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プロフィール
コメント数 1246
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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21.  恋に唄えば♪ 《ネタバレ》 最初は優香がかわいいのとおバカな展開で笑いながら見られる。まもなく出た竹中直人のくどい芸には辟易させられるが、引続き優香はかわいいので毒消しになる。何でこんな映画で海外ロケまであるのかとか何でオーストラリアなのかという疑問はあるが、優香がかわいいので問題にはしない。優香がかわいい以外にも、端役ながら中山忍とか(ガメラつながり?)、石野真子さんとか(何のつながり?)が出ていたのも大変よいことである。ストーリー的には出来すぎだが安心のハッピーエンドで、終盤の花屋の場面で篠原ともえに乗せられた形で玉山鉄二の歌が始まったところは少し感動した。 自分としては特にミュージカル映画とは意識していなかったが、見ればなるほどミュージカル映画のパロディのようでコメディの味付けになり、また当然ながらラストの盛り上げにも貢献している。竹中直人の顔を見ないことにすれば文句なしに楽しく幸せな映画だったので、ここは少しいい点をつけておく。かなりの部分が優香のおかげである。[DVD(字幕)] 6点(2017-07-15 07:52:06)《改行有》

22.  校歌の卒業式 《ネタバレ》 三重県志摩市大王町船越という場所にあった志摩市立船越中学校が2013年3月をもって閉校することとなった際に、「船越中学校閉校記念事業推進会議」の委員だった地元の人物が、同校出身の映画プロデューサーである山際新平氏に相談したことがきっかけで製作されたとのことである。その経緯からしても学校統廃合の方針自体に異を唱えるものではなく、世の趨勢はそれなりに受け止めた上で、人々の思いをどのようにすくい取るかを主題にしたものらしい。 脚本・監督はアニメ中心に活動してきた宇井孝司氏が担当しているが、出演者に関して本物の役者は中学生の「喜田明日香」役1人だけである。ほか役者のように見えなくもない音楽教員役は映画音楽を担当する音楽家(佐田詠夢)、また飛入りのバイオリニスト役も本職のバイオリニスト(佐田大陸、佐田詠夢の実兄)の飛入り出演とのことである。有名人はここまでで、その他はどうやら地元のまるきり素人らしい。中学生は当時の在校生で、役のある人は一応のオーディションを経てそれなりに選抜したようだが、主人公役については全く別の観点から選出したらしく、この人物の素人感が突出していたのが微笑ましい。ほか「ガールズトーク隊」の4人組などは結構こなれた感じで、やはりこういう場面では女子の方が器用に立ち回るもののようである。 本筋としては題名通りの「校歌の卒業式」になっているが、劇中ではこれと並行して中学生の素朴な青春ラブストーリーが進行する。シナリオ自体が笑えるように書かれているわけだが、これに主人公役の朴訥な演技が輪をかけて大爆笑させられる場面が多く、そういうところがこの映画の自然体でほのぼのとした印象づくりにも役立っている。ラストもあまり作為的でない自然な終わり方になっており、具体的成果というより思いをあとにつなぐ形になっていたのが印象深かった。 劇中に出ていたように、歌は単なる音響芸術というだけでなく人の思いを担う存在でもある。特に校歌は全ての在校生が間違いなく習う歌であり、人口移動のあまり激しくない場所では、世代にかかわらず地域住民が一緒に歌えるという意義を持つことにこの映画で気づかされた。この映画も、映像と音楽と人々の思いを全部まとめて後世に残すことにつながれば部外者としても幸いに思う。 なおついでに、今年の伊勢志摩サミットが平穏裡に開催されることを願っている。[DVD(邦画)] 6点(2016-01-13 23:39:13)《改行有》

23.  高速ばぁば 《ネタバレ》 「先生を流産させる会」の内藤瑛亮監督の映画ということで注目される(が、個人的には女優の未来穂香を見ようとしただけである)。 まず登場するアイドルグループはコンセプトが極めて適当で、持ち歌を聞いても脱力感を免れず(これのフルバージョンをぜひ見たい)、こんなののファンもバカばっかりだろうと思わせるものがある。メンバーそのものは劇中に出た通り少し性悪な普通の女子なわけだが、アイドルグループとしてのおバカな印象とのギャップがほのかに可笑しい。 またストーリーとしては、最初の事件が起こってこれは大騒ぎになるだろうと思うと場面が飛んで、また何事もなかったように芸能活動が続いているのがとぼけた感じだが、その後も事態が進展して登場人物が次々に破滅していき、これはさすがにただでは済まないだろうと思うような大事件が起きても、なお無反省に脱力系アイドルの営業を続けているのが非常に変である。画面上では公園のステージや事務所の外観が出るたびに、まだやるつもりなのかと呆れてしまう。まったく懲りない連中だと思うが、結果としては微妙にシュールでブラックな世界が表現されていたようで、これは意外に面白い(変な)ものを見せられた気がする。最後のソロデビューの曲は「夢見る少女日記」とのことで、これも聴きたかったが果たせずに終わったのは無念だった。  ところで出演者としては、アヤネ役の女優(未来穂香)はある程度キャリアもあり、この人が主役と思っていたら実際はそれほど出番がなく、かえって他の2人に焦点が当たる場面が多くバランスがいいと感じられる。特にナナミ役(北山詩織)はモデル出身らしく細身で美形だが、劇中人物としてもわりと良心的で実質的な主役のように思われる。一方で最も可愛くなくてアヤネに嫉妬していたという設定のマユコ役(後藤郁)も、現実にはアイドルグループ「アイドリング!!!」のメンバーとしてファンに愛されているらしい(よく知らないが)ので決して侮ってはならない。 [2014-05-13追記] 先日、マユコ役の後藤郁が6/7を最後に「アイドリング!!!」を卒業するとの発表があった。映画の価値には関係ないことだが、かおるんの新しい旅立ちを祝して+1としておく。[DVD(邦画)] 6点(2014-01-09 21:24:08)《改行有》

