるでしょう。本作はイギリス映画らしく、淡々としていて感情的にならない。こうした作品が陥りがちなお涙ちょうだいや大げさな悲劇的展開にならないところがいいです。2人の過去と現在を平行して描くのは、目先が変わって飽きてきませんが、やや散漫に思えるところもあります。しかし、過去の関係があってこそ現在の関係が生きてくるので、この構成自体はうまいと思いました。ただ、アイリスがなぜジョンを選んだのかはよくわかりません。原作が夫の書いたものですから、そこはあたりまえなのか……。しかしそこがこちらにもわかれば、終盤の展開ももっと説得力のあるものになったと思います。 ところで、ジム・ブロードベントは助演男優賞なのですが。主演でもよかったような気がしますが。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-06-28 20:28:25)《改行有》

63.  ある公爵夫人の生涯 18世紀後半のイギリスが舞台ですが、お話は昼メロ級の惚れたはれたに終始しています。これはこれで面白く見ましたが、話の展開が早いためか、人物の心情変化が唐突に感じるところがあり、そこをじっくり描いてこそ話が生きるのではと思います。しかし男女が相手に求めるものの違いや親と子の情愛など、現代に通じる部分もあったのはよかった。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-06-01 19:45:54)

64.  カルテット!人生のオペラハウス 《ネタバレ》 いやはや、みごとに外れてました。高齢者の元オペラ歌手4人をめぐるお話なのですが、過去にすばらしい歌手だったということが、こちらに実感できない。演じている俳優はベテラン揃いで存在感があるのですが、作中人物にはありません。それでもスケベジジイのウィルフととぼけたシシーは面白いキャラでがんばっていますが、主役であるはずの元夫婦2人は新聞紙よりも薄っぺらい人間にしか描かれていません。離婚した理由が最後にならないと明かされないので、レジーがあれほど嫌がるというのも理解できないし、途中で宗旨替えして四重唱をやろうと誘うのはもっと理解できない。ジーンにしても、年をとって思うように歌えなくなったとしても、あれほど四重唱を拒否するというのは、よくわかりません。要するに、人物の心理がほとんどすっ飛ばされているのです。 ただ本作の場合、日本語字幕にもちょっと問題がありそうです。会話がどうつながっているのかよくわからないところが何ヶ所かありましたし、拙いわたしの英語力でも、「ちょっとそれはおかしいんじゃないか」という表現もありました。というわけで、できれば違った字幕か日本語吹き替えでもう一度見てみたいところですが、とりあえず今回の上映では低く評価するしかありません。いい俳優さんや元演奏家をそろえているのに、もったいない話です。[映画館(字幕)] 5点(2013-05-02 11:14:07)《改行有》

65.  ラストデイズ・オブ・ザ・ワールド<TVM> 《ネタバレ》 けっこうよかったと思います。Wikipediaの記事を読む限りでは、基本設定は原作に忠実そうですね。その点はSF的ですが、話の主軸はパニックもの・サバイバル路線でした。序盤は比較的じっくりとした展開ですが、コーカー大佐と合流してサバイバル合戦になってからは、次から次へと話が進んで引きつけられました。よくSF小説などで「宇宙からの侵略者が現れたら、地球人は争いをやめて共通の敵に向かっていく」という話がありますが、本作はそんなものを真っ向から否定しています。トリフィド自体の脅威が隠蔽されていたこともありますが、新しい秩序を作るのための勢力争いに必死で、なかなか協力体制が築けません。トリフィドに襲われないように生贄を捧げる修道院長とか、なかなか辛口な話になっています。無事島に渡って当面の脅威から逃れたという結末ですが、根本的な問題はなにも解決しておらず、批評精神をより強調しているように思われました。 映像的には、視力を失った人たちがさまよう様子がゾンビのようで、インパクトがあります。実際、原作の最初の映画化作品は、ロメロに影響を与えたようですが。トリフィドの方は歩行植物というのが特徴なはずですが、どうやって歩くのかがよくわからなかったのが残念。トリフィドが登場するのは夜の場面が多く、いつどこから襲ってくるのかわからないというサスペンスはありました。また、崩壊したロンドンの街も、CGでしょうが印象的です。 全体としては、主人公のトリフィド対策とサバイバル・アクションがうまくかみ合っており、時間が長くても飽きることなく見られました。ただ、肝心のトリフィド対策の方法がわかりにくかったのが残念。また、アクションやサスペンス中心で文明(人間)批判というところが弱かったのは不満点です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-01-13 11:09:43)《改行有》

