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1.  ゴーン・ガール 《ネタバレ》 フィンチャー監督の円熟した演出、隙のない絵作り、物語と一体化した音楽、そして意味深なストーリーと、どれをとっても一級品。とくに、ベン=アフレック演じるニックのダメ夫ぶりもすばらしい。ニックの「いい人でいること」をめぐる葛藤は印象的。失踪妻の捜索のなかで「いい人である」ことに飽き飽きした夫も、メディアに追い詰められるなかで「演じる」ことを決意する。そして、テレビの独占インタビューは、エイミーに彼が「演じる」ことを決意したことを伝え、エイミーに新しい人生と夫婦生活の「再生」を決意させる。「演じる」ことが、夫婦生活そして人生そのものであるというラストは、失踪中のエイミーの妙に人間的な姿(うっかり隙を見せて強盗まで許してしまう)との見事な対照によって、その残酷さをいっそう際立たせる。そうした残酷な現実をいっそう増幅させるメディアの存在も含めて、現代という時代を生きることをこれだけ見事に切り取った作品は貴重だと思う。[映画館(字幕なし「原語」)] 9点(2015-01-28 16:58:44)

2.  ゴジラ(1954) 《ネタバレ》 世代的には1980年代ゴジラ世代なんだが、なぜか縁がなくて、ほとんどの作品をちゃんと見た記憶がない。というわけで思い入れも何もなく、何となく見てしまった第一作。正直おどろいた。ゴジラが恐ろしい。怪獣映画をちゃんと見てこなかった人間にとっては、ゴジラなんて、TDLのミッキーマウスばりに、宣伝のためにあちこちで愛想を振りまく着ぐるみのイメージのほうが先行してた。そのゴジラが、人間を「狙って」殺しまくる。女性も子どもも関係なく放射能をまき散らす。そして、そのゴジラを葬れるのは、ゴジラを生んだものと同じ「大量殺戮兵器」しかないというジレンマ。演技や演出には時代を感じる稚拙な点もある。けれど、無差別爆撃と原爆が「記憶」ではなく「体験」として残っていた時代に、こんな映画を作った製作陣はすごい。戦争を「体験」として知っている多くの日本人がこの映画を見て、大ヒットさせたという事実もすごい。僕は、この映画をリアルタイムで見ることはできなかったけど、震災と原発事故を「体験」した2011年のいま初めてみることができたのは、とても意味があることだったと思う。これぞ、真の意味での国民的映画と呼ぶべき作品だ。[DVD(邦画)] 9点(2011-06-21 14:21:49)

3.  恋人までの距離(ディスタンス) 最初、ちょっと退屈かなと思ったけど、杞憂だった。二人に会話にどんどん引き込まれていき、レコード店のシーンあたりからすっかり映画の世界に。イーサン・ホークもあんまり好きじゃないタイプだと思ってたけど、軽薄なのに、何か考え込んでそうなところが、この役にははまってた。ジュリー・デルピーは、まさにインテリ大学生って感じだし。キャスト、脚本、音楽、演出のバランスはすばらしい。続編も気になるところだけど、主人公たちにならって、半年後まで見ないことにした。[DVD(字幕)] 9点(2005-08-13 01:29:40)

4.  恋におちたシェイクスピア 出演者がみんな生き生きしていて、大好きな映画。グウィネスやジョセフ・ファインズはもちろん、仇役コリン・ファースや妖怪のようなジュディ・デンチも楽しそうだし、ベン・アフレックも存在感があった。音楽もいい。日本で映画見るときの残念なことは、日本公開前にオスカー受賞とかしちゃうと、ある程度、作品のイメージができちゃうことかもしれない。それが「ハク」になる場合もあるんだろうけど、この映画みたいに軽快なラブコメディの場合は、いわゆるアカデミー作品賞のイメージが重荷になっちゃったような気がする。肩の力を抜いて、楽しみたい作品です。9点(2004-05-04 11:32:57)(良:2票)

5.  ゴーストバスターズ(1984) 劇場で見た最初の洋画作品。当時小学生でしたが、クラスでは「グレムリン」のほうが流行ってて、へそ曲がりな私は、なぜかちょいと大人な空気の漂う(どこが!?)「ゴーストバスターズ」を見に行きました。しかも、前の上映回のラスト20分に劇場に入って、クレジットまでちゃんと見たあとに次の回の席取りをするという掟破りな鑑賞スタイルでした。いまとなっては、よい子供時代の思い出。映画もホントに楽しかった。レイ・パーカーJrの主題歌も大好き。9点(2004-03-20 03:26:45)(笑:1票)

