みんなのシネマレビュー |
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21. ある愛へと続く旅 ボスニア紛争を題材にしているが、それ自体の予備知識は必要ではなく、戦争が人間の運命を変えてしまうものだとつくづく感じさせてしまう。陽天気というかちゃらんぽらんに思えるディエゴに、ジェンマがどうして惹かれてしまったのか疑問に思えるが、恋とはそういうものだろう。80年代のサラエボは冬季五輪を前に活気に溢れているが、90年代に不穏に満ちたものとなる。そしてまた現在のサラエボは・・・。時代の違うサラエボを見ることができるが、ペネロペ・クルスは女学生から老け役までを熱演し驚くほどの違いを見せる。そしてまた代理妻を演じるサーデット・アクソイもまたエキゾチックで美しくペネロペと好勝負だ。映画の終盤は目が離せず、あっという展開は「灼熱の魂」という映画を思い出してしまった。主演と監督が同じ組み合わせの「赤いアモーレ」よりずっと良いように思う。[DVD(字幕)] 8点(2014-07-12 23:11:09) 22. 青い麦 若者と年上の女性、それに同世代の女の子といった設定の映画はたいがい好きなのだが、この映画の主人公たちには魅力を感じないしストーリーもすっきりしない。70年代に流行ったこの手の映画はエロティシズム溢れるのだがそれもないし・・・。[DVD(字幕)] 4点(2014-06-28 00:57:39) 23. 赤毛のアン/アンの青春 完全版〈TVM〉 スタッフ・キャストが前作と同じの続編だから、「赤毛のアン」が好きだった人ならばこの続編もまちがいなく楽しめる。主人公アン・シャーリーのいろいろなエピソードが心に残る。だがそのエピソードが多すぎてTVMとしては良くても、ひとつのまとまった映画としてはちょっと長すぎるような気もする。ところで初めて見た映画なのに、後半の物語はどこかで見たような気がするのだが思い出せない。[DVD(字幕)] 7点(2014-06-08 05:53:25) 24. ある過去の行方 「彼女が消えた浜辺」「別離」に続きアスガー・ファルハディ監督の映画を見る。さすがにアカデミー賞の外国語映画賞に輝いたことのある監督の作品だけあって、前作、前々作に少しも劣るところがない。それどころか故国イランからパリに進出してさらに深みが増してきたようにも思う。[映画館(字幕)] 8点(2014-05-06 19:52:07) 25. あした来る人 山を登るためには会社も妻も捨ててしまう男、かじかの研究一筋の男、無駄な投資は決してしない男、さまざまな男たちが登場しそれをとりまく女性たちが描かれる。不倫かロマンスかと思わせつつもそうはならない、それぞれの人間の心情を描いた映画。しめくくりの山村聡の言葉が印象的。三橋、新珠による川島映画は何と言っても洲崎パラダイスだが、こちらの方が前年なのか。中盤がやや中だるみの感じがする。[DVD(邦画)] 6点(2014-05-01 06:22:26) 26. 赤い風船 パスカル少年が一応主役だけど、大きな赤い風船もまた彼に劣らぬ主役。動物が主役の映画は数多く見たが、人格を持った風船が主役とはまったく恐れ入った。これをファンタジーと言わなかったら何だろう。いわさきちひろの絵本の世界だろうか。しかしお話をつけたら別のものになるような気もするが・・・。癒されるのはまちがいなし。[DVD(字幕)] 8点(2014-04-26 20:45:09)(良:1票) 27. 赤毛のアン/完全版〈TVM〉 昔見た「赤毛のアン」をNHK連続テレビ小説「花子とアン」の開始とともに再鑑賞。女の子っぽい作品と多少見下していた自分を反省する。街や風景の美しさ、空想好きの少女アンのひとつひとつのエピソードが丁寧に描かれており、改めて名作だと痛感する。DVDで見たのはこっちの3時間の完全版だったことを知る。[DVD(字幕)] 8点(2014-04-20 08:24:49) 28. 暗殺の詩/知りすぎた男どもは、抹殺せよ デビットは国家の秘密を知ってしまった危険人物なのか、それともただの精神異常者なのか、最後まで目の離せぬ展開が良い。願わくは最後まで謎のままにしてほしかった。 「冒険者たち」のロベール・アンリコ監督映画、期待を裏切られたようでもあり、そうでないような・・・。[DVD(字幕)] 6点(2014-04-12 08:44:48)《改行有》 29. アスファルト・ジャングル 犯罪映画でありながら、これほどまで人物描写に徹している映画は初めて。計画犯や金庫破り、用心棒そして悪徳刑事など、いろんな悪人が出てきて駆け引きや顛末を見せる。悪人も悪人でない面を描いて実に巧みなところを見せたり、台詞の端々にも意味深長さを感じさせる。人間は白とか黒とか決められない隠された面もあるということなのか。[DVD(字幕)] 8点(2014-03-27 21:24:31) 30. アラビアン・ナイト(1999) 物語は中世のはずだがこの映画では近世を思わせる。だがファンタジックな要素は十分で、シャハラザードが語る千一夜物語も魅力たっぷりでおもしろい。