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コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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61.  危険な情事 《ネタバレ》 蝶々夫人が自刃するも死にきれず、自分を捨てたピンカートンにストーカーのごとく付き纏う、ってな感じのオハナシ。 マイケル・ダグラス演じる主人公、「蝶々夫人」のクライマックスに涙したとか何とか言いながら、自分は自分で妻子のいない間にチャッカリ浮気して、相手とさっさとオサラバしよう、ってんだから、虫がいいにも程がある。どう考えても主人公の方が悪い訳です。 アメリカの恐怖映画というと、無関係の事態に巻き込まれるとか、得体の知れないモンスターみたいなヤツに襲われるとか、そういう理不尽さがベースとなっている印象があるのですが、本作はそうではなく、他人からの「恨み」というものが恐怖の源泉にあって。どっちかというと、日本の「うらめしや」系のコワさですね。でも暗がりにボンヤリ現れるだけ(?)の日本の幽霊とは違って、本作のグレン・クローズはアフロな髪型をなびかせ、積極的にワイルドに、迫ってきます。でもただただ迫ってくるだけではなく、押したと思えば引いてみたり、この辺りの匙加減が本作の上手いところです。 クライマックスの舞台が風呂場になってて、これが妙に生々しくてコワいんですね。風呂場というのがそもそも、人間が最も無防備になる場所で、なのに硬そうなモノが色々とあり、争うには最もヤな場所なんですけれども、それに加え、本作では「水」のイメージがまたヤな感じを醸し出してます。二人が親密になるキッカケとなった雨の場面とか、彼女が自殺未遂を企てる中盤の場面とか。とにかく、妙に生々しいんです。ヤな感じです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-03-01 16:02:11)《改行有》

62.  祇園の暗殺者 近衛十四郎というヒトは、いつも暑苦しい程に自信マンマンの表情を浮かべている印象があるのですけど(表情というより、もはや「自信」が顔の一部になっているかのような…)、別にいつもいつもそういう訳ではない、というのがこの映画。 時は幕末、京の街では彼を始めとする浪士たちが、血も涙もない人斬りを繰り返している。で、今日も首尾よく(?)、ターゲットの家に乗り込み、見事仕留めたはいいけれど、押し入れの中に不穏な空気、戸を開けてみるとそこには、恐怖と驚きに顔を引きつらせた子供の姿が。で、この映画、何がポイントかといいますと、このシーンの子供の顔が、完全に「呪怨顔」なんですね。バッチリ時代を先取りしてます。この呪怨顔を見てしまったら、さすがの十四郎フェイスも曇ろうというもの。以降、主人公は罪の意識に捉われたか、ときに殺人の幻影に悩まされ、何かと調子が出なくなっていく。そして彼に訪れる暗い運命。 終盤の、狭く入り組んだ京の路地を舞台に繰り広げられる追跡劇が見どころで、ついには鴨川べりと思しき水辺に追い詰められるのだけど、それは作品の中盤でも描かれた暗殺パターン。因果はめぐる、といいますか。 人斬りがテーマながら必ずしもチャンバラに重きを置かず、代わりに呪怨テイストを絡めてきたのが、ちょっと異色な時代劇でした。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-02-22 03:41:41)《改行有》

63.  ギャラクシー・クエスト 凶悪宇宙人の侵略を受けた宇宙人が、傍受したSFテレビシリーズの放送を真に受けて地球に救いを求めてくる。まー、実にナンセンスで、しかしSF的には「うん、こういうことって、ホントに起こりそうだよね」という秀逸な設定が、作品の魅力。久しぶりに観ましたが、やっぱり面白い。 人気の低迷した役者たちがなんとなく騒動に巻き込まれていく展開だけに、いささかオフビートな部分もありますが、徐々にテンポを上げていき、特殊効果もしっかりしていて好感が持てます。何より、救いを求めてきた宇宙人の嘘くさい笑顔、バカ正直ぶり、徹底した純朴さが、胸を打ちます。 ただ、特に「何で俺がこんなことを」感の強い役に、そのまんまいかにも向いて無さそうなアラン・リックマンを起用したのは、ホントに「そのまんま」過ぎて、あまりよろしくなかった気も。コメディにはコメディのやり方があると思うんですけどね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-01-06 17:08:23)《改行有》

