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プロフィール
コメント数 3860
性別 男性
年齢 53歳

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1.  腰抜け二挺拳銃 私がテレビでこの作品を観ていると、子供たちがやってきて、字幕が読めなくったって「ほんまアホやな~」とゲラゲラ笑いながら観ております。ちゃんと映像で笑わせてるんです。しかも笑いだけじゃない、ボブ・ホープ演じる主人公はアホな言動の末にアホな危機に何度も陥り、スリルある展開になってります。クライマックスの戦いなんて、ココだけ観たら“本格ウェスタン”かと思いますよね。何ともアホらしく何とも楽しい映画。ボブ・ホープが先住民の呪術医を投石で仕留めるワンカット、こういうバカバカしくも素敵な演出は、もう今の映画では見られませんね。[CS・衛星(字幕)] 10点(2014-01-03 21:06:23)

2.  荒野の七人 『七人の侍』とどっちの方がいい映画かって? そんなん知るかいボケ。両方好きなんじゃいボケ。いや取り乱してスミマセン。そりゃまあ、ワタシもかつては「チャンバラ映画のリメイクなんだってさ~」と警戒して、この映画を観るのを避けてた頃もありましたけど。後に本作を初めて観たときにも、ヘンに『七人の侍』の設定を引きずってるよなあ、とか、その割に変えてほしくなかったところはアレコレと変わっちゃってるよなあ、とか、色々ボヤいてた時期もありましたが。でも、そんなこと、もういいんです。やっぱり、どちらも、とにかく面白いのです。同じ元ネタで、一方は堂々たる時代劇、一方は堂々たる西部劇として、別の世界が構築され切っているという、不思議と言えば不思議、当たり前と言えば当たり前な、映画というものの持つ可能性に、感動してしまう。敢えて両者の比較を一言だけ言わせてもらうならば、『侍』に欠けていて『荒野』が持っているものと言えば、“悪役が持つ魅力”というヤツでしょうか。でも、そういう違いって、生まれるべくして生まれたもの、ですよね。映画は生き物なのだから。こうやって、映画の歴史全体が、まるでひとつの長大な音楽作品のように、ときに変奏を奏でたり、ときに突然の転調を引き起こしながら、流れていくのだなあ、と。[CS・衛星(字幕)] 10点(2009-06-06 11:17:10)

3.  ゴッドファーザー 今朝、マーロン・ブランドの訃報が。合掌。さて昔から何度も観てきたお気に入りの本作、今更何を語ればよいのやらとまどうのですが、先日デジタルリマスター版とやらを見てきた事もあり。デジタルリマスターによって何が変わったのかというと、大して変わってないのですが、ニュープリントによって画質が改善した他、音声がデジタル処理でクリアに。細かい音もよく聞こえるようになり、滑舌の悪かったマーロン・ブランドのセリフ回しもスラスラ聞き取りやすく・・・は、さすがになってないな(当たり前だ)。で感想ですが、この映画、やや説明不足の感が否めません。ほぼ破局状態だったカルロとコニーの関係は途中ほとんど語られなくなるし、当時コニーのお腹にいた赤ちゃんはいつ生まれたのやら、気がついたら二人目(らしき)の赤ちゃんの洗礼式やってるし。マイケルにもいつのまに息子が?家族関係の描写ってこの映画では重要に思われるのに、結構省略されちゃってます。各シーンの間の年月も判りにくく、想像で補わねばならない。さらにはクライマックスの大虐殺、いささか性急なもんで誰が殺されてるのやら少々わかりにくい(モー・グリーンのシーンはスバラシイ!)。でもね、やっぱりこのシーン好きなんです。「見せる」ことへのこだわり、『知りすぎていた男』の劇場シーンなんか思い出すじゃないですか。それに、先ほど「説明不足」とは言いましたが、別に説明の下手な映画ではなくて正反対、冒頭の結婚式のシーンなど、このシーンの流れだけで、人物設定や背景を端的に伝えきっており、見事な手腕、このシーン好きなんです。まあ全体的に「説明不足」というよりは「詰め込みすぎ」と言う方が当たっているかも。多少説明を省かなきゃバランスとれないほど、欲張った映画なのです。その一方、随所に挿入されるショックシーンのどぎつい印象もまたこの映画の魅力。脳裏に焼きついたらゼッタイ離れない。そんなわけで、何度でも観たい大好きな映画、この度の劇場での鑑賞もたっぷりと充実感を味わえました。それにしてもマーロン・ブランドは当時40代・・・見えん。10点(2004-07-03 17:02:37)(良:1票)