24.  ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘 《ネタバレ》 あまり真剣に見るものではないが、どうせ昭和の怪獣映画だと思えばそれなりに見ていられる。 エビとガの登場にはあまり必然性が感じられないが、劇場パンフレットに書かれた「陸海空の三大怪獣」というコンセプトで数を揃えた形らしい。新顔のエビラはハサミに大小があるが、小さい方で人間を串刺しにして食っていたので使い分けがあるようだ。終盤モスラが飛来した場面では、ゴジラとの間で何らかのコミュニケーションがあったように見えたが、劇場予告ではここでモスラが「来ちゃダメッ」と言っていたことになっていて女性的なイメージが持たれている。 場所が南洋の島なので当時の日本各地の風景を見られるわけではなく(ロケ地の海岸は別として)そういう面白がり方はできない。しかし最後に島が崩壊して沈下する場面は迫力があって、この辺はさすが日本特撮だと思った。 政治的な主張としては、大学生の反戦・反核は当時の定番として、悪の秘密結社のような敵はどういう団体だったのか不明瞭だが、呼称に「赤」が入ることから当時の東側陣営に連なる組織と思うしかない。「革命」という言葉を特別視していたようだったが、本来の革命というのは民衆が圧政に耐えかねて、または外部勢力の扇動で起こすものであって、劇中でやっていた核開発の延長上にあるものではないだろうと言いたくなる。しかし当初は革命の美名のもとに発足しながら、この頃には核兵器で世界平和を脅かす存在になっていた東側勢力を皮肉ったとも取れなくはなく、戦後の東西対立の中でゴジラを「中立」の立場に置こうという考え方だったかも知れない。 登場人物としては、水野久美さんはこの時期になってまたこんな村娘役かと思うがそこはプロである。露出の多い服装で藪や岩場を動いて傷だらけにならなかったかと思うが余計なお世話か。小美人は前と違う双子が出演して同じ声質でのハーモニーを聴かせている。外見は「謎の円盤UFO」(1970~英)のエリス中尉風だった(どことなく未来的)。[DVD(邦画)] 5点(2024-02-24 20:13:05)《改行有》

25.  哭声/コクソン 《ネタバレ》 ソウルなどの大都会ではない地方の町や集落、森林や山の風景が美的に映像化されている。場所は実在の全羅南道谷城郡とのことで、郡内に「谷城邑」という町があり、その町の中に谷城警察署(中央路161)や谷城愛病院(谷城路761)というのもある(派出所は不明)。 ホラーとして終始不穏な雰囲気は出ているが、特に前半では娯楽映画に不可欠な?コメディ要素がちゃんとくるめてあるのが可笑しい。登場人物では「目撃者」がなかなかいい感じで、石を投げて来る場面は好きだ。また祈祷師の儀式はダイナミックで迫力があったが、その後のゾンビは出ない方がよかった。 物語としては何が起きていたのかわからない。世評によるとキリスト教の知識がなければ気づかないことが多いようで、基本は間口の狭い映画ということになるか。自分としては手の穴くらいはわかったが、「ヨブ記」についてはアメリカのホラー映画で出ていたにもかかわらず、そこまで頭が回らなかった。 宗教関係には突っ込まないとして、一つ思ったのは一連の事件が登場人物のうちの誰かのせいだと思い込んでいていいのかということだった。王朝時代の宮廷で呪いのかけ合いをしている状況ならともかく、現代の祈祷師でも病気平癒などの祈願をする際に、近隣の誰かが絶対呪いをかけているとまでは思わないのではないか。表面的な事象だけでなく、背景に何らかの動きがあるとすればそれも含めた全体像を捉えなければまともな答えは出ない気がする。 しかし一般論としてはそのように思っても結局何もわからないので、邦画によくあった独りよがりな難解ホラーのようなものと思って投げてしまいたくなる。監督はこの映画が「混沌、混乱、疑惑」を描写していると言ったらしいがそれでわかった気になるわけでもなく、残念ながら個人的には見えないものの多い世界が映されていたと思うしかない。全体的な印象は決して悪くなかったが、結果として好意的な評価はできない映画だった。残念だ。 なお一連の事件を全部キノコのせいだったことにしてしまうと映画にならないわけだが、これが現実世界の話ならそれだけで全部説明がつく(つけられてしまう)とはいえる。この映画に関して、自分は報道だけ見てキノコは危ないと思っていた現実世界の人間の立場だったと思っておく。[インターネット(字幕)] 5点(2023-05-20 10:57:06)《改行有》