66.  遥か群衆を離れて(1967) 《ネタバレ》 基本的にメロドラマなので、途中休憩を挟んで3時間近くもあると、さすがに途中で飽きてきました。しかし後半は怒濤の展開で、引き込まれます。 そもそもヒロインのバスシバが世間知らずの上、(あまりそうは見えないものの)感情的なもので、メロドラマとしてはあちらへフラフラこちらへフラフラと、見ているこちらも落ち着きません。彼女を誘惑する軍曹(テレンス・スタンプ)も同じタイプで、口で言っていることと本心とがけっこう違っています。これが大きな悲劇を生む元で、本作を見ると、人間というのはずいぶんいい加減なものだと思えてきます。ある種の業のようなものをメインの3人が体現していて、そのあたりがメロドラマでも文芸的だと感じさせるところです。こういう部分がなければ、最後まで見られなかったかもしれません。 これに対してガブリエルが理性派代表のような立場にいます。結末を見るとそれが最後に勝利するということかもしれませんが、しかしあれはちょっと納得しかねるところも。「愛情がなければダメ」と言っていたバスシバ、あっさり結婚しすぎでは……。 農民の生活が活写されており、風景も美しくそこは見ものでした。民謡を生かした音楽もよかったと思います。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-17 21:42:25)《改行有》

67.  炎のランナー 《ネタバレ》 はっきり言って日本人向きではないでしょう。スポーツものとはいえ、「根性」の要素は薄く、もちろん練習の場面はありますが、あくまで一部でしかありません。肝心なのは、なぜ走るのか。ハロルドにとっては、ユダヤ人である自分をイギリス人として認めさせるためのもの。彼を取り巻くアイテムに、きわめてイギリス的なケンブリッジ大学やサヴォイ・オペラが配されているところがうまい。一方のエリックは、信仰表明として走る。あくまで神のために走るから、安息日には走れないというのがいいです。世俗の名誉を越えた大きなもののために走っているわけで、このあたりが現代日本人にはピンとこないところでしょうか。 オリンピック終了後の、2人の違いが本作のポイントでしょう。ハロルドの方にあまりたいしたものが残らなかったというのは、やはりキリスト教思想が根幹にあるヨーロッパの価値観が原因でしょうか。イギリスにおける異邦人の扱われ方、アマチュアリズムなど、いろいろと考察できそうです。とはいえ、私にとってはイギリス的な風景・雰囲気・音楽が堪能できただけでも嬉しい作です。 (レビュー400本目・ブルーレイ初鑑賞)[ブルーレイ(字幕)] 8点(2012-08-30 20:35:09)(良:1票) 《改行有》

68.  モーリス 《ネタバレ》 以前、イギリス製のミステリー・ドラマ(原作もの)を見ていたら、毎回のように同性愛カップルが登場してのけぞったことがありましたが、ことほどさように、かの国では同性愛が有名というか、多いようです(ほとんど伝統文化?)。特に本作にも名前の出てくるオスカー・ワイルドをはじめ、男性文化人にその気が多そうですが……。 それはともかく、すでに指摘されている方もありますが、本作では単に同性愛を扱っているだけではなく、イギリス独特の階級差というものがそれに絡んできているようです。クライヴは上流階級で、おそらくパブリック・スクール出身。そこで男性に目覚めたということはありえます。そこでモーリスに手を伸ばしたものの、上流階級には“noble obligation”(いわゆる「貴族の責務」)という考えがあって、そうそう反社会的(!)な関係を続けるわけにはいかないようです。しかし労働者階級であるモーリスには、そういった考え方はあまり理解できなかったのではないでしょうか。それは感情というよりは、階級によるすれ違いだったと思われます。 モーリスの相手がスカダーになると、これはもう下層階級へと自分から「堕ちて」いったことが明白です。クライヴとの間では越えられなかった階級の壁を克服しましたが、それによってモーリス自身の大切な「何か」も失われてしまったようです。クライヴとはかなりプラトニックな関係だったものが、スカダーでは大きく変化したもの象徴的です。 などともっともらしいことを書いたものの、やはりゲイの映画は苦手です。レズビアンならまだ大丈夫だと思いますが、それは私が男だからでしょう。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-07-30 22:41:25)《改行有》

