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プロフィール
コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  ごろつき(1968) 健さんがキックボクサーを目指す、という、ちょいと異色の映画。だけど結局は、任侠映画以上に任侠映画らしい展開に。このクライマックスの殴り込みの激しさと言い、健さんが自作の主題歌を歌うシーンと言い、なんだか健さんのヤクザ映画総決算みたいですが、実際はこの作品の後もまだまだヤクザ映画路線は続きます。 弟分の役に、菅原文太。ですが持ち前の眼光の鋭さの割りに、イイ人っぽい役柄で、菅原文太でもいいのだけど、何となく川谷拓ボンで見てみたいタイプの役でもあります。 それにしても、作中でもホメられてますけれど、健さん、実にいいカラダしてます。最初はヘタクソなところから、次第にキックボクシングが上達してくるところまで、小気味よい動きを見せてくれます。が、試合のシーンはさすがにもう少し、スピード感が欲しかった、かな。[インターネット(邦画)] 7点(2022-04-05 22:41:11)《改行有》

2.  5時から7時までのクレオ 自分はガンなのではないか、と不安を感じている女性歌手の、診断結果ご出るまでのひと時。 冒頭、占いで悪い相が出たもんで不安になっちゃいました、ってんだから、カルメンじゃあるまいし。イマイチ深刻さもなく、階段を降りる姿からは早くも不安の影が薄れてきて。 しかし機嫌良さそうにしてるのか、と思うと、何かにつけて縁起のよろしくないものを目撃し、またへコんでしまう。カエルを飲む人間ポンプのオジサン(←ヘタクソ)も、縁起が良くない部類に入るんですかねー。 本人は不安なんでしょうが、見てて何となく、笑ってしまう。ご愁傷さま。 さまざまな街の光景、人の姿が脈絡無く登場し、そうは言っても本人にとってはカウントダウンの真っ最中。というほどの切実さも無いのだけれど、些細な事物や出来事が画面に次々と現れるうちに、気がつくと時間が迫ってきて。 都会の生活って、こんなもんでしょ、、、?[インターネット(字幕)] 8点(2022-01-29 12:26:18)(良:1票) 《改行有》

3.  昆虫大戦争 『スウォーム』の10年も前にこんな映画を撮ろうと思った事自体はエライと思いますけれども。しかし何も10年も前にここまでヒネらなくてもよかったんじゃないの、と。 あるいは、ここまでヒネくれなくても、と。 昆虫は人間の事を、一応、オコってるらしいのだけど、何だかそんなことはどうでもよくって、映画は「人間の愚かさ」ばかりを描こうとする。というのが余りにも見え透いていて、いささかゲンナリしてきます。 ただ、この迷走ぶり(ラストシーンには、まさに絶句)と、あちこちに見られる珍妙なセリフは、本作の珍品としての価値を高めては、おります。 それとも、ここは素直に「つまらん」と言っといた方がいいのかな。[インターネット(邦画)] 4点(2021-03-10 23:26:44)《改行有》