26.  52Hzのラヴソング 《ネタバレ》 ダンスはなく歌が主体のミュージカル映画になっている。主な出演者は役者ではなく歌が本職のようで、台詞よりも歌で語らせて物語を進めていく趣向らしい。視覚効果もあってか色彩豊かでファンタジックな劇中世界ができている。 内容的にはバレンタインデー(2/14)のラブストーリーになっており、全部数えて6組12人の幸せな日を描いている。同性婚の2人が里子を迎えたのは今回のタイミングに合わせた形だったらしい。 基本はラブコメ的に気楽に見ればいいのだろうが、作り物感のせいでいま一つ乗れないでいるうちに、晴れやかなはずの合同結婚式が変に心騒ぐ場面になっていて冷めてしまう。主人公の一人である公務員にとっては落ち込む一方のイベントだったらしく、せめて法的に認められない同性婚を祝福させようとして市長に花束を渡したのかも知れないが、そこで一輪返されたのは、他人より自分を心配しろと言われたようでさらに落ち込んだということか。 多くの登場人物が物語を通じてプラス方向に動くのに対し、この公務員と彼氏の関係は最初からマイナス続きで、最後はもうこれは駄目だと思わせるところまで落ちていく。それでいて最後に逆転する形式だったのは、うまく同調できれば大感動なのだろうが、終盤の展開に納得感が全くないので勝手にしろと突き放したくなった。それ以外はまあお幸せにという気分にはさせられた。 なお合同結婚式で台北市長が、産めよ増やせよ的な発言を平気な顔でしていたのは危なっかしいので気が気でなかった。日本ならこの手の発言をした政治家などメディアに総叩きされるだろうが、ただこの柯文哲市長は実際に自由な発言で失言王のように言われた人物らしく、それを前提にしたブラックジョークのようなものと思えばいいか。 ほか登場人物としては、同じ監督の「海角七号」(2008)の出演者が大挙出ていて見た顔が多い。劇中で最も普通に可愛く見えるのはレストランの若手スタッフだったが、この人が海角のひねくれ少女の成人した姿だったのは感動した(昔から可愛かったが)。また「セデック・バレ」(2011)の主役が渋い顔で出て来て、今回もちゃんと歌を歌っていたのも感動的だった。 ちなみに台北なんてクソ食らえとかギターを叩きつけるぞとかいう脈絡のない台詞は、海角のセルフパロディなので笑った。また花屋の店主(小心花店的老闆娘)が年齢をごまかしていたのも可笑しい。この人が歌ったネコの歌(トゲの歌)は結構よかった。[インターネット(字幕)] 5点(2022-04-23 11:47:32)《改行有》

27.  ゴジラの逆襲 《ネタバレ》 全体的に大阪と北海道の二部構成のようなのは少し変な印象がある。それ自体はいいとしても、最初に怪獣がいた場所は空撮映像からすると伊豆諸島の利島近くの鵜渡根島に見えたが(設定上は紀伊半島沖などか)、そこからわざわざ主人公の会社のある大阪に怪獣が来て、さらに支社のある北海道にまで来たのは、登場人物を怪獣が追いかけているようでかなり変だった。 また細かいことだが、料亭「弥生」での宴会の場面は必然性が弱い気がする。元同僚と主人公の顔合わせのためだとしても、主人公の婚約者が所在なさげにしているのは気の毒だと思ったが、同時開催の会社の宴会も酌婦がいたりして女性には居心地が悪そうだった。そこへ漁船沈没の急報が来ていたが、酒を飲んでしまっては飛行機を飛ばせないではないか…と思ったら結局は翌朝から出ていた。 なお大阪の警察が府警でなく市警だったのは、自衛隊を防衛隊というような架空の組織の意味かと思ったが、実際に昭和30年までは市の警察というのがあったらしい。制服に大阪市のみおつくしマークがついていた。 怪獣の出る場面では、せっかくのゴジラも前回のような得体の知れない恐ろしさが感じられず、やはり今回は怪獣バトルの方で見せる趣向だったと思うしかない。怪獣の動きが素早いのは撮影速度を間違えたからだとの話が伝わっているが、劇中の説明で「甚だ敏捷」と言っていたのとは整合しており、かえって新鮮な印象だった。日本では10年ぶりくらいの灯火管制で大都会が息をひそめたところで、夜空に照明弾が浮く映像は少し印象的だった。 怪獣映画としてはあまり取り柄もないようだが、人情ドラマの方を少し見てやるかという気にはなる。水産会社の社長が、缶詰工場を失って打ちひしがれるでもなく「必ず立ち直ってみせる」と言っていたのは頼もしい。戦後復興を担ってきた企業人はさすがと思わせる。また「花婿さん」に関してベタに泣かせようとする展開は今どきちょっとまともに受け取る気にはならなかったが、この男がプレゼントの相談をした時に、主人公の婚約者が見せた表情は非常に印象的だった。「金持ちのお嬢さん」にしても嫌味のない人物で、これから主人公とともに会社を盛り立てていってもらいたいと素直に思った。[インターネット(邦画)] 5点(2021-05-22 09:25:17)(良:1票) 《改行有》