王(サルタン)でなくてもついつい引き込まれてしまう。アリババやアラジンの物語を見ながら、子どもの頃読んだ童話を思い出した。よく言えば終盤がちょっとあっけないように思うが・・・。[DVD(字幕)] 7点(2014-01-25 16:45:51) 31. アリババと四十人の盗賊(1944) 「開けゴマ」の合図で洞窟の扉が開く、子どもの頃童話で読んだアリババの物語。40人の盗賊が出てくるのは同じだがどうも筋書きが違う。映画用に筋書きを変えたのだろうがまずまずおもしろい冒険劇。[DVD(字幕)] 5点(2014-01-24 08:28:20) 32. 足ながおじさん 「私がいくらお便りしても一度も返事をよこさない足ながおじさん、あなたはどんな人?」と空想を巡らすジュリー、とてもファンタジックでロマンチックな物語である。子どもの頃読んだお気に入りの小説だ。映画はこの空想シーンがミュージカルになりダンスになる。アステアのダンスは芸術的であり、対するレスリー・キャロンも本職ダンサーだ。このふんだんに盛り込まれたダンスシーンが好きでないと、映画は途中から退屈になり長く感じることだろう。私は嫌いではないが何度も見せつけられるとやや・・・の方である。[DVD(字幕)] 6点(2014-01-23 05:38:52) 33. アニーよ銃をとれ ブロードウェイミュージカルで大ヒットした「アニーよ銃をとれ」、日本でも江利チエミ、桜田淳子が演じた。だが本場米国の映画になかなか巡り会うことができなかった。(長年DVD化されなかったため)いや見て感激、ベティ・ハットンの迫力ある演技、歌いっぷりだ。ガーランド降板の功名といったところか。射撃シーンはもちろん、乗馬シーンからおどけた格好まではつらつとしていてすべて良い。ただミュージカルとしてはトップれべるだけど、映画としては微妙。[DVD(字幕)] 7点(2014-01-20 07:31:56) 34. アラビアン・ナイト(1942) 王妃になるためには相手は誰だっていいシエラザードや、ランプをこすれど何も起こらないアラディン、昔の航海の思い出にひたるシンバット(シンドバット)、おもしろい登場人物たちだ。可もなく不可もなくといったところか。[DVD(字幕)] 5点(2014-01-18 08:37:33) 35. アラビアンナイト(1974) パゾリーニの「デカメロン」「カンタベリー物語」に続く三部作なのだが、さらに幻想さを増し神秘的抽象的に生(性)を表現していく。ポスターは非常に挑発的的だが、あのシーンはほんの一瞬のできごと。千一夜物語の王子や悪魔など様々な人物が登場するが、シンドバットのように有名なものはまったく出てこない。ストーリーはあるのだが、わかりにくく前2作に較べおもしろくない。[映画館(字幕)] 4点(2014-01-16 07:59:22) 36. 明日へのチケット 別々のお話に見えて、共通するのは題名どうり「チケット」 ゆとりを持たせるため1人で2枚分のキップを持つ人もいるかと思うと、2等の切符で1等の席へ潜り込む人もいる。そして4人いるのに切符を3枚しか買えない人も・・・。国籍や言語を超えたチケットに秘められた物語、ほのぼのとしていて見た後味が良い。[DVD(字幕)] 6点(2014-01-05 06:57:34) 37. アイズ ワイド シャット トム・クルーズ演ずる医者の行動が解せない。何を言いたいのか、何に着目して見ればいいのかよくわからない映画だった。ショスタコヴィッチの音楽だけが印象的だった。[DVD(字幕)] 3点(2013-11-05 15:47:11) 38. 憧れのハワイ航路 「東京の花売娘」「啼くな小鳩よ」「憧れのハワイ航路」と戦後の歌謡界に君臨した岡晴夫の出演映画。歌はたくさん聴いたけど映画はもちろん初めて。さらに天才少女歌手美空ひばり出演とあっては見ずにいられなかったが、映画自体は甚だ・・・。[DVD(邦画)] 5点(2013-11-04 11:17:58) 39. アフタースクール 初めから観客をだまそうとしている映画だし、私の方も見事だまされた口だが、それでもやっぱりおもしろい。「運命じゃない人」もおもしろかったし、内田けんじ監督の映画(脚本)作りはすばらしい。最初は頼まれたからといってほいほいついて行く教師がどこにいるのかと思ったのだけど、ちゃんと訳があったのだ。何度も繰り返して見るDVD向きの映画。[DVD(邦画)] 8点(2013-11-04 08:50:58) 40. 按摩と女 ちょっとしたストーリーに漂う情感、これが「ありがたうさん」の清水宏監督と知ってすごく納得。ある意味おもしろさではこっちが上かもしれない。目が見える者を追い越したり喧嘩にも負けない。特に8人半にはまいった。それでいて目の見えないハンディをユーモアたっぷりに表現する。漫才のような掛け合いで始まった映画が、実にしっとりした印象的シーンで終わる。[DVD(邦画)] 8点(2013-10-18 09:44:28)
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