4.  殺しが静かにやって来る 《ネタバレ》 マカロニとかスパゲッティとかいう西部劇のタイプとはだいぶ印象が異なって、雪に囲まれた町と山岳地帯が舞台。音楽もノリのよいマカロニ調ではなくって静かなものが多く(酒場ではショパンが流れてます・・・?)、抒情的です。むしろ、もはやオカルト映画のテイストに近いかも。ときに、大胆な、というか、乱暴な、というか、単に「雑な」というか、そういうカメラワークが、どこかオドロオドロしい雰囲気にも繋がってますし、やってることも結構エゲツない。実際、保安官が馬車の窓から外を見たらそこに逆さ吊りの死体の顔、なんていうシーンは、犬神家もビックリです。 オハナシの方は、途中までは正直、よくワカラン。っていうか、一体誰が主人公なんだよ、と。誰がと言えばそりゃ、トランティニャンなのでしょうけれど、そもそもの印象が強くない上に、役どころはサイレントサムライならぬ、サイレントガンマン。セリフが無く、出番も多くなく、さらに印象が薄くなっちゃう。敵役の方がむしろ、クラキンみたいな強烈な人相で(←本人です)存在感を示しまくってます。しかし、どんなに女優の顔が怖くっても物語の中心にいればそれはヒロインなのであり、ヒロインとラブシーンを繰り広げてそこにとってつけたように情熱的なBGMが被されば、残念ながらこのトランティニャンが主人公なんだろうと認めざるを得ないわけです。 とか何とか、ボロクソ書いてますけれど、物語の進行とともにちゃんと焦点が結ばれていくのは、さすが(カメラの方は、ときどき焦点がボケてますが・・・)。人質をとった敵が待ち受ける死地へ、ひとり赴く主人公。この場面、ヒロインが敵の伝言を主人公にまるまる伝えた上で「これは罠よ、行かないで」などというくらいなら、そもそも伝言を伝えるなよ、と言いたくなるのですが、まあこれは、こんなヒロインと結ばれてしまった主人公が不幸だった、ということで。 まさかまさかのラストです。いや、まさか。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-01-12 09:49:07)《改行有》

5.  荒野のみな殺し マカロニウェスタンもピンキリありますけれども、本作は、おそらくは底辺に近いところに位置するであろう、愛すべきポンコツ作品です。とにかく全体的に素人臭い演出で、緊張感もヘッタクレもなく、銃を構える姿などもまるでサマになってません。何でしょうね、この映画全体に横溢する手持ち無沙汰感は。唐突に泣き叫ぶ女性が登場した瞬間など、見ててつい笑ってしまいました。 映画冒頭において、主人公の父親が殺害され、要するに復讐譚のハズなんですが、そこにはあまり重きが置かれておらず、仇の手がかりを探すうちに、悪党どもに苦しめられている町のために戦うことに相成るという、七人の侍の手っ取り早い版、みたいな展開になります。一応、物語は仇討ちへと(これも手っ取り早く)軌道修正されるし、それなりに紆余曲折もあるのですが、なにせこの、すべてにおける、サマになってなさ加減。微苦笑抜きには、見られません。 ちょっと変わったところでは、威勢のいいシーンで威勢よく流れる音楽が、なぜかドボルザーク「新世界より」のスケルツォのテーマ(っぽい。引用?パクリ?)なんですけど、なんででしょうね。[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-12-15 11:11:40)《改行有》

6.  五人の軍隊 『野獣暁に死す』に何ゆえ、仲代達矢が一匹混じってしまったのか、何が目的なのか、これはもう永遠の謎、ということにしておくのですけれども、本作に“大霊界”が出演していることに関しては、どうやらこちらは日本人役らしいし(日本刀持ってるけどなぜか得意技はナイフ投げ。その名も大霊界。じゃなかった、サムライ)、007にも出演した国際スター(?)だし、ま、いいか、と、こちらもそういうことにしておきます。 七人の侍以降、十一人の侍とか十三人の刺客とか十七人の忍者とか2000人の狂人とか、人数がインフレを起こす一方なのですが、正味、5人もいれば充分でしょ、という本作。“大霊界”を含む冴えないオッサン5人が、砂金強奪のため列車強盗をたくらむ。 冴えないとはいえ5人のオッサンたち、それなりに特技・特徴があり、まるでスパイ大作戦ですよこれは。と思うのも道理、5人組のリーダーは、まさにフェルプス君その人なのでした。 で、彼らが狙うその列車。厳重に警備されている上に、なんとなんと、巨大大砲まで搭載しているんですよね~。って言ったって、大砲なんか積んでても、たいして強盗除けにはなりませんけれども。 で、本作の面白いところは、その列車強盗大作戦のなりゆきが、結構丁寧に、というか、事細かに描かれるんですね。何をやろうとしているのかよくわからないけれど、彼らの細かい動きにワクワクさせられ、最後に、ああそういう作戦だったのか、と思わせる。 作戦には思わぬ障害がつきもので、途中、“大霊界”が誤って転落してしまう。別に作戦に影響ないんじゃないの、と思っちゃうのですが、緊迫した音楽が「これは一大事なんですよ」と我々におしえてくれる(音楽はモリコーネ)。ああ、じゃあ大変なんだ、どうしよう、と思ってたら、そこから“大霊界”が走る、走る。延々と走った挙句、列車に追いついて、無事、戦列復帰。ああ、なんというヒネリの無さ。この転落エピソード、必要なのか? でも、こういった描写のしつこさが、本作のいいところ、魅力ですね。ということにしておきます。 ラストはちょっと、中途半端にヒネっていて。どうです、面白いでしょ、と我々に訴えかけてくる(脚本にはダリオ・アルジェントが名を連ねてます)。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-06-30 15:13:39)《改行有》