6.  恋は雨上がりのように 《ネタバレ》 噂通りの快作! 小松菜奈さんという女優の2018年現在の姿をきっちりと画面のなかに収めた、正しいアイドル映画であり、かつオヤジ目線のファンタジー炸裂の「美少女」映画であるのは間違いない。あと、少し引いた遠景と接写の使い方が絶妙。「雨」と「雨上がり」の対照的な風景、学校のなかを動きまわるカメラで小松さんを追う絵、ファミレスの裏口まわりの外からの絵、このあたりはテレビドラマではできない映画ならではの風景の美しさ、「学校」や「バイト先」が持つちょっとしたノスタルジーを見事に描いてる。引いた絵が続いた後に、グッと小松さんに寄るカメラ。見てるほうもドギマギしてしまう。それでも、この映画が単なるティーン向け量産型恋愛映画ではないことは、序盤に大泉洋の店長が小松菜奈の「若さ」を見つめる視線を見ればわかる。結局映画は最後まであの視線に同化したまま進んでいき、最後まで見たところで、この映画が描いていたのは女子高生の青春というよりも、まっすぐな「若さ」に対して、かつて若者であった「大人」はどうあるべきかを描く作品であったことがよくわかる。若者ぶるのでもなく、相手の言うことをただ聞くだけでもなく、自分の思う若者像を相手に勝手に期待するわけでもなく、そして自分の「古い」価値観をただ押しつけるのでもなく、若者と関わるとはどういうことかということを、大泉洋演じる店長はさりげなく見せてくれる。ノスタルジックに「美少女」に期待して見ていたら、「大人」としての自分のあり方をグッと突きつけられる、いい作品でした。[インターネット(邦画)] 8点(2020-04-29 09:26:19)

7.  (500)日のサマー 物語内の時間が前後して一回目はちょっと混乱したので(200~300日あたりの前後関係がごっちゃになった)二回見た。完全にトム目線のストーリーなので、後半のサマーの行動はちょっと理解できないものだけど、でもある意味「恋愛」とはそういうもの。自分目線でしか見えない世界で、相手が何を考えているのか、すくない材料から推測して一喜一憂しまくるもの。そういう姿を、あれこれの映像技法で楽しめます。恋愛があれば、人生はミュージカルにだってなるし、都合のいい妄想と現実とのギャップに引き裂かれるときだってある。それを本当に映像にするというアイデアの勝利(まあ、『アニー・ホール』という偉大な先達があるわけですが)。十分おっさんになった今ではやや達観しながら楽しめましたが、たぶんイケてなかった10代~20代の頃にみたら悶絶して即10点付けそうな、愛すべき作品です。[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2014-02-08 02:38:39)(良:1票)

8.  コンテイジョン 《ネタバレ》 ただいま新型コロナウィルスによる自粛期間中です。先月くらいからNetflixがやたら推してくるのに根負けして鑑賞。この、重大な事態を乾いた淡々とした演出で描いていく感じは、『オーシャンズ』シリーズではなく『トラフィック』のほうのソダーバーグ節! 現実とあまりにもオーバーラップし過ぎな展開。とくに、清掃業者が活動できなくなって、ゴミだらけになってしまう住宅街の姿のすさまじいリアリティ。これが9年前の作品だということを考えれば、その考証の確かさの証明でもある。それでも(致死率が違うとはいえ)暴動や略奪はあそこまで酷くないところに、ちょっと現実の人間への「信頼」を取り戻す一方で、どっちかといえば状況を悪化させるほうに作用している現実世界のポピュリスト政治家に絶望的な気分になったり、現実世界でもワクチン開発後の世界がちょっと恐ろしくなったり。それにしても、あの香港レストランでのグウィネス・パルトロウの行動の「何がいけないか」まで、今や観客には手に取るようにわかってしまうのはちょっと苦笑。次々と豪華スターが登場しては、あっさりと退場してしまう展開も豪華というか、ソダーバーグならではという感じで楽しめます。今だからこそ、この冷めた演出が、現実世界のリアリティと響き合って独特な世界を構築しています。あまり期待していなかったけど、やっぱり今見るべき作品。家ごもりのGWにどうぞ。[インターネット(字幕)] 7点(2020-05-03 17:40:02)(良:1票)