4.  ゴジラ-1.0 ゴジラ映画というジャンルと、個人的な人間ドラマとの、噛み合わなさ、ってのが元々あって、正直我々もその辺りは「言わない約束でしょ」ということで諦めてたフシがあるのですが。 ついに、そのどちらからも逃げずに、しっかりと噛み合わせてきた山崎貴監督。まずは、ありがとうと言いたいです。シン・ゴジラが完全にゴジラ映画を再構築してしまった後で、あるいはレジェンダリーピクチャーズがいかにも「CG大作」風のイメージを作り上げてしまった後で、それらのハードルをしっかりとクリアしつつ、この分野ではまだ誰も到達したことのないところまで、人間ドラマの領域に踏み込んでみせてくれました。『永遠の0』『アルキメデスの大戦』とも微妙な距離を保ちつつ。 そりゃ、正直言えば、見ながら「もっとセリフを絞ってくれたら!」とは思っちゃうんですけどね。 だけど、ゴジラと神木隆之介、絶対に成立しないと思われたダブル主演が、ここではどちらが折れることなく、その共演をちゃんと成立させている。国を護る、ということのヒロイズムと残酷さをも、両立させながら。 国を護ると言っても、それはもちろん、時の政府を護る、という意味では無くって(そういう意味での「国」に対しては佐々木蔵之介の口を通じ呪詛が並べ立てられる。ちょっとしゃべり過ぎか・・・)。神木隆之介演じる主人公には家庭があり、「妻」と「娘」がいるけれど、この3人には血縁も姻戚関係もない、いわば赤の他人の集まり。そういう仲間の集合体としての国を護りたい、護らねばならない、のだけど、実際に主人公を動かしているのは、かつて仲間を救えなかった罪の意識。自分は生きてていいのか、という後ろめたさ。ヒーローがヒーローとして死地に赴くのではない残酷さが、そこにはあります。マイナス1.0というタイトルのごとく、大戦を通じて負のエネルギーに支配されてしまったこの国、その呪縛から抜け出せるのかどうかが、呪縛を象徴するゴジラとの戦いを通じて描かれます。 戦後まもなくの、警察予備隊すらまだ無い頃。早くも始まった米ソ冷戦の兆しも物語に織り込み、戦後残されたわずかな軍艦(高雄、雪風…)や本土決戦用に温存された戦車でゴジラに立ち向かわざるを得ない、という設定が、作品のリアリティに繋がる以上に、悲壮感を感じさせます。さらに登場する、「あの」秘密兵器(隣の席で見ていた息子は、話の流れから「もしや登場か?」と予感してたらしく、覆いが外されるか外されないかのタイミングで早くもノケ反ってましたが)。 かつて仲間を救えず、ゴジラを見上げるしかなかった主人公は、ここではゴジラと肩を並べ、真っ向から立ち向かっていく。この場面、どこかの山間部みたいなところで、申し訳程度に散在するわずかな民家をゴジラが破壊してて、いかにも着ぐるみ撮影時代の「ゴジラあるある」なシーンになってますが、それも含め、味わいのある場面です。 佐藤直紀の音楽も魅力的ですが、ここぞという場面では定番の伊福部メロディが登場、特に例の「ゴジラ登場のモチーフ」はこれでもかとテンポが落とされて、ゴジラの威容とともに、見る者を圧倒します。 劇中、いくつか違和感を感じたような気もするけれど(銀座のシーンで突風の向きが逆になったような気がしたが、気のせい?あるいは理由あり? すみませんよくわからんかった)、忘れました。ははは。まあ、些細なことです。[映画館(邦画)] 9点(2023-11-04 07:02:36)(良:1票) 《改行有》