7.  この首一万石 本作のテーマはいわゆる「名ばかり管理職」ってヤツですかね。 ぬくぬくと保身に走る上司のために、詰め腹を切らされるサラリーマンの悲哀と怒りが、前半コミカルであった本作の色調を、クライマックスではスプラッター作品へと豹変させます。 この豹変ぶり、ちょっと「文学部只野教授」などを思い出してしまいました。 もちろん単に残酷描写で煽るだけの作品ではなく、切れ味鋭いカメラが、さらに煽ってるっちゃあ煽ってるんですが、映画を大いに盛り上げます。[CS・衛星(邦画)] 8点(2018-04-08 10:58:57)《改行有》

8.  荒野の棺桶 これは要するに「潜入捜査官モノ」の一本、ってコトになるんでしょうかね。しかしそう思って観ると何だか物足りない。強盗団の一味となった主人公が、いかにも容易く安直に、アチラとコチラ、両陣営を行き来して、そのフットワークの軽さはいったい何なんだよ、と言いたくなってきます。人目を忍んで強盗団のアジトを抜け出すサスペンスも何もなく、手っ取り早いことこの上ない。 しかし単なる潜入捜査ではなく、冒頭の歌でも示される通り(正直、冒頭からこんなネタバレソングを流さなくてもいいんじゃないの、と思うけど)、主人公の復讐譚であるところが、マカロニウェスタンのマカロニらしさ。例によって冒頭から銃撃戦を繰り広げてみせ、ラストではついに仇敵の正体が判明して一騎打ちの対決へ。ってのはいいけど、この最後に残ったヤツってのが、何だか雑魚キャラっぽい雰囲気で、あまりこんな対決で引っ張られてもなあ、と。 そもそも、主人公自体がパッとしない顔つきで、強盗団の中に入ってしまうとなんだかフツーに馴染んでいるなあ、ってのが、いかにも冴えないんですけれど、こういうバッチい連中がムダに銃撃戦を繰り広げるのがマカロニの醍醐味、ですから、そのあたりの「らしさ」を楽しめばよろしいかと。[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-03-05 09:12:12)《改行有》

9.  荒野の一つ星 マカロニウェスタン恒例の、オープニングのアクションシーン。今回は、遠くから狙撃されてひとりの男が倒れるのだけど、見ればそれはジュリアーノ・ジェンマ。別に弾が当たった訳でもなく、死んだフリでその場を切り抜ける。これを見ると、本作の主人公はきっと、(いかにもジェンマらしい)チャッカリしたキャラクターなんだろう、と思っちゃうのですが、本編に入ると必ずしもそうでもなくって、結構ちゃんとした保安官なのでした。これだから、マカロニのオープニングはよくわからない(別にいいけど)。そんでもって、内容はというと、ジェンマ保安官が派遣されてきた町では、ある悪だくみが行われており、その悪事に手を染める連中からすれば、他所者が保安官としてやってきたことが面白くない。できれば身内のものを保安官にし、自分たちの身を安泰にしたい。と言う訳で、ジェンマ保安官の身を狙い、彼を蹴落とす策略を張り巡らす。これに立ち向かうジェンマ。という比較的単純な構図で、意外な真相とかドンデン返しみたいなものは特にありません。その代わり、ジェンマの活躍、ジェンマのアクションを、ディテール豊かに描かいており、その意味ではアクション映画らしいアクション映画です。悪人どもの行っている悪事というのが、でき過ぎというか、トンチが効き過ぎているというか、まあこれもオモロイからいいんですけれども。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-08-28 13:32:36)