69.  クレオパトラ(1963) 《ネタバレ》 これはたしかに、「金はかけたが中身はそれに見合っていない」映画ですね。話が地味すぎる。大半が政治的な駆け引きか、あるいはクレオパトラとシーザー/アントニーとのロマンス。どちらも盛り上がりに欠ける内容です。相対的にアクションが少ない。クレオパトラのローマ入場場面は盛り上がりますが、演出としてはやはり単調。それでも前半はまだ見られます。ただ、シーザー役は完全にミスキャストでしょう。レックス・ハリスンといえば『マイ・フェア・レディ』に代表されるように、学者系・文化系が似合っています。どこをどう見ても歴史に名を残すような大将軍とは思えません。これが致命的。後半は、クレオパトラが誇り高く気品にあふれていることはわかりますが、プライドが高すぎてワガママという気もしてきます。それにひきかえアントニーが情けなさすぎ。前半はどちらかというとシーザーが主人公でクレオパトラは助演という役回りだったのが、後半はクレオパトラが中心になって、よかったのかどうか難しいところです。確実にすばらしかったのは最後の自決場面で、ここではクレオパトラの誇り高き美しさがきわだっていました。しかし、そこまで行くのがあまりにも長すぎました。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-07-19 21:00:53)

70.  エリザベス 《ネタバレ》 公開時劇場で見て以来ですから、本当に久しぶり。細かい部分は忘れていますが、大まかなところは案外覚えていました。特にエリザベスが議会で演説する前にリハーサルするところが印象深いです。映画自体としては基本的に満足していますが、やはり劇場で見た時に受けた感銘には及びません。特にエリザベスとダドリーとの愛憎は、以前より薄味に感じてしまいました。それでもいい作だとは思うので、この点数です。 『ゴールデンエイジ』については……特に見直したいとは思いませんが、機会があれば見てみましょう。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-07-01 22:42:25)《改行有》

71.  Emma/エマ(1996) 《ネタバレ》 久々に再見。コメディタッチでいろいろと笑える点がポイント。おバカなエマの行動を、こちらも笑って見ていられます。エマの思い通りにならないことがことごとく起こるわけですが、そのたびにエマが見せる「え、どうなってるのそれ?」と言いたげな表情が特におかしい。エルトンに求婚された時は本当に頭抱えてました。グウィネス・パルトロウ、なかなかいい役者さんですね。さらに、振られたエルトンの結婚相手がエマそっくりの性格というのも爆笑もの。しかし、彼女が登場してエマのポジションを引き継いだからこそ、エマは新しい自分へと変われるわけで、これは原作者の策略ですが、かなりうまいと思いました。印象的だったのは、舞踏会でナイトリーがハリエットを誘う場面。カメラの動き、カット割りともすばらしく、ハリエットを心配するエマの心情がとてもよく表れていて感心しました。 ちなみに原作者のオースティンは、エマについて「私以外は誰も好きなれないようなヒロイン」と言っています。しかし私は、エマは嫌いじゃないです。困ったところもありますが、縁結びをしようというのは相手の幸せを願ってのことですから。おバカなところと相手を思いやる優しいところ、その微妙なバランスを描けたのは、やはり監督と役者さんの功績大だと思います。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-06-30 17:04:07)《改行有》