5.  この世界の片隅に(2016) 最近も吉村昭の「戦艦武蔵」を読んでたら、この巨大戦艦を建造するという計画が極秘中の極秘なもんで、造船所の方を見てたというだけで一般人が片っ端から連行されてしまった、みたいな話が出てきて、巨大戦艦建造という一大プロジェクトの前には、個々の人間の運命なんて芥子粒みたいなものなんですけれども(そしてその膨大なエネルギーが注がれたプロジェクトの、果敢無い顛末)。 で、本作でもやっぱり、主人公がうっかり港の絵を描いてしまったばかりにどえらく叱られる場面がありますけれども、本作から受ける印象って、真逆なんですよね。戦時下だろうが何だろうが、あくまで市井の人々が中心にいて、その一人であるにすぎない主人公の姿が描かれる。その喜怒哀楽こそが、重大事件な訳で。戦時下には戦時下の暮らしがあって、「たくましく生きている」と単純には言えない、つらさ、恐ろしさとも向き合わなければいけないんだけど、やっぱり生きている以上は、生活していくしかない。そのとめどなく続いていく日常、ってのは、やっぱりこれは「たくましさ」なんだよなあ、と。 でも、かけがえのないものを失う悲しさ。物語の前半に登場する「指さし」の仕草が、印象的で。[DVD(邦画)] 9点(2019-08-01 22:00:28)《改行有》

6.  ゴースト・ハンターズ 孤高のB級映画職人ジョン・カーペンター。誰も止めなきゃ、こういう映画を作っちゃう。 もーー本当におバカ。 泣く泣くこんなパクリ邦題をひねり出した人の苦労がしのばれます。 何が何でどうなっているのやら、例えば、どうしてムキムキカンフー男が突然膨らみ始めなければならないのか。説明不能、何でもありあり、ハチャメチャです。 誘拐された女性を救出しにいくオハナシなのに、「オレはトラックを取り戻すんだ」などと息巻いているトラック野郎、カート・ラッセルの漢気にシビれるべし。[CS・衛星(吹替)] 9点(2018-03-09 20:00:32)《改行有》

7.  コンドル(1975) 日曜洋画劇場で観て以来だからずいぶん久しぶりですが、やっぱり面白いですね~。地味ですけど。 アメリカ文学史協会なる、何の変哲もない組織が、ある日、謎の男たちに襲撃され、職員は片っ端から殺されちゃう。消音機がつけられた銃での、寡黙なまでの殺戮。淡々と響くのはタイプの印字の音。そんな中、生き残ったのは、その時たまたま外出していたロバート・レッドフォードただ一人。実はアメリカ文学史協会は、CIAの下部組織で、レッドフォードもCIA職員のひとり。コードネームは「コンドル」。こんな冴えないヤツにまでコードネームを与えているとは、CIAもヒマなのかどうなのか。 などと言っている場合ではないレッドフォード。CIAに連絡をとり保護を求めるが、どうやら黒幕はCIA内部にいるらしい。という訳で、レッドフォードの孤独な闘いが始まるのですが。 レッドフォードが「本の虫」というくらいに活字マニア、という風に全然見えないのが、何ともかんとも言い難いのですが、一応、オタク眼鏡をかけてそれっぽく役作り。何で彼の命が狙われているのか、とか、終盤における黒幕を突き止めていく手口とか(全編にわたって、電話が印象的に用いられています)、この辺りはまあ正直、いかにも「それっぽい」だけで十分面白くて、実は色々とアラがありそうな気もするけれど、どうでもよくって。あまり背景のはっきりしない主人公の生き延びようとする姿に、都市生活の孤独なんかが反映されていて、さらにフェイ・ダナウェイの影の薄い感じが、その孤独感を強めていたりして。敵方のマックス・フォン・シドーまで孤独感に貢献する。サスペンス作品ながら、イヤでもシンミリしちゃうではないですか。[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-08-10 19:37:29)(良:1票) 《改行有》