10.  コント55号と水前寺清子のワン・ツー・パンチ 三百六十五歩のマーチ 大金を持って鹿児島から上京してきた、やや鈍重なところのある二郎さんと、江戸っ子で気風がいい、というよりノリがやたら軽い板前の欽チャン。ひょんなことから二人は意気投合し、新しい料理屋を構えようとするも、店舗購入には資金が足りず、そればかりかうっかり手を出した競輪でスッてしまって、前途多難。さらには欽チャンたちが住むアパートの立ち退き問題も巻き起こる。ってな内容は、さすがにこのタイトルからは想像できませんねえ。しかし「汗かきベソかき」ってのは、いつもコントで欽チャンに無理難題をふっかけられ訳の分らぬ奮闘を繰り広げてきた二郎さんにピッタリの歌詞。本作でも、演出なのやらホントの汗なのやら、大奮闘。「ボケに対するツッコミ」というより「ツッコミに対するボケ」みたいなところがあります(今でいうとサンドウィッチマンの芸風が少し近い?)。当然ながら欽チャンはさらに若く、実に溌剌。さらに脇を固める面々も賑やかで(キックの沢村に、浪曲社長の圓歌師匠、西村黄門様に仮面ライダー1号。マエタケもいれば、財津一郎も忘れないでチョ~ダイ。あ、そういえばチーターもいたけっか)、物語は手堅くって派手さはありませんが、実に楽しい映画です。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-02-16 10:14:52)

11.  御存じ いれずみ判官 もうこれは、作品そのものが伝統芸能ですね。タイトルでいきなり「ご存じ」と言われましても困るんですが、いや実際「ご存じ」なんだから仕方がない。遠山の金さん映画です。途中の狂言シーンでは少し“桃太郎侍”が入った感じもありますが。と言う訳で、これぞ日本人のDNAに刷り込まれた定番の娯楽作品。と言いたいが、そうも言えないんですね。東映時代劇らしくムダに豪華なのは結構ですし、炎上シーンなどの見所もあるのですが、どうもオハナシが正直、要領を得ないのです。あれこれ小ネタのプロットを盛り込んで、ただでもゴチャゴチャしているのに(こうもゴチャゴチャしていると、要所要所でやたら都合よく金さんが登場する不自然さも、気になりません、気にする余裕がありません)、千恵蔵のセリフ回しが例によって気合い入りまくり、申し訳ないのですが、若干(笑)聞き取りづらいのです。いや正直に言います、何言ってるかわかりません(笑)。なもんで要するにこの作品、映画というより、伝統芸能なワケですね。細かいことは気にしなくても大丈夫、最後にはちゃんと(展開に無理やりなところ多々ありますが)お裁きの場となり、「金さんが証人になってくれます」「じゃあその金とやらを今すぐここに呼んでもらおうじゃねえか」といった感じのやり取りがあって…ああ、これ以上書くとネタバレですかね。そんなことないですよね、何しろ皆さんよく「ご存じ」でしょうから。そんな訳で、やっぱりこれは伝統芸能。とでも思わないと、ちょっと観てるのがツラいかな。格闘シーンなんかもすっかり様式化されてしまっており、千恵蔵が相手をちょっと小突けば(小突くいうより、相手の体にタッチしてるだけですけれど)、それはどうやら相手を殴った事を意味しているらしい、等々。伝統芸能にはお約束が多いのです。とほほ。[CS・衛星(邦画)] 4点(2013-01-12 00:57:22)