64.  キングスマン: ゴールデン・サークル とりあえずお腹いっぱい楽しませてもらって、どうもありがとう・・・ と、まあ、それなりに満足もしたのですが、ううむ、やっぱり続編って、難しいねえ。 エピソードを巧みに組み合わせつつ「あーほんとバカだねえ」という世界を作り上げた前作。ほんとバカでした。 どうもこの続編と言うヤツ、「続編を作る必然性とは?」という部分にこだわってしまい、どんなバカバカしいことをやろうとしてても、理屈っぽくなってしまう。コリン・ファースを再登場させる図々しい強引さは結構なのですが(前作の後、遺体の回収もしてなかったのか!?)、はたまた治療シーンを物語のパーツとしてうまく取り込んでたりもするのですが、それでもやっぱり、理屈っぽいクドさが感じられてしまう。 そう思うと、あのインデペンデンス・デイの続編なんて、よくここまでデタラメができたもんだ、と。いや、スゴかったね。ヒドかったけど。 もちろん本作も適当っちゃあ、適当。ドラッグの問題があったり、それを利用しようとする動きがあったり、という皮肉には、文明批判っぽいものがあって、ステイツマンのアナクロぶりとの対照が際立ってる。キングスマンの面々が生身の犬に愛着を持ってる一方で、悪役は凶暴なロボット犬を買っている、なんてのも、そういう「反文明」の一環かしらん。なんて思って観てると、最後は「それにしてもドローンって便利よね」という正反対のオチが待っていて、ズッコケてしまいました。ははは。 ラストはやっぱり、鏡の自分に向かい合うシーンでシメるんだね。こういうのも本来ならもう少し感動的な場面なんだろうけれど、ちょっと理屈っぽいんだなあ。 ま、でも、楽しかったです。[映画館(字幕)] 7点(2018-02-08 20:22:33)《改行有》

65.  ギャンブラー ストーリーらしいストーリーもないモヤモヤとした流れの中、一種のはみ出し者のような主人公の生き様や人となりが描かれ、ラストの銃撃戦では唐突で露悪趣味のような残酷描写も見られる。と来れば、『タクシードライバー』を思い出したりもする訳で、そう考えるとこの映画、結構、先取りしているんですね。というか、『タクシードライバー』ってもしかしてこの映画を参考にしてませんか、とも思っちゃう。 ただ、『タクシードライバー』の方はもっと表面的な感じがあって、何だかとっても浅い内容なのかも知れないけど、やたらにカッコいい。音楽もイカしてる。とってもアタマのいい人が作った不良映画(決して優等生映画じゃない)だと思える。それに比べると、この映画、もっと誠実で、もっと泥臭くて、音楽も湿っぽくって、要するにイケてない。そこに本作のもつ哀しみもある。 なんやかんやあったけど結局、すべては噛み合わないままの、すれ違いだったのかね、という、哀しさ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-06-06 22:52:27)《改行有》

66.  キャノンボール2 無許可の公道レースを題材に、スターをひたすら羅列しお寒いギャグをひたすら羅列するカーアクション映画の第2弾。これ、1作目より好きなのよね~。こちらの方がギャグが冴えてると思う。って、どちらも極寒ギャグであることに変わりはありませんが、若干、冴えてるかと。 久しぶりに観て大いに楽しませてもらいました。ずいぶん久しぶりなもんで、あ、ヘンリー・シルバが出てたんだ、とか、ゴッドファーザーのテッシオさんが出てたんだ、とか。 ジャック・イーラムはさすがにあまりにも強烈な印象なので、忘れようったって、忘れられませんが(もはやこのヒト、普通の映画に出演して普通の役をやってる方が、違和感あったりする)。 いずれにしても、最高の名演は、オランウータン君で決まり。[CS・衛星(吹替)] 7点(2017-04-24 21:35:58)《改行有》

67.  機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編 《ネタバレ》 いつの間にやらアムロがやたら強くなっていて、敵とつり合いが取れず、ガンダムの戦いがあまり盛り上がらなくなってしまっているのですが(やっぱり互角の戦いをしてこそベストバウトも生まれる訳で)。それでもやっぱり第2作よりも第3作が盛り上がるのは、そりゃ何といっても、ミライさんの入浴シーンよりはセイラさんの入浴シーンの方がいいもんね。とか言うのは抜きにしても。兎にも角にも、このラストの壮絶な戦い。ホワイトベースの最期、そしてガンダム「RX-78-2」(って言うんですね、先日ガンダムスクエアで初めて知りました)の最期。これらすべてを思い切って葬り去ることで、寂しさもあるけれど、なんかちょっと晴れ晴れした気持ちにもなる。いい幕引きです。[DVD(邦画)] 7点(2016-11-02 22:48:29)