72.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 再見。初見時は大笑いした記憶がありますが、今回はあまり笑えなかった。それはおそらく、3.11以降放射能の脅威が身近に感じられるようになったためだと思います。初めて見たのは、東西冷戦がすでに過去のものとなっていた時で、どこか他人事として捉えていたのかもしれません。まあ、笑えなくなったとはいえ、本作の価値がいささかも下がるわけではありませんが。むしろ右往左往する大統領たちから、どうしても永田町の方々を連想してしまいます。今の日本人こそ見るべき映画ではなかろうか。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-06-18 20:30:10)

73.  いつか晴れた日に 《ネタバレ》 久しぶりに見ましたが、やっぱりいいなぁ~。当時の雰囲気がよく出ていると思うし(もちろん、その頃私は存在しませんが)、ペース配分を考えたシナリオがいい。映像・音楽もきれい。エマ・トンプソンは、自分で脚色しただけに役にはまっているし、ケイト・ウィンスレットも魅力的。この2人のうち、どちらかでも欠けていたら、こうはいかなかったでしょう。 内容としてはラブロマンスなのですが、イギリスらしいと思うのは探偵小説的な「意外性」に満ちていること。あの人とあの人が実は婚約していたとか~。かと思ったらあの人と結婚したとか~。その意外性の出し方、こちらへのパンチの打ち方が、タイミングよくてみごと。そしてそんなところにまで品があります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-05-06 08:30:22)(良:1票) 《改行有》

74.  縞模様のパジャマの少年 《ネタバレ》 まぁ、粗があることはたしかでしょう。あんな簡単に収容所に入れるはずはないし、母親や祖母がユダヤ人迫害に反対しているようなそぶりも、英米的価値観(希望的観測?)から来ているようで違和感を感じます。が、それを差し引いてもすぐれた映画であると思います。先の言葉と矛盾するようですが、人物配置が絶妙。特に、家庭教師の言うことを素直に信じる、優等生タイプのお姉さんを置いたことが成功していると思います。ブルーノがシュムールのことを尋ねられ、「知らない」というあたりも、記憶のどこかにあるような事柄で共感できます。 本作は反ナチの立場で作られていますが、さらにグローバルな視点からも見ることができると思います。先入観なく相手と対峙すれば、お互い人間であるということがわかるでしょう。そうなれば、互いを理解することも可能なのではないか。地球上では現在でも、価値観の違いから争い、殺し合う事態が続いていますが、謙虚に相手を見つめて人間同士であるとわかれば、愚かないさかいも少なくなるかもしれません。その可能性を示したことが、21世紀に本作が存在する意義であるように思われました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-04-24 21:56:19)(良:1票) 《改行有》

75.  キリング・フィールド 《ネタバレ》 よくやったと思います。実話を元にしているということで映画もドキュメンタリー・タッチ。大量のエキストラや大道具・小道具を動員しての同時進行撮影は、見ごたえがありました。内容としては、前半シドニーとプランの友情を軸に進行しているのですが、2人が別れてからは主にプランの見聞したカンボジアの情勢が中心となります。このため友情物語という側面は薄くなり、せっかく最後に再会しても、付け足しという感じになってしまいました。「イマジン」を使ったのは失笑もの。 そのカンボジアでのクメール・ルージュの残虐行為についてはしっかり描かれ迫力もありましたが、一方アメリカ批判の方は出てくるものの、時間的に少ないし訴えるものも少ない。これは、アメリカ批判が言葉だけで語られることが多いのに対し、クメール・ルージュの行いは画で見せることもあるのでしょう。当時のカンボジアでの行為を明らかにしたとはいえ、この点不満が残ります。物語の展開も含め、全体としてバランスがよくないと感じました。しかし見るべき点も多く、良作であることは間違いないでしょう。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-01-29 20:55:03)《改行有》