12.  コレクター(1965) いい雰囲気なんですけどね~、「監禁される家」の周りののどかさはかえって不気味であるし、背景に流れる音楽(3拍子系)のユーモラスさも印象的。今の映画であれば「犯人は変質者なんだから家の中も荒んでいて…」と家の中の光景はオドロオドロしく描くところかもしれないけど(そして実際、「ゴミ屋敷に平気で住んでいる神経」ほどオソロしいものは無いんだけど)、そこまで描かなかったのは“まだそんなエゲツナイ映画が作られうる時代ではなかった”という限界であるのかも知れないし、また一方では「そういうアプローチもあるよなあ」と思わせる部分でもあります。犯人は「幼稚」で「変」ではあるけれど「異常者」では無い。うん、そこまでは良いんだけど……あとはそこにどういうメリハリを持ち込むか。その路線だけで引っ張り続けるのは、やっぱり、弱いのでは。誘拐した者とされた者との関係が、確かにその場その場において緊張感は孕んでいても、物語の推進力にはなりきれず、停滞してしまう。犯人がドアを開けっ放しで出ていくシーン、ドアから入ったままの光によって、開けっ放しであることが我々にも示されるのだけど、あえてワンカットで表現するのが効果的とも限らないでしょう(開いたドアを「発見する」という驚きが、そこにあるか?)。実際、この「ドア開けっ放しワンカット描写」は映画の中で2度出てきて、どうも誘導的、手続き的に感じられちゃう。はたまた、囚われの女性が犯人に追いつめられると背景に蝶の標本が並んでいる、というシーン。犯人に捕まり殺された蝶たちの運命と、女性の運命とが重なり、「ついに殺されるのか!」という場面なんだけど…これも物語に必ずしも貢献せず、「ちょっと面白いメタファーでしょ」的に単発で終わっちゃう。と言う訳で本作、節度をもって描かれたスリラー映画で、それなりにコワくもあるんだけど、いささか上品に落ち着き過ぎではないか、もっと強引でもいいやんか、という気がしちゃうんですね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-07-22 07:32:18)(良:1票)

13.  御用金 御用金の略奪を企む鯖井藩の陰謀と、それに立ち向かう浪人。と聞けばいかにも面白そうなんですけれども。ストーリー面では、それぞれの思惑を持ったさまざまなキャラクターが登場したり、アクション面では血しぶき飛び散る殺陣が展開されたり、と、そう聞くとこれまた面白そうなんですけれども。なのに、いまひとつ、乗り切れなくって。まず映画の雰囲気が妙に陰鬱なのもあるんだけど、登場するさまざまな登場人物たちの思惑、ってのが意外に活きてない。浅丘ルリ子(江戸時代の顔には見えない。ホステスにしか見えない)なんかも、事件の発端から絡んでいる重要な役割だったはずなのに、何だか「ストーリーの都合上、主人公を手助けする協力者が必要なので、登場させてみました」みたいな存在に思えてきちゃうし。映像も確かに凝ってる部分はあるんだけど、まさにそれが「部分」であって、単発的に「ここはこう撮ってみちゃったりしよう」的に、なんだかその場の思いつきの範囲内で「凝って」るようにも思えて、気持ちよく流れていかない。こういう映像から連想するのって、準備にあまり時間のかけられない“テレビ”の映像、ってことになっちゃうんですけれども……(実際、フジテレビ映画だったりする)。いや、面白くない訳ではないんですけどね。その面白さが、この程度でいいのか、と。ところでラストの丹波vs仲代の対決は……こりゃ一体何の儀式なのでしょうか(笑)。[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-06-07 22:55:59)