28.  ゴースト・ブライド 《ネタバレ》 ロシア製のホラー映画で、同じ監督のものとしてはこの後の「黒人魚」(2018)も見たことがある。 まず特徴的なのは、写真を撮ると魂を吸い取られるという昔の俗信を使ったことである。日本でも同じ理由で写真を嫌う人々が昔はいたと思うが、劇中のロシアではこれを使って死者の魂を保存するという、いわばポジティブな発想になっている。その実行過程で、死者のまぶたに瞳を描くのは日本ではギャグにしかならないが、劇中の古そうな写真を見るとたしかに不気味ではある。 最初のうちは期待しながら見ていたが、どうも疑問点が多いのは問題だ。「銀板」に魂を定着させたのは近代科学の成果としても、生きたまま棺に入れるのは科学と無関係な別の伝統的呪法に見える。現代の儀式になるともう写真撮影は不要だったので、発端で保存の機能を果たしただけだったらしい。もともと「古代スラブ民族」の雰囲気を出した土俗ホラーだったところに近代的なネタを組み合わせたが、すり合わせが不十分なようでもあった。 また呪いが現代に伝わった過程について一応説明はあったようだが、個人的には最初の事件(19世紀前半か)と「曽祖父」「お母様」の関係がわかった気がせず、部屋に籠っていた「曾祖母」と出歩いていた白い婆は同じものかもわからなかった。そのほか何かと不明・不可解・不明瞭な点が多く、邦画でよくある独り善がりの難解ホラーのようだった。 そもそもあまり怖くもないが、白い婆の立ち姿などは悪くない。「目を閉じて息を止める」という対処法も悪くないので、そういう怪異との共存を日常的に強いられてきた家族の苦衷がもっとしっかり感じられるとよかった。なお花嫁に性交経験のないのが必須というのでは、現代ではいずれ破綻するのが目に見えていたわけだが、劇中家族の立場としては今回一応の決着がついたということらしい。 登場人物について、新婚の男の名前(Vanya)は字幕でなぜかヴァンヤと書いてあるが、カタカナ表記だとワーニャと書くのが普通である(イワンの愛称)。ちなみにナスチャはアナスタシアの愛称らしい。そのナスチャ役のヴィクトリア・アガラコヴァという人は、前記「黒人魚」でも主演しているが、この映画でも非常に可愛い表情を見せたりして好きになって来た(国内向けの宣伝写真は最悪だが)。[インターネット(字幕)] 5点(2021-02-06 11:17:51)《改行有》

29.  コワイ女 《ネタバレ》 題名を全体テーマにした3話オムニバスのホラーである。以下個別に書く。 【カタカタ】 バケモノの顔を見て最初はコメディかと思ったが、その後は特に笑えない。ラストは意外だったが別に驚くようなものでもない。かなり前に一度見た時のメモには「女子高生には全く見えない」と書いてあったが、そんなことを記録して何の役に立つかと今回思った。 なお個人的には中越典子さんを見ているのが好きなのでその点はよかった。色っぽい場面は特にないが脚はきれいに見えた。 【鋼】 かなり独創的。上の口と下の口という言い方があるが、下だけで上も兼ねているようなものか、または下だけあれば上など飾りですということか。中身はドロドロだとか針を飛ばして来るなど、荒唐無稽に見えても意外に現実に基づいた戯画化を意図したようでもある。 女優の菜葉菜という人の公式プロフィールでは出演作で『「鋼」ヒロイン』と紹介されているが、ヒロインであるのに最後まで顔を見せないのはひどい。と思ったら写真の顔が本人だったらしい(かわいく写っている)。下半身だけでのキャスティングでもないだろうが、かなり適役の体型であることはわかる。特に序盤で動きがかなりハードなので、こんな所から転げ落ちて本当に怪我をしたのではと心配になった。エンディングでは涼やかな衣装で踊りながら何度も回転していたが、目が回って倒れる直前でカットされているのは笑った。 【うけつぐもの】 「監修 清水崇」と出る。真面目な話なのはわかるが意味はわからない。 愛する者が自分を裏切って去ることを主人公が恐れていたのだとすれば、直前の離婚が影響していた可能性はある。また娘は対象外だった(2代続けて)ことからも、息子に対する近親愛とか小児性愛的な感情はあったかも知れない。しかしそれにしても今この段階でこういう行動に出ることに説得力がないわけだが、それを要は呪いのせいだということで正当化しているのか。オムニバスの1エピソードとして甘く見ていたので見落としがあるかも知れないが、ちょっと納得しかねる話ではあった。 なおホラーの作り方として、出来事の顛末を全部見せずに切り上げるのは嫌いでない。また主演の目黒真希という人はなかなか魅力的な女優さんだった。 以上、全体的にはそれほどでもなかったが、顔の見えない菜葉菜さんのためにもそれなりの点をつけておく。ちなみにこの人がちゃんと顔出ししている映画も見たことはある。[DVD(邦画)] 5点(2020-12-26 15:29:53)《改行有》