8.  ゴーストバスターズ(1984) レンタル店に行くたびに子どもたちに「借りてやるから観ろ、アンタたちの好きな映画だ」と勧めてはイヤがられてたのですが、ちょうどBSで放送があったのを幸い、見せてやったらほらみろ、子供たち大喜び。しかし私自身も何度も観てきたようで、実は最近はとんと観る機会がなかったんだなーと思ったのは、今回初めて、ウィリアム・アザートンが出ていたことに気づいたのでした。で、アザートンつながり、という訳じゃないけれど、ビルの上での攻防戦、ビルの下で見上げる人々、なんか知らんが大爆発、ああ何だかダイ・ハードの先駆けみたいな作品だったんだなあ、と(という意味では、リチャード・エドランドつながり、というべきか)。 あと、これも久しぶりだからこそ気づいたことなのか、ああこんなに中身スカスカな映画だったのか、と。もっと早く気づけってか。すみません。 でも、スカスカだってやっぱり面白いんです。バカバカしいことを大真面目にやってるから。ゴーストバスターズたちが地面の下から這い上がり、ビルの上で敵と対峙する、その4人が並んだ姿。これほどまでにオマヌケでありながらカッコイイ姿、なかなか見られるもんじゃありません。 ・・・そうそう、ウチの子供たち喜んだのはいいけれど、「2も観たい」なんて言い出したら、どうやって止めようか。[CS・衛星(吹替)] 9点(2015-12-07 23:15:15)(良:1票) 《改行有》

9.  コクリコ坂から 『ゲド戦記』という父殺しの作品を作った宮崎吾朗監督が、今回は父を想う作品を作ってきた。と思いきや、脚本にかかわっているのが当の父親本人だもんで、額面通り受け取ってよいのやら。主人公のウミちゃんが、母から事の真相を聞いて涙する場面。一見、「愛する俊くんと実のきょうだいではなかったことを知り、安堵の涙」とも受け取れるけれど、そうではないのかも知れない。彼女がその前に涙を流したのは、夢で父親と再会した場面であったから。亡き父へ送っていた旗の信号を受け取っていたのが、実は俊くんであったから(そして、彼女も「旗が父の代わりに俊くんを呼んだ」と思っている、あるいは思おうとしている)。そして、この場面の彼女の涙は、母親の「お父さんと彼は似ているのか」という質問にうなずいた直後のものであったから(実際、俊くんの育ての父に言わせても似ているらしい)。そんな訳で、高校生の恋愛という題材を借りてはいるけれど、実際は、セクシャルなものではない、近しい者に対する普遍的で無条件の愛が、ここでは描かれているんだろう、なーんて思うと、実はコレ、『ポニョ』の変奏曲みたいな作品なのかもしれませぬ。[地上波(邦画)] 9点(2015-01-23 00:04:54)

10.  コナン・ザ・グレート ラジー賞候補だろうと何だろうと、シュワは彼の経歴の中において、多分、この作品で一番いい仕事をしてるんじゃないかと思います。ムキムキ度200%、ゴツゴツとした武骨で破壊力満点のアクション。鋼の剣でぶった切る、ハンマーで打ち砕く。切り損ねた剣が岩に当たって飛び散る破片に、大興奮しちゃいます。演技らしい演技をしない(できない)当時のシュワだからこそ可能な世界観が、ここにはありますね。生死紙一重の人生を生き残り、旅を続け、ついに仇を討った彼が佇んでいるその表情、それはまるで、時に動物映画に出てくる動物たちの表情に妙に人生の深みを感じてしまうように、もはや人間の役者には不可能な神秘の表情だと思います、ハイ。ただちょっと残念なのはポールドゥリスの音楽の貧弱さ。仰々しいテーマに見合うだけの書き込みが欲しいところ。 (あとどうでもいいけど先日のBS放送で妖怪オンナとのクダリがカットされてたのも個人的には残念だったナ。もっともそのお陰で子供と楽しく観賞できたけど)[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-09-09 08:39:41)