68.  キャプテン・フィリップス 監督誰なんだろうと思って観てたら、ポール・グリーングラスだったのね。成程とも思えば、「ほ~」とも思う。観てる間、節々で、トニー・スコットが蘇ったのかとも思う瞬間もあったりして。実際の事件を元にしていながら、うまく娯楽作に仕上げています。でもトニー・スコットならドサクサまぎれにハチャメチャなシーンを白々しく入れてたかも知れない。 貨物船が海賊に追われる段階、乗っ取られる段階、海賊が乗った救命艇内で船長が人質になる段階、米海軍が救出作戦を実行する段階、それぞれに見せ場を設けて、飽きさせません。また、様々なリアリティ、特に海賊4人の、いかにも我々の価値観の外の存在であるような危険な感じが、映画の緊迫感に大きく貢献しております。ただ、それが、本作の限界ともなっているようにも思えて。 凶暴さそのものといった感じの4人の海賊が、映画終盤では、圧倒的かつ無機質な米国の軍事力を前にして無力な存在となっていく。その頃には4人のキャラクターにもある程度の色分けがなされていて、我々も、彼らに肩入れするとは言わないまでも、「消耗品としての悪役」とは見なせなくなっている・・・と言いたいところだけど、それならそれで、海賊4人の存在それぞれを象徴するエピソードが、やっぱり足りない。そこがリアリティとのせめぎあい、本作の限界かも知れません。 一方で、ラストの、看護師さんの淡々とした言葉と所作が、えらく印象に残ります。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-09 08:29:26)(良:2票) 《改行有》

69.  巨人と玩具 開高健が小説を発表してから間もなくの映画化だと思うのですが、まーずいぶん雰囲気が違います。どういう訳か、登場するお菓子メーカーの名前まで原作からちょっと変えてたりして。 原作がいささか肉付けに欠けた解説調のストーリー進行だったのに対し、この映画、超ハイテンションでこれでもかこれでもかとひたすらセリフをまくし立てる。開高作品でも「日本三文オペラ」あたりをこの勢いで映画化してたら、それはもう大変なコトになっちゃってたかも。 というテンションの高さがスリリングな作品なんですが、どーして選んだ題材が「巨人と玩具」という小説だったのか、これが謎なんです。[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-09-22 18:06:18)《改行有》

70.  恐怖のメロディ 《ネタバレ》 普通のサスペンス映画なら、か弱き女性主人公が、ヘンタイ男に付きまとわれ、襲われ、逃げ回る、ってところ。しかし本作は、主人公がムキムキ大男で、付きまとってくる逆上女を、パンチ一発で撃退してしまうという・・・。いやはや。 露骨なネタバレ、どうもすみません。 それにしても、これぞまさにイーストウッド・パンチ。彼の必殺技のひとつとなりました(ホンマかいな)。 しかしこの、男が女に襲われるという逆パターンに加え、その主人公がなかなかにいい加減なヤツでちっとも同情できない、ってのが新機軸。そういう主人公を監督自身がふてぶてしくも自信満々、演じてる。サスペンス一辺倒ではなく、音楽を巧みに・・・ではなくって全面的に取り入れているのがユニークで、雰囲気出してます。主人公とストーカー女を音楽が繋いでいるだけではなく、途中、音楽祭の場面ではもはやサスペンスそっちのけ。映画の寄り道。 あと、電話も重要な役割を演じておりました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-08-25 20:51:10)《改行有》