14.  荒野の用心棒 この映画、何度か観てると観るたびに強くする思い、それは「これは黒澤明の『用心棒』とは全く異なる作品である」ということ。いやあ我ながらコワイですよね、どっからどう見ても明らかにパクリなのにね。しかしこの肌触りの違い。単にユーモアの有無とかだけじゃなくて、語り口そのものの違い。考えようによっては、本作の問題点とは「無断でパクッた」ということよりも、「同じ物語でもオレならもっと上手く映画にするね」という挑戦に受け取られかねない点にある、とも。実際、『用心棒』と比べると、本作の方がより直接的・時系列的な描写を避け、巧みな構成を取り込んでいるように思います。この点が、本作の無愛想な印象ともなっている訳ですが。と言う訳で、物語のオモシロさという長距離力、シチュエーションのユニークさという短距離力に、さらに構成の巧みさという中距離力が加わり、ここに最強の娯楽作品が誕生したのであります(まあパクリってのは当然マズイんだけど、無断で作っちゃったお陰で自由な取捨選択による再構成が可能だった、という面もあるかも知れんわな)。……ま、少なくとも「刀vsピストル、本当に強いのはやっぱりピストルだった!!」というアホな内容にならなかったのは本作にとって良かったと思います。[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-10-23 09:04:35)

15.  ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃 ・過去の作品からの流用が多いのはいいとして(いや全然良くない)、別によりによって“エビラ”なんか流用しないでも、なあ。 ・新作のガバラってやつがこれまた、造形がヒドくて(ガキ大将の象徴だからこれでいいのだ、いや良くないッ!)、ゴーヤに目鼻を付けただけ、とでもいいますか。とにかく、「ワタクシ、怪獣でございます」と言わんばかりの、何の工夫もない造形。 ・ミニラがしゃべる。まさかこんな普通の声だとは。ミニラがしゃべるとなんだか、“長年洗ってないガチャピン”に見える。 ・他人の夢の話を聞かされるのは基本的に、苦痛です(つげ義春みたいに一部例外もありますが)。[DVD(邦画)] 2点(2010-10-02 03:21:06)(笑:1票)

16.  ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘 《ネタバレ》 ゴジラエビラモスラ。カタカナ3文字で最後が「ラ」だったら、それは怪獣の名前なんですってさ。さて本作、ひょんなことからヨットに乗り合わせた、ポンコツ3人組とポンコツ泥棒(特技は錠前破り)。嵐に遭遇し4人が漂着したのは謎の無人島。と思いきや。例によって例のごとく、その島には得体の知れない軍隊がいて、核兵器を開発していたのでありました。しかも、原住民を奴隷のようにコキ使うという悪辣ぶり。どうコキ使われているかというと、木の実を絞って黄色い汁を作らされている。この汁は、海に出没する怪獣エビラを避けるためのものなのでした。ハイ、ここで質問してよろしいでしょうか。①核兵器を開発するだけの技術があるのに、黄色い汁は人間に絞って作らせるんですか? ②そもそも、この「黄色い汁」ってのは、正式名称なんですかね? ③ポンコツ4人組、この設備を一目見ただけで「核融合設備だっ!」「重水製造装置だっ!」とか、よく判るもんですなあ。彼ら、実は全然ポンコツではないのかも知れぬ。④眠りこけてるゴジラ、一体いつ目を覚ますのでしょうか。え?もう少し待ちなさい、ですと? ⑤散々待たされて、ようやくゴジラが覚醒、エビラと死闘を繰り広げますが、それでは、眠りこけてるモスラ、こちらは一体いつ目を覚ますのでしょうか。映画終わっちゃいますよ。え?諦めなさい、ですと? ・・・・・・てなわけで、後半はゴジラとエビラ(ハサミがあるから、ロブスターですかね)が対決を繰り広げ、さすがは甲殻類、体は頑丈でそれなりに盛り上がるも、節足動物の悲しさか、関節がヨワいという弱点をさらけ出し、あっけない最期を迎えてしまいます。その後申し訳程度にモスラが登場、という展開。タイトルばかりは威勢がいいけれど、やや羊頭狗肉な印象の映画ではありました。[DVD(邦画)] 5点(2010-03-01 23:08:44)(笑:1票) (良:1票)