9.  哭声/コクソン 《ネタバレ》 もう、舞台となる村の描写だけで素晴らしい韓国映画。『殺人の追憶』を思い出しそうな、なんてことはない田舎のさえない警官たち、村の人たちとのやりとりだけでとても楽しい。ただ、この作品はのんびりした田舎の人情ドラマから始まったと思ったら、猟奇殺人事件サスペンスになり、懐かしいエクソシスト系オカルト映画になり、ゾンビ映画になり、最後には神と悪魔をめぐる宗教映画に・・・。謎のよそ者を演じた國村隼は本当にすばらしい怪演で、序盤の感情を感じさせない無表情から、中盤のいかにもなサイコ犯人風、そして魔女狩りのように村の男たちに追われて逃げ惑う顔、そしてラストのアレ・・・まで、多種多様な顔を見せて私たちを戸惑わせてくれました。そして対峙するクァク・ドウォンの憎めない凡庸な父親。彼は本作中で何度か判断を誤り、ある意味観客を苛つかせる主人公ではあるんだけど、その「小市民」風の造形によって一つ一つの「過ち」にちゃんと説得力を持たせているのが素晴らしい。とくにラストは、彼にとっては地獄のような経験ではあるのだけれど、でも彼はやっぱりあの場にいってあそこで娘と再会できたことで、どこかハッピーエンドのような後味を残してしまったのがすごい。これって、おそらくハリウッド映画では描けない土着的な共同体のなかの家族のかたちなんだろうと思える。同じくらいの年頃の娘がいる自分としては、この映画は序盤からずーーーーっと苦しい展開だったのだけれど、最後の彼の選択は、ある意味「救い」のように感じました。ただ、そういう小市民がどう生きようが、もっと大きな枠組(=宗教?)のなかで、ある種のどうしようもない方向に物語全体が向かっていくという「救いのなさ」も本作の魅力です。全編にちりばめられた謎かけの過剰さはいろんな解釈を生みそうで、正直それに付き合うのもしんどいなあと感じながら見ていたのですが、最終的には、小市民の小さな幸せとそれでもどうしようもない世の中を描いた物語として個人的には楽しめました。[インターネット(字幕)] 7点(2019-01-12 17:00:32)

10.  恋はデジャ・ブ 《ネタバレ》 公開当時から「隠れた名作」扱いされていた記憶があった本作、やっと見ました。2月2日を永遠に繰りかえすというファンタジー的なストーリーながら、そこで描かれるのは1人の人間の人生そのもの。何が人生を豊かにするのか? うまいことやって美女と付き合うこと?お金?名声?芸術? そういうテーマを、アメリカの田舎町のちょっとした1日のなかに落とし込んだ脚本は見事。最初の1日が終わったとき、え?これでどうやって映画にするの?と思ったけど杞憂でした。大きな事件が起こるわけでもなく、淡々と、でもどこか共感できる主人公の試行錯誤ぶりはとっても味がある。まわりを幸せにすることで自分も幸せになる、そういうベタなメッセージでもこういう変化球で伝えられるとジーンとなります。[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2015-02-10 08:55:45)

11.  ゴールデンスランバー(2009) 《ネタバレ》 原作既読。「首相暗殺の犯人に仕立て上げられた男」という古今東西の巻き込まれ型エンターテインメントの典型のような設定なのに、その「真相究明」やら「主人公の逆襲」みたいなところを完全に無視して、ひたすら「逃げる」原作を、きわめて忠実に映像化してます。個人的には、この原作も映画も、サスペンス・アクションというよりも、ロードムービーなんだと思う。そこが原作の味なので、下手なCGで娯楽アクションに改悪されなくてよかった。というか、爆破シーンやラストの花火のお粗末な映像技術を見る限り、そうしてたら悲惨な映画になってただろう。とはいえ、あの宣伝の仕方じゃ壮快なエンタメを期待するなというのも無理な話だし、人間ドラマとして見れば細かい描写よりも「いい話」的な伏線回収のほうに熱心な感じなのもマイナス(これも原作者の悪い癖だと思いますが)。要するに、原作のよいところもイマイチなところも、きちんと映像化した作品ということでしょうか。原作ファンには安心の出来だと思います。[地上波(邦画)] 7点(2011-10-03 06:36:14)