30.  ココダケノハナシ ~短篇.jpルーキーズ第3弾~ 《ネタバレ》 一応説明しておくと(第1、2弾のところでも書いたが)、「短篇.jp」という動画コンテンツの配信サイト(現在は停止中)が運営されていた時期に、新人監督育成の目的で製作されたのが「短篇.jpルーキーズ」である。第1弾からこの第3弾までが製作されており、それぞれDVD化もされている。 内容としては監督の違う全6話のオムニバスになっている。以下それぞれにコメント。 【ポイズンラジオ】 現実味も意外感もなく面白味もない。高山侑子という人は、この少し前の「空へ-救いの翼 RESCUE WINGS-」(2008)では23歳の3等空尉役だったが、今回は険悪な顔つきの女子高生をやっている。まだ若いのだから(当時16歳くらい)もっと普通に可愛い役をやればいいだろうと思ったがもう10年も前の話だ。 【春のシオンで】 オチが一瞬わからなかったので何十秒か考えたが、要は夢見る女子の話だったらしい。高山侑子さんは夢の中で遊ぶ天使。 【架空の恋人】 初期設定がよくわからなかったが、最終的にオチも破局感もなく混乱状態で打ち切りになったのは悪くない。主人公(演・山田キヌヲ)の哀れっぽい顔は可愛らしい。また男の彼女(黒沢美香という人らしいが舞踊家とは別人)は、顔も見えるが脚の方が印象に残る。 【美味しいコーヒー】 最後の人物がよくわからなかったが本当の住人か同類が来ただけか。勝手に話を作る男は面白かったが、このテーマを語る上での必然性があったのかはわからない。 【キッスがしたい】 高校生がバカっぽいので呆れていたら最後は切ない青春物語。というかいきなり青春期の終わり(浦島太郎か)。役者の高校生演技は良好。元女子高生はお姉さんすぎるが、これはそもそも役者の段階で年齢差がある。 【ゴメンナサイが言えなくて】 男女の考え方/感じ方の違いということだろうがあまり深みはない。こんなのに執着する男の方が感情を理性で制御できていない。 以上、よくわからないところが多いが全体的にはそれほど悪くない。がそれほど感動的でもない。一番心を動かされたのはバカ高校生の話だった。また夢見る女子にはしあわせになってもらいたい。[DVD(邦画)] 5点(2019-05-25 11:27:12)《改行有》

31.  恋とオンチの方程式 《ネタバレ》 香川県さぬき市のご当地映画である。2002年に5町が合併してできた比較的新しい市だが、その中でも旧津田町の海辺にある「津田の松原」が重要ポイント扱いになっている。また「讃岐うどんバーガー」というのも最寄りのサービスエリアで提供されているものらしい。それ以外の場所としては「志度音楽ホール」(旧志度町)というのも使っていた。 監督は香川県の銀行に勤務しながら映画を撮っている香西志帆という人で、この映画は監督第2作ということになると思うが、今回は本広克行氏(香川県丸亀市出身)が関わっているせいか、第1作よりキャストに名の知れた人が多くなっている。また前回は「脚本と監督と撮影と編集」を一人でやっていたが、今回は撮影を別人が担当している。 内容的には「コミカルでキュートなほんわかラブコメ」だそうで、少女マンガ的というかドジな主人公と男2人の三角関係の構図の中に、主人公が生来のオンチ(の前にリズムンチ)を克服する成長ドラマを加えている。男女の物理的なからみが全くない清純派ラブコメなので子どもに見せても全く支障ない。またコメディ色も強いがアホすぎて大笑いというより失笑レベルだが、失笑続きだったので全体的には結構笑ったかも知れない(音響会社の高橋という男が目立っている)。 最終的にどうなるかはほとんど想像がつくわけだが、それまでの途中経過は尋常でない。バスガイドの話かと思うと突然ご当地アイドルの話に移行するので世界観が覆ったような印象があり、また登場人物に関係するサプライズ要素が2つもあって、それで素直に驚かされるというより呆れてしまう。特に終盤は何か食い違ったような展開で、ここは大物歌手の登場をうまく取り込めていないのではという気もしたが、そのせいで最後まで予断を許さない映画だったとはいえる。ただラストの締め方だけは正直呆れた(この顔を見せて終わりなのか)。個人的には「中学三年生」(1973)というのを聞きたかったが。 そういうことで変な映画を見てしまったという思いは残ったが、娯楽と割り切ればそれほど問題ない。見どころかが何かは何とも言えないが、「キュートな」部分といえば40代(1)、30代(1)、20代(2)の女子4人によるアイドルステージということになる。吉田羊さんかわいい!とか言ってみたくなるが、本心では大塚千弘という人が一番可愛いと思った。[DVD(邦画)] 5点(2019-05-11 11:16:16)《改行有》

32.  GODZILLA 決戦機動増殖都市 《ネタバレ》 新作が公開されている時点でやっと前作を見ているのは毎度のことだが、どうせそういう周回遅れの人生だと思って納得するしかない。 前回は主人公の心意気に感じたわけだが、今回は序盤からしていきなり意気消沈させられる。2万年経って、それなりのものが出来上がっているところへ来てみなぶち壊しにするのは本当に正しいのかなどと本人が問うのでは見ている側も困ってしまう。また個人的に期待を寄せていたユウコさんについては、「教えてもらった」というところで少しキュンとして、それから夜景デートで胸をアピール(大きすぎだ)していたあたりまではいいとして、その後は私怨ならぬ嫉妬で心が揺れていたのか、ごつい宇宙人に味方した上に最後はあんな感じになってしまったのは大変遺憾である。主人公が最後まで人の情を失わなかったのはいいにしても、もう次は宗教に頼るしかないのかという敗北感が残る。 怪獣映画としてもわりと単調で、前回とのスケール差がわからないので似たようなことをやっているとしか見えず、せっかくのメカゴジラも新作の人型兵器も大して役に立っていなかった。映像面でも、終わってからもう一度見直したくなる場面がなかったのは残念だ。 まだ2作目なので次を待てということだろうが、ここまで気分が落ち込んでしまっては期待感を維持するのも難しい。期待しなければ落胆もないというのが正しいだろうが、とりあえず今回は昭和ゴジラ並みの点数まで落としておく。[ブルーレイ(邦画)] 5点(2018-11-20 19:37:49)《改行有》