11.  コンドル(1939) 映画開始から、次から次へとシーンを緊密に繋いで行く、その緊張感が圧巻、まるで映画の進行と実時間を合致させるかのような、いやそれ以上の濃密さ。船が着き、二人の男が現れ、一人の女が現れ、仲良くなり、と思ったら本当の主役が現れて二人の男は脇役に転落し、さらに二人のうちの一人が飛行機事故で命を落とし、悲しみに暮れるもやがて陽気な音楽へと変わって・・・と、立て続けに様々な事件が描かれていき、映画開始から「シーンの連続」が繰り広げられるおよそ30分。ようやく、時計のアップが写って時間経過の描写が省略され、ほっと一息といったところ。ジーン・アーサーが魅力的ですなあ(原節子に見えてしょうがない)。しかし彼女は決して映画の中心軸とはなりえず、さりとてヒーローたるケーリー・グラントすらも、困難なミッションを前にケガによって中心軸の座を明け渡す。と言う訳で、みんながヒーロー。ってのが、いいですね。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-04-23 23:48:09)

12.  コクーン 《ネタバレ》 こどもが「イカのおすし~」という歌を歌ってる(各地で色々なバージョンがあるらしく、奈良では「イカのおすし一人前」と言います)。子供が身を守る方法の語呂合わせで、「イカ=知らない人に付いてイカない」。知らない人どころか、知らない宇宙人に、宇宙の果てまでついて行っちゃうなんて、不用心も甚だしいではないですか(しかもその宇宙人、およそ悪徳業者にしか見えぬB・デネヒーだったりするし)。ってのがこの映画。高校の頃、テレビ放送された際に、映画自体の印象よりも、授業中に教師がエラく「面白かった」と感心してことの方が(この教師の授業は、大半が雑談としか思えない話だった)印象的でした。私はこの時、正直ピンと来なかった……しかし後で思えば、この「ピンと来ない」感じこそが、あの教師が感心していた点だったのだと思えてきて。プールに忍び込んで、水泳を楽しむ老人たち、泳ぐほどに不思議と元気になる。実はそこは、かつて地球に取り残された仲間の救助のためにやってきた宇宙人のアジトで・・・宇宙人と知り合った老人たちは、彼らに誘われるまま宇宙に旅立っていっちゃう、というお話。確信犯的に強引なる叙事詩。コレってまさに「お伽話」ですよね。「昔々、爺さんと婆さんがいました」に始まり、「いつまでも幸せに暮らしましたとさ」という結末に向って突き進む。“いつまでも幸せに暮らせる訳も無かろう”なんぞという疑念も、そこには無い。また、その過程においては、“若返り”という形而上的な事件があり、「宇宙に行く」という素朴な決断があるだけで、「なぜだろう」という疑問も「どうすべきだろう」という悩みも無い。ただ、お伽話らしい残酷さは備えていて、老人たちの軽はずみな行動により、“繭”の中に眠る、無力で無垢で赤ん坊のような宇宙人の命があっさりと奪われてしまう。しかも宇宙人たちはこの顛末に怒り狂うどころか、ただ静かに涙を流すのみ、しかも「ちょうど席が空いたから」と老人たちを宇宙の旅に誘う、ってんだから、これはもう残酷なまでの“いい人”ぶり。これだけ無条件に“いい人”として描かれてしまうと、地球人である我々には逆に、何ら弁解の機会が与えられず、何とも言えぬ居心地悪さがあるんですよね。とどめをさすように、老人たちまでもが地球を去って行って、はいオシマイ。ものすごーく「取り残された」感じの残る終わり方・・・。まあ、妙な映画もあったもんです。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-02-22 01:38:08)

13.  荒野の用心棒 この映画、何度か観てると観るたびに強くする思い、それは「これは黒澤明の『用心棒』とは全く異なる作品である」ということ。いやあ我ながらコワイですよね、どっからどう見ても明らかにパクリなのにね。しかしこの肌触りの違い。単にユーモアの有無とかだけじゃなくて、語り口そのものの違い。考えようによっては、本作の問題点とは「無断でパクッた」ということよりも、「同じ物語でもオレならもっと上手く映画にするね」という挑戦に受け取られかねない点にある、とも。実際、『用心棒』と比べると、本作の方がより直接的・時系列的な描写を避け、巧みな構成を取り込んでいるように思います。この点が、本作の無愛想な印象ともなっている訳ですが。と言う訳で、物語のオモシロさという長距離力、シチュエーションのユニークさという短距離力に、さらに構成の巧みさという中距離力が加わり、ここに最強の娯楽作品が誕生したのであります(まあパクリってのは当然マズイんだけど、無断で作っちゃったお陰で自由な取捨選択による再構成が可能だった、という面もあるかも知れんわな)。……ま、少なくとも「刀vsピストル、本当に強いのはやっぱりピストルだった!!」というアホな内容にならなかったのは本作にとって良かったと思います。[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-10-23 09:04:35)