76.  めぐりあう時間たち 《ネタバレ》 うーん、評価しづらい。つまらなかったわけではない。むしろ引き込まれて見ていましたが、結局最後に至って「だからなに?」状態。特に、ローラが自殺しようとした理由がよくわかりません。人間誰でも悩みを抱えているものだと思いますが、特定の人の悩みをことさらに取り上げて、深刻に語られても……。とりあえず、機会があったら『ダロウェイ夫人』を読んでみます。いつになることやら。[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-09-27 20:49:21)

77.  戦場のピアニスト 《ネタバレ》 うーん、ドイツ軍のユダヤ人への仕打ちが不条理だったということはわかるのですが、正直「そうですねぇ」としか言葉が出ません。それを訴えたかったとすれば成功ですが、映画としてはまとまりに欠けるような。シュピルマンが病院を追い出され、廃墟となった街に出る場面が見どころでしょうが、大空襲後の東京や大阪、あるいは原爆を投下された広島や長崎の映像を見る機会が多い者としては、つい「建物残ってるやんか」と思ってしまいます。 シュピルマンを助けた理由として、ホーゼンフェルトは「神の思し召し」と言っています。ドイツ軍が飛ぶ鳥を落とす勢いだった頃に会っていたら、シュピルマンは簡単に撃ち殺されていたかもしれません。連合国軍に反撃され、ワルシャワにもソ連軍が迫っていた時期、ドイツ人はかつて自分たちが迫害していたユダヤ人のような立場に立たされた。この期に及んでユダヤ人を殺しても仕方がないということが、シュピルマンの命を救ったのかもしれません。そのことや運良く生きながらえたことを考えると、ユダヤ教徒ならシュピルマンを「ドイツ軍の悪行を後世に伝えるため、神が生き残らせた」と言うかもしれません。 まあ何にせよ、見ごたえはありますが、あまり共感とか感動はできない映画です。[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-08-17 12:04:08)《改行有》

78.  Queen Victoria 至上の恋 《ネタバレ》 どうもねぇ、肝心のブラウン氏に好感が持てない。女王に重用され、増長してずいぶん身勝手な人間に思えます。本当は女王のことを考えているのでしょうが、あまりにもそれだけで視野狭窄。バランスが悪いのです。女王の方も、「公人」であることを捨ててしまっているわけですが、そこまでやる気持ちがわからない。結果だけを出されても説得力はないし、共感もできません。むしろ皇太子や首相に同情してしまいました。ヴィクトリア女王を題材に選んだのはいいと思うのですが、残念なできでした。[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-05-30 21:39:58)

79.  クィーン 見る前は「いまだ存命の女王陛下が主人公の映画など、よく作れたな」と思いましたが、作れたのも道理、バッシングされた女王の名誉を回復するような内容でした。しかし単に王室寄りの話ではなく、なんとか騒動を収集しようとする首相側と王室側のやりとりや、各人物の言動は見ごたえがあります。どの程度事実に即しているのかわかりませんが、とりあえず一国の王室と内閣が、一女性の死にさんざん振り回されたことは確かでしょう。ダイアナってなぜそんなに人気があったのか、わかりません。それだけに、女王には同情を禁じ得ませんでした。 個人的には、久々の“当たり”です。[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-05-15 17:16:06)

80.  その男ゾルバ 《ネタバレ》 ゾルバのキャラクターが面白い。学歴はないだろうが、その語るところはある種の箴言とも言えるもので、名台詞の宝庫。その一方、女好きだったりちょっと抜けているところがあって、憎めない人物です。バイタリティにあふれていて、実際身近にいると煙たいかもしれませんが、映画で見る分には問題ありません。バジルとの関係もなかなか素敵で、最後に二人で踊る場面がとてもよかった。ただ、ゾルバが戻ってきて女二人が死ぬという展開が、やや強引に思えます。村の閉塞感や旧弊さ、あるいは死人の持ち物を残らずかっさらっていく田舎の残酷な面を出したかったのでしょうが、やはりなくても問題ないと思います。とはいえ、なかなか好編でした。音楽もよし。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-03-31 18:47:56)

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