17.  荒野の1ドル銀貨 そりゃまあ、完成度が高いか低いかと聞かれれば、高くは無いのだけれども、波乱万丈、危機また危機で飽きさせない娯楽作品として観れば、完成度が高いか低いかと聞かれれば、決して低くは無いだろう(だからと言って高くもないだろう)、という、いかにもマカロニらしいマカロニウェスタン。わかりやす過ぎるBGMが、映画を盛り上げるとともに、映画を安っぽく見せてしまうのだけど、ここまで音楽の使い方がわかりやすいと、何かミュージカル映画でも見ている気分になって、意外に悪い気はしない。そしてこの映画、何と言っても伏線の張り方が上手い、上手過ぎる。ほとんど反則。ここまで上手いと妙な感動を呼んでしまう。これが、この映画のポイント。[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-12-06 23:00:28)

18.  荒野の七人 『七人の侍』とどっちの方がいい映画かって? そんなん知るかいボケ。両方好きなんじゃいボケ。いや取り乱してスミマセン。そりゃまあ、ワタシもかつては「チャンバラ映画のリメイクなんだってさ~」と警戒して、この映画を観るのを避けてた頃もありましたけど。後に本作を初めて観たときにも、ヘンに『七人の侍』の設定を引きずってるよなあ、とか、その割に変えてほしくなかったところはアレコレと変わっちゃってるよなあ、とか、色々ボヤいてた時期もありましたが。でも、そんなこと、もういいんです。やっぱり、どちらも、とにかく面白いのです。同じ元ネタで、一方は堂々たる時代劇、一方は堂々たる西部劇として、別の世界が構築され切っているという、不思議と言えば不思議、当たり前と言えば当たり前な、映画というものの持つ可能性に、感動してしまう。敢えて両者の比較を一言だけ言わせてもらうならば、『侍』に欠けていて『荒野』が持っているものと言えば、“悪役が持つ魅力”というヤツでしょうか。でも、そういう違いって、生まれるべくして生まれたもの、ですよね。映画は生き物なのだから。こうやって、映画の歴史全体が、まるでひとつの長大な音楽作品のように、ときに変奏を奏でたり、ときに突然の転調を引き起こしながら、流れていくのだなあ、と。[CS・衛星(字幕)] 10点(2009-06-06 11:17:10)

19.  殺しのテクニック なんだかハウツーもののようなタイトルですが。出だしの暗殺シーンがカッチョよく、これは殺し屋の生き様を描いた実録風の映画か・・・と思いきや、そっから先は、ほどほどにアクションあり、ほどほどに謎解きあり、というフツーにハードボイルドな映画でした。しかし思わぬ展開をみせるストーリーはミステリとしてもなかなかのもの。そしていかにもガンコそうな主人公、思わぬ鋭い推理を見せたりもして(自殺死体を他殺と断定するくだりなど、推理が鋭すぎて逆にマグレとしか思えない)、意外な真相に突き進んで行く姿、やっぱりカッチョいいぞ。やる気を感じさせないカーチェイスなんかも、ああ、こういうの結構好きだなあ。カメラワークも、「部分→全体」をしつこく繰り返し、安っぽくもワイルドな味わい。そうそう、中盤でフランコ・ネロ(なのか?これが)がタコ殴りされるシーンなども、短いシーンだが忘れがたい。リンチを受けている背景には、ラジオからのベートーベン『英雄』が流れ、おお、このシーンはゼッタイに『時計じかけのオレンジ』に影響を与えているに違いない! え?そんなわけがない? いやまあ、こういう強引な態度こそが、「映画鑑賞のテクニック」というものでありましょう。[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-10-21 22:33:52)

20.  荒野のガンマン これねえ。正直観ててあんまし面白くない。でも観終わってから思い返すと、何だか悪い話のようにも思えない。設定というか、話の骨格は悪くない気がするんだけど、ストーリーの肉付けがもひとつ充分に煮詰められて無くて、エピソードの積み重ねが弱いのかな。これはねえ、絶対、もっと面白く作られるべき映画だったと思いますよ。しかし、ああペキンパーっぽいな、と思わせる描写は確かにところどころ見られ、そういう時には観てて嬉しくなっちゃう。巨匠はトクだなあ。6点(2004-03-14 02:36:41)

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