33.  恋につきもの 《ネタバレ》 東京芸大大学院映像研究科の卒業制作とのことで、監督3人が同じ作家のマンガを原作にしたオムニバスになっている。以下[ ]内は点数。 「いばらのばら」 もう少しまともに作ってもらいたい。石はもっとキラキラしていなければならないだろうし紙袋も唐突で、映像に出しておきながら意味不明のまま放置というのは最悪だ。見ている間じゅう原作はどうなっているのか気になって仕方なかった。最後に出たのはサボテンの花か(題名からすると違うだろうが)。[2] 「豆腐の家」 中盤まではかなり怖かったが種明かししてから少し気が抜けた。しかし最後まで少し心に痛みが残る(やはりちゃんと食べた方がいい)。勤め先の対応が良心的なので安心したが、これで本人も若干前に進むことができたと思っていいのかどうか。なお主演女優(谷口蘭)はモデルが本業だそうだがかなりいい雰囲気で、特に泣き声が印象的だった。[6] 「恋につきもの」 心霊ラブストーリー。主演女優(趣里)は水谷豊・伊藤蘭夫妻の娘とのことで個性的な風貌に目を引かれる。この人をずっと見ていたかったが途中であまり顔が出なくなるのは残念だ(男の役者が代わる)。話としては最もストレートで娯楽性が高いが、最後の一言はわざわざ言うほどのことかという感じだった。[6] 以上、最初のだけは呆れたがほかは見られるものになっており、映画独自の雰囲気も出している。(性的な)マイノリティというところが共通のようで、その点で共感できるところはあまりないが、共感できなければ見られないということもない。なお「絶叫学級」(2013)で印象に残る松本花奈という人が出ているが、この映画ではどちらかというと普通に(普通でない)美少女に見える。そのほか最近有名な伊藤沙莉という人も出ているが役として面白くない(前記)。[DVD(邦画)] 5点(2018-08-11 17:12:38)《改行有》

34.  恋の罪 《ネタバレ》 とりあえずデリヘル事務所の顛末は単純に面白かった。派遣先での「ボケー!」の台詞も心に残る(笑った)。 ほか全体的なことに関しては、まずはいかにも頭の悪そうな人物が予定通り堕落していく話になっている。部外者としては目を逸らして見なかったことにするだけの相手であり(こっち見るな!)、おれは関係ない、で終わりである。 また途中で頭のいい人物が出て来て深淵な哲学を語りそうな雰囲気だったので、これは自分などの理解を絶した世界かと思っていたが、実際は普通の言葉でわりと簡単に説明できそうなことを難しくしただけで、結局最後は誰でも想像できる範囲に収まった感じだった。普通に生きることが難しい境遇だったとしても、そこを何とかカバーする知性をこの人物は備えていたはずで、その点で父親の行動はまだしも理性的な範囲にとどまっていたと思われるが、こういうのは性別によっても違うと言いたいのか。 以上の2人に関しては、こうなったことにもそれなりの事情があったらしく、全てが生来の体質によるものともいえないところがあるが、少なくとも次に生まれ変わった時には別の人生が期待できるわけで、その際は例えば修行して悟りを開いて仏になることを志したりするのもいいかも知れない。 そのほか警視庁の刑事には単純に失望した。劇中には全般的に変な連中が多いが、この人物は特に職業と人格の関係、また家庭環境に関する設定が支離滅裂である。またこの映画では三者三様のヘアヌードが出て、見た目でいえば胸の大きさの違いが明らかな特徴になっているが、この人物は中庸であって個性の表現にはつながっていない。別にそんな点は評価項目にならないのでどうでもいいわけだが、頭の良し悪しと胸の大きさに負の相関関係があると主張していたのであれば問題がある。多分そんなことも言ってないだろうが。 なお個人的には、この映画を見ながら大岡越前守の逸話と伝えられる「灰になるまで」の話を思い出したりしたが、それは関係ないか。何にせよあまり深入りしたくない映画だった。[DVD(邦画)] 5点(2016-10-01 13:44:24)《改行有》

