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【製作国 : ベルギー 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. ダゲレオタイプの女 《ネタバレ》 写真というものが、身体的外見を人工的に固定し、存在を時間から引き離す事で、存在を生につなぎとめるものであり、被写体を死の運命から解き放つ事で、生者の心をかき乱す存在であるとするならば、それは幽霊とも似ているのではないか。 ドゥニーズは幽霊となりステファンの前に現れ恐怖させ、悩ませる事で、彼の精神を縛り続け支配下に置いていた。 それは生前彼女が、”写真を撮る”という行為を通して行われていたであろう束縛を、最も体現した報復律。 彼女は、そのように死後幽霊として夫を苦しめていた時の方が、マリーは死後幽霊としてジャンと逃避行をしていた時の方が、生前より自由であったのではないか。 肉体的な生と死(人が一般に定義する生死)、どちらがより自由で幸福であるかは、他人の尺度で測れる事ではない事実と同時に、生と死の境界線の曖昧さも描いている。 そして、写真が良くも悪くも、身体と精神を永遠に縛り付けるものであるとするならば、映画という映像芸術は虚構を映像化する事で、そのものを解放する作業(今回であれば、幽霊となったドゥニーズとマリー)となり得る。 正負どちらにも転びうる、生と死の概念、映画と写真という芸術の関係性や特性を見事に表現していた。 他にも、水銀が植物園を枯らしてしまう(ステファンの罪がマリーの尊厳を犯す)という視覚的表現や、階段下にカメラを置く事で原因を不明にし、結果のみを伝えるという落下表現も瑞々しい。 この監督は、あらゆるものの可能性、とりわけ映画という媒体の可能性に挑戦し、生と死の境界線を揺るがし続けている。 だからこそ、その大きな挑戦から目を離すことが出来ない。[DVD(字幕)] 9点(2017-09-24 20:27:59)(良:1票) 《改行有》 2. サンドラの週末 《ネタバレ》 自分を犠牲にしてまで相手に尽くす事ができるか。という、答えの出ない問い。 本作はその問いを投げかける。そして、主人公は自分の生活、復職を犠牲にして、自分を守ってくれた人を最後に守る。 否定のしようのない立派な行動と結末。 だがその不変的な問題に対する、暴力的にも思える圧倒的な正論が、困窮してるようには見えない主人公一家共々どうしても上辺だけの浅薄な結末に思えてしまう。[DVD(字幕)] 4点(2016-07-01 02:02:12)(良:1票) 《改行有》 3. ノー・マンズ・ランド(2001) 事件は現場で起こっているんですね…[DVD(字幕)] 7点(2007-06-14 15:57:25)(良:1票)
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