12.  コーダ あいのうた 《ネタバレ》 前評判どおり、気持ちのいい映画でした。予想外にぶち込まれる下ネタの数々もいいスパイスになっています。主人公のエミリア・ジョーンズは、歌唱力的には物足りないと感じる部分もありますが、たいへんな環境のなかでの嫌みにならない健気さは出色の出来でした。オスカー受賞のトロイ・コッツァーはもちろん、実力者マーリー・マトリンもそしてお兄ちゃんもとにかく「家族」の造形と描写が見事で、この人たちのやりとりをずっと見ていたい気持ちになります。北東部地方の漁村の風景も美しい。これだけで映画としては大成功だとは思うのですが、ストーリー、設定、演出の面では違和感も。コンサートの無音シーンはすばらしかったのですが、実はこのときふと「手話しながら歌えばいいんじゃね?」という考えが頭をよぎってしまいました。この思いつきが、この後に尾を引いてしまい、一番感動すべきラストの試験のシーンもやや興ざめに。あと、結局通訳問題は解決してないように見えるのだけれど、どうやって乗り切ったのかわからないところ。たとえば、お母さんがおばちゃんグループに入っていけないところなど、どうやって乗りこえたのか?「障害者(お母さん)の側が心を入れ替えさえすれば、世界は変わる」という話なんだとしたら、障害者の側に困難を乗り越えろと求めているようで、ちょっとそれは違うように思える。バーのお姉ちゃん以外では、筆談すらする気配がない町の人たちにも、心がざわつく。田舎町という設定だから、ということなのかもしれないけど、とにかくいろいろ不自然に見えてしまって、せっかくの物語に入っていけなかった。愛すべき佳作ではありますが、いろいろコンサバな部分も目に付く。それが、オスカー作品賞を導いたのかもしれませんが。[インターネット(字幕)] 6点(2022-09-25 14:58:58)

13.  孤狼の血 《ネタバレ》 これはまさにオールスターヤクザ映画。とくに江口洋介、竹野内豊が対立する組の幹部に扮して暴れているあたりが、今の「日本映画」という感じ。この2人はほかの役者に比べれば、ちょっと無理してる感じもあるし、そもそも2人とも役名ではなく、「江口洋介」「竹野内豊」にしか見えないが(実際、2人の役名は覚えていない)、それはそれでいいのだ。それこそが、日本の娯楽映画だったわけで。一方の物語の主軸は、役所広司と松坂桃李のバディもの。「悪徳警官」に振り回される松坂桃李視線で物語は展開し、最後に彼の「成長」(or転落)を描いて終わるあたりも定型通りだが、それもそれでいい。もちろん、暴力・グロいシーンでも痛い絵は最小限に、濡れ場でも男女の裸も見せず、テレビで流せない卑猥な言葉もサラリと流れていくところに、「メジャー娯楽映画」としてヤクザ映画を再構築しようという白石監督の狙いも感じる。ただ、そうした試みの数々がうまくいっているのかどうかは、うーん、どうだろう。豚糞や真珠などの悪趣味なアイデアに喜べる人たちは、有名俳優の名前で映画館に通う人たちとは違う気がするし、そんな人たちが裸を見せない絡みに満足するとも思えない。結局、雰囲気だけは劇画調ながらあっさり風味のヤクザ映画が、結果的に誰にとってもストライクを外した作品になってしまったように思える。ただ、続編も公開間近ということで、客観的にはその試みはそれなりに成功してるのかもしれない。[インターネット(邦画)] 6点(2021-06-20 10:09:22)

14.  孤高のメス 《ネタバレ》 成島監督、『八日目の蝉』でも押しつけがましくない、いい演出をしてたけど、そのルーツみたいなものが見えてくる1本でした。スーパードクターが主人公の映画ですが、本領は「善良なふつうの人」の描き方。院長先生、手術チームのみなさん、市長とその家族、そしてドナーとその家族。とにかく、主人公2人の周りが暖かく、そういう世界の描き方では邦画ではトップなんじゃないかなと思う。一方で課題は「悪役」。かの映画でもそうでしたが、「悪役」がほんとに魅力がない。生瀬さんだからもってるようなもので、あとの2人の医師はどうしようもない俗物ぶり。タバコぷか~としながら週刊誌記者と会うシーンなんか、いつの時代の映画か、と目を疑いました。とはいえ、主人公2人もすばらしく、牧歌的な社会派という不思議なジャンルを切り開きそうな監督の今後に期待です。[DVD(邦画)] 6点(2012-08-30 16:19:07)(良:1票)