71.  きっと、うまくいく 大学時代の同級生が10年後に再会する、が、その相手は? という、O・ヘンリの「二十年後」とか松竹新喜劇の「人生双六」みたいな発端(要するに、ハズレなしの鉄板ネタ、というヤツですかね)。学生時代と現在とを全く無理なく演じ分けた役者さんたちが、まずもって見事。というよりむしろ、たった10年後の設定にしては歳食い過ぎてるやろ、というヒトもいるくらいで(笑)、とにかく学生時代のシーンにおけるこの若々しさが、作品を成功に導いております。 作中に散りばめられたエピソードやセリフが、意外な形で伏線になっていき、ここまでうまく伏線回収されると、ちょっと人工的でイヤミな感じがしないでもないですが、ミステリ作品を楽しむような気持ちで観れば(実際、物語にそういう要素も若干あるし)、気持ちよく楽しめるのではないかと。もちろん、それらのエピソードが、回収するためにのみ伏線として存在するのではなく、ちゃんと物語の起伏に繋がっているからこそ、楽しめるワケでして。「誰だって間違うことはあるんだ」という学長の言葉が、結構、感動的だったりします。 ただ、こういう感動を、もう少し巧みに作中に入れ込んでくれれば、なお良かったんだけどな、という側面もありまして。何かと言えば登場人物に涙を浮かべさせて見せる演出、ややマンネリ感もあります。 ところで本作の中に、テストの答案を出すのが遅れて教官に受取りを拒否されるエピソードが出てきますが、コレ、本作のオリジナルではなくって、以前からある有名なもののようですね(早坂隆「世界の日本人ジョーク集」にも載ってます)。[CS・衛星(吹替)] 7点(2016-03-13 08:17:12)《改行有》

72.  北国の帝王 貨物列車への無賃乗車に命をかける男と、それを命がけで阻止しようとする車掌との、命がけの戦い。って何に命かけてのよ~。無賃乗車の帝王学。たかがタダ乗り、リー・マーヴィンはいったい何をとくとくと自慢げに語っているのやら。⇒そこがいいんです。あまりにも価値観に一般性がないので(笑)、信念が生き、対立が生き、アクションそのものが生きる。ただ、この作品、「列車モノ」という非常に魅力的な題材な訳ですから、もうちょっとしっかり列車に乗ってて欲しいなあ(下車し過ぎ)、というのは完全に個人的な好みの問題ですが。あと、「ここはコミカルなシーンなんです」と変に念を押すような音楽の使い方って、コレ、どうなんでしょうか。ユーモラスなシーンはちゃんとユーモラスに撮れてんだし、ちょっと音楽はくどいですかね。何にしましても、さすがなのはボーグナイン、『コンボイ』にしてもそうですが、このヒト、打算を超えたサディストの役をやったら、ピカイチですね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-09-13 07:31:18)

73.  機動戦士ガンダム 子供の頃、周囲の盛り上がりを余所に、殆ど見ることのなかったレギュラー放送のガンダムですが、後に、夏休みだか冬休みだかに映画3部作をよく放送したりしてたのを何度も見て、そういう意味ではこの映画版の方に馴染みがあるのですが。しかし、今回久しぶりに見て、やっぱりキツイなあ、と思っちゃいます。基本的にテレビの再編集、それもお話の途中まで、なもんで何とも中途半端。テレビ版を圧縮して詰め込む事に精一杯で、ひとつの独立した作品としての盛り上がりには欠けていると言わざるを得ません。そういや映画版の『宇宙戦艦ヤマト』などは、無理矢理な再編集でほぼ支離滅裂だったけど、ストーリーの最後までカバーしてる上に、ツボはきちんと押さえていたので、ちゃんと盛り上がったのでした。アニメーション技術もテレビアニメにしては高かったし。その点も、ガンダムには分が無いですね。アニメとしてのクオリティは高いとは到底言えず(そこに懐かしさもあるとは言え)、そもそも、登場人物の人相が作中で安定していない、ってのはまさにテレビアニメの悪しき特徴。ガンダムの魅力は多かれ少なかれ、その「設定」にあるのであって、“スター・ウォーズ + 宇宙の戦士”とか言われつつも、それだけに収まらないものは確かにあるのですけれども、この第1作(と言ってよいのかどうか)ではまだ、「設定」の説明に終始するばかりで、その魅力が物語として動き始めているとは言えない段階です。 ↑とは言え、色々な制約の中でこれだけの動きを描き込んでいるのはやっぱりスゴイし、物語の発端を描く作品ならではの、登場人物たちの初々しい姿、素直に恐れ、素直に驚く姿、ってのも魅力的。特に、慣れぬガンキャノンの中で絶望的な闘いに身を置くカイの姿とその描写は、強い印象を残します。すみません6点⇒7点に差し替え。[DVD(邦画)] 7点(2014-02-11 23:52:44)《改行有》