35.  昆虫大戦争 《ネタバレ》 登場人物の説明によれば、劇中の「亜南群島」は「二十数年間日本の手を離れてた」とのことで、これは小笠原諸島を念頭に置いていたものと思われる。この映画の公開は1968年だが、実際に小笠原諸島は同年6月26日に日本に返還されており、劇中の黒人兵が死んだのが1968/10/19だったのをまともに受け取れば返還直後だったことになる。劇中で妙にアメリカ軍がのさばっていたのはまだ完全に影響を脱していなかったということか。そうした歴史的背景のほか、映像的にも微妙な南の島感(熱帯ではないが本土でもない)が出ており、これは撮影地が八丈島だったことによるものかも知れない。 ストーリーとしては、戦後の東西対立と日米の微妙な関係に加えて前大戦の亡霊のようなものが劇中にまとめられており、単純な二項対立の構図に終わっていないのが好印象である。その上で、昆虫の集団意思のようなものが人類に宣戦する、という大きな動きが見えて来る展開は悪くなかった。また序盤からいきなり重要人物が外人女と浮気していたり、その新妻が雇用主に乱暴されそうになったりするのはその後の月並みでない展開を期待させる。複雑そうに見えた人間関係がやがて解きほぐされていき、ラストの意外さも単なる肩透かしに終わることなく、未来にわずかな望みを託すような終幕はわりと良心的に感じられた。これ自体が面白いかどうかは別として、他の松竹特撮映画と比べると、地味ながら普通にまともな感じの映画だったのが感動的である。 ところで登場人物としては、劇中に男女の組み合わせが2つできていたが、まともな大人同士の方はいいとして若い方はいかにもバカップルに見える。誰も頼れる人がいない、というのは自分ら(特に男)のせいだろうと言いたいところだが、虫を捕る以外に生活の道がないというのも情けない話で、頼りがいのありそうな学者先生と比べるといかにも愚かな連中に見える。アメリカ軍にとっては「虫けら」同然だろうが、それでも最後に互いの愛情が本物だったのを見せたのが哀れを誘うということだろう。ここが昆虫とは違う人間の証と言いたかったのかも知れない。 新藤恵美という女優の最盛期はよく知らないが、この映画では悲しげな表情が愛らしい人だった。またキャシー・ホーランさんが今回は大活躍で、なかなか色っぽいところを見せていたのもよかった。[DVD(邦画)] 5点(2016-05-21 09:27:25)《改行有》

36.  琥珀色のキラキラ 《ネタバレ》 まずは題名が意味不明だが、たまたま主人公にとってはこの色で、この時期の記憶が色づけされて残ったのだということか。また終わり方が唐突なのも困るが、これは映画の内容がハッピーエンドとかどうとかいう小さくまとまった物語ではなく、その後も続く人生の一部を切り出しただけのものと示してみせたのかも知れない。 そういう前提でいえば、いいことばかりでもない人生の中で、いわば珠玉のように輝いている記憶をそのまま映画にしたようなものと思えばいいのだろうか。その割に最後は一言で済ませてしまっており、これは本人としてはそれなりに寂しい結果だったろうと思うが、代わりに自分が少し大人になったということかも知れない。少女の後姿は甲斐甲斐しく健気で、意外に突き抜けたような清々しい終わり方だったのはよかった。 ただし排泄物をなめてみるのが家族愛の証、ということまで主張しているとすると、さすがに自分としてはそのまま受け入れることはできない(子どもならまだしも中年男のものなど想像するのも嫌だ)。どうも観客が嫌悪を催す領域に微妙に踏み込んだ感のある映画だった。狙ってやっていたのだろうが。[DVD(邦画)] 5点(2016-04-22 23:44:22)《改行有》

37.  ゴジラVSビオランテ 《ネタバレ》 これは以前にTV放送で見たが(成人後)、湖・植物・沢口靖子しか憶えていなかったので、当時としても印象の薄い映画だったようである。最近になって若い連中(といっても30前後)が名作だと言うので改めて見たが、これは一体どこに感動すればいいのかわからない、と感想を述べたところ、思い出補正があると本人も認めていた。 今回見たところでは、変に各種要素を詰め込んだようで騒々しく落ち着きのない映画になっている。エンターテインメントとしてはこれでいいのだろうが、ビオランテの最後がファンタジー調(沢口靖子再登場!)なのは好みでなく、エンディングのバラも悪趣味に思われる。 真面目な社会批評の部分でも特に心に訴えるものがなく、単なる形式論を述べただけで終わった印象がある。ただ劇中で前提にしていた相互確証破壊による核抑止とか、国際資本の市場支配といったものはこの頃らしい話題で懐かしい気がした。遺伝子資源の争奪というのも今日的な問題として捉えられていたものか。また昭和29年の第一作の時点ではまだ日本の原子力開発が始まっていなかったわけだが、この映画では原発とゴジラの関係付けができていた(前作から?)のも時代の差を感じる。若狭の原発銀座をゴジラが襲うという展開は「天空の蜂」(2015)どころの話でないだろうが、この映画ではそれほどの緊迫感もないままで終わった。放射能(放射線)への恐怖心に関する実感のない、呑気な時代の映画だったようである。 ところで登場人物のうちでは高橋幸治氏がいかにもという感じのはまり役で、劇中では○チガイ科学者のような扱いだったが、この役者との関係で見れば全く違和感がない。この人に「もう私たちの時代じゃないのかも知れない」と言われると少し寂しいものがあった。 ほかに無関係な芸能人を出すのはふざけた感じで歓迎できないが、デーモン閣下の登場には不覚にも笑ってしまった。また斉藤由貴が大阪城ホールで声だけ出演した場面では、そういえばこの人はこういう歌を歌っていたな、と思い出したので肯定的に捉えたい。「避難してくださーい!」というのがほのぼのしていい感じだった。 [2018-02-14追記] 上記の「遺伝子資源の争奪」に関して、その後に別用で生物多様性のことを見ていたところ、この映画は生物多様性条約(1992年5月採択、1993年12月発効)の「遺伝資源の利用から生ずる利益の公正で衡平な配分」を少し先取りした形で制作されていたことがわかった。だから何だということもないが少し不勉強だった気もして反省した。[DVD(邦画)] 5点(2016-04-03 11:47:28)《改行有》