15.  ここは退屈迎えに来て 《ネタバレ》 原作未読。自分は地方出身で東京在住経験もあるので、橋本愛や村上淳あたりの立ち位置は妙によくわかる。なので、車中のサツキと「私」のやりとりは、いつ2人が正面衝突するのかとヒヤヒヤする緊張感があった。時間軸をいじり、登場人物も多いので、オムニバス的にそれぞれの「田舎と都会」や「人気者とフォロワー」の関係性が見えてきて、飽きさせない工夫もあった。そして、登場する若手俳優たちがいちいち上手い。いつもながらの変幻自在門脇麦、ノリの良さゆえに(皆に)軽んじられる柳ゆり菜、田舎社会の「元スター」成田稜のビフォア/アフター、そして実質的な主役といっていい渡辺大知あたりの演技に支えられている。とくにラスト近くの柳ゆり菜のアップのシーンにはこんな顔もできるのかと新鮮な驚きがありました。あえて言えば一番合ってなかったのは橋本愛だったかも。彼女もうまいのだが「東京からの出戻り感」がもう少し欲しかった。一方の演出面では不満もたくさん。中途半端に挿入されるモノローグ。アップの多用し過ぎ。終盤は、演者への嫌がらせかと思うくらい、間の長いアップが多い。俳優の技量でそれぞれちゃんと見られるシーンになっていたけど、全体の配分が考えられておらず、アップの大安売りの感は否めない。あと、音楽の使い方。とくに、自転車でゲーセンへ行く田舎道のシーンの恥ずかしい感じは何だろう。そして、ラストの歌をつなぐシーン。オムニバス的なシーンを一つに結びつけるポール・トーマス・アンダーソン監督『マグノリア』の「wise up」をやりたかったんだと思うけど、この映画では明らかに逆効果。その前の成田稜の「名前なんだっけ?」でそれぞれの物語がやっぱりバラバラだったことが見えた後に、歌のリレーで「妙に気持ちがつながった感」を演出してどうしたいのか、さっぱりわからなくなった。[インターネット(字幕)] 5点(2021-04-02 08:24:32)(良:1票)

16.  コップランド 《ネタバレ》 スタローンの「枯れた」芝居は悪くない。もともとロッキーだってランボー1作目だってどこか社会になじめない不器用で寂しい男はスタローンの得意分野で、この作品でも当たっていたと思う。ただ、問題は全体の構成のちぐはぐさ。汚職警官モノにサスペンスを絡めて捜査官にデニーロと来て「これは掘り出し物かも」と盛り上がったのに、肝心のデニーロは「橋を渡ったら管轄外」といってスタローンを煽るだけ。でもスタローンは、警官の汚職もマレーが生きてることも知ってるので、もうこの時点でサスペンスの面白さは半減。あとは、スタローンがいつ爆発するかを待つだけの展開で、そしてキレて銃ぶっ放して終わり・・・。豪華キャストで「思わぬ佳作」になりかけたのに、良くも悪くも「スタローンもの」としてまとめてしまったのは残念でした。良かったシーンは、冒頭の橋の上の警官と消防隊の喧嘩、レイ・リオッタの曲者ぶり、耳が聞こえない状態でのガンファイトあたりかな。構成や脚本に明らかに難はあるけど、嫌いにはなれないタイプの映画です。[DVD(字幕)] 5点(2016-04-22 09:51:47)

17.  GODZILLA ゴジラ(2014) 《ネタバレ》 総じて残念な感じ。低予算映画のような「煽り→寸止め」の繰り返しで、ひたすらストレスが溜まる。そのうえ、最後の決戦のシーンは暗闇で何がなんだか。さらにドラマ部分も退屈きわまりない。とはいえ、暗闇のなかでチラリと光るモンスターの見せ方、バスから見たゴジラの描き方、人間視点の落下シーンなど、スリルある映像の数々から、この監督の才能も感じたのは確か。ただ、その才能が最もいきるのが、「ゴジラ」であったのかどうかは、やはり疑問だ。[映画館(字幕)] 5点(2014-08-18 12:00:20)(良:1票)