74.  ギターを持った渡り鳥 何せ尺の短い娯楽作品、冒頭からいきなりの乱闘騒ぎなど、強引にお話が進んでいきます。さらには出てくる人出てくる人、「おや、君はあの時の」式に偶然の再会を連発。どこまで世の中狭いんだ。いやはや、問答無用ですな。陰のある流れ者の主人公は勿論、小林旭。最初は地上げ屋の手先みたいなコトもやったりして、単なる正義漢ではない、我が道を行く一匹狼。中盤には、意外な過去も明らかに。ってか、かなーり不自然にニヒルな笑みを浮かべる宍戸錠が出てきたあたりから、妙な展開になっちゃった気もして、やっぱり宍戸錠は只者ではないな、と(笑)。それにしても、函館を舞台にした本作、ロケーションが素晴らしいです。この「空気が澄んでいる」という感じは、一体何なんでしょうか。そして揺れる船上のシーン、観てるだけでも酔いそうな(挿入歌「地獄のキラー」がこれまた意外にイイ歌だったりする)。乱闘シーンでは、足を滑らせそうな危ないスタントも小林旭自ら演じているなど、とにかく、大作映画とは異なる活きの良さが感じられて、楽しい作品です。ところで、刑事さんがタバコをスパスパ吸いながら神社の境内に入って行っちゃうどころか、吸い殻をポイ捨てしたりするシーンを見ると、大らかな時代というか何と言うか。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-11-10 11:21:45)

75.  キラーカーズ/パリを食べた車 ずいぶん昔、劇場未公開である本作がビデオリリースされた時に某雑誌で紹介されてるのを見かけ、掲載されていたトゲトゲカーの写真にいたく興味を引かれたまま、見る機会がなかなか無かったのですが……何となく、デヴィッド・リンチ作品みたいなのを想像してたのですが、当たらずとも遠からず、しかし『2000人の狂人』とかの方が近いかも知れない。そして『マッドマックス』を生み出したオーストラリア映画らしく、クルマを題材にすると、とっても変に(アホに)なっちゃうんですね。そういや、ジャイロキャプテンそっくりな変なヒトが出てるな、と思ったら、本人でした。さてさて、「パリを食べた車」となっておりますが、パリってのは某国の首都のことではなく、映画の舞台となっているさびれた町の名前。別に車に食べられる訳じゃなく、むしろ、この町の方こそが、クルマを食べて生きているかのような。この町を通りかかった車はきっと謎の事故を起こす。車は町の住人によって解体され(どこかロメロのゾンビに繋がるものが)、すべては闇から闇へ。という変な町でして、やはりこの町で事故を起こし、心に傷を負った主人公、町から出ることもままならず、この奇妙な町に取り込まれていっちゃう。で、この後、「しかし住人たちの悪だくみは意外なところから瓦解し…」という展開になるのなら、まあ普通の映画。本作は違って、さらに訳がわからず、そこがまた振るってます。クルマというクルマを食いつくしていくようなこの町でも、さすがにこれは食えんわい、というポンコツ車軍団が登場、住民たちと対立した挙句、ついに、舞踏会の晩、ポンコツ車集団が町に襲いかかる!! で、その中心にいるのがハリネズミのようなトゲトゲカー。このトゲトゲ、一見ウレタンか何かで出来てそうな頼りない感じなのですが(予算的なもんなんですかね)、心配ご無用、我々の期待を裏切らず、ちゃんと人間を突き殺す凶器になりうる優れモノ。まーたいがい訳のワカラン作品ですが、おそらく、このトゲトゲカーを思いついた時点で、ピーター・ウィアーは「これは傑作になる」と確信したのではないでしょうか、実際、私も映画史に残る(残るかも知れない・できれば残してあげたい・やっぱ無理かな)クライマックスだと思うのですが、どうでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-05 00:24:42)

76.  96時間 疎遠になろうと父親は父親、旅先で出会ったチャラ男なんぞよりよっぽど信用できる、という映画。実にスバラシイ。さらに、中盤のカーチェイスあたりで嬉しくなってくるのは、このデタラメさ、強引さ。カーチェイスなり銃撃戦なりを盛り込むことが第一優先で、物語の自然さなど二の次になってるのは、これ、まさに木曜洋画劇場テイストで、今となっては懐かしさすら感じさせます。惜しむらくは、アクションシーンが何やってるのやらバラバラでわかりにくいこと。あとリーアム・ニーソンみたいなイカツいオッサンが走るシーン、というと個人的にはワクワクする、はずのシーンなんけど、イマイチ盛り上がらなかったこと(もっとなりふり構わないド迫力の走りを期待しちゃうのです)。[地上波(吹替)] 7点(2013-02-17 09:14:37)