38.  こっくりさん 劇場版 《ネタバレ》 アイドル主演のホラー映画など最初から全く期待していないわけだが、結果的にこの映画はそれほど悪くなかった。 特に傑出したものがあるわけでもなく題材からしてありきたりだが、落ち着いた雰囲気で一貫した不安感を出しているのが好ましく、いわば標準的というかプレーンタイプのホラー映画を見た感じだった。劇中では、何か起こりそうに見せておいて結局何も起こらない場面が多かったが、それがかえって緊張感の維持につながっている。またときどき出現するバケモノは、明るいところ(メイキング)で見ると苦笑するようなキツネ面だが、劇中では特殊効果でよく見えないようにしていたのがかえってよかった。ホラーに刺激を求める人々には受けないだろうが、安手ながらも一定水準が確保され、かつ失点がそれほど多くないのが相対的な好印象につながっている。 ただ残念だったのは最後の締め方である。世間的には都合のいい終わり方を嫌う傾向もあるだろうが、別にそれが高級なわけでもなくかえって通俗的に見える。それよりも、例えば終了間際までずっと不安感を引っ張っておいて最後だけすっきり終わる、という方が意外感もあって新鮮だったろうと思うが、まあその辺は趣味の問題だと言われればそれまでである。 ちなみにキャストについて、主演は鈴木まりやという人(当時AKB48チームB)だが個人的には知らない人である(続編もこの人が主演だが監督は違う)。また教員役の片岡明日香という人は「再現ドラマの女王」とのことだがTVを見ないので知らない。魅力的な女優だとは思うが、この人がもう少し色気を出すような形だともっとよかったかもしれない。それも趣味の問題か。[DVD(邦画)] 5点(2016-03-04 19:51:13)《改行有》

39.  こわい童謡 裏の章 《ネタバレ》 予定通り「表」の謎は解いているが、真犯人に関していえば映像的にほとんど説明済だったため意外感は全くない。一方「表」では主人公の母親が死んだ理由も示唆されているように見えたが今回は説明がなく、これは観客向けの謎解き要素として残したということなのか、あるいは単に当方の思い違いだったのか。 今回の特徴点は、「表」で心霊現象としか思われなかった事件の謎を音響のプロが合理的観点から解明していく形になっていることである。映像面でのホラー風味は維持しながらも、謎解きの面では“この世に科学で解明できないものはない”というかのような勢いが感じられたが、しかしその説明が面倒臭くて無理やり感があり、また主人公の口調が一本調子なこともあってあまり感心できるものにはなっていない。 ただし、ラストで一つだけ合理的な説明のできない問題を残して終わっていたのは実は期待通りだった。自分としては昔の特撮番組「怪奇大作戦」(1968)を思い出したが、原作・脚本・監督の人物は1967年生まれのようで、これと直接の関係があるかどうかはわからない。 なお今回の主演女優は個人的に好きなわけでもないが、この映画では普通に清楚な正統派美女に見えるので印象は悪くなかった。[DVD(邦画)] 5点(2015-04-25 19:59:11)《改行有》

40.  子猫の涙 《ネタバレ》 大阪の映画というととにかく怒鳴り散らす人物が出るとか暴力沙汰が頻発するのは呆れる(本当にそういう土地柄なら仕方ないが)。ギャグも多いのだろうが自分としては笑えるところがない。 また主人公の人生については特に積極的に肯定する気にもならず、単にこれはこういう人だと思うだけである。個人的な感覚としては、オリンピックで銀メダルを取り、その後の途中経過はいろいろあったにせよ、子息に継承したボクシングジムが現在も続いているというだけで普通人としては十分な業績と思われる。そのため本人のボクシングに対する思いがどうだったかというようなことはそれほど重大事にも思われず、葬儀の場面に至って蒸し返されても何の感慨もない。 一方で、主人公の娘は毒舌だが邪気がなくて愛嬌があり、この人が映画全体を支えているのは間違いないようだが、成人後のイメージがあまりに違っているため統一感が全くない。その他の人物も半端な感じで、実母は娘を棄てるためだけに出て来て、また継母は娘に説教するためだけに出て、それぞれの役目を果たすと用済みになって存在感を失ってしまう。猫を拾って来たのも、途中で死なせて一家を泣かすためだけのようだった。 以上、個人的には見どころがない上に、全体構成としても個別エピソード優先ということなのか、ストーリーとしてのまとまりが不足しているように感じられ、残念ながら面白いとはいえない映画だった。 なお余談として、娘の友人2人のうち1人は、後のAKB48→NMB48所属の市川美織(みおりん、レモンちゃん)という人のようで、この時点で結構な美少女に見える。もう1人が誰かも大体想像はつくが、根拠が見つからないので書かない。[DVD(邦画)] 5点(2015-02-04 22:50:34)《改行有》

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