14.  河内山宗俊 音声が聞き取りにくく、観ててもつい耳の方に神経が行きがちになるのですが、それでもとにかく面白いです。登場人物たち、場面、エピソードが、互いに絡み合いつつクルクルと輪を描き続ける感じ、それが何だか無性に面白い。そして、その輪が収束していった先には、劇的で鮮烈なクライマックスが。惜しむらくは、人物の仕草等でカットの繋がりが良くないところが多々あって、少々気になってしまいますね。ただ、それを補って余りある、テンポの良さとスピード感。あと、「ウワッ、加東大介って、若い頃からすでに“加東大介”顔をしていたんだ」とか、妙なところに感心してしまいました。[CS・衛星(邦画)] 9点(2010-10-13 22:44:16)

15.  荒野の決闘 ある男が町にやってきて、ドラマが演じられ、やがて彼は去っていく。という、まあお馴染みのベタな展開、ではありますが、それが魅力でもあります。やはり本作のような見事な作品があってこそ、そのような展開が、西部劇の方程式として定番となり得るのでしょう。弟を殺され牛を奪われた男、ワイアット・アープが、保安官に志願するところから物語が始まるものの、彼は復讐に目をギラギラさせているわけでもなんでもない。むしろノンキさすら漂わせながら、映画は友情やら恋やらを描きます。中盤はさまざまな要素でドラマを膨らませながら、最後は(思い出したように)弟の復讐、“OK牧場の決闘”へとズンズン加速していく、まさに放物線を描くような映画の展開で、最後には落ち着くべきところへ見事に着地した、という感じ。必ずしも長くは無い映画なのに、ある種の重量感すらを感じます。[CS・衛星(字幕)] 9点(2008-03-09 22:25:11)(良:1票)

16.  交渉人(1998) 心理サスペンスとして存分に楽しめます、おもろかったです。プロのネゴシエーター同士の対決としてレベルが云々、という点ではリアリティ足りないのかもしれませんが、そんなスゴイ人たちが本気で頭脳戦されたら、ボクには多分理解できなくなっちゃいそうだしね(プロ棋士のタイトル戦なんか見てみ。一手一手、誰か解説してくれなきゃ、意味不明の攻防の連続ですよ)。そもそも、こういう「ネゴシエーター」という人が存在すること自体、この映画の前はあまり知られてませんでしたよね。うまい着眼点でうまい展開のうまいサスペンスを作ってくれたと思います。見終わった瞬間、ハテ、ここまで面白さでのめり込ませてくれた映画、最近見た中で他にあったっけか?なんてこと思っちゃったほど。まあ、気になる点も無くは無く、篭城早々に警官隊がそばまで来てスコープなんぞ挿入しており、きっと上下左右壁一枚向こうには警官がウジャウジャいたはず(要するに警官隊はビルに入り放題のハズ)、なのにその後は、どうもその辺の描写がはっきりしない。と思いきや突然ドンパチが始まり、これまた突然終わる。この辺りもう少し細かく多面的に描いてくれれば、さらに面白くなったかもしれませんが・・・でももしかしたらストーリー自体が破綻してしまうかもしれないので(笑)、まあ、よしとしましょう。9点(2004-07-25 00:25:11)