18.  ココ・アヴァン・シャネル 《ネタバレ》 たしか朝ご飯食べながら見ていた『めざましテレビ』で、当時の主流だったコルセットを嫌い、黒い色やボーダー柄を女性ファッションに大胆に取り入れたのがココ・シャネルだったとかいう話が取り上げられていました。映画のなかでは、後年のシャネル・ファッションの原点を描くエピソードがちりばめられているものの、そうした予備知識なしではほとんどわからない程度です。このような知識は、この映画が想定する観客層のあいだでは「常識」なのかもしれませんが、休日に奥さんの付き添いで見ることになった私のような人間にとってはシャネル以前のココという女性の平凡な悲恋物語にしか思えませんでした。物語自体は悪い出来ではないですが、ココ・シャネルという「カリスマ」の半生としては物足りない。最後に突然デザイナーとして成功したココ・シャネルの姿を見せられても、イマイチ盛り上がりません。 ちなみに奥さん(格別シャネル・ファンというわけではない)も「別にシャネルじゃなくてもいいやん」という感想でした。[映画館(字幕)] 5点(2009-10-20 06:17:56)(良:1票)

19.  恋するレシピ ~理想のオトコの作り方~ 私も飛行機の機内で見ました。基本的に「悪人の出てこないラブコメ」というジャンル(?)が嫌いではないので、長旅で疲れているときに、気軽にみるにはいい映画だと思います(余談ですが同じく機内で「シリアナ」みたときは、なんだか疲れが倍増したもので・・・)。マコノヒーつながりで「10日間で男を上手に・・・」とかぶっている感じがして新味はないに等しいですし、結末も最初からわかっているので、サラ・ジェシカ・パーカーのファッションとか、そういうのに興味がなければ、あえて映画館でみるのはおすすめできないかな。日曜の午後にでもテレビで何かしながら見るにはちょうどいいという感じ。[映画館(吹替)] 5点(2006-08-25 08:28:11)

20.  ゴジラ-1.0 《ネタバレ》 アカデミー賞効果で平日朝9時上映の回なのに劇場はほぼ満員。観客も春休み中の学生さんたちからシニアまで幅広い。公開半年過ぎても熱気というか活気がある映画館というのはやっぱりいい。 そして、それなりに日本映画を見てきた自分としては、オスカー受賞の特殊効果はやっぱり映画館で見て良かった。冒頭のジュラシック・パークもどきに「大丈夫か?」と心配になるも、巨大化した後の「見上げるショット」がものすごく効果的で、そして満を持しての「熱線」炸裂、そしてその爆風。かつて何度「ハリウッド顔負け」といううたい文句の日本製VFXにがっかりさせられてきたか。それが、今回はなんとオスカー視覚効果賞ですよ。なんと痛快なことか。 ただ、懸念だったドラマ部分はやっぱり自分はダメでした。「しゃべりすぎ」は山崎監督作品なので、やっぱりといったところでしたが、今作の主要人物「死ななさすぎ」はかなり気になりました。「生きろ」が本作のメッセージなんだとしても、「生きろ」と願った人は「死なない」というのは本末転倒というか。人ってほんとうに簡単に死んじゃうんです。びっくりするくらい簡単に。それを学んだのが戦時中の日本だったと思うし、震災を何度も経験した今の日本もそうでしょう。なのに、今作の主要人物は「死なない」。島で海で目の前でゴジラに遭遇しても、電車で宙づりになって落下しても、爆風に吹き飛ばされても、放射能を大量に浴びても、死なない。死ぬのは名無しのモブキャラばっかり。そんな設定のなかで「生きろ」って言われたって・・・・。主人公もその仲間もモブキャラも、みんな等しく生きて死ぬんです。その緊張感を欠いたまま、言葉ばかりが上滑りのまま語られる「命」の物語のどこに感動しろというのか。 あと連合軍占領期という時代設定がまったく生きていないのが残念。「国家主権がない」ってどういうことか。じゃあ「民間でやればいい」という単純な話ではないはず。でも「核」に頼らない「わだつみ」作戦のアイデアは評価したい。[映画館(邦画)] 4点(2024-03-19 16:38:13)(良:1票) 《改行有》

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