77.  紀元前1万年 この作品を「紀元前1万円」と呼びたい。スペクタクル映画一本で一万円とは確かに安過ぎるけど、自腹を切るにはちょっと痛い。そういう、値頃感を含めてのリスペクトを示しているのです。しかっし、エメリッヒ、さすがです。何と言ってもこの、気持ちの強さよ。こういう映画を作るためなら、バカと思われることなど何とも思っちゃいない。何しろ宇宙人、怪獣、氷河期と、様々な敵と戦ってきた男。「バカと思われる危険性」というのもこれらに劣るとも勝らぬ強敵であるけれど、今回も堂々と打ち破って見せてくれました。“CG”という心強い味方さえいれば、どんな逆境も乗り越えられる。いや実際、よくできたCGです。CGをフル活用する以上、マンモー(マナクではなくマンモーと呼ぼう)はたくさん登場させねばならぬ、群衆はさらにテンコ盛り出さねばならぬ、これを画面に収めるには、相当高い視点からの映像が必要だなあ、と。かえって欠如してしまったスケール感がこれまた愉しい作品。喜び過ぎってか。[地上波(吹替)] 7点(2011-10-02 07:54:31)(笑:1票) (良:1票)

78.  キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 《ネタバレ》 いろんな撮りたいシーンをアレコレ撮るためにわざわざ散漫な内容にしたような印象すら受ける映画。そういう魅力的な数々のシーンの中でも、ディカプリオ演じる主人公が逃亡後、母の家で再逮捕されるシーンが、「こういう描き方があり得たか」と、めっちゃシビれました。惜しむらくは、主要な役に“2大スター”をあててしまったもんで、最初から二人ともスレてるように見えちゃう点ですが。両親の離婚を聞いてひたむきに走る主人公、少なくともこのシーンだけは、演じてるのがディカプリオで無ければなあ、と思っちゃうのですが・・・まあ、でも、全体的には、好演でした(なんだその予定調和のような結論は)。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-06-28 22:58:37)

79.  ギャングスター(2006) どうも「テレビドラマの総集編」みたいな感じ。NHK大河ドラマを、本放送を一度も観ないで年末の総集編だけを観てしまった、そんな感じですね。ひとつには、ビデオ作品だもんで映像の印象がすでにテレビっぽいんですけど、それだけじゃなくて。90分弱と、とっても短いのに、登場人物出てくるわ出てくるわ(正直、ついていけない。映画の展開も速過ぎ)。しかもヴァル・キルマーだとかガブリエル・バーンだとかいう、一応はスターと言えなくもない俳優が、まるで「この日だけだったら空いてるから、出演OKよ」と言わんばかりのチョイ役で出てくるし。ちなみに主演は、ミック・ロッシとかいうヒトで、脚本にも名を連ねてます。短い映画の中にひしめくチョイ役の俳優たちに囲まれ、主人公が一番貫禄が無い(笑)。しかしそれだけに、しがないチンピラの生きざま、みたいなものが、よく滲み出ていたのではないでしょうか。あとは、もう少し、物語をじっくりと描いてもらえれば・・・[DVD(字幕)] 7点(2010-01-20 22:57:38)

80.  キング・アーサー(2004) キングシーサーなら知ってるけど、キングアーサーってのはあまり馴染みがないもんで、前半は、へー、ふむふむ、で、だからどうなのよ、ってな感じだったのですが(要するに、やや、右から左に抜ける感じ)、後半になると、これでもかとノリノリの時代劇が展開。思わせぶりな煙モクモクの中、さっそうと現れるアーサー、そして繰り広げられるチャンバラ。おーこれは確かに万国共通のオモシロさ。しかし、何でもかんでもそういうノリでいいのかブラッカイマー、と、小声で言っておく。勿論、嫌いではないので、あんまり大声では言わない。他の騎士たちとの友情が感動を呼び涙を誘う。とは言っても本当にこんなので泣く人はいない訳で、だけれども、他人に紹介する時はやっぱり、「この映画、泣けるぜぇ」と言ってしまう(わかりやすいので、つい)。そういうタイプの作品。[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-11-03 15:32:27)

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