17.  攻撃 ↓「図式的に過ぎる」という批判は、確かに有り得るでしょうね。私の浅見を。小説なら一文一句全て作家が書いた人工的なものであり、また書かれたものがその全て。「書かれた」という事自体が意味を喚起し、また読み手も自分のペースで読みつつ、その意味を存分に斟酌する事ができます。一方、映画はと言うと、これも人工的とは言えあまりの情報量。そもそも我々の日常においても、他人の言動からその人の内面を汲み取ったりする事は易しくない。ある上映時間内で映画の作り手が何かを伝えようとすれば、多少リアリティを犠牲にして類型的になるのは止むを得ないのではないかと。それがどこまで許されるかは、観る人それぞれの感じ方、これはしょうがないし、きっとそれでよいのでしょう。で、本作ですが・・・こりゃ確かに境界キワキワですな。私もまあ、実を言うと気にならなくはなかったのですが、この「戦争なのに敵と戦っている気がしない」異様な雰囲気に圧倒されてしまって、もうそれどころではなく。クライマックスの壮絶さは特筆モノです。スゲーもん観ちゃったなあ、と脱力感に襲われました。それで結局、監督の言いたかった事はちゃんと私に伝わっているのか?怪しいなあ。  《追記》↓やましん様の追記を読んで、私こそこの映画を見直さねばならないな、と思いました。「映画」というものにおける登場人物が「類型的」だからと言って「映画」が「小説」に劣る訳じゃない(勝る訳でもないケド)。「類型的」なキャラで「類型的でない何か」を描くのが映画であり、つまりそれが「映画」の「限界」ではなく「可能性」である筈なのだから・・・確かに、映画における「登場人物」に意味あいというものは、一筋縄でいくようなもんじゃありませんね、今後もよく考えていきたいと思います。やましん様、有難うございました。(でもまだ今の所、9点は譲りませんヨ。フッフッフッ・・・)9点(2003-11-24 13:24:35)

18.  ゴジラ(1954) モノクロ映像がとんでもない迫力を生み出しています。戦争で焼け野原になってから10年近く経ち、傷跡を残しつつも徐々に復興してきた東京、そこにまた核実験によって生み出されたゴジラが現れ、容赦なく火の海にしていきます。人々はなすすべも無く逃げまどい、ただ「チキショー」とか叫ぶんですね。泣けました。9点(2003-07-13 15:26:35)(笑:1票) (良:1票)

19.  コン・ティキ シュリーマンと、このヘイエルダールとが、「アヤしい考古学者」の二大巨頭だと思ってるのですが、どうでしょうか(え、ゴッドハンド氏も加えるべき?いや、あれはもう、アヤしくすらも無いので・・・)。 思い込みの激しさは、言い方を変えれば、男のロマン。女性の方がオトナなので、こうやって愛想を尽かされちゃうのですが、ロマンなんて、その先にしか、無いんです。 ヘイエルダールの説は、今では概ね、否定されてますよね。補陀洛渡海じゃあるまいし。 しかしこのヤンチャさが、映画では魅力的に映る。無責任で申し訳ないけど、オッサンたちが少年に見えてきて、いいんだなあ。 サメの群れの場面ではハラハラさせられますが、その後のシーンがまた良くって。主人公の顔だけにフォーカスされたショットから伝わる、孤独。その後、仲間の顔のクローズアップで、空気が一気に和らぐ。 海の神秘。海面下に何かが蠢くたびに、ヒヤリとして、ドキリとして。 結局、この冒険は意味のあるだったのか、どうなのか。いや、冒険は冒険自体に意味がある、それでいいじゃないですか。無責任で申し訳ないけど。[インターネット(字幕)] 8点(2022-03-12 17:50:57)《改行有》

20.  5時から7時までのクレオ 自分はガンなのではないか、と不安を感じている女性歌手の、診断結果ご出るまでのひと時。 冒頭、占いで悪い相が出たもんで不安になっちゃいました、ってんだから、カルメンじゃあるまいし。イマイチ深刻さもなく、階段を降りる姿からは早くも不安の影が薄れてきて。 しかし機嫌良さそうにしてるのか、と思うと、何かにつけて縁起のよろしくないものを目撃し、またへコんでしまう。カエルを飲む人間ポンプのオジサン(←ヘタクソ)も、縁起が良くない部類に入るんですかねー。 本人は不安なんでしょうが、見てて何となく、笑ってしまう。ご愁傷さま。 さまざまな街の光景、人の姿が脈絡無く登場し、そうは言っても本人にとってはカウントダウンの真っ最中。というほどの切実さも無いのだけれど、些細な事物や出来事が画面に次々と現れるうちに、気がつくと時間が迫ってきて。 都会の生活って、こんなもんでしょ、、、?[インターネット(字幕)] 8点(2022-01-29 12:26:18)(良:1票) 《改行有》

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